- うちの市区町村にも、リフォームの補助金はあるの?
- あるとしたら、いくら出るの?どこで調べればいい?
- 市のホームページを見ても、どのページを読めばいいか分からない
- 営業に「市の補助金も使えますよ」と言われたけれど、本当?
- 国の補助金と市の補助金は、両方もらえるの?
- 要綱に「市内の業者に限る」とある。いま見積を頼んでいる業者はだめ?
- もう契約した工事でも、あとから申請できる?
- マンションやトイレの工事でも対象になる?
上記のような悩みに答えます。
市区町村のリフォーム補助金は、住んでいる市区町村がそれぞれ独自に設けている制度で、あるかどうかも、額も、条件も、住所によって違います。検索の上位には制度の一覧や、どこかの市の実施例を紹介するページが並びますが、一覧を眺めても「自分の見積と、いま話している業者で使えるのか」は分かりません。要綱のどこを読めばいいか、国の補助金とどちらを先に確かめるか、市区町村の条件が相見積にどう効くか、といった施主の側の問いに答えているページはほとんどありません。そこで、住所から制度を探す手順と、要綱で確かめる項目のチェック表を軸に、国の補助金との順番と併用の考え方まで、公式サイトと国の資料で確かめながら整理しました。個別の市区町村の額や、制度が使えるかどうかの判定はここではしません。代わりに、自分で確かめるための道順を最後まで書きます。
市区町村のリフォーム補助金は、住所と要綱で決まります。まず支援制度の検索サイトと市区町村の公式サイトで制度を探し、要綱で対象・額・業者の条件・申請の時期を確かめます。国の住宅省エネ2026キャンペーンは全国共通なので先に国の額を出し、市区町村の制度はその上乗せとして併用できるかを確かめる順番が、いちばん迷いません。
2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
国の事業の額は、工事の内容から補助金の計算ツールで出せます。ただし、ツールで計算できるのは国の事業の額だけです。市区町村の額は、この記事の手順で要綱を開いて確かめてください。

市区町村の補助は住所と要綱で決まる
市区町村のリフォーム補助金があるかどうか、いくら出るかは、住所と、その市区町村が出している要綱で決まります。国の補助金のように全国共通の額はありません。
そうなっているのは、市区町村の補助が、それぞれの地域の事情に合わせて作られているからです。耐震化を進めたい、高齢の人が住み続けられるようにしたい、地元の工事業者の仕事を増やしたい、といった目的は市区町村ごとに違い、目的が違えば対象の工事も、補助の出し方も、誰に工事を頼めばいいかの条件も変わります。同じ「リフォーム補助金」という名前でも、隣の市とは中身が別物だと考えておくほうが安全です。
市区町村の制度は、目的によっておおむね次のように分かれます。住宅リフォーム推進協議会の検索サイトも、この分け方で制度を分類しています。
| 支援の分類 | どんな工事が対象になりうるか |
|---|---|
| 耐震化 | 耐震診断・耐震改修 |
| バリアフリー化 | 手すり・段差の解消など |
| 省エネルギー化 | 窓や壁の断熱、省エネ設備の設置 |
| 環境対策 | 環境に配慮した改修 |
| 防災対策 | 災害への備えの改修 |
| 同居対応 | 親世帯・子世帯の同居や近居のための改修 |
| その他 | 地域の工事業者を使う改修など、上のどれにも入らないもの |
たとえば、営業に「市の補助金も使えます」と言われた場合、その補助金がどの分類の制度かで、確かめることが変わります。省エネの制度なら対象の製品や性能、バリアフリーの制度なら住む人の条件、地域の業者を使う制度なら施工業者の所在地が、それぞれ要になります。「使えます」の一言だけでは、どの制度のどの条件を満たしているのかが分かりません。
編集部の整理では、市区町村の補助金は「探す」より「要綱で確かめる」ほうに時間をかける価値があります。制度の名前を見つけた時点ではまだ半分で、自分の住宅・工事・業者・時期が要綱の条件に当てはまるかを1つずつ照らして、ようやく使えるかどうかが見えてきます。
住所から制度を探す4つの手順

