- 外壁塗装で補助金がもらえるって、本当なの?
- 塗り替えだけの工事でも、国の補助金は出る?
- うちの県や市に、外壁の助成金はあるの?どこで調べればいい?
- 営業に「断熱の工事を足せば国の補助が使えます」と言われたけれど、本当?
- 遮熱や断熱の塗料を使えば、補助の対象になる?
- 市の助成金は、先に申し込まないといけないって聞いた
- 見積に「助成金が使えます」と書いてあるけれど、信じていい?
- 助成金を待っている間に、外壁の傷みが進まないか心配
上記のような悩みに答えます。
外壁塗装の助成金には、国の制度と市区町村の制度という、仕組みの違う2つの入口があります。検索すると「塗装だけでは国の補助は原則対象外」という短い答えや、自治体の名前と金額を並べた一覧がすぐに出てきますが、その先の「では何を組めば国の対象になるのか」「うちの住所の制度はどう確かめるのか」「見積の『助成金が使えます』は本当か」までは、ほとんど書かれていません。そこで、国の制度で塗装が対象にならない理由と、市区町村の制度の探し方を押さえたうえで、外壁の断熱改修と窓の断熱を組んだときの国の条件(1つの居室で求められる窓と壁の組み合わせ・上限の2つの軸・下限)と、見積の一言を確かめる方法まで、国土交通省と環境省の資料、住宅リフォーム推進協議会の検索サイトで確かめながら整理しました。自治体ごとの金額と、塗料の品番が対象になるかどうかは、住所と要綱で決まることなので、ここでは断定しません。
国の住宅省エネ2026キャンペーンでは、外壁を塗るだけの工事は補助の対象工事になりません。外壁の断熱改修と窓の断熱改修を組めば国の対象になりえますが、塗装そのものへの助成があるかは市区町村の制度しだいなので、住所で探して要綱で確かめます。
国の事業の補助額は、工事の組み合わせから計算ツールで出せます。

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
外壁の塗り替えだけでは国の助成は出ない
外壁の塗り替えだけの工事は、国の住宅省エネ2026キャンペーンの補助の対象工事になりません。国の制度で外壁が関係してくるのは、塗装ではなく、壁の断熱改修をするときです。
理由は、国の制度が「住宅の省エネ性能を上げる工事」に補助を出す仕組みだからです。住宅省エネ2026キャンペーンは、国土交通省のみらいエコ住宅2026事業や、環境省の先進的窓リノベ2026事業など、4つの事業をまとめて運用するもので、どの事業も断熱や高効率の設備といった省エネにつながる工事を対象にしています。このうち外壁に関係するのが、みらいエコ住宅2026事業のリフォームです。ここで対象になるのは、躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む、幅広いリフォーム工事です。つまり国の制度から見ると、外壁は「断熱材を入れる場所」であって、「塗り直す場所」ではありません。
営業の説明や広告でよく聞く言葉を、国の制度の側から見ると次のようになります。
| よく聞く言葉 | 国の制度での扱い |
|---|---|
| 外壁の塗り替え | 対象工事ではない |
| 遮熱塗料・断熱塗料での塗装 | 対象になるという根拠は、国の資料では確かめられていない |
| 外壁の断熱改修(壁に断熱材を入れる) | 躯体の断熱改修として対象になりうる |
| 窓の断熱改修(内窓・窓の交換など) | 開口部の断熱改修として対象になりうる |
2行目の塗料については、注意が要ります。「断熱塗料なら国の補助が出る」と説明されることがありますが、国の資料で確かめられるのは「躯体の断熱改修」という工事の区分までで、塗料を塗ることがそれに当たるとは書かれていません。塗料の名前に「断熱」と入っていても、それだけで国の対象になるとは言えないということです。
たとえば、築年数がたった戸建てで「外壁が色あせてきたので塗り替えたい」という見積を取った場合、そのままの工事内容では国の補助は使えません。一方で、同じ外壁の工事でも、張り替えや重ね張りのときに壁の中へ断熱材を入れる計画に変えれば、国の制度の入口に立てる可能性が出てきます。ただし、その場合は次の項で見るように、窓とのセットが必要になる家が多い点に気をつけてください。
編集部の整理では、外壁の工事で国の補助を考えるかどうかは、「塗るだけか、断熱まで手を入れるか」の一点で分かれます。塗るだけなら国の制度は脇に置き、下の「市区町村の制度」の話に進むほうが早道です。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/みらいエコ住宅2026事業 公式サイト
