2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 200万円あれば、家のどこまでリフォームできるの?
- みんなはリフォームに、平均いくらくらいかけているの?
- 浴室もキッチンもトイレも、200万円で全部直せる?
- 見積の金額のほかに、何にお金がかかるのか分からない
- 補助金を足せば、もっと広い範囲まで直せるのでは?
- あれもこれもやりたくて、何から優先すればいいか決められない
- 予算を超えた見積が届いたら、どこを削ればいいの?
上記のような悩みに答えます。
リフォームの予算は、工事の範囲を決める前に家族で決まることが多いお金です。検索すると、リフォーム会社や工務店の「予算別にできる工事例」と、AI要約による部位ごとの目安が並びます。ただ、そこに書かれているのは工事の金額だけで、手元の予算から先に引いておくべき見積の外の費用や、補助金を予算に足してよいのかどうか、予算を超えたときに削ってはいけない行までは書かれていません。そこで、予算の目安・部位ごとの価格・優先順位という基本を押さえたうえで、補助金を予算に数えない理由と、予算を超えたときの削り方まで、国土交通省の住宅市場動向調査とメーカーの条件つき参考価格、住宅省エネ2026キャンペーンの要件で確かめながら整理しました。
200万円は、国の調査でみるリフォーム資金の平均と中央値のどちらよりも大きい予算です。それでも、TOTOの参考価格では浴室と洗面所をまとめて直す工事が1つで予算の大半に当たる範囲なので、見積の外に出る費用を先に分け、残りを傷み・暮らし・見た目の順に配ります。住宅省エネ2026の補助金は工事のあとで事業者が申請して戻るお金なので予算には足さず、みらいエコ住宅2026事業は平成28年以前に新築された住宅で要件化工事を行い、補助額の合計が5万円以上になる場合だけが対象です。予算を超えたら製品のグレード、次に範囲の順で削り、下地・防水・配管と傷みの原因は削りません。
窓や給湯器の工事を組んだ場合に補助がいくらになるかは、補助金の計算ツールで試算できます。予算の配り方は、その結果を見る前に次の節から決めておけます。

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
予算の目安は国の調査で確かめる

予算が多いか少ないかは、リフォーム会社の事例ではなく、国の調査で見るのが確かです。会社の事例は、その会社が手がけた工事の中から選んで載せたものなので、どうしても大きな工事に寄りやすく、実際にリフォームした世帯全体の姿とは違うことがあるからです。
国土交通省の住宅市場動向調査は、前の年度にリフォームをした世帯を訪ねて、かかったお金や工事の中身を聞いています。平均と中央値の両方が出ているので、「大きな工事をした一部の世帯が平均を押し上げているかどうか」も分かります。
国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査 報告書」(令和8年7月公表・2026年10月19日に確認)。対象は令和6年度に増築・改築・模様替えなどのリフォーム工事をした住宅に住む方(三大都市圏・訪問留置調査)。資料に税込・税抜の別の記載はありません。
| 項目 | 調査の結果 |
|---|---|
| リフォーム資金の平均 | 170万円(このうち自己資金143万円・自己資金比率84.2%) |
| リフォーム資金の中央値 | 70万円(自己資金60万円・借入金0万円) |
| リフォームを機に買った耐久消費財(家具類・家電類・車両類・その他)の合計 | 平均86万円・中央値40万円 |
| 多かったリフォームの内容(複数回答) | 住宅内の設備の改善・変更37.8%、内装の模様替えなど27.3%、冷暖房設備等の変更25.9%、住宅外の改善・変更25.4% |
| 多かった動機(複数回答) | 住宅がいたんだり汚れたりしていた39.7%、家を長持ちさせるため22.3%、省エネ性能の向上のため17.8% |
この調査の平均は170万円、中央値は70万円なので、予算200万円はどちらよりも上にあります。
中央値は、回答を金額の順に並べたときの真ん中の値です。平均と中央値のどちらと比べても、200万円の予算は「少ない予算」ではありません。設備の入れ替えや内装の張り替えのように、多くの世帯がしている種類の工事なら、組み合わせを選べるだけの幅があります。