市区町村の制度は、検索サイトで候補を見つけ、市区町村の公式サイトで最新の募集を確かめ、要綱を開き、最後に担当課に電話で確かめる、の順で探すと漏れが少なくなります。
この順番にしているのは、情報の新しさと正確さが段階ごとに違うからです。検索サイトは一度に候補を見渡せますが、載っている内容が今年度の募集と同じとは限りません。市区町村の公式サイトは新しいものの、ページが分かれていて探しにくいことがあります。要綱はいちばん正確ですが、読むのに時間がかかります。そして要綱に書かれていないこと、たとえば今年度の受付がまだ続いているかは、担当課に聞かないと分かりません。
- 1検索サイトで候補を見つける住宅リフォーム推進協議会の支援制度検索サイト
- 2公式サイトで今年度の募集を探す「住宅リフォーム 補助」「住宅改修 助成」などで検索
- 3要綱・募集案内を開く対象・額・業者の条件・申請の時期を読む
- 4担当課に電話で確かめる受付の状況と、自分の工事が当てはまるか
1つ目の検索サイトは、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が運営する、地方公共団体の住宅リフォーム支援制度を市区町村ごとに探せる検索サイトです。使い方は次の項で詳しく書きます。
2つ目の公式サイトでは、サイト内検索に「住宅リフォーム 補助」「住宅改修 助成」「リフォーム 補助金」などを入れて探します。制度の名前は市区町村によって「補助」「助成」「支援」「奨励」と言い方が違うので、1つの言葉で見つからなければ言い換えて探してください。耐震やバリアフリーの制度は、住宅の担当ではなく、防災や福祉の担当のページに置かれていることもあります。
3つ目の要綱は、「◯◯補助金交付要綱」「募集案内」「申請の手引き」といった名前のPDFで出ていることがよくあります。公式サイトのページに書かれた概要だけで判断せず、要綱の本文まで開いてください。概要のページでは、施工業者の条件や申請の時期が省かれていることがあるからです。
たとえば、検索サイトで候補が見つかったのに公式サイトに今年度の募集ページが無い場合は、今年度は募集していないのか、まだ公表前なのか、ページの場所が変わっただけなのかが分かりません。そういうときこそ4つ目の電話が効きます。電話で聞く中身は、下の「担当課に電話で確かめること」の項にまとめました。
編集部の整理では、4つの手順のうち、飛ばしてはいけないのは3つ目と4つ目です。検索サイトと公式サイトの概要で「ありそうだ」と分かっても、要綱と電話で確かめるまでは、見積の金額から補助金を差し引いて考えないほうが安全です。
支援制度検索サイトの使い方
住宅リフォーム推進協議会の検索サイトでは、住所の都道府県と市区町村を選び、支援の分類と支援の方法で絞り込むと、その市区町村が実施している住宅リフォームの支援制度の一覧が出ます。
このサイトが便利なのは、市区町村ごとに分かれている制度を、同じ形の一覧で見られるからです。公式サイトでは制度の置き場所がばらばらでも、ここでは制度名・分類・支援の方法・工事施工者の条件が同じ列に並ぶので、候補を見落としにくくなります。
入口は3つあります。
- お住まいの市区町村から探す:都道府県を選び、市区町村にチェックを入れて検索する
- 日本地図から検索:地図から都道府県を選ぶ
- 制度内容で探す:支援分類(耐震化・バリアフリー化・省エネルギー化・環境対策・防災対策・同居対応・その他)と、支援方法(補助・融資・利子補給・専門家等派遣・その他)で絞る
検索結果の一覧には、都道府県・実施地方公共団体・制度名(事業名)・支援分類・支援方法・工事施工者の列が並びます。「制度終了日が過ぎているデータを除く」という絞り込みもあるので、終わった制度を候補から外したいときに使えます。事業名をクリックすると、制度の概要のページが開きます。
概要のページには、対象工事・補助対象となる費用・補助率等・対象住宅・発注者の条件・工事施工者の条件・詳細ホームページ・担当部署・お問合せ先・最終更新日といった項目が並びます。ここで特に見てほしいのは、工事施工者の条件と最終更新日です。工事施工者の欄に「都道府県内または市町村内の事業者」とあれば、地元の業者に頼むことが条件の制度です。最終更新日は、その情報がいつ時点のものかを示します。
