- 二世帯住宅でも、国の補助金は使える?
- 給湯器を親世帯と子世帯で1台ずつ替えたら、2台とも補助が出る?
- うちは「戸建て」として扱われるの?「共同住宅」として扱われるの?
- 玄関が2つある家は、住戸ふたつと数えられる?
- 中の階段や廊下でつながっている二世帯住宅は、どうなる?
- 窓リノベの上限100万円は、世帯ごとに使えるの?
- 業者に「1戸で申請します」と言われたけれど、それで損をしていない?
- 見積の補助額が、戸建ての表で計算されているのは合っている?
上記のような悩みに答えます。
二世帯住宅の補助金は、国の住宅省エネ2026キャンペーンの各事業で「その家を住戸いくつと数えるか」によって、使う表や台数の数え方が変わります。検索すると「二世帯なら給湯器が2台とも対象になる可能性がある」といった要約が出てきますが、なぜそうなるのか、窓や断熱の事業ではどう扱われるのかまでは書かれていません。公式の要件書には二世帯住宅の扱いが注記の形で載っているものの、3つの事業を横に並べて読める形にはなっていません。そこで、3事業に共通する物差しである住戸の数え方を押さえたうえで、給湯器の台数、窓の補助額の表、断熱リフォームでの扱いを、事業ごとの要件書とよくある質問で確かめながら整理しました。自分の家が何戸に当たるかは事業者と事務局が判断することなので、断定はせず、申請の前に何をそろえればいいかまでを書きます。
3つの事業とも、二世帯住宅は住戸を複数もつ建物(給湯省エネでは共同住宅等、みらいエコ住宅では共同住宅、窓リノベでは集合住宅)に含まれ、何戸と数えるかは建物の中で行き来できるかで決まります。給湯器はどちらの数え方でも2台までに収まり、窓リノベは中で行き来できない独立した二世帯なら集合住宅の表で計算します。申請の前に、事業者が何戸として、どの表で申請するのかをそろえておくことが大切です。
2026年度の制度・2026年9月時点で確かめています
国の事業は住戸の数で数える

二世帯住宅は、国の3つの事業(先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・みらいエコ住宅2026事業)のどれでも補助の対象になりえます(みらいエコ住宅のリフォームは平成28年以前に新築された住宅に限ります)。そのうえで、どの表を使うか、何台まで出るかは、その家を住戸いくつと数えるかで決まります。
3つの事業はどれも、住宅を「住戸がひとつの建物」と「住戸を複数もつ建物」に分けて考えています。住戸がひとつなら戸建住宅、複数なら給湯省エネでは共同住宅等、みらいエコ住宅では共同住宅、窓リノベでは集合住宅と呼び、どの事業も二世帯住宅をマンションや長屋と並べて、住戸を複数もつ建物の例に入れています。見た目が一戸建てでも、制度の上では「世帯の数」ではなく「住戸の数」で数えるのが出発点です。
| 事業 | 住戸がひとつの建物 | 住戸を複数もつ建物 | 二世帯住宅の置き場所 |
|---|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業(環境省) | 戸建住宅(店舗併用を含む) | 集合住宅 | 集合住宅の例に入る。ただし中で容易に行き来できる家は戸建住宅 |
| 給湯省エネ2026事業(経済産業省) | 戸建住宅(店舗併用住宅を含む) | 共同住宅等 | 共同住宅等の例に入る |
| みらいエコ住宅2026事業(国土交通省・リフォーム) | 戸建住宅 | 共同住宅 | 共同住宅の例に入る。平成28年以前に新築された住宅なら、戸建・共同の別は問わず対象 |
制度がこう分けているのは、補助の上限や台数を「1戸あたり」で決めているからだと読めます。上限を戸ごとに決める以上、一軒の建物に住戸がいくつあるかを数えないと、上限をいくつ分当てはめるかが決まりません。二世帯住宅がややこしく見えるのは、見た目は一軒でも住戸が複数に分かれていることがあるためです。
