2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- うちの市に、太陽光や蓄電池の補助金はあるの?
- 一覧サイトに載っている金額は、今年度のもの?
- 市のホームページのどこを見ればいいのか分からない
- 蓄電池とセットで付けないと補助が出ないって本当?
- もう契約してしまったけれど、今から申請できる?
- 県の補助と市の補助は、両方もらえるの?
- 国の補助と市の補助は、一緒に使える?
- 業者に「市の補助で安くなります」と言われたけれど、どこまで信じていい?
上記のような悩みに答えます。
市区町村の太陽光・蓄電池の補助金は、住んでいる市区町村や都道府県が、それぞれの年度の予算で設けている制度です。検索すると自治体別の一覧サイトが上位に並びますが、一覧に載る金額がいつの年度のものかは分かりにくく、自分の家がその制度の「どの行で外れるか」までは書かれていません。太陽光と蓄電池の補助は、リフォームの補助よりも、同時に付けるか、電気を売るか、リースか、どの順番で申請するか、といった条件で結論が分かれやすいのに、そこが一覧の表からは見えないのです。そこで、公式ページの探し方を押さえたうえで、要綱で見る行、申請の型の違い、県と市と国の補助の重なり方まで、京都府・仙台市・川崎市・福岡市・札幌市の公式ページを実際に開いて確かめた例で整理しました。どの市の額もここでは書きません。額は毎年度変わり、公式ページで見るのがいちばん確かだからです。
太陽光・蓄電池の補助があるか、いくらか、どんな条件かは、住所と年度で決まります。一覧サイトの金額ではなく、市区町村の公式ページと要綱で今年度の制度を確かめ、とくに「太陽光と蓄電池の同時設置の条件」「売電(FIT)の扱い」「購入かリース・PPAか」「登録された製品と事業者」「交付決定より前に着工していないか」の5つの行を読みます。県や国の補助と一緒に使えるかも、要綱の併用の行で市ごとに決まります。
国の住宅省エネの事業で戻る額は、工事の内容を選ぶと補助金の計算ツールで出せます。市区町村の太陽光・蓄電池の補助は、このサイトでまだ登録できていないので、公式ページで確かめてください。
この記事の数字は2026年度の制度で、2026年10月時点のものです。各市・府の公式ページの内容は2026年10月25日に確かめたものです。
補助があるかは住所と年度で決まる

太陽光・蓄電池の補助は、住所の市区町村と都道府県が、その年度に制度を設けているかどうかで決まります。隣の市にあっても自分の市にあるとは限らず、去年あった制度が今年も同じ形で続いているとも限りません。
そうなるのは、こうした補助が国の住宅省エネの事業とは別に、各自治体が脱炭素や防災の計画に合わせて、その年度の予算で作っているからです。対象の機器も、額の決め方も、申し込みの時期も、自治体ごとに組み立てが違います。確かめた5つの自治体だけを見ても、太陽光と蓄電池の同時設置を条件にする府と市、太陽光は設置が条件で補助は蓄電池などに出す市、太陽光と蓄電池のそれぞれに補助を出す市、と形がばらばらでした。
| 調べる手段 | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| 自治体別の一覧サイト | 制度の名前の手がかり | 今年度の額か、受付が続いているか |
| 市区町村の公式ページ | 今年度の制度の有無・受付の状況 | 細かい対象外の条件(要綱を開くまで) |
| 要綱・申請の手引き | 対象の機器・申請の順番・併用 | 今日の予算の残り(ページか窓口で) |
| 担当課・事務局への電話 | 自分の家と工事が当てはまるか | ― |
一覧サイトを入口に使うのは構いません。ただ、一覧の金額をそのまま見積の計算に入れるのは避けてください。たとえば、一覧で「◯◯市は蓄電池に補助あり」と見つけても、今年度の要綱で太陽光との同時設置が条件になっていれば、太陽光がすでにある家で蓄電池だけを足す工事は外れることがあります。逆に、一覧に載っていない市でも、今年度から制度を始めていることがあります。
迷ったら、まず「今年度の公式ページが見つかるか」だけを確かめてください。見つかれば次は要綱、見つからなければ担当の課に電話、と次の一手が決まります。※お住まいの市区町村で確認してください。
市の公式ページはこの順で探す