たとえば、洗面台とトイレを替えたい家と、浴室を在来工法からユニットバスにしたい家では、同じ予算でも残る額がまったく違います。前者は複数の工事を並べられますが、後者は浴室だけで予算の大半を使う可能性があります。平均より上の予算かどうかより、「何を直すと予算のどれだけを使うか」を次の項で確かめてください。
予算の目安が分かったら、家族で「200万円は上限なのか、目安なのか」を先に決めておくと、見積を受け取ったあとの話し合いが短くなります。
出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」報道発表/同 報告書(PDF)
届く範囲は部位の組み合わせで決まる
予算200万円で届く範囲は、「どの部屋を、どこまで直すか」の組み合わせで決まります。同じ浴室でも、水栓だけを替えるのか、浴室を丸ごと入れ替えるのか、隣の洗面所の床や壁まで張り替えるのかで、金額の桁が変わるからです。
部位ごとの金額は、メーカーが工事の条件まで公開している参考価格で見るのが確かです。ここではTOTOの参考価格を使います。特定のメーカーを勧めるためではなく、金額と一緒に「どの製品を、どんな範囲で工事した場合か」が書かれている一次の資料だからです。
TOTO「リフォームの参考価格」(キッチン・一戸建ての浴室・洗面所・トイレ。2026年10月19日に確認)。参考価格は商品代+工事代を合わせた総額(税込み)で、工事代には施工に関わる費用・搬入費用・撤去処分費・養生費用などを含みます。TOTOリモデルクラブ店を対象にした見積調査(WEB調査・実施期間2026年1月19日〜3月13日)の結果に消費税10%を上乗せし、上下10%ずつを除いた範囲です。この範囲に含まれない見積もあり、住宅の構造・地域・商品の仕様で変わります。
| 部位と範囲(TOTOの調査の条件) | 参考価格(税込み・商品代+工事代) | 工事の時間・日数 |
|---|---|---|
| トイレ:温水洗浄便座(ウォシュレットSS)だけ交換 | 7〜11万円 | 0.5〜2時間 |
| トイレ:便器と便座(ピュアレストQR+ウォシュレットSS)を交換 | 15〜24万円 | 1〜4時間 |
| トイレ:便器と便座(ピュアレストQR+アプリコットF)+壁・床・天井 | 22〜36万円 | 1〜3日 |
| 洗面所:洗面化粧台(Vシリーズ)だけ交換 | 10〜20万円 | 0.5〜4時間 |
| 洗面所:洗面化粧台(サクア)+壁・床・天井 | 25〜44万円 | 1〜3日 |
| キッチン:レンジフードだけ交換 | 15〜24万円 | 0.5〜4時間 |
| キッチン:システムキッチン(ミッテI型2550)+壁・床・天井 | 76〜133万円 | 2〜6日 |
| 浴室(一戸建て):ユニットバスからユニットバス(サザナ)へ | 86〜150万円 | 2〜7日 |
| 浴室(一戸建て):在来浴室からユニットバス(サザナ)へ | 95〜168万円 | 3〜8日 |
| 浴室(サザナ)+洗面化粧台(オクターブ)+洗面所の壁・床・天井(グレードアップのオプション仕様を含む) | 122〜200万円 | 4〜9日 |
TOTOの調査の条件(浴室はサザナ、洗面所はオクターブ、洗面所の壁・床・天井を含む)では、参考価格の上の端が200万円で、この1つの工事だけで予算200万円に届くことがあります。下の端でも122万円で、予算の大半に当たります。
表から分かるのは、「器具だけを替える工事」と「部屋ごと入れ替える工事」の差の大きさです。器具の交換は部屋ごと入れ替える工事より小さく、いくつか並べても予算に余裕が残りやすい一方、浴室やキッチンを部屋ごと入れ替える工事は、1つで予算の半分以上を使うこともあります。水回りを全部まとめて部屋ごと直す計画は、表の下の端どうしを並べても200万円の中には収まりにくい組み合わせです。
- 器具の交換を中心に並べる:便座・洗面化粧台・レンジフード・水栓など。数を多く直せる
- 1部屋をまとめて直し、ほかは器具の交換にする:浴室かキッチンのどちらかを部屋ごと、残りは小さな交換
- 1部屋を内装まで含めて丁寧に直す:在来浴室のユニットバス化や、浴室と洗面所の一体の改修