たとえば、親世帯が1階、子世帯が2階に住む家で、給湯器と窓の工事を考えているとします。この家が制度の上で住戸ひとつと数えられるか、ふたつと数えられるかで、給湯器の台数の数え方も、窓の補助額の表も変わります。次の項で見る「中で行き来できるか」が、その分かれ目です。
どの事業でも、申請するのは施主ではなく、契約した住宅事業者です。二世帯住宅の数え方も、最終的には事業者が申請の形を決め、事務局が審査します。施主が先にやっておくことは、自分の家の造りを事業者に正確に伝え、何戸として申請するのかを聞いておくことです。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/先進的窓リノベ2026事業「対象要件の詳細(住宅)」/給湯省エネ2026事業「対象要件の詳細」/みらいエコ住宅2026事業 交付申請の要件(リフォーム)
中で行き来できるかで数が変わる
二世帯住宅を住戸いくつと数えるかは、建物の中で世帯どうしが自由に行き来できるかで決まります。中で行き来できれば住戸ひとつ、行き来できず外の階段でしか行き来できないなど独立性が高ければ、住戸ふたつとして扱われます。
この数え方は、給湯省エネとみらいエコ住宅の要件で、住宅瑕疵担保履行法(新築住宅の欠陥に備える保険や供託の仕組みを定めた法律)の資力確保措置等における戸数の算定によると書かれています。みらいエコ住宅の要件書では、住宅瑕疵担保責任保険に加入する(供託する)戸数と同じ、とも説明されています。住宅の業界ですでに使われている戸数の数え方に合わせることで、事業ごとに違う物差しにならないようにしていると読めます。窓リノベの要件書にも、複数の世帯が暮らしていても建物の中で容易に互いに行き来ができる住宅は二世帯住宅に当たらず、戸建住宅に当たる、という注記があります。
- 住戸ひとつとして数える
- 窓リノベでは戸建住宅
- 給湯器は戸建住宅の数え方
- 住戸ふたつとして数える
- 窓リノベでは集合住宅
- 給湯器は住戸ごと。2台以内なら1戸として申請も可
| 家の造り | 数え方の目安 | 確かめるときの材料 |
|---|---|---|
| 玄関は1つ、中の階段や廊下で上下の世帯がつながっている | 住戸ひとつ | 間取り図(中の動線) |
| 玄関は2つだが、中のドアや階段でも行き来できる | 中で行き来できるかで判断 | 間取り図・中の扉の位置 |
| 玄関が別で、2階へは外階段でしか上がれない | 住戸ふたつ | 間取り図・外観 |
注意したいのは、玄関の数だけでは決まらないことです。公式の説明は「中で自由に行き来できるか」を物差しにしているので、玄関が2つあっても中でつながっていれば、住戸ひとつとして扱われる可能性があります。反対に、玄関が1つに見えても、入ってすぐに世帯ごとに分かれて中で行き来できない造りなら、住戸ふたつに近い扱いになりえます。
たとえば、建てたときに住宅瑕疵担保責任保険を住戸ふたつ分でかけている家なら、補助金でも住戸ふたつとして数えられる可能性が高いと考えられます。建てた工務店やハウスメーカーに保険の戸数を聞くか、手元の保険の書類を見ると手がかりになります。ただし、この保険や供託(資力確保措置)は、法律が求めるようになった一定の時期より後に引き渡された新築住宅にしかありません。それより前に建てた家では保険の書類がそもそも無いので、間取り図と中の動線で判断することになります。ただし、最終的にどう数えるかは事務局の審査で決まるので、ここでの判断は目安です。
迷ったときは、間取り図を事業者に見せて「この家は何戸として申請しますか。その根拠は何ですか」と聞いてください。事業者が判断に迷うようなら、事業者から各事業の事務局に問い合わせてもらうのが確実です。
出典:給湯省エネ2026事業「よくあるご質問(リフォーム工事)」/みらいエコ住宅2026事業 交付申請の要件(リフォーム)/先進的窓リノベ2026事業 交付申請等の要件(リフォーム)