太陽光・蓄電池の補助は、住宅の課ではなく、環境や脱炭素、温暖化対策を受け持つ課のページに置かれていることがあります。確かめた例では、仙台市・川崎市・福岡市・札幌市がそうでした。市のサイト内検索で「太陽光 補助」「蓄電池 補助」と入れても見つからないときは、課の名前と言葉を変えて探します。
置き場所がリフォームの補助と違うのは、制度の目的が住宅の改修ではなく、再生可能エネルギーの普及や温室効果ガスを減らすことだからです。確かめた例でも、仙台市は「地球温暖化対策」、福岡市は「脱炭素・温暖化対策」、札幌市は「新エネルギー・省エネルギー」の下にページがありました。申請の窓口が、市の課ではなく委託された補助金の事務局になっている市もあります(仙台市・福岡市の公式ページで確かめた範囲)。
- 1都道府県のページを開く県の補助があるか、市町村が窓口になっていないか
- 2市の環境・脱炭素のページを開く「再エネ」「脱炭素」「ゼロカーボン」の言葉でも探す
- 3今年度の要綱と手引きを開く対象の機器・申請の順番・併用の行を読む
- 4担当課か事務局に電話する受付の状況と、自分の工事が当てはまるか
最初に都道府県のページを見るのには理由があります。京都府の公式ページは、府の補助を市町村と連携して出す仕組みで、府民の申請窓口は各市町村だと書いています。こうした仕組みの府県では、府県のページに市町村ごとの窓口の一覧が載っていることがあり、そこから自分の市の担当にたどり着けます。
市区町村の支援制度をまとめて探すなら、住宅リフォーム推進協議会の支援制度検索サイトも使えます。太陽光や蓄電池の制度がどの支援分類に入っているかは、自治体の登録によって違うことがあるので、分類で絞りすぎずに一覧を見てください。検索サイトの使い方は、リフォーム全般の探し方の記事にまとめています。
たとえば、市の検索で何も出てこない場合でも、県のページに市町村の一覧があり、自分の市の名前の横に窓口の課や電話番号が載っていれば、制度はある前提で電話をかけられます。京都府のページは、受付を始めていない市町村や募集を終えた市町村はホームページが公開されていない場合がある、とも書いています。ページが見つからないことと、制度が無いことは同じではありません。
探すときに控えておきたいのは、制度の正式な名前、担当の課か事務局の名前と電話番号、要綱と手引きのPDFの場所の3つです。この3つがそろえば、業者との話も「どの制度のことか」で食い違わなくなります。
出典:京都府「家庭向け太陽光発電・蓄電設備補助金(令和8年度)」/住宅リフォーム推進協議会「支援制度検索サイト」
太陽光・蓄電池の要綱で見る行
要綱を開いたら、太陽光・蓄電池ならではの行を先に読みます。同じ「補助あり」の制度でも、ここで外れると申請できないからです。
リフォーム全般の補助では、対象の工事や施工業者の所在地が主な関門になります。太陽光・蓄電池の補助では、それに加えて、機器の組み合わせ、作った電気の使い方、機器を誰が持つか、といった、電気の設備ならではの条件が並びます。どれも、自治体が「自分の家で電気を作って使う」ことを広げたい、という目的から来ている条件です。
| 要綱の行 | 確かめること | 確かめた例(公式ページ・2026年10月25日) |
|---|---|---|
| 機器の組み合わせ | 太陽光と蓄電池の同時設置が条件か、片方だけでよいか | 京都府・仙台市は同時に導入する場合のみ/福岡市は太陽光とHEMSの設置が条件で、補助は蓄電池などに出る |
| 売電(FIT)の扱い | FITで売電すると対象外か、区分が分かれるか | 仙台市はFIT売電を行わない方が対象/京都府・川崎市はFITの可否で区分が別 |
| 機器を誰が持つか | 購入した機器だけか、リース・PPAも対象か | 川崎市はPPAやリースなど購入したものでない設備は対象外/札幌市はリース・PPAを別の制度で扱う |
| 製品の登録 | 蓄電池が決められた登録の製品か、新品か | 福岡市はSIIで登録・公表された蓄電システム/川崎市・札幌市は中古品は対象外 |
| 施工する事業者 | 登録制度に登録した事業者の施工が条件か | 川崎市は、太陽光発電設備について「太陽光発電設備普及事業者登録制度」の登録事業者が施工・設置したものが対象(登録は設置完了届の提出までで足りる) |
| 申請する人 | 申請者と契約者・支払う人・受け取る人が同じか | 福岡市は原則として申請者・契約者・支払い者・受領者(電力受給契約者)が同じ |