国の対象は断熱改修と組んだとき

国の補助の対象になるのは、平成28年以前に新築された住宅で、1つの居室の窓など開口部の断熱改修を必ず含む、決まった組み合わせの工事をしたときです。外壁の断熱だけでは対象になりません。入れる窓の性能によっては、外壁など躯体の断熱も一緒に求められます。
みらいエコ住宅2026事業のリフォームには、必ず実施しなければならない工事(要件化工事)があります。平成28年以前に新築された住宅では、任意の1つの居室(トリガールームと呼ばれます)で、外に面した開口部をすべて断熱改修し、入れる窓の性能区分に応じて決められた数の部位(外壁・屋根や天井・床)の断熱改修を組み合わせることが条件です。最上位の区分(P)の窓なら、躯体の断熱改修は求められません。平成4年から平成28年に新築された住宅は、Sの区分でも求められません。窓の区分が下がるほど、必要な部位の数が増えます。外壁の断熱だけでは、この条件を満たしません。
こういう組み方になっているのは、部屋の熱が壁からも窓からも逃げるからです。窓の性能が高いほど壁の工事は少なくてよく、窓の性能が低いほど壁や天井・床の工事が多く求められる、という形で要件が組まれています。窓の性能区分によって必要な部位の数が変わるので、見積の段階で確かめておく価値があります。
- 外壁の断熱改修だけ
- 窓の断熱改修だけ
- 同じ1つの居室で外壁と窓
- 条件を満たさない(窓などの開口部の改修が必須)
- 窓の区分がP(平成4年から平成28年の家はSも)なら満たしうる
- 窓の区分に応じた部位の数に届けば満たす
たとえば、平成28年以前に建った戸建てで、外壁の張り替えに合わせて壁に断熱材を入れる計画があるとします。このとき、寝室やリビングなど1つの部屋を決め、その部屋の外に面した窓やドアをすべて断熱改修し、窓の性能区分で必要とされる部位の数(外壁の断熱で1部位)に届けば、要件化工事の形になります。窓の区分によっては、外壁に加えて天井や床の断熱も要ります。逆に、外壁全体を断熱しても、1つの部屋の開口部をすべて改修しなければ、国の要件は満たせません。
みらいエコ住宅2026事業のリフォームの対象は、平成28年以前に新築された住宅です。平成29年以降に新築された住宅は、次世代省エネ基準を満たさない住宅であることが証明できる場合に限り、平成4年から平成28年の住宅として扱われます。新しめの家で検討するときは、この証明ができるかを登録事業者に確かめてください。
窓の断熱改修だけで使える国の事業として、環境省の先進的窓リノベ2026事業もあります。こちらは窓の工事が中心で、外壁の工事は対象になりませんが、組み合わせを考えるときの材料になります。窓の工事が対象になる条件は、下の記事で確かめられます。

編集部の整理では、国の補助を狙うかどうかは「1つの部屋の窓をすべて断熱し、必要なら外壁の断熱も組む理由が自分の家にあるか」で決めるのが筋です。寒い部屋・暑い部屋に困っているなら検討の価値があり、困っていないのに補助のためだけに工事を足すなら、下の「使わないほうがいい場合」に当たります。
出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/みらいエコ住宅2026事業 公式サイト
国の上限は新築年と性能の2軸
みらいエコ住宅2026事業のリフォームの補助上限は、世帯の種類ではなく、「いつ新築された住宅か」と「改修後にどの性能の区分になるか」の2つで決まります。上限は1戸あたり40万円から100万円までの幅があります。
| 住宅が新築された時期 | 改修後が義務基準相当 | 改修後が次世代省エネ基準相当 |
|---|---|---|
| 平成3年以前 | 100万円 | 50万円 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円 | 40万円 |
古い住宅ほど上限が高く、改修後の性能の区分によっても上限が変わる、という形です。古い住宅は断熱性能が低いことが多く、性能を引き上げるための工事も大きくなりがちなので、上限に差が付けられていると読めます。上限の高い義務基準相当になるのは、窓と躯体の組み合わせに加えて、高効率給湯器か高効率エアコンを設置する場合です。見積にこの設備が入っているかどうかが、どちらの列かを見分ける手がかりになります。最終的な判定は、事業者が工事内容をもとに行います。
