2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 一戸建てを丸ごとリフォームすると、全部でいくらかかるの?
- 内装だけ直すのと、骨組みまで戻すのとでは、どれくらい違うの?
- 業者によって「フルリフォーム」の見積の中身がばらばらで、比べられない
- 古い家だと、壁や床を開けてから追加費用が出るって本当?
- 耐震や断熱は、どこまでやればいいの?
- フルリフォームに使える国の補助金は、いくらで、重ねて使えるの?
- 建て替えたほうが安いのでは、と言われて迷っている
上記のような悩みに答えます。
戸建てのフルリフォームは、同じ「家を丸ごと直す」でも、内装と設備を新しくする工事から、柱と梁だけを残して骨組みまで戻すスケルトンリフォームまで幅があり、どこまでを含めるかは業者ごとに違います。検索で上位に並ぶのは施工会社やリノベーション会社の事例価格と、範囲別・坪数別の金額表で、AI要約も金額の幅を出して終わります。ただ、手元の見積をどう分ければ他社と比べられるのか、築年数のたった家で開けてから増える工事を契約の前にどう扱うか、2025年4月から変わった確認申請のこと、国の補助を同じ窓で二重に数えないことまでは書かれていません。そこで、範囲ごとの工事の中身・築年で増える工事・見積の行という基本を押さえたうえで、確認申請の要否と、国の3つの事業の組み立て方、建て替えと比べる前の土地の確かめ方まで、国土交通省の資料と建築基準法の条文、みらいエコ住宅2026事業の要件書で確かめながら整理しました。
戸建てのフルリフォーム費用は「どこまで直すか(内装中心・水回りまとめ・骨組みまで戻すスケルトン)」でまず決まり、そこに築年で増える耐震・断熱・配管・雨漏りの工事が足されます。業者ごとに範囲が違うので総額では比べず、範囲をそろえて、共通の費用と範囲ごとの行に分けた見積を取るのが確かです。国の補助は窓と断熱の工事を起点に、みらいエコ住宅2026事業(上限は新築の時期と改修後の性能で40万〜100万円)と先進的窓リノベ2026事業(上限100万円)、給湯省エネ2026事業を組み立てますが、同じ窓を二重には申請できず、窓リノベは2026年12月31日までに工事を終える必要があります。これから大きく直す家は、今年度の枠を前提にしないで見積を比べます。
窓や給湯器の工事を組み合わせたときに国の事業でいくら戻るかは、補助金の計算ツールで確かめられます。

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
戸建てのフルリフォーム費用は範囲で決まる

戸建てのフルリフォームの費用は、どこまで直すかでまず決まります。内装と設備を新しくするのか、水回りを全部まとめて入れ替えるのか、床・壁・天井をはがして骨組みまで戻すのかで、工事の中身そのものが変わるからです。「フルリフォーム」「全面リフォーム」「リノベーション」という呼び方には決まった定義がなく、同じ言葉で業者ごとに違う範囲を指していることがあります。
範囲が広がると、費用は単に面積に比例して増えるのではなく、工事の種類が足されていきます。内装中心なら仕上げ材と建具の交換が中心ですが、水回りをまとめると給排水の配管と床下の工事が加わり、スケルトンまで戻すと解体と廃材の処分、構造の補強、断熱材、電気の配線まで全部やり直すことになります。工事中に住み続けられるかどうかも、範囲で変わります。
| 範囲 | 主な工事 | 費用が増えやすいところ |
|---|---|---|
| 内装中心 | 床・壁・天井の張り替え、建具、照明 | 部屋の数、床の下地の傷み |
| 水回りまとめ | 浴室・キッチン・トイレ・洗面の入れ替えと配管 | 配管の更新、位置の移動、床下の補修 |
| スケルトン | 骨組みまで解体し、構造・断熱・配管・配線・内装をやり直す | 構造の補強、断熱、仮住まい、確認申請と設計 |
| 外まわり(組み合わせ) | 屋根・外壁・窓・玄関ドア | 足場、雨漏りの補修、窓の数 |
たとえば、子どもが独立したあとの2階建てで、1階の水回りと内装だけを新しくする場合は、水回りの入れ替えと内装が費用の中心で、2階はほとんど触りません。一方、相続した古い家を、間取りを変えて断熱と耐震もやり直してから住むという場合は、スケルトンに近い工事になり、解体・補強・断熱・設計の行が費用の大きな部分を占めます。同じ「一軒家のフルリフォーム」でも、お金がかかる場所がまったく違います。