表の中で、結論をいちばん大きく動かすのは、機器の組み合わせと売電の扱いの2つです。「太陽光だけ」「蓄電池だけ」「両方」のどれを付けるのか、余った電気をFITで売るのか売らないのかで、同じ市の中でも使える区分が変わったり、対象から外れたりします。
仙台市「太陽光発電等導入補助金(既存戸建住宅向け)」(2026年10月25日確認):補助対象者に「新品の太陽光発電システムと蓄電池(太陽光パネル、パワーコンディショナー、蓄電池)を同時に市内の既存戸建住宅に設置する方」「国の固定価格買い取り制度(FIT売電)による売電を行わない方」
たとえば、太陽光がすでに屋根にあって、蓄電池だけを足したい家で考えます。京都府や仙台市のように同時設置を条件にする制度では、蓄電池だけの工事は外れます。一方、札幌市の制度は、蓄電池を既設か新設の太陽光と接続することを条件にしているので、既設の太陽光に足す形でも要件の文言には当てはまりえます。同じ「蓄電池の補助」でも、どちらの書き方かで答えが逆になるのです。
もうひとつ、初期費用をかけないソーラー(PPA)やリースで付ける場合は、機器を誰が持つかの行を真っ先に見てください。購入した設備だけを対象にする市では、リースやPPAの設備は対象になりません。仕組みと買い取りとの比べ方は、別の記事でまとめています。
要綱を読むときは、この6つの行の横に「当てはまる」「外れる」「分からない」を書き込んでください。「分からない」が残った行が、業者と市に聞く中身になります。蓄電池の製品の登録は型番で決まるので、見積に型番が書かれているかも一緒に見ておくと、あとの確認が早く進みます。
出典:仙台市「太陽光発電等導入補助金(既存戸建住宅向け)」/川崎市「太陽光発電設備等設置費補助金」/福岡市「住宅用エネルギーシステム導入支援事業」/札幌市「再エネ省エネ機器導入補助金制度」
着工の前に申請する型と募集の回に申し込む型
太陽光・蓄電池の補助は、申請の順番で大きく2つの型に分かれます。交付の決定を受けてから工事に着手する型と、募集の回に申し込み、設置後に完了届を出す型です。どちらの型かを知らずに契約や工事を進めると、条件を満たしていても補助を受けられなくなります。
確かめた例では、仙台市・川崎市・福岡市が前者の型で、交付の決定より前に設置工事を始めると補助を受けられない、と公式ページに書いています。仙台市は契約前でも申請でき、契約前に申請した場合は交付決定のあとに契約・着工するよう案内しています。
- 見積をもらい、市か事務局に交付申請
- 交付決定の通知を待つ
- 通知のあとに設置工事に着手
- 工事のあとに実績報告・完了届
- 対象機器(2026年2月7日以降に取得したもの)を確かめる。取得は申込みの前でも後でもよい
- 募集の回に申込書を出す
- 応募額が予算を超えた回だけ抽選(超えなければ全員が補助金受領予定者)
- 設置後の完了届を期限までに出す
札幌市の再エネ省エネ機器導入補助金は、もう一方の型の例です。年度の中で決められた日以降に取得した機器が対象で、募集の回ごとに申込書を出し、応募額が予算額を超えた回だけ抽選で受け取る人を決め、設置後に完了届を出す流れになっています。
- 札幌市「再エネ省エネ機器導入補助金制度」(2026年10月25日確認):「補助金の対象となる機器は、2026年2月7日以降に補助金申請者が取得(機器設置業者、又は販売店から引き渡される)する機器」「第2回:2026年9月1日~11月4日(抽選予定日:11月18日)」「応募額が予算額を超過した場合のみ、抽選にて補助金交付予定者を決定します」
- 仙台市「太陽光発電等導入補助金(既存戸建住宅向け)」(同日確認):「交付申請期間(設置工事前)令和8年5月1日から12月15日(必着)」「交付決定通知を受ける前に設備の設置工事を行うと、補助を受けられなくなります」
たとえば、秋に業者から「年内に工事できます」と言われた場合、着工の前に申請する型の市では、申請してから交付決定が届くまでの日数を工事の日程に入れる必要があります。仙台市の公式ページは、交付決定のあとに着工が必要なので工事予定日に余裕を持つよう書いています。募集の回に申し込む型の市では、機器の取得日が対象の期間に入っているか、申し込む回がまだ締め切られていないかが要になります。
業者に頼む前に、「この市の制度は、交付決定の前に着工してはいけない型か」を一言確かめておくと、順番の取り違えはほぼ防げます。申請の手続きは、仙台市や川崎市のように設置工事の事業者に代行や委任を頼める市もありますが、補助を受け取るのは施主なので、交付決定の通知が届いたかは自分でも確かめてください。
