古民家リフォームの補助金はいくら?|国の制度・耐震・移住・空き家の確かめ方

庭のある住宅
補助金の予算はどれくらい残っているか
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)
12%

2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。

  • 古民家を直したい。国の補助金はあるの?
  • 古民家だと、普通のリフォームより補助が多くもらえる?
  • 建ててから何世代もたつ家だけれど、古すぎて対象外にならない?
  • 登記が古くて、建てた年がはっきりしない
  • 耐震の補助や、空き家・移住の補助と組み合わせられる?
  • 空き家バンクで買った古民家でも補助は出る?
  • カフェや民泊にしたい場合も、同じ補助が使える?
  • 業者に「古民家再生の補助金が使えます」と言われたけれど、どの制度の話?

上記のような悩みに答えます。

古民家の補助金は、検索すると業者や空き家のサービス、補助金の一覧サイトが並び、「古民家再生で最大◯万円」といった見出しが目に入ります。けれども、その額がどの年度の、どの制度の、どんな家と工事の条件の話なのかは、ページによってばらばらです。国の補助の要件書を開いて確かめると、古い家が補助を受けられるかは「古民家かどうか」ではなく、登記に書かれた新築の日付、建物の用途、工事の組み合わせで決まります。そこで、国のリフォーム補助の入口、耐震・空き家・移住の制度が改修費にどうつながるか、店にする場合の扱い、見積で聞くことまでを、国土交通省・環境省・内閣府の資料で確かめながら整理しました。

先に答え

確かめた国の資料には、「古民家」という区分の補助はありません。国のリフォーム補助(みらいエコ住宅2026事業)は、登記で平成28年以前の新築と分かる住宅に、窓と断熱の工事を決まった組み合わせで行うと対象になり、平成3年以前の住宅は上限が高い区分に入ります。耐震・空き家・移住の補助は市区町村や都道府県の制度で、移住支援金は改修費の補助ではありません。

国の省エネの事業で戻る額は、工事の内容を選ぶと補助金の計算ツールで出せます。耐震・空き家・移住の補助は、このツールでは計算できません。

補助金の計算ツールで国の事業の額を出す

2026年10月時点の制度で確かめています

目次

古民家という区分の国の補助は無い

庭のある住宅

国のリフォーム補助に、「古民家」という区分はありません。編集部が国土交通省のみらいエコ住宅2026事業の要件書(リフォーム)の全文を検索した範囲では、「古民家」という語は1回も出てきませんでした。国の補助が見ているのは、家の呼び名ではなく、登記に書かれた新築の時期と、建物の用途、そして工事の中身です。

「古民家」は、不動産の広告や移住の案内でよく使われる言葉ですが、国の補助の資料は家を「新築の時期」で分けています。みらいエコ住宅2026事業(国土交通省)のリフォームでは、平成3年以前に新築された住宅と、平成4年から平成28年に新築された住宅の2つに分け、どちらに入るかで上限と必要な工事が変わります。古民家と呼ばれるような古い家なら、前者に入るかを確かめることになりますが、それを決めるのは家の見た目ではなく登記の日付です。

国のリフォーム補助の上限は、新築の時期と、改修後にどの省エネ基準に合わせるかの2つで決まります。

新築の時期 義務基準に合わせる 次世代省エネ基準に合わせる
平成3年以前 上限100万円 上限50万円
平成4年〜平成28年 上限80万円 上限40万円

(出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業 交付申請等の要件について(リフォーム)」 https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/assets/doc/miraieco_koufu_reform.pdf )

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」(2026年10月24日に確認)p.15 D リフォーム:平成3年以前に新築された住宅「義務基準」相当に引き上げるリフォーム 上限100万円/戸/平成4年~平成28年に新築された住宅 上限80万円/戸/平成3年以前に新築された住宅「次世代省エネ基準」相当に引き上げるリフォーム 上限50万円/戸/平成4年~平成28年に新築された住宅 上限40万円/戸。*5「1つの交付申請で申請する補助額合計が5万円以上に限る。」

この表の額は上限で、実際に戻る額は、行った工事ごとの補助額を足し合わせて決まります。古い家だから自動的に上限まで出るわけではありません。

たとえば、昭和の初めに建った木造の家を受け継いで、寒さ対策に窓と床下の断熱をしたいと考えた場合、まず登記の新築の日付で「平成3年以前」に当たるかを確かめ、次に工事の組み合わせが要件に合うかを見ます。同じ家でも、窓だけを替えるのか、壁や床の断熱まで手を入れるのかで、使える制度と上限が変わります。