たとえば、築年数がたった一戸建てで、冬の在来浴室が寒く、トイレの便座も古い家なら、浴室のユニットバス化を中心に置き、残りでトイレの便座を替える組み合わせが考えられます。マンションで浴室はまだ使えるがキッチンが古いなら、キッチンと内装を中心にし、洗面化粧台の交換を足す形が考えられます。どちらも、表の範囲のどの行に当たるかを先に決めると、見積との差が「範囲の差」か「価格の差」かが分かります。
水回りを2か所以上まとめると、どの費用が安くなり、どの費用が安くならないかは別の記事にまとめています。トイレをどこまで直すかの5つの段階も別にあります。


家を丸ごと直す工事を考えているなら、200万円の配り方ではなく範囲の分け方から考える必要があります。戸建ては全面改修の記事、マンションは範囲別の費用の記事を先に読んでください。


出典:TOTO「キッチンリフォームの参考価格」/TOTO「一戸建ての浴室リフォームの参考価格」/TOTO「洗面所リフォームの参考価格」/TOTO「トイレリフォームの参考価格」
見積の外に出る費用を先に分ける
予算200万円を全部工事に使える、と考えないほうが確かです。リフォームでは、工事の見積に入らない買い物や、工事が始まってから増える費用があり、それを後から足すと予算を超えてしまうからです。
見積の外に出やすいのは、大きく3つです。1つ目は、リフォームを機に買い替える家具や家電、カーテンや照明です。国の調査でも、リフォームを機に購入した耐久消費財の金額が、リフォーム資金とは別に集計されています。2つ目は、工事中の暮らしの費用で、浴室やキッチンが使えない間の外食や銭湯、大きな工事なら仮住まいと引っ越しです。3つ目は、壁や床を開けてから見つかる傷みの補修で、下地の腐れや配管の劣化は開けるまで分かりません。
国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査 報告書」(2026年10月19日に確認)。リフォームを契機に購入した耐久消費財の合計金額は、平均86万円・中央値40万円(税込・税抜の別の記載なし)。
- 1家具・家電・照明の買い替えリフォームを機に替える物を家族で書き出す
- 2工事中の暮らし外食・入浴・仮住まいと引っ越し
- 3開けてからの補修下地・配管の傷みに備える予備
- 4残りを工事に配る傷み・暮らし・見た目の順に
たとえば、キッチンを入れ替えるついでに冷蔵庫と食器棚も新しくしたい家では、その分を先に予算から外しておかないと、工事の見積がちょうど200万円でも、合計では予算を超えます。反対に、家電は今のものを使い続けると家族で決めているなら、その分を工事に回せます。どちらが良い悪いではなく、「工事に使えるお金はいくらか」を見積の前に決めておくことが大切です。
開けてからの補修は、契約の前に「見つかったら、何を、どの単価で、どこまでやるか」を書面で決めておくと、予算を超えるかどうかをその場で判断できます。予備をいくら取るかは家の古さと工事の範囲で変わるので、見積を頼むときに業者に「この家で開けてから増えやすい工事はどれか」と聞き、その答えを見て決めてください。
優先順位は傷みと暮らしの順で決める
予算の中で何から直すかは、「傷みを止める工事」「暮らしの不便を解く工事」「見た目を新しくする工事」の順に決めるのが確かです。傷みを止める工事は、後回しにするほど傷む範囲が広がり、同じ場所をもう一度工事する費用まで生むからです。
国の調査でも、リフォームの動機としていちばん多かったのは、住宅がいたんだり汚れたりしていたことでした。傷んだ場所を直す工事は、新しくしたい気持ちとは別に、放っておくと費用が増えるという性質を持っています。たとえば、雨漏りや水漏れの跡を放置したまま内装だけを新しくしても、同じ場所がまた傷みます。
| 順番 | 工事の性質 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 傷みを止める | 雨漏り・水漏れ・配管の劣化・床の沈み・故障しかけた給湯器 |
| 2 | 安全と暮らしの不便を解く | 寒い浴室・段差・手すり・使いにくい台所の配置 |
| 3 | 性能を上げる | 窓の断熱・高効率の給湯器 |
| 4 | 見た目を新しくする | 壁紙・床材・建具の色や柄 |