ここで気をつけたいのは、上限は「最大でここまで」という天井であって、もらえる額ではないことです。実際の補助額は、工事の種類ごとに決められた額を足し合わせて出し、その合計が上限を超えるときだけ上限で止まります。営業の説明で「最大100万円」という言葉が出たら、それは平成3年以前に新築された住宅で、窓と躯体の断熱に加えて高効率給湯器か高効率エアコンを設置し、義務基準相当になる場合の天井の話です。
たとえば、平成4年から平成28年の間に新築された住宅で外壁と窓の断熱改修をする場合、上限は改修後の区分によって80万円か40万円のどちらかになります。同じ家でも、改修後の区分が変われば上限が倍違うということです。見積に書かれた補助額がどちらの区分を前提にしているかを聞けば、数字の出どころがはっきりします。
平成29年以降に新築された住宅は原則として対象外です。次世代省エネ基準を満たさないと証明できる場合だけ、平成4年から平成28年の行で扱われます。
編集部の整理では、上限の表で見るのは「自分の家がどの行か」と「見積がどの列を前提にしているか」の2点だけです。実際にいくら戻るかは、工事の中身を入れて計算するほうが確かです。
出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」
下限の5万円と2万円に届くか
国の補助には下限があり、1回の申請の補助額の合計が5万円未満だと申請できません。ただし、みらいエコ住宅2026事業では、同じ発注者が同じ住宅について、住宅省エネ2026キャンペーンのほかの事業(先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業)で交付決定を受けている場合、下限が2万円に下がります。
下限があるのは、補助額がごく小さい申請まで受けると、事務の手間が補助の効果に見合わなくなるからだと考えられます。窓の工事で使う先進的窓リノベ2026事業にも、同じく合計5万円未満では申請できないという下限があります。
| 事業 | 補助額合計の下限 |
|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業(リフォーム) | 5万円 |
| みらいエコ住宅2026事業(同じ発注者・同じ住宅でほかの構成事業の交付決定がある場合) | 2万円 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 5万円 |
外壁の断熱と1つの部屋の窓だけという小さめの組み合わせでは、補助額の合計が下限に届くかどうかが分かれ目になることがあります。同じ発注者が同じ住宅の窓の工事を先進的窓リノベ2026事業で申請して交付決定を受けていれば、みらいエコ住宅2026事業の側の下限が2万円に下がるので、組み方によって申請できるかどうかが変わります。
たとえば、外壁の断熱改修と、リビングの窓の断熱改修を同じ時期に行う計画で考えてみます。窓の工事を先進的窓リノベ2026事業で、外壁の工事をみらいエコ住宅2026事業で、それぞれ申請する組み方を事業者が提案してくることがあります。このとき、どちらの事業にどの工事を入れるのか、同じ工事を2つの事業で重ねて申請していないか、を確かめてください。先進的窓リノベ2026事業では、ほかの国の補助金との併用は補助対象に重複がない場合に限られます。なお、窓リノベに申請した窓の工事は、みらいエコ住宅2026事業では要件化工事を満たしたものとして扱えますが、みらいエコ住宅2026事業の補助対象工事として重ねて申請することはできません。
補助額の合計が下限に届くかは、工事ごとの額を足してみないと分かりません。下の計算ツールで、工事の組み合わせを入れて確かめてから、見積の額と見比べてください。窓の工事の補助額は、窓リノベの補助額の記事でも確かめられます。

編集部の整理では、下限は「届かせるために工事を増やすもの」ではなく、「今の計画で申請できるかを判定する線」として使うのが安全です。届かないと分かったら、国の補助はあきらめて市区町村の制度だけを見る、という判断もあります。
出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業の詳細」/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細」
外壁塗装への助成は市区町村しだい
外壁の塗り替えそのものに助成が出るかどうかは、住んでいる市区町村(または都道府県)の制度があるかどうかで決まります。国の制度のように全国で同じ条件ではないので、住所が違えば答えも違います。
市区町村の住宅リフォームの支援制度は、それぞれの自治体が目的を決めて独自に作っています。目的が制度ごとに違えば、対象になる工事も違います。外壁の塗り替えが対象に入っている制度もあれば、断熱や耐震の工事に限っている制度もあり、年度の途中で受付を終える制度もあります。検索で出てくる「外壁塗装の助成金一覧」の類が、自分の家に当てはまるとは限らないのはこのためです。