まずは、自分の家でやりたいことが表のどの行に当たるかを家族で決めてください。範囲が決まらないまま見積を取ると、業者ごとに違う範囲の金額が届き、高い・安いの比べようがなくなります。水回りを2か所以上同時に直すかどうかの判断は、別の記事でまとめています。

フルリフォームの見積は範囲ごとに分ける
フルリフォームの見積は、範囲をそろえたうえで、共通の費用と範囲ごとの行に分けて出してもらうのが確かです。総額の1行や「全面改装一式」だけでは、何が入っていて何が入っていないのかが分からず、業者どうしでも、自分の予算とも比べられないからです。
家を丸ごと直す工事では、足場・養生・仮設のトイレや電気・廃材の運搬と処分・現場管理といった、家全体にかかる共通の費用が大きくなります。この共通の費用が、範囲ごとの工事の中に混ざって書かれていると、「水回りだけにしたらいくら下がるか」が見えません。共通の費用を別にしてもらい、そのうえで内装・水回り・外まわり・構造と断熱のように範囲ごとに行を分けてもらうと、予算に合わせて範囲を足し引きできます。
- 範囲(どの部屋・どの設備・どこまで解体するか)を図面か間取り図に書いて、全社に同じものを渡す
- 共通の費用(足場・養生・仮設・処分・現場管理・諸経費)を別の行にしてもらう
- 範囲ごと(内装・水回り・外まわり・構造と断熱)の小計を出してもらう
- 設計費・確認申請の費用・仮住まいと引っ越しが入っているかを書いてもらう
- 開けてから見つかる工事の単価と、どこまでを含むかを書いてもらう
たとえば、A社は「全面リフォーム一式」の1行、B社は共通の費用と5つの範囲に分けた見積だったとします。A社のほうが安く見えても、A社だけ設計費と仮住まいが別、外壁は含まず、という違いがあれば、比べているのは同じ工事ではありません。A社にもB社と同じ分け方で書き直してもらうと、差がどの範囲にあるのかが見えます。予算を超えていたら、範囲ごとの小計を見て「外まわりは次の機会に」と外す判断もできるようになります。
相見積の頼み方や、条件書のつくり方は別の記事で詳しく扱っています。

範囲を書いた紙を先につくり、それを全社に渡してから見積を頼んでください。紙が1枚あるだけで、届いた見積の差が「業者の値段の差」なのか「範囲の差」なのかを切り分けられ、家族にも説明しやすくなります。
築年数で増える費用は開けてから決まる
築年数のたった戸建てでは、耐震・断熱・配管・雨漏りの4つの工事が、壁や床を開けてから増えることがあります。柱や土台の傷み、壁の中の断熱材の有無、床下の配管の状態、雨水の染み込みは、仕上げをはがすまで正確には分からないからです。
古い家ほど、建てたときの基準と今の暮らし方の差が大きくなります。断熱材が入っていない、あるいは薄い壁や天井は珍しくなく、給水管や排水管も当時の材料のままのことがあります。屋根や外壁の継ぎ目から長年雨水が回っていると、見えない場所で柱や土台が傷んでいることもあります。スケルトンまで戻す工事は、こうした場所を一度に直せる機会である一方、見つかった分だけ費用が足されます。
- 1解体して骨組みを見る柱・梁・土台の傷みと、雨水の跡を確かめる
- 2構造を補う傷んだ材の交換と、耐震の補強
- 3断熱を入れる壁・床・天井の断熱材と、窓の断熱
- 4配管と配線を替える給水・給湯・排水の管、電気の配線
- 5仕上げる内装・建具・設備を取り付ける
追加になりやすいのは、土台と柱の交換、耐震の補強、断熱材、配管の4つです。契約の前に「見つかったら、何をどこまで、どの単価でやるか」と「追加の上限をいくらにするか」を書面で決めておくと、工事が止まって追加の見積を待つことがなくなります。雨漏りの跡があるなら、原因が屋根なのか外壁なのか窓まわりなのかを先に調べてもらうことが大切です。原因を直さずに内装だけ新しくすると、また同じ場所が傷みます。
たとえば、昭和の終わりごろに建てた木造の家で、浴室の床下を開けたら土台が湿気で傷んでいた、ということがあります。契約に補修の扱いが書かれていれば、その場で範囲と単価を確かめて進められます。反対に、内装中心の工事で床下を開けない計画なら、配管の古さは見積に出てきません。そのときは「今回は配管を替えない」ことを家族で納得したうえで決めます。雨漏りの原因の探し方と、屋根の直し方は別の記事にあります。


