2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 太陽光発電って、付けた後に毎年いくらかかるの?
- 営業に「メンテナンスはほとんど要りません」と言われたけど、本当?
- 点検は義務なの?何年ごとに、誰に頼めばいい?
- パワコンはいつ交換になるの?保証で直るの?
- FITが終わったら、売電はどうなる?何もしないとどうなる?
- いつか外すとき、撤去や処分にはいくらかかる?
- 家族に「付けた後もこれだけかかる」と説明できるようにしたい
上記のような悩みに答えます。
太陽光発電は、付けた日で支払いが終わる設備ではありません。点検、故障の修理、パワコンの交換、FIT(固定価格買取制度)が終わった後の売電、最後の撤去と、付けた後にもお金と手続きが続きます。検索で上位に並ぶのは太陽光の販売・施工会社や比較サイトの記事が多く、「年間の維持費は◯万円程度」という相場の幅と自社の点検サービスの案内で話が終わりがちです。公的なガイドラインが示す点検の時期から自分の家の点検回数を数える方法、保証の種類で修理の自己負担が変わること、FITが終わったあと何もしないと余った電気が無償で引き取られること、撤去のときに所有者がする手続きは、ほとんど書かれていません。そこで、5つの費目という基本を押さえたうえで、点検回数の数え方と保証・手続きの確かめ方まで、資源エネルギー庁・環境省・業界団体のガイドラインとメーカーの公表資料で確かめながら整理しました。相場の金額は家と設備で大きく変わるため、ここでは相場の数字で断定しません。
太陽光発電を付けた後のお金は、点検・修理・パワコンの交換・FIT後の売電の変化・撤去処分の5つです。点検は業界団体のガイドラインの時期から回数を数えてメーカーの公表料金を掛けると見込みが立ち、修理とパワコン交換の自己負担は保証の種類と年数で変わります。住宅用のFITは10年間で、その後は売電先を自分で選ぶ必要があり、撤去は業者が産業廃棄物として処理し、所有者は廃止の届出をします。
工事の組み合わせで国の補助がいくらになるかは、補助金の計算ツールで確かめられます。

この記事の数字は2026年10月時点のもので、FITの買取価格は2026年度の区分です。
太陽光発電の維持費は5つに分けて考える

太陽光発電の維持費は、「点検」「修理」「パワコンの交換」「FIT後の売電の変化」「撤去処分」の5つに分けると、いつ・何に・どれくらいの備えが要るかが見えてきます。「年間いくら」と1つの数字で考えると、10年目以降にまとまって来る出費を見落とすためです。
太陽光発電は、屋根の上のパネル(太陽電池モジュール)と、発電した直流の電気を家で使える交流に変えるパワーコンディショナ(パワコン)、配線や接続箱、売電の量を数えるメーターでできています。動く部品が少ないため、燃料を使う発電に比べると手間はかかりません。ただ、業界団体のガイドラインは、点検を「システム所有者が、事業計画に従い行う」ものとしていて、管理の責任は施工会社ではなく持ち主にあると整理しています。「メンテナンスがほとんど要らない」は、毎日の手入れが要らないという意味では当たっていても、何もしなくてよいという意味ではありません。
| 費目 | いつ来るか | 金額を決めるもの |
|---|---|---|
| 点検 | 付けた翌年から、数年おき | 屋根に上るか、地上だけか。依頼先の料金表 |
| 修理 | 故障したとき | 保証の範囲と年数。故障でなかったときの判定料 |
| パワコンの交換 | 保証が切れたあとの故障や更新 | 交換する機種、FITの手続き、工事の範囲 |
| FIT後の売電 | 買取期間(住宅用は10年間)の満了後 | 選んだ売電先の単価、自家消費の量 |
| 撤去処分 | 使い終えたとき、建て替え・解体のとき | 足場、取外し、運搬と処分の範囲 |
たとえば、付けてから5年目の家なら、気にすることは点検と、保証が残っているかの確認です。8年目、9年目になると、FITの満了の通知と保証の終わりが近づき、売電先の選び直しとパワコンの点検を同じ時期に考えることになります。費目ごとに「来る時期」がずれているので、家計の中では、毎年の固定費というより、数年ごとの点検と、10年前後にまとまって来る判断の2つに分けて備えると考えやすくなります。
迷ったときは、まず手元の保証書と売電の契約書を出して、保証の年数とFITの開始時期を確かめてください。この2つの日付が、維持費の予定表の骨組みになります。
太陽光発電の点検は回数と料金で見込む

点検にかかるお金は、「何回点検するか」×「1回いくらか」で見込めます。回数は業界団体のガイドラインが示す時期から数え、1回の料金は依頼先の料金表で確かめます。