編集部の整理では、「古民家の補助金」を探すより、「平成3年以前の家の省エネ改修」と「市区町村の耐震・空き家の制度」の2本立てで調べるほうが、早く答えにたどり着きます。みらいエコ住宅2026事業のリフォームの全体は、別の記事にまとめています。

みらいエコ住宅補助金のリフォームの全体

国の補助の入口は登記の新築日

古い家が国のリフォーム補助を受けられるかの最初の関門は、登記です。みらいエコ住宅2026事業は、平成28年以前に新築されたことを、建物の不動産登記全部事項証明書で確かめられる住宅を対象にしています。築年数が古いことは、それだけでは不利になりませんが、登記で日付を示せることが前提になります。

要件書は、交付申請のときに登記の証明書を出し、「表題部」の新築された日付、所在がリフォームする住宅であること、種別が居宅などであることを確かめるとしています。補助のお金が国の予算から出るので、対象の家を、誰が見ても同じ答えになる書類で特定する仕組みです。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」(2026年10月24日に確認)p.25「2-3 対象となる住宅」:「平成28年12月31日以前に新築されたことが「建物の不動産登記全部事項証明書」により確認できる住宅をいいます。」「ただし、以下に該当する建物は、本事業において住宅と取り扱わないため、補助対象外となります。①不動産登記において、住宅以外の用途に分類されている建物 ②(①が住宅であっても)現に住宅以外の用途に使用されている建物(店舗や施設等)」「*7 用途変更を行い居宅となった住宅も対象です。ただし、交付申請時に不動産登記にて居宅であることを確認できる必要があります。」p.80 確認事項「❶「表題部原因およびその日付」の「新築された日付」が平成28年12月31日以前であること ❷「所在」がリフォーム工事を行った住宅であること ❸ 交付申請時点で種別が「居宅」「共同住宅」等であること」

古民家で確かめておきたいのは、次の点です。

  • 登記の証明書を法務局で取り、表題部に新築の日付が書かれているか
  • 種別が「居宅」になっているか(倉庫や作業場のままになっていないか)
  • 所在の表示が、いまの住所と同じ建物を指しているか
  • 増築や離れがある場合、どの建物が登記されているか

要件書を読んだ範囲では、登記されていない家や、新築の日付が書かれていない家をどう扱うかの記述は見つけられませんでした。こうした家で国の補助を考えるときは、登録事業者を通じて事業の事務局に扱いを確かめてから、工事の計画を進めてください。

たとえば、親から受け継いだ古い家で、母屋は登記されていても、後から建てた離れは登記されていない、ということがあります。この場合、補助の対象として示せるのは登記で確かめられる建物で、離れの工事は同じ扱いにならない可能性があります。工事の場所が登記のどの建物に当たるかを、見積の前に整理しておくと、後から対象外と分かって慌てずに済みます。

編集部の整理では、古民家の補助を調べる最初の一歩は、業者に電話することではなく、登記の証明書を1通取ることです。そこに書かれた日付と種別が、国の補助の入口に立てるかを決めます。

古い家が国の補助の入口に立てるかを確かめる順番
  1. 1登記の証明書を取る表題部の新築の日付と種別を読む
  2. 2平成28年以前・平成3年以前かを見る上限と必要な工事の区分が決まる
  3. 3住まいとして使うかを決める住まいでなく店や施設として使う建物は対象外
  4. 4窓と断熱の組み合わせを決めるトリガールームと躯体の部位数
  5. 5登録事業者に申請を頼む施主は自分で申請できない

断熱の補助は窓と組んで受ける

窓辺

古民家の寒さ対策で国の補助を受けるなら、窓の断熱改修が軸になります。みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、外に面した窓などの開口部がある居室を1つ選び、その部屋の開口部をすべて断熱改修する「要件化工事」を前提にしているからです。

この事業の対象工事は、床・壁・天井の断熱改修を含む幅広いリフォームですが、どの工事も要件化工事を行った住宅で行うことが条件です。古い家は、窓の性能によっては、外壁・屋根や天井・床のうち決まった数の部位で、躯体の断熱改修も組む必要があります。