たとえば、トイレやキッチンなど水回りの工事を考えているなら、まず市区町村だけを選んで絞り込みなしで一覧を出し、制度の名前と支援分類を見ていきます。水回りの工事は、省エネやバリアフリーのほか、「その他」の分類の制度で対象になっていることもあるので、最初から分類で絞りすぎないほうが見落としません。高齢の家族のための手すりや段差の工事なら、バリアフリー化の制度に加えて、介護保険の住宅改修という別の仕組みもあります。こちらはケアマネジャーか、市区町村の介護保険の窓口に相談してください。
注意したいのは、このサイトの情報がそのまま今年度の募集とは限らないことです。サイト自身も、最新の情報については各地方公共団体に問い合わせるよう書いています。編集部の整理では、検索サイトは「候補を見つける場所」、要綱は「条件を確かめる場所」と役割を分けて使うのがいちばん確実です。検索サイトで見つけた制度名と詳細ホームページのURLを控えておけば、次の手順で公式サイトの要綱にすぐたどり着けます。
要綱で確かめる項目のチェック表
要綱を開いたら、次の項目を上から順に確かめます。この表のどれか1つでも自分の工事に合わなければ、その制度は使えないか、段取りを変える必要があります。
要綱には、制度の目的から始まって、定義・対象・額・手続き・取消しまでが条文の形で並んでいて、読み慣れていないと、どこが自分に関係するのか見えにくいものです。そこで、施主が判断に使う項目だけを抜き出し、要綱の中で探すときの手がかりになる言葉を並べました。
| 確かめる項目 | 要綱で探す言葉 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 対象者 | 補助対象者・申請者 | 住民登録・所有者・居住・税の滞納の有無など |
| 対象住宅 | 対象住宅・補助対象住宅 | 戸建てか集合住宅か、専有部分だけか、賃貸や店舗併用の扱い |
| 対象工事 | 補助対象工事 | 自分の工事の名前が入っているか、工事費の下限があるか |
| 補助率と上限 | 補助金の額・補助率・限度額 | 工事費の何割か、上限はいくらか、端数の扱い |
| 施工業者の所在地 | 施工者・施工業者 | 市区町村内の業者に限るか、本店か支店か |
| 着工前の申請 | 申請の時期・着手 | 工事の前に申請が要るか、交付決定の後に着工か |
| 受付期間と方式 | 受付期間・先着・抽選 | いつからいつまでか、先着順か抽選か |
| 国の事業との併用 | 他の補助金との併用・重複 | 国の補助と一緒に使えるか、同じ工事で重ねられるか |
| 完了報告の期限 | 実績報告・完了報告 | 工事が終わってから何をいつまでに出すか |
| 必要書類 | 提出書類・添付書類 | 見積書・図面・工事前の写真などを誰が用意するか |
- どの制度か分からない
- 業者の条件が見えない
- いつ申請するか分からない
- 制度名と要綱の場所が分かる
- 市区町村内の業者に限るかが分かる
- 着工の前か後かが分かる
表の中で、見積の段取りに直接効くのは、施工業者の所在地・着工前の申請・受付期間と方式の3つです。この3つは、見積を取る業者の選び方と、契約・着工の日付を左右します。反対に、対象者と対象住宅は自分で確かめられることが多く、必要書類は業者と分担を決めれば足ります。
たとえば、要綱に「市内に本店を有する施工業者」とあれば、市外の業者や、支店だけが市内にある業者の見積では使えない可能性があります。「交付決定の後に着工すること」とあれば、国の補助金のつもりで先に着工してしまうと、市区町村の分は対象から外れることがあります。「先着順」とあれば、受付の開始日と、受付がすでに終わっていないかを先に確かめる必要があります。
編集部の整理では、このチェック表を印刷するかスマホに控え、要綱を読みながら各項目の横に「満たす」「満たさない」「分からない」を書き込むのがいちばん早い方法です。「分からない」が残った項目が、担当課に電話で聞く中身になります。書き込んだ表は、業者に見積を頼むときにも、家族に説明するときにも、そのまま使えます。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