市区町村の制度と国の制度の違いを整理すると、次のようになります。
| 見るところ | 国の制度 | 市区町村の制度 |
|---|---|---|
| 条件が決まる単位 | 全国で共通 | 住所の自治体ごと |
| 塗り替えだけの工事 | 対象工事ではない | 制度によって対象になることがある |
| 申請する人 | 工事を請け負う事業者 | 要綱で決まる(施主が申請する制度もある) |
| 確かめる資料 | 事業の要件書・公式サイト | 自治体の要綱・募集案内 |
このサイトでは、どの市区町村の制度もまだ登録していません。自治体の名前や金額を挙げずに、探し方と確かめ方だけを書いているのはそのためです。去年の一覧や、別の市の金額をもとに「うちもたぶん同じくらい」と考えるのは、いちばん外れやすい見込み方です。
たとえば、隣の市で外壁の塗り替えに助成が出ていると聞いても、自分の市に同じ制度があるとは限りません。反対に、塗り替えは対象外でも、屋根や外壁の断熱、耐震の工事なら対象という制度が見つかることもあります。自分の住所の制度を、要綱で1つずつ確かめるほかに確かな方法はありません。
編集部の整理では、市区町村の制度は「ある・なし」より先に「何の工事が対象か」を見るのが近道です。外壁の塗り替えが対象に入っていなければ、その制度は今回の工事には関係がない、と早めに切り分けられます。
住所から外壁塗装の助成を探す

自分の住所で使える制度は、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で探し、見つかった制度を自治体の要綱で確かめる、という2段階で調べるのが確実です。
この検索サイトでは、都道府県と市区町村を選び、支援の分類(耐震化・バリアフリー化・省エネルギー化・環境対策・防災対策・同居対応・その他)や、支援の方法(補助・融資・利子補給・専門家派遣・その他)で絞り込めます。日本地図から都道府県を選ぶこともできます。条件を何も選ばなければ、その地域のすべての制度が出ます。
ただし、検索サイトの掲載内容が最新とは限りません。サイト自身も、最新の情報は各地方公共団体に問い合わせるよう案内しています。検索サイトは「制度があるらしい」と当たりを付ける場所、要綱は「本当に使えるか」を決める場所、と役割を分けて使ってください。
住所から市区町村の制度を探す手順と、見つかった要綱のどこを読めば国の補助と重ねられるかは、市区町村のリフォーム補助金の探し方の記事で順番に整理しています。

- 1検索サイトで市区町村を選ぶ住宅リフォーム推進協議会
- 2支援の分類で絞る分類で絞りすぎない
- 3制度名で自治体のページを探す募集案内と要綱を開く
- 4要綱で対象工事と条件を確かめる下の項目の順に
- 5分からない点を担当課に聞く電話か窓口で
どの分類に入るかは制度ごとに違うので、分類で絞りすぎず、「その他」や条件なしの一覧も見ておくと取りこぼしが減ります。見つかった制度名で自治体の公式サイトを検索し、募集案内と要綱(交付要綱・実施要領など)を開きます。
たとえば、都道府県の制度と市区町村の制度が両方見つかることがあります。その場合は、両方の要綱を開いて、それぞれの対象工事と、互いに併用できるかどうかを確かめます。都道府県の制度は、市区町村を通して受け付けていることもあるので、窓口がどこかも要綱で見ておきます。
問い合わせるときは、住所・建物の種類(戸建てか集合住宅か)・予定している工事の内容(塗り替えか、断熱や張り替えを含むか)・工事の予定時期、の4つを手元に用意すると話が早く進みます。担当課には「外壁の塗り替えは対象か」「契約や着工の前に申請が要るか」「今年度の受付は続いているか」を聞いてください。
編集部の整理では、市区町村の制度探しは、見積を取る前か、遅くとも契約の前に済ませておくのが鉄則です。後から制度が見つかっても、着工前の申請が条件なら間に合わないことがあるからです。
出典:住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」
要綱で確かめる5つの項目
市区町村の制度が見つかったら、要綱で「対象工事」「施工業者の条件」「申請の時期」「受付の期間と方法」「国の制度との併用」の5つを確かめます。どれか1つでも外れれば、制度があっても使えません。