たとえば、浴室を新しくしたいと考えていた家で、見積の前の下見で床下の配管から水漏れが見つかったとします。この場合は、浴室の製品のグレードを下げてでも、配管の補修を予算の中に残すのが先です。介護保険の認定を受けている家族のために手すりや段差の工事をしたい家なら、介護保険の住宅改修の支給限度基準額は生涯で20万円で、要介護状態区分が三段階上がったときや転居したときに再び設定されます。原則として工事の前の申請が要ります。50歳以上の方や要介護・要支援の認定を受けている方などが行うバリアフリー改修には、所得税の住宅特定改修特別税額控除もあります。どちらも条件と順番があるので、バリアフリーの記事で確かめてください。

出典:厚生労働省「介護保険における住宅改修」/国税庁「バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」
雨漏りの跡が気になる家は、原因の場所を先に調べてもらってから、ほかの工事の配分を決めてください。

家族の希望が多いときは、表の4つの順番に希望を書き込み、1と2に当たるものから予算を当てていくと、話し合いが「誰の希望を通すか」ではなく「どれが先か」になります。見た目の工事は、次の機会に回しても家が傷まないものがほとんどです。
補助金は予算に足さず後から戻る分と考える

補助金は、予算に足して工事の範囲を広げるお金ではなく、条件を満たしたときに後から戻る分と考えるのが確かです。住宅省エネ2026キャンペーンの各事業は、施主ではなく、施主と契約した住宅事業者が交付申請の手続きをする仕組みで、戻る時期と戻り方は事業者との約束で決まるからです。
たとえば先進的窓リノベ2026事業の手続きは、事業者登録、工事請負契約、着工、完了・引渡し、交付申請、交付決定・補助金の交付、施主への還元という順番で進みます。交付申請は工事がすべて終わってから行うので、補助金が施主に戻るのは工事のあとです。補助事業者は受け取った補助金を施主に全額還元しますが、その方法は交付申請のときに合意した共同事業実施規約で決まります。
予算を組むときの考え方を、3つにまとめます。
- 工事の総額は、補助金を引く前の金額で予算200万円に収める
- 補助金がいつ、どの方法で戻るか(交付申請のときに合意する共同事業実施規約で決まります)を契約の前に事業者に聞く
- 補助金が予算の不足を埋める前提にしない(要件を満たせない、予算の上限で受付が終わる、ということがある)
たとえば、200万円の予算に補助金を見込んで、総額のもっと大きい工事を契約したとします。工事が終わっても交付が決まるまでは補助金は戻らず、要件の書類がそろわなければ戻らないこともあり、そのときは予算を超えた分を自分で払うことになります。反対に、補助前の総額を200万円に収めておけば、補助金が戻った分はそのまま手元に残り、家具の買い替えや次の工事に回せます。
補助金の受付は予算の上限に達するまでで、予算の状況はページ上部の帯で確かめられます。補助金は「予算を増やすもの」ではなく「予算の中で選んだ工事に条件が合えば戻るもの」と家族で共有しておくと、契約の前に迷う場面が減ります。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/先進的窓リノベ2026事業 公式
みらいエコが予算の使い方を変える条件
みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、平成28年以前に新築された住宅で、要件化工事を行い、申請する補助額の合計が5万円以上になる場合が対象です。この3つの条件のうち、要件化工事は窓などの開口部の断熱改修を中心にした工事なので、予算200万円の配り方を大きく変えます。
要件化工事は、外皮に面する開口部がある任意の1つの居室(トリガールーム)で、窓などの開口部の断熱改修を中心に、決められた組み合わせで行う工事です。性能区分や新築の時期によって、床・壁・天井といった躯体の断熱改修が要るかどうかが変わります。トリガールームでは、2025年11月28日以降に、その部屋にある外皮に面したすべての開口部を改修する必要があります。平成29年以降に新築された住宅は、次世代省エネ基準を満たさない住宅であることが証明できる場合に、平成4年から平成28年に新築された住宅として扱われます。
| 新築の時期と改修後の性能 | 1戸あたりの上限 |