築年数のたった家の見積では、総額の大きさより「開けたあとの扱い」が書かれているかを見てください。耐震・断熱・配管・雨漏りの4つについて、入っている・見つかったら追加・入っていないを印で付けると、各社の見積が同じ前提に立っているかが分かります。
古い戸建ては耐震の確かめ方から

フルリフォームを考えている家が古い木造住宅なら、内装や設備を決める前に、建てた時期で耐震の確かめ方を決めるのが先です。耐震の補強は柱や壁、基礎に手を入れる工事なので、内装を仕上げたあとからでは、せっかく張った壁や床をもう一度はがすことになるからです。
国土交通省は、昭和56年5月以前に建てられた建物は、耐震基準が強化される前の「旧耐震基準」で建てられているとしています。さらに、それ以降の新しい基準(新耐震基準)で建てた木造住宅でも、昭和56年6月から平成12年5月に建てた在来軸組構法の平家建て・2階建ては、柱と梁の接合部の仕様などが細かく決められていなかったため、リフォームなどの機会に耐震性能を確かめる方法が用意されています。まず所有者やリフォーム業者でも使えるチェック項目で確かめ、それで判断できなければ専門家が図面や写真から確かめる、という順番です。
| 建てた時期(木造・在来軸組構法) | 確かめ方 |
|---|---|
| 昭和56年5月以前 | 旧耐震基準。専門家による耐震診断から始める |
| 昭和56年6月〜平成12年5月 | 新耐震基準だが接合部の確認が要る(国の検証法の対象は、基礎がコンクリート造の在来軸組構法の平家建て・2階建て)。所有者等による検証→専門家による検証 |
| 平成12年6月以降 | 国の検証法の対象外。編集部の目安として、建てたときの図面と、劣化や雨漏りの有無を確かめる |
耐震診断や耐震改修には、国と地方公共団体が協力して支援制度を設けていますが、対象の建物や補助の額、申し込みの時期は市区町村の要綱で決まり、この記事では金額を扱いません。国のみらいエコ住宅2026事業の補助対象工事のカテゴリーにも、耐震改修は入っていません。住所で探し、要綱で確かめる手順は別の記事にあります。

たとえば、建てた時期が昭和56年5月以前の家なら、フルリフォームの見積を取る前に耐震診断を受け、補強が要る壁の位置を知ってから間取りを決めます。壁を抜いて広いリビングにしたいという希望も、補強が要る壁の位置によっては形を変える必要が出てきます。建てた時期が分からないときは、登記事項証明書や建築確認の書類、固定資産税の課税明細で確かめます。
耐震は「やるかやらないか」より先に、「いつ確かめるか」を決める工事です。間取りと内装を決める前に確かめておけば、補強と仕上げを1回の工事で済ませられます。どこまで補強するかは、診断をした建築士の判断と、家族の予算と、あと何年住むかで決めてください。
出典:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」/国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法について」
大規模なフルリフォームは確認申請が要る
木造2階建ての戸建てで、柱・梁・床・壁・屋根・階段などの主要構造部を大きく直すフルリフォームは、2025年4月以降に着手するものから、工事の前に建築確認の手続きが必要になりました。建築基準法とあわせて省エネに関する法律が改正され、それまで手続きが要らなかった木造2階建てなどの大規模なリフォームが、確認の対象に入ったからです。
国土交通省の案内では、大規模なリフォームを「主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根または階段)の一種以上について行う過半の改修等」と説明しています。階段の架け替えや屋根の全面的な改修は当たり、屋根や壁の仕上げ材だけの改修は当たりません。キッチン・トイレ・浴室などの水回りのリフォームや、手すり・スロープの取り付けは手続きが要りません(工事内容によっては当たる場合があります)。木造の平家建てでは、延べ面積が200平方メートル以下なら大規模なリフォームの確認は不要、200平方メートルを超えると必要です。