要綱の条件(市内の業者に頼む・着工前に申請する など)を確かめたら、その条件を満たせる業者から見積を取ります。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえる無料の一括見積サービスを使う場合は、申し込みの時点で「市の補助金を使う予定」と伝え、条件を満たせる会社かを確かめてください。
国の補助金の額を先に出す

市区町村の制度を調べる前に、国の補助金でいくら出るかを先に出しておくと、あとの判断が楽になります。国の住宅省エネ2026キャンペーンは全国共通で、住所によって額が変わらないからです。
住宅省エネ2026キャンペーンは、国土交通省のみらいエコ住宅2026事業、経済産業省の給湯省エネ2026事業、環境省の先進的窓リノベ2026事業、経済産業省の賃貸集合給湯省エネ2026事業の4つの事業をまとめて運用しているもので、まとめて申請(ワンストップ申請)ができます。国の額が先に決まれば、市区町村の制度は「上乗せがあるかどうか」だけを見ればよくなります。順番を逆にすると、市区町村の要綱を読むうちに国の条件と混ざり、どちらの話か分からなくなりがちです。
| 事業 | 所管 | 額の決まり方の例 |
|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業 | 環境省 | 1戸あたりの上限は100万円。1回の申請の合計が5万円未満だと申請できない |
| 給湯省エネ2026事業 | 経済産業省 | 1台あたりの基本額はエコキュート7万円・ハイブリッド給湯機10万円・エネファーム17万円。戸建ては2台まで、共同住宅等は1台まで |
| みらいエコ住宅2026事業(リフォーム) | 国土交通省 | 上限は新築の時期と改修後の性能で決まる(例:改修後の性能が義務基準相当の場合、平成3年以前の新築で100万円、平成4年から平成28年の新築で80万円)。1回の申請の合計が5万円未満だと申請できない(同じ発注者が同じ住宅で窓リノベか給湯省エネの交付決定を受けている場合は2万円) |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 | 経済産業省 | 賃貸の集合住宅の給湯器が対象 |
国の事業の申請は、施主ではなく、施主と契約する住宅事業者がします。キャンペーンの公式サイトは、各事業の交付申請の手続きを住宅事業者が行うと書いています。つまり国の補助金は、業者選びと切り離せません。この点も、市区町村の制度とは仕組みが違うことがあるので、要綱で申請者が誰かを確かめてください。
たとえば、給湯器をエコキュートに替える見積なら、国の額の出発点は1台あたり7万円です。窓の断熱も一緒にするなら、窓リノベの額が加わります。ここまでを国の額として出してから、市区町村に省エネの設備や断熱の制度があるかを探すと、「国で出る分」と「市区町村で上乗せになりうる分」を分けて考えられます。窓の額の出し方は先進的窓リノベ2026の補助額、給湯器は給湯省エネ2026の補助額で詳しく扱っています。


編集部の整理では、見積の補助金の欄を「国の分」と「市区町村の分」の2行に分けてもらうのが、いちばん確かめやすい形です。国の分は計算ツールで検算でき、市区町村の分は要綱で検算できます。1行にまとめて書かれていると、どちらの制度の、どの条件で計算した数字かが見えません。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」/給湯省エネ2026事業 公式「エコキュート」/みらいエコ住宅2026事業 交付申請の要件(リフォーム)
国と市区町村の補助金は併用できるか
国と市区町村の補助金を一緒に使えるかは、それぞれの制度の決まりで決まります。国の側については、先進的窓リノベ2026事業の資料に、地方公共団体の補助制度との併用の扱いが書かれています。
環境省の先進的窓リノベ2026事業の詳細資料には、他の補助制度との併用について、次の趣旨が書かれています。
- 他の国庫補助金は、補助対象に重複がない場合は併用できる