|---|---|
| 平成4年〜平成28年・次世代省エネ基準 | 40万円 |
| 平成4年〜平成28年・義務基準(高効率給湯器か高効率エアコンも必要) | 80万円 |
| 平成3年以前・次世代省エネ基準 | 50万円 |
| 平成3年以前・義務基準(高効率給湯器か高効率エアコンも必要) | 100万円 |
同じ新築時期なら、上限が大きい義務基準の区分は、高効率給湯器か高効率エアコンの設置も要るので、組み合わせる工事が増えます。つまり、上限の金額を目当てに区分を選ぶと、予算200万円のうち断熱や設備の工事に回る割合が大きくなり、もともと直したかった浴室やキッチンに回るお金が減ることがあります。補助額の合計の下限は5万円で、他の構成事業の交付決定を受けている場合は2万円です。
窓だけの補助を考える場合は、先進的窓リノベ2026事業が別にあり、1戸あたりの上限は100万円、申請する補助額の合計の下限は5万円です。内窓の補助額は性能とサイズで決まり、たとえば戸建ての内窓で性能区分S・サイズ小(0.2〜1.6㎡)は1か所22,000円、性能区分P・サイズ小は1か所36,000円です。小さい内窓を1か所だけ付けても、下限の5万円には届きません。窓リノベは2026年12月31日までに工事が完了するものが対象です。給湯省エネ2026事業は、エコキュートが1台あたり基本額7万円、ハイブリッド給湯機が10万円で、戸建ては2台までです。
たとえば、平成の初めに建てた一戸建てで、寒いリビングの窓に内窓を付けたいと考えていた家なら、その窓の工事は窓リノベで申請でき、予算200万円の中の一部として収まります。一方で、浴室の入れ替えを中心に考えていた家が、みらいエコの補助を受けるためにリビングの窓をすべて替える工事を足すと、浴室に回せる額が減ります。どちらが得かは、窓の断熱をもともとやりたかったかどうかで決まります。窓の補助額の目安と、給湯器の補助額は別の記事にあります。


みらいエコの補助は「予算の中にもともと窓や断熱の工事がある家」に向いた制度です。補助を受けるために予定のなかった工事を足すときは、足す工事の額と戻る補助額を並べ、浴室やキッチンの範囲が削られても納得できるかを家族で確かめてください。
出典:みらいエコ住宅2026事業 公式/先進的窓リノベ2026事業 公式/給湯省エネ2026事業 公式
予算を伝えて見積を集める
見積を頼むときは、予算と優先順位を書いた紙を作り、同じ紙を複数の会社に渡すのが確かです。予算を伝えずに頼むと、会社ごとに想定する範囲がばらばらになり、届いた見積が比べられないからです。
予算を伝えると予算いっぱいの見積が来るのでは、と迷うかもしれません。ただ、予算の上限と優先順位を一緒に伝えておけば、会社は「この予算なら、この順番でここまで」という提案を返すしかありません。予算だけを伝えるのではなく、何を先に直したいか、何なら次に回せるかを並べて渡すのがこつです。
- 予算の上限(補助金を引く前の総額で)と、見積の外に取っておく額
- 直したい場所を、傷み・暮らし・性能・見た目の順に並べた一覧
- 必ずやりたい工事と、予算が足りなければ次に回してよい工事の区別
- 範囲ごとの小計と、共通の費用(養生・処分・諸経費)を分けて書いてほしいこと
- 補助金を使えるなら、どの工事をどの事業で、誰が申請するか
たとえば、「浴室のユニットバス化を必ずやりたい。予算が残れば洗面化粧台とトイレの便座。補助前の総額で200万円まで」と書いた紙を3社に渡したとします。届いた見積の小計を並べると、浴室だけで大半を使う会社と、洗面化粧台まで届く会社の違いが見え、その差が製品のグレードなのか工事の範囲なのかを聞けます。「200万円パック」のような定額の提案が来た場合も、同じ紙の範囲に当てはめると、何が入っていて何が別途なのかが分かります。
相見積の頼み方と、見積書の欄の読み方は別の記事で詳しく扱っています。

紙を作る作業は、家族の話し合いそのものです。紙ができた時点で、予算の配り方の半分は決まっています。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