回数の手がかりになるのは、日本電機工業会と太陽光発電協会(JPEA)がまとめた「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」です。出力50kW未満の低圧で系統につなぐ設備(例として屋根設置の住宅用10kW未満)について、専門技術者が行う定期点検の時期と、持ち主が行う日常点検を分けて示しています。定期点検の周期は「参考」で、設備の状況や環境に応じて増減するものとされています。また、パワコンなどのメーカーが精密点検や消耗品の交換時期を決めている場合は、そちらに従うことが勧められています。
- 設置1年目点検:初期の不具合や施工上の不具合を見つける(専門技術者)
- 設置5年目点検:機器や部材の劣化・破損を確かめる(専門技術者)
- 設置9年目以降:4年ごとを目安に点検。保証期間を確かめ、消耗部品の交換と設備の更新時期を検討する(専門技術者)
- 設置20年目以降:4年ごとを目安に点検し、設備の更新時期を検討する(専門技術者)
- 日常点検:毎月1回程度と、地震・台風・大雨・落雷などのあと(持ち主または専門技術者)
出典:JEMA・JPEA「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」2019年12月27日改訂 p.47 表B.2-1(確認日 2026-10-20)
1回の料金は、依頼先で違います。例として、三菱電機は自社の住宅用太陽光発電システムの有料点検の料金を公表しています。地上の作業だけで発電や絶縁を測る点検と、屋根の上でパネルや架台を見る点検の2種類で、屋根に上るかどうかで料金が大きく変わります。
三菱電機の住宅用太陽光発電システムの定期点検(有料・三菱電機システムサービスが実施)
- A点検(地上作業の点検のみ):15,000円〜(税抜)
- B点検(A点検+屋根上での確認):50,000円〜(税抜)。傾斜の無い屋根は40,000円〜(税抜)
- 傾斜屋根・パワコン1台+モジュールの目安。出張費込み(離島・拠点から20km以上は別)。修理・交換・清掃は含まず、不具合の補修は別見積。作業は2時間程度
出典:三菱電機「住宅用太陽光発電システムの定期点検」(確認日 2026-10-20)
上の計算は、ガイドラインの時期を目安どおりに数え(1年目・5年目・9年目・13年目・17年目・20年目の6回)、三菱電機のB点検の最低料金を当てはめた例で、6回 × 50,000円 = 300,000円〜(税抜)になります。地上の点検(A点検・15,000円〜)を交ぜれば下がり、補修が見つかれば別に上がります。三菱電機の料金は同社のシステムの目安で、ほかのメーカーや施工会社の料金とは違います。
日常点検は、持ち主ができる範囲で構いません。ガイドラインでは、台風や大雨のあとに異常があれば定期点検の項目を専門の業者に頼むこと、水に浸かったり焼けたりした設備には感電のおそれがあるので近づかず、販売・施工した会社に連絡することが示されています。屋根に上って自分でパネルを見る必要はありません。
点検を頼む先は、まず付けた施工会社かメーカーの窓口です。依頼するときは、設備の型番と設置した年月、点検が屋根に上る内容か地上だけかを確かめ、見積に「点検の範囲」「出張費」「補修は別か」を書いてもらってください。
保証で直る故障と、自分で払う修理
修理にかかるお金は、保証の種類と年数、申込みの手続きで大きく変わります。同じ故障でも、保証の期間内なら無料、切れていれば修理代と出張の費用を自分で払うことになるためです。
太陽光発電の保証は、メーカーごとに中身が違い、同じメーカーでも組み合わせる機器で変わります。たとえばシャープは、蓄電池連携型パワーコンディショナ(JH-59TF4/JH-40TF2)と組み合わせた太陽光発電システムに、構成機器を無償で長期保証する制度を設けています。それ以外の同社のパワコンでは、使う太陽電池モジュールによって、住宅用限定のBSプレミアム保証、または有償の長い保証と無償の短い保証からの選択になります(有償・無償の年数は下の囲み)。どの保証に入っているかで、11年目以降の故障を自分で払うかどうかが変わります。
シャープの対象型番以外のパワコンの保証:使う太陽電池モジュールにより、BSプレミアム保証(住宅用限定)か、15年保証(有償)/10年保証(無償)の選択(出典:シャープ「安心の長期保証」・確認日 2026-10-20)
シャープ「新太陽光発電システム保証(15年無償)」で確かめられること
- 対象:JH-59TF4/JH-40TF2と組み合わせたシステムの構成機器(モジュール・パワコン・電力モニタ・ケーブル・架台・接続箱など)を15年間
- モジュールの出力:25年間。お引き渡しから10年は90%、11〜15年は85%、16〜25年は80%(公称最大出力に対して)
- お引き渡しから1か月以内にクラウド保証システムでの申込みが必要。施工は同社所定の研修修了者
- 非故障時の判定は有償。故意・過失による故障は対象外