要綱は、制度の条件を正式に定めた文書です。自治体のページの概要や、業者のチラシの説明は要点だけを抜き出したものなので、細かな条件が要綱にしか書かれていない制度があります。とくに「いつ申請するか」と「どの業者に頼むか」は、あとから取り返しがつかない条件なので、契約の前に読んでおく必要があります。
- 対象工事:外壁の塗り替えが対象か。断熱・遮熱など特定の工事だけか、屋根との組み合わせが条件か
- 施工業者の条件:市内・区内に本店や事業所がある業者に限る、などの所在地の要件があるか
- 申請の時期:契約や着工の前に申請し、交付の決定を待ってから着工する決まりか
- 受付の期間と方法:受付の期間、先着順か抽選か、予定の件数に達したら締め切るか
- 国の制度との併用:国の補助を受ける工事と同じ部分に使えるか、国費が入っている制度か
とくに見落とされやすいのは、2と3です。所在地の要件がある制度では、市外の業者に頼むと対象から外れます。相見積を取るときに、市外の業者も混ぜる場合は、この条件を先に確かめておかないと、いちばん安い見積が助成の対象外、ということが起こります。着工前の申請が条件の制度では、契約を急いで先に工事を始めてしまうと、あとから申請しても受け付けてもらえません。
たとえば、塗り替えが対象で、市内業者の条件と着工前申請の条件がある制度だったとします。この場合の順番は、市内の業者から見積を取る→申請する→交付の決定を待つ→契約・着工、になります。業者の都合で「先に契約だけ」と言われても、要綱の順番を優先してください。
5の併用については、国の制度の側にも条件があります。先進的窓リノベ2026事業では、地方公共団体の補助制度は、国費が充当されているものを除いて併用できるとされています。自治体の制度に国費が入っているかは、要綱か担当課で確かめるしかありません。
編集部の整理では、5つの項目を紙に書き出し、要綱で確かめた答えを横に書いておくのがおすすめです。業者との打ち合わせで同じ紙を見せれば、条件の食い違いにその場で気づけます。
申請は業者、順番は施主が決める
国の住宅省エネ2026キャンペーンの補助は、施主ではなく、工事を請け負う住宅事業者が申請します。施主が自分で申請することはできないので、施主の役目は、申請の順番と期限に間に合う計画を業者と一緒に決めることです。
キャンペーンの公式サイトでは、各事業は消費者等と契約する住宅事業者が交付申請等の手続きを行う、と案内されています。先進的窓リノベ2026事業でも、申請するのはリフォーム事業者(工事請負業者)等で、住宅所有者は直接申請できません。一方、市区町村の制度は要綱しだいで、施主が申請する制度もあります。国と市で「誰が申請するか」が違うことがあるのは、このためです。
- 1市区町村の要綱を確かめる着工前申請が要るか
- 2見積を取る所在地の要件に合う業者から
- 3市区町村に申請する着工前申請の制度なら交付決定を待つ
- 4契約・着工する国の事業は令和7年11月28日以降の着手が対象(契約は着手前に結ぶ)
- 5業者が国の事業に申請する受付は予算上限まで・遅くとも2026年12月31日
国の事業の時期の条件は、みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、令和7年11月28日から交付申請を行う日までの間に着手した工事が対象です。交付申請の受付は2026年6月30日から始まっていて、予算の上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日までとされています。予算の上限に達した時点で締め切られるので、年末まで必ず受け付けてもらえるとは限りません。
たとえば、今から外壁と窓の断熱改修を計画する場合、着手の条件はすでに満たしやすい時期ですが、受付の締切があるので、工事の完了や申請の準備が年末に間に合うかを事業者に確かめる必要があります。市区町村の制度で着工前申請が要るなら、その交付決定を待つ期間も見込んだうえで、国の締切に間に合うかを逆算します。
編集部の整理では、申請の手続きは業者に任せても、「どちらの制度から先に動くか」は施主が決めることです。着工前申請が要る市の制度があるなら市が先、というのが基本の順番です。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細」/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」
見積の「助成金が使えます」を確かめる
見積や営業の説明で「助成金が使えます」と言われたら、「どの制度か」「どの工事が対象か」「誰がいつ申請するか」の3つを聞き返せば、その一言の中身が確かめられます。