- 地方公共団体の補助制度は、国費が充当されているものを除き併用できる
2つ目の「国費が充当されているもの」とは、市区町村の制度であっても、その財源に国のお金が入っているものを指します。こうした制度は、窓リノベと一緒には使えません。見た目は市区町村の制度でも、財源に国の補助が入っているかどうかは制度の名前からは分からないので、担当課に「この制度には国費が充当されていますか」と聞くのが確実です。
ここに書いたのは、窓リノベの資料にある扱いです。給湯省エネやみらいエコ住宅と市区町村の制度を一緒に使えるかは、それぞれの事業の公式サイトと資料で、その事業の併用の扱いを確かめてください。また、国の側で併用できても、市区町村の要綱が「国の補助を受ける工事は対象外」としていることもありえます。国と市区町村の両方の決まりを満たして、はじめて一緒に使えます。
- 1国の事業の併用の扱いを読む窓リノベは地方公共団体の制度と併用できる(国費充当を除く)
- 2市区町村の要綱の併用の欄を読む国の補助を受ける工事の扱い
- 3国費が入っているか担当課に聞く入っていれば窓リノベとは併用できない
たとえば、窓の断熱で窓リノベを使い、市区町村の省エネの制度でも補助を受けたい場合は、市区町村の制度に国費が入っていないか、市区町村の要綱が国の補助との重複を認めているかの2つを確かめます。どちらかで引っかかれば、国と市区町村のどちらか一方を選ぶことになり、額の大きいほう、条件を満たしやすいほうを比べて決めます。
編集部の整理では、併用できるかどうかは推測で決めないことが何より大切です。「たぶん両方もらえる」と思って見積を組むと、どちらかが出なかったときに、その分を誰が負担するかで揉めます。確かめた結果は、業者にも伝えて見積の補助金の欄に反映してもらってください。
着工前の申請と施工業者の条件
市区町村の制度の中には、工事の前に申請が要るもの、市区町村内の業者に頼むことが条件のものがあります。どちらも、見積と契約の段取りに直接効く条件なので、見積を頼む前か、遅くとも契約の前に要綱で確かめてください。
これらの条件は、制度の要綱に書かれている条件です。要綱で着工前の申請や市区町村内の業者が条件になっていれば、あとから「知らなかった」では通りにくいので、見積と契約の前に確かめてください。
国の事業の着手時期とは考え方が違う点にも注意が要ります。国の住宅省エネ2026キャンペーンの窓リノベと給湯省エネは、令和7年11月28日以降に着手した工事が対象で、交付申請はその後です。みらいエコ住宅(リフォーム)も、令和7年11月28日から交付申請を行う日までの間に着手した工事が対象です。つまり国の事業は、着工してから申請する流れで組まれています。一方で市区町村の制度が「交付決定の後に着工」を求めていれば、国の流れに合わせて先に着工すると、市区町村の分は使えなくなることがあります。
| 条件 | 見積・契約で気をつけること |
|---|---|
| 着工前の申請が要る | 市区町村の交付決定を待ってから着工するよう、工事の日程を組む |
| 市区町村内の業者に限る | 相見積を取る業者を、要綱の条件を満たす業者から選ぶ |
| 申請者が施主 | 書類を誰が用意し、誰が窓口に出すかを業者と分担する |
| 工事の完了期限がある | 国の窓リノベは令和8年12月31日までに工事の完了が要る。市区町村の完了報告の期限と両方を確かめる |
たとえば、すでに契約して着工した工事について、あとから市区町村の制度を見つけた場合は、要綱の「申請の時期」の欄を読みます。着工前の申請が要る制度なら、その工事は対象にならない可能性が高いと考えておくほうが安全です。反対に、完了後の申請でよい制度なら、まだ間に合うことがあります。どちらか分からなければ、着工日と契約日を手元に置いて担当課に聞いてください。
編集部の整理では、市区町村の制度を使うかどうかは、業者を決める前に決めておくのが理想です。業者の条件と着工の時期は、あとから変えるほど手間がかかります。見積を頼むときに「市区町村の補助金を使うかもしれないので、要綱の条件を満たせるか確かめてほしい」と一言添えれば、業者の側も段取りを組みやすくなります。