給湯器は2台まで、数え方は2通り

給湯省エネ2026事業では、二世帯住宅でも、給湯器の補助は合わせて2台までに収まります。住戸ひとつとして戸建住宅の数え方をしても、住戸ふたつとして共同住宅等の数え方をしても、結果は同じ上限になるからです。
給湯省エネの台数の上限は、戸建住宅はいずれか2台まで、共同住宅等は1住戸にいずれか1台までで、要件書ではこの上限を住戸あたりで示しています。「いずれか」は、機種を合わせた台数で数えるという意味です(機種ごとの細かな扱いは公式の機種のページで確かめてください)。さらにリフォームのよくある質問には、いわゆる二世帯住宅であっても、給湯器の設置が2台を超えない限り、1戸の住宅として申請して差し支えない、という回答があります。つまり二世帯住宅は、共同住宅等に含まれる建物でありながら、給湯器が2台までなら戸建住宅と同じ形で申請することも認められている、ということです。
| 数え方 | 台数の上限 | 二世帯で2台替えると |
|---|---|---|
| 住戸ひとつ(戸建住宅として申請) | いずれか2台まで | 2台とも対象になりうる |
| 住戸ふたつ(共同住宅等として申請) | 1住戸に、いずれか1台まで | 世帯ごとに1台ずつなら、2台とも対象になりうる |
- 例:二世帯住宅で、エコキュート(性能加算なし)を世帯ごとに1台ずつ、合わせて2台に替える
- 70,000円 × 2台 = 140,000円(住戸ひとつで申請しても、住戸ふたつで申請しても、台数の上限の中に収まる)
数え方で差が出るのは、片方の世帯に2台付ける場合と、合わせて2台を超えて付ける場合です。住戸ふたつとして数えると、1つの住戸に付けられるのは1台までなので、親世帯に2台付けて子世帯には付けない、という付け方は上限を超えます。一方で戸建住宅として申請するなら、2台を超えない限り、どちらの世帯に付けるかは台数の上限に関係しません。2台を超えた分は、どちらの数え方でも対象になりません。
古い電気温水器を外す撤去加算も、同じように台数で数えます。蓄熱式電気温水器の撤去加算は1台あたり2万円で、入れる高効率給湯器の台数までしか数えないので、給湯器を2台入れるなら、外す電気温水器も2台分までです。
たとえば、業者に「二世帯なので1戸で申請します」と言われた場合、給湯器が2台以内なら、公式のよくある質問の回答どおりの扱いです。反対に、給湯器を2台より多く付ける計画で「全部補助が出ます」と言われたら、どの数え方で何台分を計算したのかを確かめてください。
給湯器の機種ごとの額と加算は給湯省エネ2026事業の補助額と上限はいくら?にまとめています。二世帯住宅で確かめるのは、何台入れるか、どちらの世帯に何台付けるか、何戸として申請するかの3つです。
出典:給湯省エネ2026事業「対象要件の詳細」/給湯省エネ2026事業 交付申請等の要件(K2)/給湯省エネ2026事業「よくあるご質問(リフォーム工事)」/資源エネルギー庁 事業ページ
窓リノベは戸建てと集合で表が違う
先進的窓リノベ2026事業では、中で行き来できない独立した二世帯住宅は集合住宅に当たり、窓の補助額は集合住宅の表で計算します。中で容易に行き来できる家は戸建住宅に当たり、戸建ての表を使います。
窓リノベの補助額は、窓1か所ごとに、工事の種類・性能区分・大きさで決まり、戸建てと集合住宅で別の表になっています。どちらの表を使うかは、見積の補助額を大きく左右します。内窓設置で比べると、集合住宅の表は、どの区分でも戸建ての表より少し高めに設定されています。
| 内窓設置・中(M)の1か所あたり | 戸建て | 集合住宅 |
|---|---|---|
| P(SS) | 58,000円 | 64,000円 |
| S | 34,000円 | 37,000円 |
- 例:内窓・P(SS)・中(M)を3か所
- 戸建ての表:58,000円 × 3か所 = 174,000円