新築の時期 窓の最低性能区分が P S A B・C
平成3年以前 躯体は不要 1部位 2部位 3部位
平成4年〜平成28年 躯体は不要 不要 1部位 2部位

部位は「外壁」「屋根・天井」「床(基礎断熱を含む)」の3つで、義務基準に合わせる場合は、高効率給湯器か高効率エアコンの設置も必要です。表の数は、次世代省エネ基準に合わせる場合も同じです。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」(2026年10月24日に確認)p.2「各構成事業を併用した際のみらいエコ住宅2026事業での取り扱いについて」:「◆先進的窓リノベ2026事業:先進的窓リノベ2026事業にて補助を受ける工事をみらいエコ住宅2026事業における要件化工事として申請することが可能です。」「≪併用における注意点≫◆同一箇所の工事、同一の設置工事において、各事業に重複して申請することはできません。(異なる箇所・設置工事をそれぞれ交付申請することは可)」。p.32 組み合わせ表:平成3年以前=開口部の最低性能区分P 躯体の断熱改修 不要/S 1部位/A 2部位/B/C 3部位。平成4年~平成28年=P 不要/S 不要/A 1部位/B/C 2部位。

窓の工事は、環境省の先進的窓リノベ2026事業でも補助されます。こちらは1戸あたりの上限が100万円で、1回の申請の補助額の合計が5万円未満だと申請できません。要件書は、窓リノベで補助を受ける窓の工事を、みらいエコの要件化工事として申請できるとしています。ただし、同じ窓を2つの事業に重ねて申請することはできません。窓は窓リノベで、壁や床の断熱はみらいエコで、と工事ごとに申請先を分けます。

(出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業」 https://www.env.go.jp/content/000402265.pdf / https://www.env.go.jp/content/000382464.pdf )

みらいエコの下限は、1回の申請の補助額の合計が5万円以上です。同じ発注者が同じ住宅で窓リノベなどの交付決定を受けている場合は、2万円以上に下がります。

たとえば、広い座敷が続く古民家で、居間を1つ選んで窓をすべて内窓にし、床下に断熱材を入れる計画なら、窓は窓リノベ、床の断熱はみらいエコ、と分けて考えます。窓の性能区分と新築の時期で、床のほかに壁や天井まで必要かが決まるので、見積の段階で「どの部屋をトリガールームにするか」「躯体は何部位か」を業者に書き出してもらいます。

編集部の整理では、古民家の断熱は、家じゅうを一度に直すより、よく使う部屋から要件を満たす形で組むほうが、補助と工事の釣り合いを取りやすくなります。窓の補助の対象要件は、窓リノベの記事で確かめられます。

先進的窓リノベ2026事業の対象要件

耐震の補助は市区町村の制度を通る

古民家の耐震補強に使える補助は、国に直接申し込むものではなく、市区町村の制度を通じて受けるものです。国土交通省の資料は、住宅の耐震改修への支援を「民間事業者への直接補助ではなく、地方公共団体を通じた間接補助」と書いています。

国は、耐震診断、補強設計、耐震改修(建替えや除却を含む)を支援のメニューに挙げ、市区町村が自分の補助制度を整えたうえで、そこに国のお金が入る形になっています。補助を受けられるか、額や対象の家の条件は、住んでいる市区町村の要綱で決まります。※お住まいの市区町村で確認してください。

計算例

国土交通省「住宅・建築物耐震改修事業(住宅・建築物安全ストック形成事業)拡充・延長」(令和8年度当初予算・2026年10月24日に確認):「本事業は民間事業者への直接補助ではなく、地方公共団体を通じた間接補助(地方公共団体による補助制度の整備が必要)」。住宅のメニュー「耐震診断」「補強設計等」「耐震改修等、建替え又は除却」。パッケージ支援(総合支援メニュー)に「耐震改修と併せて行う省エネ改修 (上記に加算)」。拡充「メニューの追加 除却移転支援」。

古民家にとって目を引くのは、国の資料のパッケージ支援に「耐震改修と併せて行う省エネ改修」の加算が書かれていることです。耐震と断熱を同じ時期に行う計画なら、市区町村の制度にこのメニューが用意されているかを聞く価値があります。ただし、市区町村が制度を整えていなければ使えません。

一方、国の省エネの事業(みらいエコ住宅2026事業)の要件書を全文検索しても、「耐震」の語は出てきません。耐震補強そのものは、国の省エネの補助の対象工事としては書かれていない、ということです。耐震は市区町村、断熱と窓は国の事業、と分けて考えます。