出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」/環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細」/国土交通省「みらいエコ住宅2026事業の詳細」
担当課に電話で確かめること
要綱を読んでも分からないことは、市区町村の担当課に電話で確かめます。聞くことを先に決めておけば、電話は短く済みます。
電話が要るのは、要綱には書かれていないことがあるからです。今年度の受付がまだ続いているか、自分の工事の名前が対象工事に入るか、といったことは、要綱の文面からは判断しきれないことがあります。担当課は制度の運用をいちばんよく知っている場所なので、迷ったら聞くのがいちばん早い方法です。
電話の前に、手元に置いておくもの:
- 住宅の住所と、戸建てか集合住宅か
- 工事の内容(見積書があれば、工事の項目と品番)
- 頼もうとしている業者の名前と所在地
- 契約日と着工の予定日(すでに契約・着工していれば、その日付)
- 要綱のチェック表で「分からない」が残った項目
聞くことは、次の順番がおすすめです。まず「今年度の受付は続いていますか。先着順ですか、抽選ですか」。次に「この工事は対象になりますか」と工事の内容を伝えます。続いて「この業者の所在地で条件を満たしますか」「申請は着工の前ですか、後ですか」「国の補助金と一緒に使えますか。この制度に国費は入っていますか」。最後に「申請は誰がして、書類は何が要りますか」と聞きます。
たとえば、担当課が「受付は続いているが、先着順で予算に達したら終わる」と答えた場合は、申請の準備にどのくらい時間がかかるかを業者と相談し、間に合うかどうかを見ます。「この工事の名前は対象工事に書かれていないが、内容によっては対象になる」と言われた場合は、見積書を見てもらえるかを聞いてください。答えは日付と担当の人の名前と一緒にメモしておくと、あとで業者に伝えるときも、家族に説明するときも確かです。
編集部の整理では、電話で聞いた答えは、業者に見積を頼むときの「前提条件」として渡すのがいちばん役に立ちます。業者の側も、施主が確かめた条件がはっきりしていれば、それに合わせた見積と日程を出しやすくなります。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助金は、使えば必ず得になるものではありません。市区町村の制度は条件が細かい分、条件に合わせることで、かえって損になる場合があります。
条件の付いた補助は、条件を満たすための手間と引き換えです。業者の範囲が狭まる、工事の時期を待つ、工事を足す、といった手間が補助の額より大きければ、使わない判断のほうが手元にお金が残ります。
- 受付を待つ間に工事の時期がずれて、不具合が進む:雨漏りや設備の故障のように、待つほど傷みが広がる工事は、次の受付を待つより先に直すほうがよいことがあります
- 市区町村内の業者に絞ると、相見積が取れない:条件を満たす業者が少なく、見積を比べられないまま決めると、補助の額より大きな差が出ることがあります
- 要件を満たすために工事を足す:補助の対象にするために、もともと予定していなかった工事を加えると、補助の額以上に工事代が増えることがあります
- 着工前の申請を待つと、国の補助金の期限に間に合わない:市区町村の交付決定を待つ間に、国の事業の受付や完了の期限が迫る場合は、どちらを優先するかを比べます
たとえば、市区町村内の業者に限る制度で、条件を満たす業者が1社しか見つからないなら、その1社の見積と、市外の業者も含めた相見積の結果を比べてから決めても遅くありません。補助の額を差し引いても、ほかの業者の見積のほうが安ければ、補助を使わないほうが得です。
使うか使わないかを決めるときは、補助の額と、補助のために増える費用・待つ期間・狭まる選択肢を並べて比べてください。変わる条件は、工事の急ぎ具合と、条件を満たす業者の数と、国の事業の期限です。迷うときは、要綱のチェック表と業者の見積を並べて家族と相談し、担当課に受付の見通しを聞いたうえで決めてください。
よくある質問
マンションでも市区町村のリフォーム補助金は使えますか?