- 集合住宅の表:64,000円 × 3か所 = 192,000円
- 差:192,000円 − 174,000円 = 18,000円
見積の補助額が自分の計算と合わないとき、二世帯住宅では、まず「どちらの表で計算したか」を確かめると早く解決します。独立した二世帯住宅なのに戸建ての表で計算されていれば、見積の額は低めに出ていることになり、中で行き来できる家なのに集合住宅の表で計算されていれば、高めに出ていることになります。後者のまま契約して、審査で戸建てとして扱われれば、契約の定め方によっては補助額が下がった分が施主の負担に回ります。
たとえば、1階と2階で世帯が分かれ、2階へは外階段でしか上がれない家で、各世帯の窓に内窓を付ける場合は、集合住宅の表で計算するのが公式の定義に沿った形です。反対に、中の階段で上下がつながっている家なら、世帯が2つあっても戸建ての表です。
窓の工事の対象要件そのものは先進的窓リノベ2026事業の対象要件は?で確かめられます。自分の窓の組み合わせを入れて額を計算するなら補助金シミュレーターへ。戸建てと集合の両方で計算して、見積の額がどちらに近いかを見ると、使われた表の見当がつきます。
出典:先進的窓リノベ2026事業 交付申請等の要件(リフォーム)/公式「内窓設置」(補助額)
窓リノベの上限と下限の見方
窓リノベの上限は1戸あたり100万円、下限は1回の申請の補助額の合計が5万円未満だと申請できない、というものです。二世帯住宅では、どちらも「何戸として、どの単位で申請するか」とセットで確かめる必要があります。
上限が「1戸あたり」で決められているので、二世帯住宅が住戸ひとつと数えられるか、ふたつと数えられるかで、上限をどの単位で当てはめるかが変わりうることになります。ただ、住戸ふたつの二世帯住宅で上限や下限を住戸ごとに見るのか、申請をどうまとめるのかは、公式の要件書を読んでもこの場で言い切れるほどはっきり書かれていません。ここは推測で書かず、事業者に申請の単位を確かめる項目として扱います。
| 確かめること | なぜ要るか |
|---|---|
| 何戸として申請するか | 使う表(戸建て/集合住宅)が決まる |
| 申請を世帯ごとに分けるか、まとめるか | 下限の5万円をどの単位で判定するかが変わりうる |
| 上限の100万円をどの単位で見るか | 窓の数が多い工事で、頭打ちになる額が変わりうる |
たとえば、子世帯の窓だけに小さな内窓を少しだけ付ける工事では、下限の5万円に届くかどうかが問題になります。親世帯の窓の工事と同じ申請にまとめられるかどうかで、申請できるかが変わる可能性があるので、「世帯ごとに分けて申請しますか、まとめて申請しますか。そのとき5万円の下限はどう判定されますか」と聞いてください。
上限の100万円に届くのは、外窓交換を大きい窓で何か所もするような大きな工事です。内窓中心の工事なら、上限より下限のほうが気にする場面は多くなります。二世帯住宅だからといって上限が倍になると考えて計画を立てるのではなく、まず自分の工事の補助額の合計を出し、上限や下限に近いときだけ申請の単位を詰めるのが手堅い進め方です。
窓リノベの申請の流れと、施主が関わる場面は先進的窓リノベ2026事業の申請は誰がする?にまとめています。
出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」/環境省「先進的窓リノベ2026事業」詳細資料
みらいエコ住宅での二世帯の扱い
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)は、平成28年以前に新築された住宅が対象で、その中では戸建住宅か共同住宅かを問わず、二世帯住宅は共同住宅の例に入っています。それより新しい二世帯住宅は、この事業のリフォームの対象になりません。住戸の数え方は、給湯省エネと同じく住宅瑕疵担保履行法の戸数の算定によります。