たとえば、太い梁と土壁の古い家で、地震への備えと冬の寒さの両方が気になる場合は、先に耐震診断を受けて、補強の範囲を決めます。そのうえで、補強で壁や床を開けるときに断熱も入れるかを決めると、工事を二度に分けずに済みます。国の窓の事業の要件書は、地方公共団体の補助制度について、国費が充当されているものを除いて併用できるとしています。耐震の補助は国のお金が入る間接補助なので、この書き方に当たるかどうかは資料だけでは決められません。市区町村の耐震の補助と国の事業を組めるかは、窓口と登録事業者の両方に確かめます。

編集部の整理では、耐震の補助は「市区町村に制度があるか」「診断の前に申し込むのか」の2点を最初の電話で聞くのが近道です。耐震の補助の全体と診断から着工までの順番は、耐震補助金の記事にまとめています。

耐震補助金の条件と診断から着工までの順番

空き家と移住の補助は改修費とは別

空き家と移住の補助は、名前に「古民家」と並んで出てきやすいものの、移住支援金は改修費の補助ではなく、国の空き家の事業も市区町村の取組への支援が中心で(NPO・民間事業者向けのモデル事業もあります)、自分の住まいを直す費用をそのまま補う形ではありません。国の空き家の支援は市区町村に向けたものが中心で、移住支援金は、東京23区に住んでいたり通勤していたりした人が地方に移り、仕事に就くなどしたときに支給されるお金です。

国土交通省の空き家の事業(空き家再生等推進事業・空き家対策総合支援事業)は、市区町村が空き家の除却や活用に取り組むのを支える仕組みです。活用の例として資料に載っているのは、地域を元気にするために空き家を観光交流施設に整える取組です。個人が自分の住まいを直す費用を国に申し込む形ではありません。

計算例

国土交通省「空き家再生等推進事業」(令和8年度当初予算・概要・2026年10月24日に確認):「空家等対策計画が対象とする地区において、居住環境の整備改善を図るため、空き家・不良住宅の除却、空き家の活用等に取り組む地方公共団体に対して支援する。」「■空き家の除却・活用への支援(市区町村向け)」「〇 空き家の活用(地域コミュニティ維持・再生のために10年以上活用)」「地域活性化のため、空き家を活用し観光交流施設を整備」。同「空き家対策総合支援事業」:「空家法の空家等対策計画に基づき市区町村が実施する空き家の除却・活用に係る取組や、NPOや民間事業者等が行うモデル性の高い空き家の活用・改修工事等に対して支援」。内閣府 地方創生「移住支援金」:「本事業は、地方公共団体が主体となって実施するものです。実施期間、支給額等の制度の詳細は地方公共団体により異なります。」「東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外(※1)へ移住し、起業や就業等を行う方に、都道府県・市町村が共同で交付金 (※2)を支給する事業です。」

制度 誰が主体か 古民家の改修費との関係
国の空き家の事業 市区町村(NPO・民間事業者向けのモデル事業もある) 市区町村の制度が個人の改修を補助するかは要綱しだい
移住支援金 都道府県・市町村 移住と就業・起業などへの支給で、改修費の補助ではない
空き家バンク 自治体(全国版は民間2社が運営) 物件を探す仕組みで、補助ではない

空き家バンクは、自治体が集めた空き家の情報を探す仕組みです。国土交通省のページによると、全国版はLIFULLとアットホームの2社が独立して運営していて、利用の条件は自治体ごとに違い、県外や市町村外からの希望者に限っている場合もあります。空き家バンクで買った家の改修に使える補助があるかは、その市区町村の要綱で確かめます。

たとえば、東京から地方の古民家に移り住み、地元の会社に勤める計画なら、移住支援金の対象になるかと、家の改修に使える市区町村の補助があるかは、別々に問い合わせることになります。移住支援金には返還の決まりもあるので、受け取った後の暮らし方まで含めて、移住先の窓口で確かめます。

古民家で名前が挙がる制度を目的で分ける
家を手に入れる・移り住むための制度

  • 空き家バンク(物件を探す仕組み)
  • 移住支援金(移住と就業・起業などへの支給)
  • 国の空き家の事業(市区町村向けの支援)
家を直すための制度

  • 国のみらいエコ住宅2026事業(窓と断熱)
  • 先進的窓リノベ2026事業(窓)
  • 市区町村の耐震の補助(国は間接補助)

編集部の整理では、空き家と移住の制度は「家を手に入れる・移り住む」ための制度、国の省エネと市区町村の耐震の制度は「家を直す」ための制度、と分けて考えると混乱しません。市区町村の制度の探し方は、別の記事にまとめています。