出典:札幌市「再エネ省エネ機器導入補助金制度」/仙台市「太陽光発電等導入補助金(既存戸建住宅向け)」/川崎市「申請の手引き~個人住宅編~」p.2・p.6
県と市の補助はどう重なるか
県と市の補助の重なり方は、県の補助を市町村がまとめて出す型と、県と市がそれぞれ別に出す型で違います。「県と市の両方からもらえる」と聞いたら、まずどちらの型かを確かめてください。
まとめて出す型の例が京都府です。京都府の公式ページは、府の補助額と市町村の補助額を合わせた金額が各市町村から交付される、と書き、市町村の補助金と別に府から交付されるものではないと念を押しています。この型では、市町村から届く1つの補助の中に府の分が入っているので、府にも別に申請して2回受け取る、ということにはなりません。
一方、県と市がそれぞれ別に出す型では、県の補助の申請先と条件は、県のページで確かめる必要があります。確かめた例では、仙台市は宮城県の補助金と併用できると書き、川崎市は国や神奈川県が実施する他の補助金と併用できると書いています。ただし、川崎市の手引きは、国や県の補助金を併用する場合、その額を差し引いた額を補助対象経費にすると定めています。併用できても、市の補助を計算する元の金額が減る形です。
- 京都府:府の分は市町村の補助に含まれて、市町村から交付される
- 仙台市:宮城県の補助金は併用できる(市の公式ページの記載)
- 川崎市:国や県の補助と併用でき、その額を差し引いた額で市の補助を計算する
たとえば、県と市の両方に補助がある地域で、業者の見積に「県の補助」「市の補助」が別々の行で書かれていたら、その県と市がどちらの型かを確かめます。まとめて出す型なのに2つの行で差し引かれていれば、二重に数えている可能性があります。別に出す型でも、市の補助を計算するときに県の補助を差し引くルールがあれば、見積の差し引き額は少し小さくなるはずです。
県の制度の有無や額は、県のページと市町村の窓口の両方で確かめるのがいちばん確実です。京都府のように、補助金の執行状況は各市町村に確かめるよう書いている府県もあります。※お住まいの市区町村で確認してください。
出典:京都府「家庭向け太陽光発電・蓄電設備補助金(令和8年度)」/川崎市「申請の手引き~個人住宅編~」p.7・p.8
国の補助と一緒に使えるかは要綱で決まる

国の補助と市の補助を一緒に使えるかは、市の要綱の併用の行で決まります。確かめた市の中でも、国の補助を受けた人を対象から外す市と、併用を認めたうえで計算を調整する市がありました。
分かれるのは、同じ機器に国のお金と市のお金が重なって入ることを、市がどう扱うかの考え方が違うからです。仙台市は、太陽光発電システムと蓄電池について、国費を財源とする補助金(例としてDR補助金)を受けていない方を対象にしています。一方、川崎市は国や神奈川県の補助と併用できるとし、福岡市は国などの補助金と併用できるが、合わせた額が補助の対象になる経費を超える場合は調整する、と書いています。
- 仙台市(2026年10月25日確認):「太陽光発電システムと蓄電池(太陽光パネル、パワーコンディショナー、蓄電池)について国費を財源とする補助金(例:DR補助金など)を受けていない方(宮城県の補助金は併用可能です)」
- 福岡市(同日確認):「本事業による補助金は、国等の他機関からの補助金との併用が可能。ただし、国等の他関からの補助金と算出した補助金交付額の合計額が補助対象経費(「機器費」という(要綱第7条))を超える場合は、補助対象経費と他機関からの補助金の差額を補助金の交付額の上限とする」
国の住宅省エネの事業の側にも、自治体の補助との併用の決まりがあります。たとえば先進的窓リノベ2026事業(環境省)の資料は、地方公共団体の補助制度について、国費が充当されているものを除いて併用できる、としています。みらいエコ住宅2026事業のリフォームの要件書も、国費が充当された他の補助事業(国土交通省の社会資本整備総合交付金などを活用して地方公共団体が実施しているものを含む)とは併用できないとし、地方公共団体が独自に上乗せや併用を前提として設けている補助は併用できるとしています。地方公共団体が窓口になる補助との併用は、その地方公共団体に確かめるよう書かれています。国の事業と市の制度の両方の決まりを満たさないと、一緒には使えません。