「助成金が使えます」という言葉は、国の制度の話なのか、市区町村の制度の話なのかで、意味がまったく違います。国の制度の話なら、塗り替えだけの見積では当てはまらず、断熱改修を足す提案とセットのはずです。市区町村の制度の話なら、住所と要綱で条件が決まるので、業者の所在地や申請の時期も関わってきます。営業の担当者が悪意なく言っていても、制度名が抜けたままだと、施主と業者で思い描いている制度が違う、ということが起こります。
| 聞き返すこと | 答えで分かること |
|---|---|
| どの制度ですか(国か市か、制度名は) | 塗り替えだけで国の制度と言われたら、工事内容と食い違う |
| どの工事が対象ですか | 見積のどの行が補助の対象か。対象外の工事まで含めた額になっていないか |
| 誰が、いつ申請しますか | 国は事業者が申請。市は要綱しだい。着工前申請が要るか |
3つの答えを聞いたら、制度名で公式の資料を開き、答えと照らしてください。国の制度なら、この記事の上の項で見た要件(平成28年以前に新築された住宅で、1つの居室の開口部をすべて改修し、窓の性能区分に応じた部位の躯体の断熱を組むこと)と上限・下限の表で確かめられます。市区町村の制度なら、上の5つの項目を要綱で確かめます。
たとえば、塗り替えの見積に「国の助成金で最大100万円」と書かれていたら、まず工事内容を見直します。塗り替えだけなら国の対象工事ではないので、その数字がどの工事を前提にしたものかを聞くことになります。断熱改修を足す提案だったなら、上限の100万円は平成3年以前に新築された住宅で、高効率給湯器か高効率エアコンまで組んで義務基準相当になる場合の天井なので、自分の家の新築年と、改修後の区分の見込みを聞き直します。
3つの答えがそろった見積は、ほかの業者の見積と同じ条件で比べられる状態になります。補助の条件を満たす工事内容を決めたうえで、同じ内容で複数の業者に見積を依頼すると、補助の額ではなく工事の中身と価格で比べられます。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
助成金の条件(対象の工事・塗料・申請の時期)が分かったら、その条件をそろえて複数の塗装業者から見積を取ると、金額の差と工事内容の差を比べやすくなります。外壁・屋根の塗装業者をまとめて紹介してもらえる無料のサービスもあります。申し込む前に、市の助成金を使う予定だと伝えておくと、着工前の申請に間に合う段取りで進めやすくなります。
編集部の整理では、「助成金が使えます」は疑う言葉ではなく、確かめる言葉です。3つを聞けば、良い業者ほどすぐに資料で答えてくれます。その答え方も、業者を選ぶ材料になります。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助金は、使えば必ず得になるものではありません。次のような場合は、使わない、または急がない判断もあります。
- 国の補助の要件を満たすために、予定になかった断熱工事や窓の工事を足す:戻る補助額より、増える工事代のほうが大きくなることがあります
- 市区町村の受付を待つ間に、外壁の傷みが進んでいる:ひび割れから雨水が入っているなら、助成より先に工事の時期を優先したほうがいいことがあります
- 着工前申請の制度なのに、すでに契約・着工してしまった:あとから申請しても対象にならないので、制度を追いかけるより、工事の中身と価格を見直すほうが実りがあります
- 補助の下限に届かせるために、要らない部屋の工事まで増やす:下限は「届かせる線」ではなく「今の計画で申請できるかの線」です
1つ目は、断熱工事を足したときの総額の増え方と、戻る補助額を並べれば判定できます。見積に「塗り替えだけ」と「断熱改修を足した場合」の2通りを出してもらい、差額と補助額を比べてください。断熱そのものに価値を感じて足すのは施主の選択ですが、補助金だけを理由に工事を膨らませると、計算が逆になることがあります。
2つ目は、事情によって答えが変わります。変わる条件は、外壁の傷みの程度と、制度の受付が始まる時期や締め切りです。傷みの程度は、見積を取るときに業者に写真で見せてもらい、雨漏りや下地の傷みにつながっているかを聞けば分かります。受付の時期は要綱か担当課で確かめられます。急ぐべきか迷うときは、傷みの写真と受付の時期を持って家族と相談してください。
3つ目は、着工前申請の条件がない制度なら、まだ使える可能性があります。契約書の日付と着工日を手元に置いて、要綱の申請時期の条件と照らし、分からなければ担当課に「契約済み・着工済みでも申請できるか」を聞いてください。
よくある質問
外壁塗装で補助金がもらえるって本当ですか?