予算と優先順位を書いた紙があれば、頼む先を自分で探して渡すだけでも見積は比べられます。ただ、1社の提案だけでは、その削り方や配り方が自分の家に合っているのか判断がつきにくいものです。同じ紙を複数のリフォーム会社に渡して提案を並べたいなら、まとめて紹介してもらえる無料のサービスもあり、申し込む前に紹介される会社の数と連絡の方法を確かめておくと安心です。
予算を超えたときに削る順番

見積が予算を超えたときは、製品のグレード、次に工事の範囲の順で削り、下地・防水・配管と傷みの原因を直す行は削らないのが確かです。グレードや範囲は次の機会に足し直せますが、下地や配管は仕上げの下に隠れてしまい、後から直すには仕上げをもう一度はがす必要があるからです。
削る候補を見つけるには、見積が範囲ごとの小計に分かれていることが前提です。総額の1行では、どこを削ればいくら下がるかが分かりません。小計に分かれた見積なら、「浴室は製品のグレードを1つ下げる」「キッチンの内装は次回に回す」のように、行ごとに下がる額を業者に聞けます。
| 削ってよい候補 | 削らない行 |
|---|---|
| 製品のグレード・オプション(扉の色、機能の追加) | 下地の補修(床・壁の傷んだ部分) |
| 見た目だけの内装(壁紙・床材の張り替え) | 防水と雨漏りの原因の補修 |
| 次の機会に回せる部屋の工事 | 給水・給湯・排水の配管の更新 |
| 補助金のためだけに足した工事 | 安全にかかわる工事(手すり・段差・電気) |
分けて工事することにも注意が要ります。何回かに分けると、そのたびに養生・処分・諸経費といった共通の費用がかかり、外まわりなら足場も毎回組むことになります。また、窓リノベは2026年12月31日までに工事が完了するものが対象なので、窓の工事を来年に回すと、今年度の事業の対象からは外れます。
たとえば、浴室と洗面所をまとめて直す見積が予算を超えた家なら、浴室の製品のグレードを下げる、洗面所の内装の張り替えを次回に回す、の順で調整し、浴室の床下の配管の更新は残します。外壁や屋根の工事を考えている家は、足場を組む工事をまとめるか分けるかで費用の出方が変わるので、外まわりの記事で確かめてください。

削るときは、業者に「この行を外すと、後で困ることはありますか」と必ず聞いてください。外してよい理由と、外したときに次の工事でかかる手間が分かってから決めれば、予算の中で後悔の少ない形にできます。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
予算が決まっている工事では、補助金を使わない、あるいは急がない判断のほうが合う場面があります。次のような場合は、補助金を前提にしないで計画を立ててください。
- 補助の要件を満たすためだけに、予定していなかった窓や断熱の工事を足し、直したかった場所の予算が削られる場合
- 補助金を予算に足して総額を広げ、戻る前の支払いが手元の資金で足りなくなる場合
- 補助の受付期限に合わせるために、家族の優先順位が決まらないまま契約を急かされている場合
- 雨漏りや水漏れがあり、補助の準備を待つと傷みが広がる場合
- 小さい工事が1つだけで、申請の下限の5万円に届かない場合
みらいエコ住宅2026事業のリフォームの受付は2026年6月30日から予算の上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)で、着手は2025年11月28日から交付申請を行う日までの間が条件です。窓リノベは2026年12月31日までに工事が完了するものが対象です。これから優先順位を話し合う段階の家は、今年度の枠に間に合わせることを目的にしないでください。予算の状況はページ上部の帯で確かめられます。
反対に、急いだほうがいいのは、水漏れや雨漏りの跡が広がっている、給湯器が止まりかけている、といった傷みの兆しがある場合です。そのときは、補助金の有無より先に傷んだ場所の工事を決め、ほかの工事は落ち着いてから予算の残りで計画します。市区町村の助成は住所と要綱で探せるので、国の事業と別に確かめておくと選択肢が増えます。

判断の順番は「直す理由と優先順位が決まっているか」「補助前の総額で予算に収まるか」「そのうえで補助金の条件に合うか」です。補助金は3番目で、1番目と2番目を曲げてまで合わせるものではありません。
出典:みらいエコ住宅2026事業 公式/先進的窓リノベ2026事業 公式
よくある質問
リフォームローンを使うと、月々いくらになりますか?