- 木造2階建てなどで骨組みまで戻すスケルトンリフォームは、主要構造部の過半に手を入れる計画なら、確認が要る工事に当たる(木造平家建てで延べ面積200平方メートル以下なら対象外)
- 確認は工事に着手する前に終える。確認済証が出るまで工事は始められない
- 今の法律に合っていない箇所があれば、合わせる工事が別に要る場合がある
- 延べ面積が100平方メートルを超える家の大規模なリフォームは、建築士の設計と工事監理が要る(都道府県が別に定めている場合がある)
- 当たるかどうか迷う工事は、建築主事か指定確認検査機関に相談する
たとえば、2階建ての木造住宅で、階段を架け替えて位置を変え、屋根も全面的に改修する計画なら、大規模なリフォームに当たり、確認の手続きと建築士の設計が見積に入ってきます。反対に、仕上げ材の張り替えと水回りの入れ替えが中心なら、手続きは要らないことが多くなります。
フルリフォームの相談では、最初に「この計画は確認申請が要る工事ですか」と業者に聞き、要るなら設計・申請の費用と期間が見積と工程表に入っているかを確かめてください。要るのに入っていない見積は、あとから費用と日程が動きます。
出典:国土交通省「国土交通省からのお知らせ」(大規模なリフォームの建築確認)/建築基準法(e-Gov法令検索)
フルリフォームの見積書で確かめる行

フルリフォームの見積書は、総額ではなく、決まった行がそろっているかで比べるのが確かです。家を丸ごと直す工事は行の数が多く、どこか1つの行が抜けているだけで、あとから大きな追加になるからです。
とくに抜けやすいのは、工事そのものではない費用です。設計費や確認申請の費用、仮住まいと引っ越し、工事中の荷物の保管、古い設備や家具の処分は、見積の外に置かれていることがあります。開けてから見つかる工事の扱いと、補助金を使う計画なら補助の対象になる行も、印を付けてもらう価値があります。
- 範囲(部屋・設備・解体の深さ)が図面か一覧で添えられている
- 共通の費用(足場・養生・仮設・処分・現場管理・諸経費)が別の行になっている
- 範囲ごとの小計(内装・水回り・外まわり・構造と断熱)が出ている
- 開けてから見つかる工事の単価と、追加の上限が書かれている
- 設計費・確認申請の費用・仮住まいと引っ越しの扱いが書かれている
- 補助金の対象と見込む窓・断熱・給湯器の行に印があり、申請する事業者が書かれている
たとえば、2社の見積の総額がほとんど同じでも、A社は6つの行がそろい、B社は4と5が書かれていない、ということがあります。この場合、工事が始まってからの追加と仮住まいの費用を考えると、B社の実際の負担は大きくなりかねません。行がそろっていない業者には、同じ6行で書き直してもらってから比べます。補助金は施主ではなく契約した事業者が申請するので、6の行は「どの事業に、誰が、いつ申請するか」まで聞いておくと話が早くなります。
見積を受け取ったら、上の6行に「入っている・別途・書いていない」の印を付け、書いていない行を書いてもらうところから始めてください。行がそろってから比べれば、値引きの交渉より先に、どの業者が自分の家の工事を正しく見ているかが分かります。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
戸建てのフルリフォームは、残す部分と替える部分、耐震や断熱、配管の範囲の決め方で、会社ごとに見積の中身が大きく変わります。同じ範囲と同じ条件を伝えて、複数の会社に行を分けた見積を出してもらうと差が見えます。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえる無料のサービスもあります。
フルリフォームの補助金は窓と断熱から
フルリフォームで国の補助を使うなら、窓と断熱の工事を起点に、みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業の3つを組み立てて考えるのが確かです。3つの事業は住宅省エネ2026キャンペーンとしてまとめて運用されていて、どれも窓や断熱、給湯器などの省エネの工事にお金を出す仕組みだからです。
みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、登記で確かめられる新築の日付が平成28年12月31日以前の住宅で、「要件化工事」をしたうえで行う工事が対象です。要件化工事は、外皮に面する開口部がある任意の1つの居室(トリガールーム)で、そこにある外皮に面したすべての開口部を2025年11月28日以降に断熱改修し、窓の性能に応じた組み合わせで躯体(外壁・屋根や天井・床)の断熱改修もする工事です。浴室・洗面所・トイレ・廊下・階段などは居室と認められないので、トリガールームになれません。
| 新築の時期と改修後の性能 | 窓の最低性能区分ごとの躯体の断熱改修 | 1戸あたりの上限 |
|---|---|---|
| 平成4年〜平成28年・義務基準 | P・S=不要/A=1部位/B・C=2部位(高効率給湯器か高効率エアコンも必要) | 80万円 |
| 平成4年〜平成28年・次世代省エネ基準 | P・S=不要/A=1部位/B・C=2部位 | 40万円 |
| 平成3年以前・義務基準 | P=不要/S=1部位/A=2部位/B・C=3部位(高効率給湯器か高効率エアコンも必要) | 100万円 |
| 平成3年以前・次世代省エネ基準 | P=不要/S=1部位/A=2部位/B・C=3部位 | 50万円 |
スケルトンに近いフルリフォームは、壁・床・天井を開けるので、躯体の断熱改修を組み合わせやすい工事です。一方で、組み立てるときに外せない決まりが3つあります。1つ目は、先進的窓リノベ2026事業に申請した窓は、みらいエコ住宅2026事業の要件化工事をしたものとして扱えますが、その窓をみらいエコ住宅2026事業の補助対象工事として二重に申請することはできないことです。2つ目は、給湯省エネ2026事業の交付決定を受けた給湯器は、義務基準に必要な高効率給湯器の設置として扱えることです。3つ目は、みらいエコ住宅2026事業は申請する補助額の合計が5万円以上でないと申請できず、他の事業の交付決定を受けていれば2万円まで下がることです。
先進的窓リノベ2026事業は1戸あたりの上限が100万円で、申請する補助額の合計が5万円に届かないと申請できません。給湯省エネ2026事業は、エコキュートが1台あたり基本額7万円、ハイブリッド給湯機が10万円で、戸建てはいずれか2台までです。どの事業も、申請するのは施主ではなく、工事の契約をした登録事業者です。
- 1新築の時期を登記で確かめる平成28年12月31日以前か、平成3年以前か
- 2トリガールームを1部屋決める外皮に面したすべての開口部を断熱改修する
- 3窓の性能で躯体の部位数を決める外壁・屋根や天井・床から必要な部位数
- 4給湯器かエアコンを足すか決める義務基準にするなら必要
- 5事業ごとの申請を事業者と決める同じ窓を二重に数えない
たとえば、平成3年以前に建てた家で、リビングをトリガールームにしてその部屋の窓をすべて性能の高い窓に替え、床と天井の断熱もする計画なら、義務基準に合わせるために高効率給湯器か高効率エアコンも入れれば、みらいエコ住宅2026事業の上限は100万円の区分になります。リビングの窓を先進的窓リノベ2026事業で申請するなら、その窓はみらいエコ住宅2026事業の要件化工事として使えますが、みらいエコ住宅2026事業の補助額には入れられません。窓の補助額の目安と、窓の申請の手順、給湯器の補助額は別の記事にあります。



国の補助は、上限の大きい事業を探すより、「どの部屋をトリガールームにして、どの窓をどの事業で申請するか」を事業者と一枚の紙にまとめるところから始めてください。二世帯で住む家を直す場合の申請の考え方は、別の記事でまとめています。

出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/みらいエコ住宅2026事業 公式/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/先進的窓リノベ2026事業 公式/給湯省エネ2026事業 公式
建て替えと比べる前に土地を確かめる
フルリフォームと建て替えを比べるときは、費用の前に、その土地で建て替えができるかを確かめるのが先です。建築基準法では、都市計画区域などの区域内で、建物の敷地は道路に2メートル以上接していなければならず、この条件を満たさない土地では、原則として新しく建てることができないからです。