国の住宅省エネ2026キャンペーンでは、外壁を塗るだけの工事は対象工事になりません。塗り替えそのものへの助成は、住んでいる市区町村や都道府県に制度があるかどうかで決まります。住宅リフォーム推進協議会の検索サイトで住所の制度を探し、要綱で対象工事を確かめてください。
遮熱塗料や断熱塗料なら、国の補助の対象になりますか?
国の資料で対象として確かめられるのは「躯体の断熱改修」という工事の区分までで、塗料を塗ることがそれに当たるとは書かれていません。塗料の名前だけで対象になるとは言えないので、業者に「どの制度の、どの工事区分に当たるのか」を資料で示してもらってください。市区町村の制度で遮熱・断熱の塗装が対象になるかは、制度ごとに違うので、要綱で確かめます。
県や市に外壁の助成金があるか、どこで調べればいいですか?
住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で、都道府県と市区町村を選んで探せます。見つかった制度は、自治体の公式サイトの募集案内と要綱で、対象工事と受付の状況を確かめてください。掲載内容が最新とは限らないので、最後は担当課に確かめるのが確実です。
補助金の申請は自分でするのですか?
国の住宅省エネ2026キャンペーンの補助は、工事を請け負う住宅事業者が申請し、施主は直接申請できません。市区町村の制度は要綱しだいで、施主が申請する制度もあります。どちらの制度を使うかで、誰が申請するかが変わる点に気をつけてください。
国と市の助成金は、一緒に使えますか?
制度の組み合わせしだいです。先進的窓リノベ2026事業では、地方公共団体の補助制度は国費が充当されているものを除いて併用できるとされています。市区町村の制度に国費が入っているか、同じ工事に重ねて使えるかは、自治体の要綱か担当課で確かめてください。
もう契約してしまいましたが、間に合いますか?
国のみらいエコ住宅2026事業のリフォームは、令和7年11月28日から交付申請を行う日までの間に着手した工事が対象なので、着手日が条件に合えば対象になりえます。市区町村の制度は、着工前の申請が条件なら、契約や着工の後では間に合わないことがあります。契約書の日付と着工日を手元に置いて、要綱の条件と照らしてください。
見積を見る前のおさらい
- 国の住宅省エネ2026キャンペーンでは、外壁を塗るだけの工事は対象工事にならない
- 国の対象になるのは、平成28年以前に新築された住宅で、1つの居室の開口部をすべて断熱改修し、窓の性能区分に応じて外壁など躯体の断熱を組む工事
- 国の上限は新築年と改修後の性能の2軸で決まり、1戸あたり40万円から100万円まで
- 国の補助額の合計が5万円未満だと申請できない。ほかの構成事業の交付決定があれば、みらいエコ住宅2026事業の下限は2万円
- 塗り替えそのものへの助成は市区町村の制度しだい。住宅リフォーム推進協議会の検索サイトで探し、要綱で確かめる
- 要綱で見るのは、対象工事・業者の所在地の要件・着工前申請・受付の期間と方法・国との併用の5つ
- 国の補助は事業者が申請する。受付は予算の上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日まで
- 見積の「助成金が使えます」は、制度名・対象工事・申請する人と時期の3つを聞き返して確かめる
外壁の工事で補助を考えるときは、「塗るだけなら市区町村、断熱まで手を入れるなら国も」という分かれ目を最初に押さえると、営業の説明も制度の資料も読みやすくなります。住所の制度を要綱で確かめ、補助の条件を満たす工事内容を決めてから、同じ内容で見積を比べる。この順番を守れば、補助金に振り回されずに、工事の中身と価格で業者を選べます。