出典:シャープ「安心の長期保証」(確認日 2026-10-20)
保証で見落としやすいのは、次の4つです。
- 申込みの期限:引き渡しのあと決められた期間内に申し込まないと保証が付かない場合がある
- 保証の範囲:パネル・パワコン・架台など、どの機器が何年か。出力の保証と故障の保証は別
- 故障でなかったときの費用:呼んで調べた結果が故障でなければ、判定の費用がかかる場合がある
- 施工の条件:メーカーの研修を受けた施工者の工事であることが条件になっている場合がある
たとえば、発電量が去年より少ないと感じて点検を頼んだところ、原因が天候や影でパネルの故障ではなかった、ということは起こりえます。シャープの保証では、このような非故障時の判定は有償とされています。発電量が落ちたと感じたら、まず電力モニタの記録を前の年の同じ月と比べ、明らかな差があるかを確かめてから連絡すると、無駄な出費を避けやすくなります。
付けたばかりの家なら、保証書が届いているか、申込みが済んでいるかを施工会社に確かめてください。付けて年数がたった家なら、保証の終わる年月を確かめ、その前の点検で気になる症状をまとめて見てもらうのが確実です。
パワコンの交換は保証の年数から逆算する
パワコンの交換は、「何年で壊れるか」を当てにするより、保証の終わる年から逆算して備えるほうが確かです。交換の時期と費用は機種や使い方、保証の内容で変わり、一律には言えないためです。
業界団体のガイドラインは、9年目以降の点検で「機器又は部材の保証期間を確認し」「設備更新時期の検討を行う」ことを挙げています。保証が切れる前の点検で、パワコンの表示や音、発電の記録に異常がないかを見てもらい、交換の見込みを聞いておくと、壊れてから慌てて決めることを避けられます。
パワコンを交換するときの見積では、次の点を確かめてください。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 交換するパワコンの型番 | 今のパネルの枚数・つなぎ方に合う機種か |
| 工事の範囲 | 取外し・取付・配線・試運転・古い機器の処分まで入るか |
| 新しい保証の年数 | 交換した機器に何年の保証が付くか |
| FITの手続き | 買取期間中の交換で、変更の手続きが要るか |
| 停電の時間 | 工事中に家の電気が止まる時間があるか |
FITの買取期間中に設備を替えるときは、内容によって国への変更の手続きが要ります。変更の手続きが要るかどうかは交換の内容で変わるので、交換の見積をもらったら、手続きが要るのか、施工会社が代わりに行うのか、費用に入っているのかを確かめてください。
たとえば、FITの満了までまだ間がある家でパワコンが止まった場合は、売電の収入が止まる期間を短くすることが先になります。満了後に蓄電池を足すことを考えているなら、蓄電池とつなげられる型のパワコンを選ぶかどうかで、後の工事が変わります(蓄電池の選び方は別の記事で扱います)。
交換を勧められたときは、「今の症状」「保証が残っているか」「修理で済むか」の3つを先に聞いてください。点検の訪問で、その場で交換の契約を求められたら、すぐに決めず、付けた施工会社かメーカーにも見積を頼んで比べるのが安全です。
FIT後の太陽光発電の売電は自分で選ぶ
住宅用のFITの買取期間は10年間で、終わったあとの売電先と単価は自分で選びます。何もしないままだと、契約によっては余った電気が無償で引き取られることになります。
資源エネルギー庁は、買取期間の満了について「どうする?ソーラー」というページで案内しています。満了のあとも契約が自動で続く場合は、新しい単価で買取が続きます。自動で続かない契約で、どの小売電気事業者とも契約していないと、余った電気は送配電の会社が一時的な受け皿として無償で引き受けることになります。
資源エネルギー庁「どうする?ソーラー」よくあるご質問で確かめられること
- 住宅用太陽光発電の余剰電力の、固定価格での買取期間は10年間
- 買取期間満了の6か月から4か月前(買取者のシステムの都合では3か月前)を目途に、満了の時期や手続きの通知が届く
- 満了の時期は、契約書・案内書・検針票で買取の開始時期を確かめると分かる
- 満了後の単価やメニューは、買い取る小売電気事業者によって違う
- 一度FITの支援を受けた人は、同じ場所で設備を新しくしても、再びFITの支援は受けられない
- 一般に太陽光パネルは20〜30年間又はそれ以上発電し続けることが可能で、住宅用は最初の10年間の買取のあと、少なくとも10年間は自家消費や自由契約の売電を想定した制度設計
出典:資源エネルギー庁「どうする?ソーラー」よくあるご質問(確認日 2026-10-20)
- 今の電力会社か別の小売電気事業者と契約する | 昼の電気を家で使う。蓄電池や電気自動車と組み合わせる