市区町村のリフォーム補助金を住所で調べる手順

(出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html /内閣府 地方創生「移住支援金」 https://www.chisou.go.jp/sousei/ijyu_shienkin.html /国土交通省「空き家・空き地バンク総合情報ページ」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html )

店や民泊にするなら国の住宅補助の扱いを先に確かめる

古民家をカフェや店舗として使い、建物が住まいでなくなるなら、みらいエコ住宅2026事業のリフォームの補助は受けられません。要件書は、現に住宅以外の用途に使っている建物を、補助の対象外としているからです。一方で、住まいと店を兼ねる店舗併用住宅は戸建住宅に含まれると書かれています。民泊の扱いは、要件書を読んだ範囲では見つけられませんでした。

この事業は、人が住む家の省エネ性能を上げることを目的にしています。そのため、登記で住宅以外の用途に分類されている建物と、登記が住宅でも実際には店舗や施設として使われている建物は、住宅として扱いません。反対に、もとは住宅以外だった建物を用途変更して居宅にした場合は、交付申請のときに登記で居宅と確かめられれば対象になります。

古民家で起きやすいのは、次のような場面です。

  • 1階の一部を店にして、残りに住む計画
  • 住まいとしては使わず、宿や貸しスペースにする計画
  • 倉庫や納屋として登記された建物を住まいに直す計画
  • 家族や知人に頼んで、自分たちで直す計画

1つ目のように住まいと店を兼ねる家の扱いは、要件書に店舗併用住宅を戸建住宅に含める記述がある一方で、住宅部分の床面積を確かめる書類を求める場合があるとも書かれています。どこまでが補助の対象になるかは、事務局に確かめる必要があります。3つ目は、登記を居宅に直す手続きが先になります。4つ目のように、工事請負契約を伴わない、いわゆるDIYは補助の対象になりません。

たとえば、古民家の半分を週末だけのカフェにして、残りに家族で住む場合は、トリガールームは住宅以外の用途で使っている居室にはできない(要件書 p.34)ので、住まいの居室を選びます。住宅部分の床面積を確かめる書類を求められるかは事務局に確かめます。要件書は店舗併用住宅の住宅以外の部分の工事も補助対象外としている(p.27)ので、カフェの部分の工事は補助の外として資金計画を立てます。地域のための活用として市区町村が空き家の活用の補助を設けていれば、そちらの対象になるかを、市区町村の窓口で聞きます。

編集部の整理では、古民家をどう使うかを先に決めてから補助を探すのが筋です。補助に合わせて使い道を決めると、国の住宅の補助も市区町村の活用の補助も、どちらも中途半端になりやすいからです。

申請するのは施主ではなく事業者

国の住宅の省エネの事業は、施主が自分で申請するものではありません。住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトは、「本キャンペーンの各事業は、消費者等と契約する住宅事業者が交付申請等の手続きを行います」と書いています。窓リノベの資料も、住宅の所有者は直接申請できないとしています。

(出典:住宅省エネ2026キャンペーン https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/ )

そのため、古民家の改修で国の補助を使うには、事業に登録した事業者と工事請負契約を結ぶことが前提になります。古民家の工事は、大工や左官など地域の職人に頼むことも多いので、頼みたい相手が事業者として登録しているか、登録していない場合に誰が申請をまとめるのかを、契約の前に確かめます。

期限も押さえておきます。

  • 着手:令和7年11月28日から、交付申請を行う日までに着手した工事が対象(工事請負契約より前に着手した工事は対象外)
  • 受付:みらいエコのリフォームの交付申請は、2026年6月30日から予算の上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日)
  • 完了:みらいエコは遅くとも2026年12月31日まで、窓リノベは原則として令和8年12月31日までに工事が完了するもの

(出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業 交付申請等の要件について(リフォーム)」 https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/assets/doc/miraieco_koufu_reform.pdf /環境省「先進的窓リノベ2026事業」 https://www.env.go.jp/content/000382464.pdf )

古民家の改修は、解体してみて傷みが見つかり、工期が延びることがあります。受付は予算の上限に達すると締め切られるので、この記事の上にある予算残の帯で、事業の使われ具合を確かめてください。

改装中の部屋

たとえば、秋に工事を始めて、床をはがしたら土台の傷みが見つかり、補修に時間がかかったとします。窓と断熱の工事が年内に終わらなければ、補助を前提にした計画は組み直しになります。工程表に、補助の対象になる工事がいつ終わるのかを書いてもらい、間に合わない場合にどうするかを先に決めておきます。