制度によります。要綱の「対象住宅」の欄で、集合住宅が対象か、専有部分だけが対象かを確かめてください。国の給湯省エネ2026事業では、共同住宅等は1台までが対象です。
トイレやキッチンの工事は対象になりますか?
市区町村の制度によって違います。支援制度検索サイトで市区町村を選び、分類で絞らずに一覧を出して、対象工事の欄を確かめてください。省エネやバリアフリーのほか、その他の分類の制度で対象になっていることもあります。
高齢の親のためのトイレの手すりや段差の工事に補助はありますか?
市区町村のバリアフリー化の制度のほかに、介護保険の住宅改修という別の仕組みがあります。介護保険の住宅改修は、ケアマネジャーか、市区町村の介護保険の窓口に相談してください。市区町村のリフォーム補助金と一緒に使えるかは、それぞれの窓口で確かめます。
市区町村の補助金は自分で申請するのですか?
制度によって違うので、要綱の申請者の欄を確かめてください。国の住宅省エネ2026キャンペーンの各事業は、施主と契約する住宅事業者が申請します。市区町村の制度で施主が申請する場合は、書類を誰が用意するかを業者と決めておきます。
もう着工した工事でも、市区町村の補助金を申請できますか?
要綱の申請の時期の欄で決まります。着工前の申請が要る制度なら、着工後の工事は対象にならない可能性が高いです。完了後の申請でよい制度もあるので、契約日と着工日を手元に置いて担当課に確かめてください。
市区町村の補助金は先着順ですか?
制度によって、先着順のものも抽選のものもあります。要綱の受付期間と受付の方式の欄を読み、今年度の受付が続いているかは担当課に確かめてください。
国の補助金と市区町村の補助金、どちらを先に調べればいいですか?
国の住宅省エネ2026キャンペーンは全国共通なので、先に国の額を出しておくと迷いません。そのうえで市区町村の制度を上乗せとして探し、併用できるかを要綱と担当課で確かめます。国の額は補助金の計算ツールで出せます。
見積を見る前のおさらい
- 市区町村のリフォーム補助金は、住所と要綱で決まる。全国共通の額は無い
- 探す順番は、支援制度検索サイト→市区町村の公式サイト→要綱・募集案内→担当課への電話
- 検索サイトは候補を見つける場所。最新の募集と条件は要綱と担当課で確かめる
- 要綱では、対象者・対象住宅・対象工事・補助率と上限・施工業者の所在地・着工前の申請・受付期間と方式・国の事業との併用・完了報告の期限・必要書類を確かめる
- 国の住宅省エネ2026キャンペーンの額を先に出し、市区町村の制度は上乗せとして見る。国の事業の申請は住宅事業者がする
- 窓リノベは、地方公共団体の補助制度と、国費が充当されているものを除いて併用できる。ほかの事業と市区町村の要綱の扱いは、それぞれで確かめる
- 着工前の申請と市区町村内の業者の条件は、見積と契約の段取りを左右する。業者を決める前に確かめる
- 条件に合わせることで損になるなら、使わない・急がない判断もある
営業の「市の補助金も使えます」は、要綱と照らすまでは仮の話です。国の分は計算ツールで、市区町村の分は要綱のチェック表で、それぞれ別に確かめれば、見積の補助金の欄がどこから来た数字かが分かり、家族にも同じ紙で説明できます。まずは住所の市区町村を検索サイトで開き、制度の名前と要綱の場所を控えるところから始めてください。