- 単価は事業者ごとに違う | 機器の費用と電気代の差で考える
資源エネルギー庁は、自家消費を増やすのと売電を続けるのとで、どちらが得かは「一概に申し上げることはできない」としています。電気料金、蓄電池の値段、買取のメニューで答えが変わるためです。たとえば、昼間に家に人がいて電気をよく使う家と、昼間は留守が多い家では、同じ設備でも自家消費できる量が違います。
満了で収入がどれだけ変わるかは、検針票の売電量に、満了前の単価と選んだ事業者の単価をそれぞれ掛けて比べると見えてきます。蓄電池を足すかどうかは、その差額と蓄電池の費用を比べる話になるので、満了の通知が来てから慌てて決めるより、満了の通知が来る前から売電先のメニューを集めておくと選びやすくなります。パネルを新しくしても再びFITで売れるわけではない点も、更新を勧められたときに思い出してください。
太陽光パネルの撤去と処分のお金
撤去にかかるお金は、足場・取外し・運搬・処分のどこまでが見積に入っているかで大きく変わります。住宅の屋根から外したパネルは、業者が産業廃棄物として処理するのが基本で、持ち主には設備によって国への届出が残ります。
環境省のガイドラインは、住宅の持ち主が解体・撤去業者に頼んで外したパネルを廃棄する場合、産業廃棄物にあたり、解体・撤去業者が排出事業者として処理の責任を負うと整理しています。持ち主がするのは、撤去の依頼と、FITの認定を受けた設備なら発電事業の廃止の届出です。届出には、廃棄したことを示す産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写しの添付が求められます。
撤去の費用について、環境省のガイドラインは過去の調査の結果を載せています。ただし、設備の大きさは分からず、運搬や処分の費用が入っているかどうかも回答ごとに違う、と断り書きがあります。調べた相手によって平均が倍ほど離れているので、相場というより「見積の中身で金額が大きく動く」ことを示す資料として読んでください。
環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第三版)」令和6年に載っている調査の値
- 建物解体業者が、住宅用の太陽光発電設備の取外しで依頼者から受け取った1件あたりの料金:平均8.9万円(42件・平成25年度の調査)p.99
- 施工業者が、住宅用の太陽光発電設備の取外しで依頼者から受け取った1件あたりの料金:平均18.9万円(50件)p.100
- どちらも設備の規模は不明。収集・運搬費や処分費を含む回答と含まない回答がある
出典:環境省(確認日 2026-10-20)
撤去の見積では、次の項目を行に分けてもらってください。
- 足場と養生:屋根からの転落を防ぐための足場が要るか(ガイドラインは足場・養生シート・親綱などの使用を挙げている)
- 電気の切り離しと取外し:パワコン・接続箱・配線まで外すか
- 運搬と処分:産業廃棄物として処理し、マニフェストを出してもらえるか
- 屋根の補修:架台を外したあとの穴や金具の跡をどう直すか
- 届出:FITの廃止の届出を誰が行うか
建て替えや解体と同時に外す場合は、解体業者の見積にパネルの撤去が入っているかを確かめます。屋根の塗装や葺き替えで一度パネルを外して付け直す場合は、外すだけの撤去とは別の工事になるので、屋根の工事の見積と合わせて確かめてください。

なお、工事を伴わずに家庭から出るパネル(独立型の小さなものなど)は一般廃棄物にあたる場合があり、ガイドラインは市町村に確かめるよう案内しています。
交換や撤去に補助金は使えるか
パワコンの交換や撤去に使える国の補助があるかは、その年度の国の公募と、住んでいる市区町村の制度で変わります。見積に補助金を入れている場合は、事業名・補助額・申請者を書いてもらってください。
リフォームの補助として大きいみらいエコ住宅2026事業(国土交通省)では、交付申請の要件をまとめた資料の「補助対象とならない工事」に「太陽光発電設備の設置工事」が挙げられています。同じ欄には、リース設備の設置工事、中古品を使う工事、施主が設備を買って取付だけを頼む工事も並んでいます。窓の断熱など別の工事で申請する場合でも、太陽光の部分はこの事業の補助の対象に入らない、と読むのが確実です。
みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」2026年8月17日版 p.27「補助対象とならない工事」:太陽光発電設備の設置工事/リース設備の設置工事/中古品を用いた工事/施主支給や材工分離工事 ほか(確認日 2026-10-20)
市区町村によっては、太陽光や蓄電池に独自の助成を設けていることがあります。ただ、制度の対象が「新しく付ける設備」なのか「交換」まで含むのかは要綱ごとに違い、撤去への助成があるかも同じです。住所の市区町村の要綱で、対象の工事と、工事の前に申し込む必要があるかを確かめてください。