太陽光と蓄電池については、国のみらいエコ住宅2026事業(国土交通省)のリフォームの要件書で、太陽光発電設備の設置工事とリース設備の設置工事が「補助対象とならない工事」に入っています。蓄電池は対象の工事に入りますが、平成28年以前に新築された住宅(平成29年以降でも次世代省エネ基準を満たさないと証明できれば同じ扱い)で、要件化工事(開口部の断熱改修に、新築時期や窓の性能区分に応じて外壁・屋根・床などの躯体の断熱改修や高効率給湯器などを組み合わせる、要件書の組み合わせ表どおりの工事)を行うこと、補助額の合計が5万円以上(同一発注者の同一の住宅で他の構成事業の交付決定を受けている場合は2万円以上)であることが条件です。市の補助と重ねる前に、国の事業でそもそも対象になるかを確かめてください。国と自治体の併用の考え方は、別の記事でも整理しています。
たとえば、業者に「国のDR補助金と市の補助で、二重に安くなります」と言われた場合、仙台市の既存戸建住宅向けの制度なら、太陽光と蓄電池に国費を財源とする補助を受けた人は対象にならないので、その説明は成り立ちません。川崎市なら併用はできますが、市の補助は国の補助を差し引いた額で計算されます。同じ説明でも、市によって正しくも間違いにもなるのです。
併用の答えは、国の事業の資料だけでも、市のページの見出しだけでも決まりません。市の要綱の併用の行と、国の事業の併用の決まりを並べて読み、分からなければ市の担当に「この国の補助を受けた場合、市の補助は使えますか」と事業名を挙げて聞くのが確実です。
出典:仙台市「太陽光発電等導入補助金(既存戸建住宅向け)」/福岡市「住宅用エネルギーシステム導入支援事業」/環境省「先進的窓リノベ2026事業」詳細資料 p.2/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.19・p.27・p.54
受付の方式と予算の残りの見方
市区町村の太陽光・蓄電池の補助は、受付の方式が先着か抽選か、予算の残りをどこで知らせているかが市ごとに違います。締切の日付だけを見て安心せず、方式と残りの知らせ方を一緒に確かめてください。
方式が違うのは、限られた予算をどう配るかを、市がそれぞれ決めているからです。確かめた例では、仙台市は予算がなくなり次第終了予定で、受理した書類を先着順に審査します。福岡市は予算がなくなり次第受付を終え、補助枠の残りをページの上に載せています。川崎市は、予算総額に対する申請額の割合を、原則として毎週水曜日に更新して知らせています。札幌市は募集の回ごとに受け付け、応募額が予算額を超えた回だけ抽選にしています。
| 市 | 受付の方式 | 予算の残りの知らせ方 |
|---|---|---|
| 仙台市 | 予算がなくなり次第終了予定・受理した書類を先着順に審査 | ページには予算額と『なくなり次第終了予定』の記載。残りの数字は載っていないので事務局に確かめる |
| 川崎市 | 予算状況で早期終了の可能性 | 申請額の割合を原則毎週水曜に更新 |
| 福岡市 | 予算がなくなり次第終了・受付時刻の順 | 補助枠の残りをページに掲載 |
| 札幌市 | 募集の回ごとに受付・応募が予算を超えた回は抽選 | 抽選の有無を結果として知らせる |
先着の制度では、書類に不足があると受付の順番が後ろにずれることがあります。福岡市の公式ページは、申請書類と必要書類がそろったものから審査すると書いています。業者に書類を任せる場合でも、いつ出したか、受理されたかを確かめておくと安心です。
もうひとつ気をつけたいのは、年度の途中で要件が変わることです。仙台市は、年度の途中から、北側の屋根にパネルを付ける場合は原則として防眩仕様のパネルにする、という要件を加え、新しい様式を使うよう案内しています。春に読んだ手引きのまま秋に申請すると、書類が古くなっていることがあります。
仙台市(2026年10月25日確認):「令和8年10月1日より、太陽光発電設備の設置に伴う反射光対策の適正化を図るため、補助要件の一部を変更いたします」「住宅の北側屋根に太陽光パネルを設置する場合は、原則として防眩仕様パネルの設置を必須といたします」
予算の残りは日ごとに動くので、この記事には数字を書きません。ページ上の帯は国の事業の予算の使われ具合で、市の補助の残りは市のページか窓口で確かめてください。申し込む直前に、公式ページの更新日と、手引き・様式の最新の版を見ておくのが、いちばん手堅い確かめ方です。