この事業は、躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む幅広いリフォーム工事が対象です。2026年度は、補助の上限が世帯の別(子育て世帯かどうかなど)ではなく、住宅を建てた年と改修後の性能で決まる仕組みになっています。二世帯住宅で「子世帯が子育て世帯だから額が上がるのでは」と考える人もいますが、リフォームの上限を決めるのは世帯の種類ではありません。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 対象になる住宅 | 平成28年以前に新築された住宅。戸建住宅・共同住宅の別は問わない(二世帯住宅は共同住宅の例に入る) |
| 住戸の数え方 | 住宅瑕疵担保履行法の資力確保措置等における戸数の算定による |
| 上限の決まり方 | 世帯の別ではなく、建てた年と改修後の性能で決まる(平成4年〜平成28年に新築した住宅で義務基準相当なら80万円/戸) |
| 必須の工事 | 平成28年以前に新築された住宅で、任意の1つの居室(トリガールーム)の外皮に面したすべての開口部を断熱改修し、その開口部の性能区分に応じて躯体の断熱改修を所定の部位数で行う(区分Pなら躯体は不要。平成4〜28年新築ならSも不要。義務基準に合わせる場合は高効率給湯器か高効率エアコンの設置も必要) |
| 下限 | 1回の申請の補助額の合計が5万円未満だと申請できない(同じ発注者が同じ住宅で窓リノベや給湯省エネなどの交付決定を受けている場合に限り2万円) |
必須の工事は「1つの居室の開口部すべてを断熱改修し、その性能区分に応じて躯体も改修する」組み合わせです(開口部の区分が高ければ躯体の改修は不要になります)。二世帯住宅で世帯ごとに工事を分ける場合、どちらの世帯の、どの部屋でこの条件を満たすのかを、申請の単位と一緒に考える必要があります。住戸ふたつと数える家で、世帯ごとに申請を分けるなら、それぞれで必須の工事を満たせるかを事業者に確かめてください。
たとえば、親世帯の居間で窓と壁の断熱をまとめて行い、給湯器も替える計画なら、窓は窓リノベ、給湯器は給湯省エネ、壁の断熱はみらいエコ住宅と、工事ごとに事業を分けて申請する形になります。同じ発注者が同じ住宅で窓リノベや給湯省エネの交付決定を受けていれば、みらいエコ住宅の下限が5万円から2万円に下がるので、壁の断熱の補助額が小さくても申請できる可能性があります。二世帯住宅で気をつけたいのは、この「同じ発注者」の条件です。窓は親世帯、断熱は子世帯というように工事の発注者が世帯で分かれると、2万円の下限が当てはまるかどうかが変わりうるので、発注者を誰にするかも含めて事業者に確かめてください。
みらいエコ住宅の上限は住宅の建てた年と改修後の性能の組み合わせで変わるので、二世帯住宅でも、まず自分の家がどの組み合わせに当たるかを事業者に聞くのが出発点です。
出典:みらいエコ住宅2026事業 交付申請の要件(リフォーム)/国土交通省 資料/みらいエコ住宅2026事業 公式サイト
申請の前に業者とそろえること
二世帯住宅で補助金を申請するときは、工事の前に「何戸として、どの表で、どの単位で申請するか」を事業者とそろえておくことが、いちばんの備えになります。
3つの事業とも、申請の手続きは施主ではなく、契約した住宅事業者がします。数え方の判断も事業者が申請の形に落とし込むので、施主が制度の定義を細かく覚える必要はありません。ただ、家の造りをいちばんよく知っているのは住んでいる家族で、事業者は間取り図と現地で見たことから判断します。中の扉がふだん閉めきりになっている、外階段のほかに中の階段もある、といった事情は、施主が伝えないと事業者には分かりません。
- 1家の造りを伝える間取り図と、中で行き来できるか
- 2何戸として申請するか聞く根拠もあわせて
- 3どの表・台数で計算したか聞く窓は戸建てか集合か、給湯器は何台か
- 4申請の単位を聞く世帯ごとか、まとめてか