- 住んでいる市区町村の名前と「太陽光」「蓄電池」「再エネ」で制度を探す
- 要綱で、交換や撤去が対象に入るかを確かめる
- 工事の前に申込みが要るか、締切はいつかを確かめる
- 国の補助と同じ機器に重ねて使えるかを、要綱か担当の窓口で確かめる

たとえば、パワコンが壊れて急いで交換する場合、市区町村の助成が「工事の前の申込み」を条件にしていれば、間に合わないことがあります。そのときは、売電と自家消費が止まる損と、助成を待つ得を比べ、止まる期間を短くするほうを優先して構いません。
これから付ける人が見積で確かめる行

これから太陽光発電を付ける人は、設置の見積と一緒に「付けた後のお金」の行を書いてもらうと、元が取れるかを家族と話しやすくなります。営業の試算は売電と電気代の節約が中心で、点検や交換、撤去の費用が入っていないことがあるためです。
FITの単価は国が年度ごとに決めていて、住宅用は固定価格での買取が10年間続きます。2026年度の住宅用(10kW未満)の区分は、初めの4年と5年目以降で単価が変わる仕組みです。自分の家にどの年度の単価が当てはまるかを施工会社に確かめ、営業の試算がどちらの単価で計算されているかも見てください。
資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」太陽光 10kW未満
- 2026年度:24円/kWh(〜4年)、8.3円/kWh(5〜10年)。調達期間は10年間
- 2026年度の価格は2025年度下半期(10月〜3月)にも適用(初期投資支援スキーム)
- 2024年度以降の調達価格は、認定事業者が免税事業者の場合は価格に消費税を含み、課税事業者の場合は価格に消費税を加えた額
出典:資源エネルギー庁(確認日 2026-10-20)
見積と試算で、次の行があるかを見てください。設置費の内訳の読み方や、kWあたりの価格での比べ方は別の記事で扱います。
| 行 | 確かめること |
|---|---|
| 保証 | 機器ごとの年数、有償か無償か、申込みを誰がいつするか |
| 点検 | 施工会社の点検の時期・料金・範囲。初回の点検が入っているか |
| パワコン | 保証の年数と、交換するときの機種の見込み |
| 売電の試算 | どの単価で何年分を計算しているか。満了後の単価をどう置いたか |
| 撤去 | 将来の撤去を施工会社が受けるか |
たとえば、「10年で元が取れます」という試算が、初めの4年の単価を10年分に当てはめていれば、収入を多く見積もっていることになります。反対に、5年目以降の単価で計算し、点検の回数と料金まで入れた試算なら、家族に見せる資料として信頼できます。複数の会社に同じ条件で頼み、試算の前提をそろえて比べてください。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
保証・点検・売電の単価が見積に書いてあり、自分で試算を直せるなら、相談はなくても判断できます。それでも、付けた後の費用まで入れて、住所で使える補助金と導入の中身を自分の家の条件で比べたい場合は、無料で相談できる窓口があります。太陽光・蓄電池の補助金と導入の無料相談なので、申し込む前に「相談の後に業者の紹介があるか」を確かめてください。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
太陽光発電の維持や交換では、補助金を待つことや、補助金に合わせて工事を広げることが、かえって損になる場面があります。次のような場合は、補助金を使わない、あるいは契約を急がない判断も選択肢です。
- パワコンが止まって売電も自家消費もできないのに、助成の申込みを待って交換を先延ばしにする場合
- 補助金があると言われ、点検だけのつもりがパネルや蓄電池まで入れ替える提案に乗る場合
- 点検の訪問でその場の契約を求められ、施工会社やメーカーの見積と比べていない場合
- FITの満了が近いことを理由に、売電先のメニューを比べないまま蓄電池を契約する場合
- まだ保証の期間内なのに、有料の修理や交換を先に契約しようとしている場合
急がなくてよいのは、設備が動いていて、保証もFITも残っている場合です。このときは点検の時期に合わせて見積を集め、満了の通知が来る前に売電先のメニューを比べる時間があります。訪問販売で契約してしまった場合は、資源エネルギー庁もクーリング・オフの利用と消費者ホットライン(188)への相談を案内しています。
判断の順番は「設備が止まっていないか」「保証で直せないか」「そのうえで補助金が使えるか」です。補助金は3番目で、止まっている設備を待たせてまで合わせるものではありません。
よくある質問
太陽光発電は、本当にメンテナンスが要らないのですか?