返済額は借りる額のほか、金利と返済期間で決まり、金融機関や商品によって違います。この記事では金利の数字を扱わないので、借りる候補の金融機関のシミュレーションで、補助前の総額を借りた場合の月々の額を確かめてください。補助金が戻る時期と戻り方を契約の前に事業者に聞いておくと、借りる額を決めやすくなります。
築年数のたった家でも、200万円の予算で足りますか?
直したい場所が部分的な交換なら、予算の中で組み合わせを選べることが多くなります。ただ、築年数がたった家ほど、壁や床を開けてから下地や配管の傷みが見つかることがあり、その補修に予算を残しておく必要があります。家を丸ごと直したい場合は、予算の配り方ではなく範囲の分け方から考えるので、戸建ての全面改修の記事で確かめてください。
一軒家とマンションで、できる範囲は違いますか?
マンションでは、手を入れられるのが専有部分の内側に限られ、管理規約で工事の内容や時間に決まりがある場合があります。一軒家は外まわりの工事も選べますが、屋根や外壁は足場が要るので、予算の使い方が水回りとは別の考え方になります。マンションの範囲別の費用と規約の確かめ方は、マンションのリフォーム費用の記事にまとめています。
水回りを全部、200万円で直せますか?
器具の交換が中心なら複数か所を並べられますが、浴室やキッチンを部屋ごと入れ替える工事を全部まとめると、予算に収まりにくくなります。TOTOの参考価格では、浴室(サザナ)と洗面所(オクターブ)に洗面所の壁・床・天井を加えた工事だけで、上の端が予算の200万円に届きます。どこを部屋ごと直し、どこを器具の交換にするかを、傷みの順に決めてください。
業者に予算は伝えたほうがいいですか?
予算の上限と優先順位を一緒に伝えるほうが、比べられる見積が届きます。予算だけを伝えると予算いっぱいの提案になりやすいので、必ずやりたい工事と次に回してよい工事を分けて書いた紙を、同じものを全社に渡してください。補助前の総額で伝えるのがポイントです。
「200万円パック」の提案はお得ですか?
定額の提案は分かりやすい一方で、何が入っていて何が別途なのかは会社ごとに違います。自分で作った範囲の紙に当てはめ、入っていない工事(下地の補修・処分・追加の配管など)がないかを確かめてから、ほかの会社の小計と比べてください。お得かどうかは、同じ範囲で比べて初めて分かります。
見積を見る前のおさらい
- 国の調査ではリフォーム資金の平均も中央値も200万円より下。予算200万円は組み合わせを選べる予算
- 届く範囲は部位の組み合わせで決まる。TOTOの参考価格では、浴室と洗面所をまとめる工事は1つで予算の大半に当たる
- 家具・家電の買い替え、工事中の暮らし、開けてからの補修を、予算から先に分ける
- 優先順位は傷みを止める工事、暮らしの不便、性能、見た目の順
- 補助金は工事のあとに事業者経由で戻る分。予算は補助前の総額で組み、戻り方を契約の前に聞く
- みらいエコ住宅2026は、平成28年以前の新築・要件化工事・補助額合計5万円以上の3つがそろったときだけ。要件化工事が予算を使う
- 見積は予算と優先順位を書いた同じ紙を複数の会社に渡して集める
- 予算を超えたら、グレード、次に範囲の順で削る。下地・防水・配管と傷みの原因は削らない
予算200万円で後悔しないかどうかは、どれだけ多くの場所を直せたかより、傷んだ場所を先に直し、見積の外の費用まで含めて予算に収まったかで決まります。補助前の総額で予算を組み、優先順位を書いた紙で見積を集め、補助金は条件が合ったときに最後に足す。この順番で進めれば、家族にも「この予算で、ここから先に直す」と説明でき、次の工事の計画も立てやすくなります。