建築基準法でいう道路は、原則として幅員4メートル以上のものです。この規定が適用された時点ですでに建物が立ち並んでいた幅員4メートル未満の道で、特定行政庁(市や県の建築の担当)が指定したものは道路とみなされますが、その場合は原則として道の中心線から2メートルの線が道路の境界とみなされます(崖地や川に沿う道など、扱いが変わる場合があります)。つまり、前の道が狭い家では、建て替えのときに敷地の一部が道路として扱われ、建てられる部分が狭くなることがあります。敷地が道路に2メートル以上接していなくても、特定行政庁の認定や、建築審査会の同意を得た許可を受けて建てられる例外はありますが、どちらも役所の判断です。
比べるときの物差しは、土地の条件のほかに、骨組みの状態、住みたい年数、工事中の暮らしの3つです。骨組みが傷んでいて、耐震の補強と断熱で大半をやり直すことになるなら、建て替えとの差は小さくなります。骨組みがしっかりしていて、間取りも大きく変えないなら、フルリフォームのほうが既にある部分を生かせます。どちらも、解体の量・仮住まい・設計と手続きの期間が見積に入っているかで比べます。
たとえば、相続した家の前の道が車1台がやっと通れる幅だったとします。建て替えの見積を取る前に、市の建築指導の担当課でその道が建築基準法の道路として扱われているか、敷地がどれだけ接しているかを確かめると、建て替えた場合に建てられる大きさが分かります。中古の戸建てを買ってリノベーションする場合も、契約の前に同じことを確かめておけば、将来の建て替えや売却で困るかどうかが分かります。建て替えができない土地で大規模なリフォームを考えるときは、確認申請が要るか、要るならどの規定に合わせる必要があるかを、建築士と役所に先に確かめてください。
建て替えとの比較は、「どちらが安いか」より先に「この土地で何ができるか」を役所で確かめるところから始めます。土地の条件が分かれば、比べる見積の範囲もそろえられます。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
フルリフォームでは、補助金を待つことや、補助金を使うために工事を足すことが、かえって損になる場面があります。次のような場合は、補助金を使わない、あるいは契約を急がない判断も選択肢です。
- これから設計を始める大きな工事なのに、今年度の補助を前提に契約を急かされている場合
- 補助の要件に合わせるためだけに、予定していなかった窓や断熱の工事を足そうとしている場合
- 耐震診断や確認申請の要否を確かめる前に、内装の仕様だけを先に決めようとしている場合
- 建て替えができる土地かどうかを確かめないまま、フルリフォームの契約を結ぼうとしている場合
- 雨漏りや床の沈みがあり、補助の準備を待つと傷みが広がる場合
先進的窓リノベ2026事業は、工事の完了が2026年12月31日までで、交付申請はすべての工事が終わってから行います。工事に着手したあとに交付申請の予約もできますが、予約の受付は遅くとも2026年11月16日まで(予定)です。みらいエコ住宅2026事業のリフォームも、受付は予算の上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)です。設計や確認申請から始めるフルリフォームは、この期限の中で工事を終えにくいので、今年度の補助を前提にした計画は慎重に考えます。予算の状況はページ上部の帯で確かめてください。
反対に、急いだほうがいいのは、雨漏りの跡が広がっている、床が沈む、壁の中が湿っているといった兆しがある場合です。放っておくと柱や土台の傷みが広がり、補助で戻る額より工事の増える額のほうが大きくなりかねません。そのときは、補助金より傷んだ場所の工事を先に決め、全体のフルリフォームはそのあとで落ち着いて計画します。
高齢の家族と住むためのフルリフォームなら、手すりや段差の工事に介護保険や控除が使えることがあります。工事の前に申請が要るものもあるので、バリアフリーの記事で順番を確かめてください。

判断の順番は「直す理由と範囲が決まっているか」「土地と骨組みと手続きを確かめたか」「そのうえで補助金が使えるか」です。補助金は3番目で、1番目と2番目を曲げてまで合わせるものではありません。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式/みらいエコ住宅2026事業 公式
よくある質問
フルリフォームと建て替え、どちらが安いですか?