出典:川崎市「太陽光発電設備等設置費補助金」/福岡市「住宅用エネルギーシステム導入支援事業」/札幌市「再エネ省エネ機器導入補助金制度」
契約の前に業者と市に確かめること

ここまでの要綱の行と申請の型を、契約の前に業者と市に聞く形に並べ直すと、次の7つになります。業者に聞くことと、市に聞くことを分けておくと、答えの食い違いに気づきやすくなります。
分けるのは、補助の可否を最後に決めるのは市であって、業者ではないからです。業者は制度に詳しいことが多いものの、その説明が今年度の要綱のどの行を確かめた言葉なのかは、聞かないと分かりません。住宅省エネ2026キャンペーンのような国の事業は契約した住宅事業者が申請しますが、市区町村の制度は申請する人も順番も市ごとに決まっています。
- 見積の補助金の欄は、どの市・県・国の、何という制度か(正式な名前)
- その制度は、交付決定の前に着工してはいけない型か、募集の回に申し込む型か
- 太陽光と蓄電池の同時設置が条件か、片方だけでもよいか
- 余った電気をFITで売る予定で、制度の条件に合うか
- 機器は購入か、リース・PPAか。蓄電池の型番は登録された製品か
- 施工する事業者が、市の登録制度などの条件に当てはまるか
- 補助が出なかった場合、契約や代金はどうなるか
1〜6は、市のページと要綱で自分でも確かめられます。7つ目は要綱には書かれていないので、業者に聞いて契約書か覚え書きに残してもらうのが確実です。先着や抽選の制度では、条件を満たしていても予算の都合で受け取れないことがあるので、出なかったときの扱いを先に決めておく意味があります。
たとえば2社から見積を取った場合、この7つを両方に聞くと、補助の欄の根拠がどこまで確かめられているかの違いが並んで見えます。金額の差だけでなく、制度の名前と申請の順番を即答できるかも、比べる材料になります。見積そのものの確かめ方は、太陽光・蓄電池それぞれの記事にまとめています。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
要綱の行と申請の型を確かめ、7つの質問に業者と市から答えをもらえたなら、ほかに相談先を増やす必要はありません。それでも、市の制度と県の補助と国の公募を自分の家に当てはめて、どれをどの順で申し込むかを決めきれないときは、太陽光・蓄電池の補助金に絞った無料相談に、住所と見積の機器を伝えて聞く方法があります。申し込む前に、その相談が住んでいる市区町村の制度まで見てくれるかを確かめてください。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助金は使えるなら使いたいものですが、太陽光・蓄電池では、補助の条件に合わせることが、かえって暮らしや財布に合わない選び方になる場面があります。次のような場合は、補助を使わない、あるいは急がない判断も選択肢です。
- 同時設置の条件を満たすためだけに、要らない容量の蓄電池を足そうとしている
- FITで売電したいのに、売電しないことが条件の区分で申し込もうとしている
- 交付決定を待つと、屋根の修理や家の工事の日程と合わなくなる
- 抽選や先着の結果が出る前に、補助が出る前提の金額で契約を急かされている
- 年度の途中で要件が変わり、手元の見積の機器が新しい要件に合うか分からない
1つ目と2つ目は、補助額と、条件に合わせることで増える費用や減る収入を比べれば判定できます。蓄電池を足す費用が補助額より大きければ、補助を取るほど負担が増えます。売電をやめる区分を選ぶなら、売電しないことで暮らしの電気の使い方が合うかを先に考えてください。補助は工事の一部を後から埋めるもので、機器の組み合わせを決める理由ではありません。
3つ目と4つ目は、事情によって答えが変わります。変わる条件は、今の屋根や電気の使い方でどれだけ困っているか、工事を急ぐ理由があるか、そして市の受付の方式です。急ぐ理由が無ければ、交付決定や抽選の結果を待ってから契約しても遅くありません。次の年度にも同じ制度があるかは、公表されるまで分からないので、待つかどうかは家族と相談して決めてください。
5つ目は、市の公式ページの更新日と最新の手引きを見て、業者に「この見積の機器は、今の要件に合っていますか」と聞けば確かめられます。答えがあいまいなら、要件がはっきりするまで契約を待つほうが安全です。