- 5補助金の戻り方を聞く共同事業実施規約などで決まる
- 家の造り(中で行き来できるか、外階段だけか)を、間取り図を見せて伝える
- 何戸として申請するのか、その根拠は何かを聞く
- 窓の補助額は戸建てと集合住宅のどちらの表で計算したか、給湯器は何台分で計算したかを聞く
- 申請を世帯ごとに分けるのか、まとめるのか、そのとき下限と上限をどう見るのかを聞く
- 補助金がどういう形で、誰に戻るのかを聞く
5つ目の補助金の戻り方は、二世帯住宅では特に大事です。窓リノベでは、事業者は受け取った補助金を施主に全額還元し、その方法は交付申請のときに共同事業実施規約で合意した方法になります。親世帯と子世帯で工事代金を分けて払う場合などは、補助金がどちらの支払いに充てられるのかで家族の話し合いの前提が変わるので、契約の前に確かめて、書面に残してもらってください。
たとえば、すでに契約していて、見積の補助額が戸建ての表で計算されていることにあとから気づいた場合は、交付申請の前であれば、事業者に数え方を確かめ直してもらう余地があります。窓リノベの交付申請はすべての工事が完了した後にするので、工事の途中でも、申請の前なら話し合えます。数え方が変われば補助額も変わるので、そのときは見積の補助額の欄を書き直してもらってください。
事業者に聞いても判断がはっきりしないときは、事業者から各事業の事務局に問い合わせてもらうのが確実です。問い合わせるときは、間取り図と、中で行き来できるかどうかの説明を添えると話が早く進みます。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
二世帯住宅は「何戸で数えるか」で補助額が変わるので、1社の見積だけでは数え方が正しいか確かめようがありません。複数の登録事業者に同じ間取り図を見せて、戸数の判断と補助額の計算をそろえて聞くのが確実です。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえる無料のサービスもあります。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助金は、使えば必ず得になるものではありません。二世帯住宅では、次のような場合に、使わない、または急がない判断もあります。
- 補助の台数や上限を使い切るために、要らない給湯器や窓の工事を足す:戻る額より、増える工事代のほうが大きくなりがちです
- 住戸ふたつとして数えてもらうために、中の扉をふさぐなど家の造りを変える:補助額の差より、工事代と暮らしにくさのほうが大きくなることがあります
- 何戸と数えるかがはっきりしないまま、補助金が出る前提の金額で契約を急ぐ:数え方が変われば補助額も変わり、契約の定め方によっては差額が施主の負担になりえます
1つ目は、工事を1つ足したときに増える工事代と、増える補助額を比べれば判定できます。二世帯住宅は世帯が2つあるぶん「せっかくなら両方の世帯で」と工事を広げがちですが、困っていない窓や、まだ使える給湯器まで替えるかどうかは、補助金とは別に考えたほうが後悔しにくくなります。
2つ目は、補助金のために家の使い方を変える判断です。窓リノベで集合住宅の表になれば1か所の額は少し上がりますが、その差は上の計算のように窓数か所で数万円ほどです。家の中の動線は毎日の暮らしに関わるので、補助額の差だけで決めるのは順番が逆です。
3つ目は、事情によって答えが変わります。変わる条件は、家の造りがどちらの数え方に当たるかのはっきりさと、工事の急ぎ具合です。数え方を事業者に確かめ、補助額を戸建てと集合住宅の両方で見積ってもらったうえで、どちらになっても家計が困らないかを家族で話してから契約するのが手堅い進め方です。
出典:先進的窓リノベ2026事業 交付申請等の要件(リフォーム)/給湯省エネ2026事業「よくあるご質問(リフォーム工事)」
よくある質問
二世帯で給湯器を2台替えたら、2台とも出ますか?