骨組みの状態と土地の条件で答えが変わるので、どちらが安いと一律には言えません。骨組みがしっかりしていて間取りも大きく変えないなら、フルリフォームのほうが既にある部分を生かせます。耐震と断熱で大半をやり直すなら差は小さくなるので、建て替えができる土地かを役所で確かめてから、同じ範囲で両方の見積を取って比べてください。
予算が決まっているとき、フルリフォームでどこまでできますか?
まず内装中心・水回りまとめ・スケルトンのどの範囲にするかを決め、共通の費用と範囲ごとの小計に分けた見積を取ると、予算に合わせて範囲を足し引きできます。耐震の補強や雨漏りの補修など、あとからやり直しになる工事は削らずに残し、内装の仕様や外まわりで調整するのが確かです。削ってよい行かどうかは、理由とあわせて業者に聞いてから決めます。
住みながらフルリフォームできますか?
内装中心や水回りの工事なら、部屋ごとに順番に進めて住みながら工事することもできます。骨組みまで戻すスケルトンリフォームでは、家全体の床や壁をはがすので、仮住まいが要ることが多くなります。仮住まいと引っ越しの費用が見積に入っているか、工程表でいつからいつまで家を空けるのかを確かめてください。
中古の戸建てを買ってリノベーションするときの注意は?
購入の契約の前に、建てた時期(耐震の確かめ方が変わる)、敷地が道路に2メートル以上接しているか、雨漏りや床下の傷みがないかを確かめておくと、リノベーションの費用が読みやすくなります。みらいエコ住宅2026事業の対象かどうかは、登記に書かれた新築の日付が平成28年12月31日以前かで決まります。購入とリフォームの順番や申請の手順は、登録事業者に確かめてください。
雨漏りの跡がある家でも、フルリフォームで直りますか?
内装を新しくするだけでは、雨漏りは直りません。原因が屋根なのか外壁なのか窓まわりなのかを先に調べ、原因の場所を直したうえで、傷んだ柱や下地を補修してから仕上げる順番が必要です。見積に、雨漏りの調査と原因の補修の行が入っているかを確かめてください。
国の補助金は重ねて使えますか?
みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業は、同じ家の工事で組み合わせて使えますが、同じ窓を二重に申請することはできません。先進的窓リノベ2026事業に申請した窓は、みらいエコ住宅2026事業の要件化工事として扱えるだけで、補助額には入りません。どの工事をどの事業で申請するかは、申請する事業者と一枚の紙にまとめておきます。
見積を見る前のおさらい
- 戸建てのフルリフォーム費用は、内装中心・水回りまとめ・スケルトンのどこまで直すかでまず決まる
- 見積は範囲を書いた紙を全社に渡し、共通の費用と範囲ごとの小計に分けて取る
- 築年数のたった家は耐震・断熱・配管・雨漏りが開けてから増える。単価と上限を契約の前に書面で
- 古い木造住宅は、昭和56年5月以前か、昭和56年6月〜平成12年5月かで耐震の確かめ方が違う。間取りより先に確かめる
- 木造2階建てなどで主要構造部の過半を直す工事は、2025年4月以降は着手前の確認申請が要る
- 見積書は範囲・共通の費用・小計・開けてからの扱い・設計と仮住まい・補助の印の6行で比べる
- 国の補助は窓と断熱を起点に3事業を組み立てる。上限はみらいエコ住宅2026が40万〜100万円、窓リノベが100万円。同じ窓は二重に数えない
- 建て替えと比べる前に、敷地が道路に2メートル以上接しているか、前の道が幅員4メートル以上かを役所で確かめる
- 窓リノベは2026年12月31日までの工事完了が条件。これから設計する大きな工事は、今年度の枠を前提にしない
戸建てのフルリフォームの見積が妥当かどうかは、総額が相場に入っているかより、範囲がそろっていて、開けてからの扱いと手続きが書かれているかで決まります。範囲を書いた紙を先につくり、耐震と土地を確かめ、補助は条件を満たしたときだけ最後に足す。この順番で比べれば、家族にも「この家をここまで直すから、この金額」と説明でき、建て替えと迷ったときも同じ物差しで選べます。