よくある質問
Q. 太陽光だけ、蓄電池だけでも市の補助は出ますか?
制度によって違います。京都府や仙台市の制度は太陽光と蓄電池を同時に導入する場合だけが対象で、福岡市の制度は太陽光とHEMSの設置(既設でも新設でもよい)を条件に蓄電池などへ補助を出す形でした。自分の市の要綱で、機器の組み合わせの行を確かめてください。
Q. もう契約してしまいましたが、今から申請できますか?
申請の型によります。交付決定の前に着工してはいけない型の制度なら、契約していても着工前であれば申請できる場合があります(仙台市は契約前でも申請でき、着工前であることが条件)。すでに工事を始めているなら、その時点で外れる型もあるので、市の担当か事務局にすぐ確かめてください。
Q. リースやPPAで付けても市の補助は出ますか?
制度によって扱いが分かれます。川崎市はPPAやリースなど申請者が購入したものでない設備を対象外にしていて、札幌市はリース・PPAを別の制度で扱い、事業者が申し込む形にしています。要綱の「機器を誰が持つか」の行を確かめてください。
Q. 市内の業者に頼まないといけませんか?
市によって条件が違います。川崎市の手引きは、太陽光発電設備について、市の「太陽光発電設備普及事業者登録制度」に登録した事業者が施工・設置したものを対象にしています(登録は設置完了届の提出までに済んでいればよいとされています)。市内の事業者であることを求める記載は、確かめた手引きにはありませんでした。頼みたい業者が要綱の条件に当てはまるかを、契約の前に確かめてください。
Q. 年度の途中で条件が変わることはありますか?
あります。仙台市は年度の途中から、北側の屋根に付けるパネルの要件と提出書類を変え、新しい様式を使うよう案内しています。申し込む直前に、公式ページの更新日と手引きの最新の版を見てください。
Q. 一覧サイトの金額は信じていいですか?
制度の名前の手がかりとしては使えますが、今年度の額か、受付が続いているかは一覧だけでは分かりません。額と条件は、市区町村の公式ページと要綱で確かめてから見積の計算に入れてください。
Q. 国の補助と市の補助は両方もらえますか?
市の要綱の併用の行で決まります。仙台市は国費を財源とする補助を受けた人を対象から外し、川崎市と福岡市は併用を認めたうえで計算を調整する形でした。国の事業の側の併用の決まりもあるので、両方を並べて確かめてください。
見積を見る前のおさらい
- 太陽光・蓄電池の補助があるか・額・条件は、住所と年度で決まる。一覧の金額ではなく公式ページと要綱で確かめる
- 担当は環境・脱炭素の課や委託の事務局のことがある。県のページから市町村の窓口にたどれることもある
- 要綱では、同時設置・売電(FIT)・購入かリースか・登録製品・登録事業者・申請する人の行を先に読む
- 申請は、交付決定の後に着工する型と、募集の回に申し込み設置後に完了届を出す型がある。順番を取り違えると補助を受けられない
- 県の補助は、市町村からまとめて出る型(京都府)と、市の補助と併用できると書く市(仙台市・川崎市)もある
- 国の補助との併用は、国費の補助を受けた人を外す市と、併用を認めて計算を調整する市がある
- 受付は先着・抽選など市ごとに違い、予算の残りの知らせ方も違う。年度の途中で要件が変わることもある
- 契約の前に、制度の名前・申請の型・出なかったときの扱いを業者と市に確かめる
太陽光・蓄電池の補助は、「うちの市にあるか」だけでなく、「うちの家と工事が、要綱のどの行で外れるか」と「どの順番で申し込むか」で結果が決まります。だからこそ、一覧の金額を探すより先に、今年度の要綱を1本開いて、組み合わせ・売電・申請の型の3つに印を付けることが、いちばん確かな一歩です。業者の説明は、その印と照らし合わせて聞けば十分に確かめられます。