2台とも対象になりえます。住戸ひとつとして戸建住宅の数え方をすれば2台まで、住戸ふたつとして共同住宅等の数え方をすれば住戸ごとに1台までなので、世帯ごとに1台ずつならどちらでも2台に収まります。2台を超えた分は、どちらの数え方でも対象になりません。
玄関が2つあれば、住戸ふたつですか?
玄関の数だけでは決まりません。公式の説明では、建物の中で自由に行き来できれば住戸ひとつ、行き来できず外階段でしか行き来できないなど独立性が高ければ住戸ふたつとして扱います。間取り図を事業者に見せて、何戸として申請するかを確かめてください。
窓リノベの上限100万円は、世帯ごとに使えますか?
上限は1戸あたり100万円と決められていますが、住戸ふたつの二世帯住宅で上限をどの単位で見るかは、要件書から言い切れるほどは書かれていません。窓の数が多く上限に近い工事なら、申請の単位を事業者に確かめてください。内窓中心の工事なら、上限に届くことはあまりありません。
みらいエコ住宅は子育て世帯だと上がる?
2026年度のリフォームでは、上限は世帯の別ではなく、住宅を建てた年と改修後の性能で決まります。対象は平成28年以前に新築された住宅で、二世帯住宅は共同住宅の例に入りますが、戸建住宅・共同住宅の別は問わず対象です。必須の工事(1つの居室の開口部すべての断熱改修と、その性能区分に応じた躯体の断熱改修の組み合わせ)を満たせるかを先に確かめてください。
世帯ごとに別々に申請するのですか?
申請するのは施主ではなく事業者で、どう申請をまとめるかは家の数え方と工事の内容で変わります。世帯ごとに分けるかまとめるかで、下限の5万円の判定が変わる可能性があるので、契約の前に事業者に聞いてください。
自分の家が何戸か、どこに聞けばいいですか?
まずは工事を頼む事業者に間取り図を見せて聞いてください。判断がつかないときは、事業者から各事業の事務局に問い合わせてもらうのが確実です。建てたときの住宅瑕疵担保責任保険の戸数も手がかりになります。
見積を見る前のおさらい
- 3つの事業とも、二世帯住宅は住戸を複数もつ建物の例に入る。表や台数は「世帯の数」ではなく「住戸の数」で決まる
- 住戸の数は、建物の中で自由に行き来できるかで決まる。玄関の数だけでは決まらない
- 給湯器は、戸建住宅の数え方でも共同住宅等の数え方でも、二世帯住宅なら2台までに収まる。2台を超えた分は対象外
- 窓リノベでは、中で行き来できない独立した二世帯住宅は集合住宅の表。内窓・P(SS)・中(M)なら1か所64,000円で、戸建ての58,000円より高い
- 窓リノベの上限(1戸あたり100万円)と下限(5万円)は、申請の単位とセットで事業者に確かめる
- みらいエコ住宅(リフォーム)は平成28年以前に新築された住宅が対象で、戸建・共同の別は問わない。上限は世帯の別ではなく、建てた年と改修後の性能で決まる。下限2万円の例外は同じ発注者・同じ住宅に限る
- 申請の前に、何戸として・どの表で・どの単位で申請するか、補助金がどう戻るかを事業者とそろえる
二世帯住宅の補助金で迷いやすいのは、額そのものより「うちは何戸か」という入口のところです。間取り図を1枚用意して、中で行き来できるかを家族で確かめ、その答えを持って事業者に何戸として申請するのかを聞けば、給湯器の台数も窓の表も、その場で筋道が通ります。