毎日の手入れは要りませんが、点検が要らないわけではありません。業界団体のガイドラインは、付けた翌年、5年目、9年目以降は数年おきの点検を目安にしています。管理の責任は持ち主にあると整理されているので、保証書と一緒に点検の予定を確かめておいてください。
点検を頼まないと、どうなりますか?
初期の施工不良や部品の劣化に気づくのが遅れ、保証の期間を過ぎてから故障が見つかることがあります。業界団体のガイドラインは、1年目の点検を初期の不具合や施工上の不具合を見つける時期としています。保証が切れる前の点検で、パワコンや配線の状態を見てもらうのが、修理代を自分で払わずに済ませるいちばん確かな方法です。
パネルを新しくしたら、また固定価格で売れますか?
売れません。資源エネルギー庁は、一度FITの支援を受けた人は、同じ場所で設備を新しくしても再び支援は受けられないとしています。更新を勧められたときは、売電の単価が上がる前提の試算になっていないかを確かめてください。
家を建て替えるとき、パネルはどうすればいいですか?
解体業者の見積に、パネルとパワコンの撤去と処分が入っているかを確かめます。外したパネルは業者が産業廃棄物として処理し、FITの認定を受けた設備なら、持ち主は発電事業の廃止を届け出ます。届出にはマニフェストの写しが要るので、解体業者に出してもらってください。
台風や大雨のあと、自分で何を見ればいいですか?
地上や窓から、パネルのずれや割れ、架台や配線の異常がないかを見て、電力モニタの発電量が普段と違わないかを確かめます。屋根には上らないでください。水に浸かったり焼けたりした設備には感電のおそれがあるので近づかず、販売・施工した会社に連絡します。
訪問した業者に「点検が必要」「パワコン交換を」と言われました。
その場では決めず、付けた施工会社かメーカーの窓口にも点検や見積を頼んで比べてください。保証が残っていれば無料で直る場合があります。契約してしまった場合は、クーリング・オフが使えるかを消費者ホットライン(188)で相談できます。
見積を見る前のおさらい
- 付けた後のお金は、点検・修理・パワコンの交換・FIT後の売電・撤去処分の5つ。保証書と売電の契約書の日付が予定表の骨組み
- 点検は「回数×1回の料金」で見込む。回数はガイドラインの時期、料金は依頼先の料金表で確かめる
- 修理の自己負担は、保証の種類・年数・申込みで変わる。故障でなかったときの判定料にも気をつける
- パワコンの交換は保証の終わる年から逆算する。FIT期間中は変更の手続きを確かめる
- 住宅用のFITは10年間。満了の通知が来たら、売電先を選ぶか自家消費を増やすかを決める。何もしないと無償で引き取られる場合がある
- 撤去は足場・取外し・運搬処分・屋根の補修を行に分けてもらい、廃止の届出とマニフェストを確かめる
- みらいエコ住宅2026事業では太陽光の設置工事は補助の対象外。市区町村の制度は住所の要綱で確かめる
太陽光発電の維持費は、毎年少しずつ出ていくお金より、保証の終わりとFITの満了が重なる10年前後に、判断がまとめてやって来るところに特徴があります。だからこそ、付けた日に保証書と契約書の日付を家族と共有し、点検のたびに「次に何が来るか」を確かめておくことが、慌てて高い契約を結ばないためのいちばんの備えになります。
出典:資源エネルギー庁「買取価格・期間等」/資源エネルギー庁「どうする?ソーラー」/JPEA「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」/環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第三版)」/三菱電機「住宅用太陽光発電システムの定期点検」/シャープ「安心の長期保証」