編集部の整理では、古民家こそ「申請するのは誰か」と「いつまでに終わるか」を契約書に書いてもらう価値があります。予算の見方は、予算残のページにまとめています。

国の事業の予算残を見る

古民家の見積で確かめること

古民家の見積では、補助の対象になる工事と、ならない工事を、行を分けて書いてもらうことが出発点です。古い家の改修は、耐震、断熱、水回り、傷んだ部分の補修が一度に重なりやすく、1枚の見積に混ざると、どこに補助が付くのかが読めなくなります。

聞くことは、次の5つです。

  1. どの制度を使う前提か(国のみらいエコ・窓リノベ、市区町村の耐震など、公式ページで検索できる正式な名前)
  2. その制度の対象になるのは、見積のどの行か
  3. 申請するのは誰か(登録事業者か、ほかの会社か)
  4. 登記の新築の日付と種別を、誰がいつ確かめるか
  5. 補助が付かなかった場合の総額(補助を引いた額ではなく、補助なしの額)

5つ目が大事なのは、補助を引いた額だけが書かれていると、補助が受けられなかったときに、いくら足りなくなるのかが分からなくなるからです。古民家の工事は解体後に追加の補修が出やすいので、追加が出たときの決め方も聞いておきます。見積書の読み方と相見積の取り方は、別の記事にまとめています。

リフォームの見積もりの取り方と見積書の見方

たとえば、A社の見積は「古民家再生工事一式 補助金適用」と1行で、B社の見積は窓、床の断熱、耐震補強、水回りを行ごとに分け、補助の対象の行に制度名を書いていたとします。A社には、制度の名前と対象の行を聞き直します。答えられなければ、補助は無いものとして、2社を補助なしの総額で比べます。戸建てを広く直す場合の費用の見方は、全面リフォームの記事が参考になります。

戸建てのフルリフォーム費用の見方

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

見積が工事ごとに行を分けて書かれ、制度名と申請する事業者まで説明できる会社が見つかっているなら、ほかの会社を探さなくてかまいません。それでも、古い家で直す範囲が読めず、補助を前提にしたその見積の範囲と金額が妥当かを1社の説明だけでは判断できない場合は、同じ家を別の会社にも見てもらうと、工事の範囲の差がはっきりします。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえるハピすむを使うなら、申し込みのときに「築年が古い木造の家で、国の窓と断熱の補助を使えるかも含めて見積を比べたい」と伝え、登録事業者かどうかを各社に確かめてください。

ハピすむで古い家のリフォームの見積を比べる

補助金を使わない・急がないほうがいい場合

補助は工事を安くするための手段で、古民家をどう直すかを決める理由ではありません。補助の条件に合わせるために、必要のない工事を足したり、急いで契約したりするなら、使わない判断も選択肢です。

  • 補助の下限に届かせるためだけに、使わない部屋の窓まで替えようとしている場合
  • 登録事業者に絞ると、古民家の扱いに慣れた職人に頼めなくなる場合
  • 解体してみないと傷みが分からず、補助の期限までに工事を終えられそうにない場合
  • 雨漏りや土台の腐れが進んでいて、補助の段取りを待つ間に傷みが広がりそうな場合

1つ目と2つ目は、「補助が無くても、この工事をこの相手に頼むか」で決まります。古民家は、建具や梁の扱い一つで仕上がりが変わる家です。補助の額より、頼む相手の腕と、家に合った直し方のほうが、後々の満足を左右することがあります。見積を「補助を使う場合」と「使わない場合」の2通りで出してもらい、差額と補助の見込みを並べて決めてください。

3つ目は、補助を使う工事と使わない工事の時期を分けるのも手です。窓のように工期が読みやすい工事だけを補助の期限内に済ませ、傷みの補修や間取りの変更は、解体後の状態を見てから落ち着いて決めます。

4つ目は、急ぐほうがいい場合です。雨水が入り込んでいる、床が沈むといった症状があるなら、補助の相談より先に、傷みの点検と応急の補修を優先します。補助は受付が終われば使えなくなりますが、古い家の傷みは待ってくれません。

迷ったときの順番は、「この家をどう使い、どこを直す必要があるか」を先に決め、そのあとで、直す工事に付く補助を探すことです。

よくある質問

古民家の再生に国の補助金はありますか?

確かめた国の資料には、「古民家」という区分の補助はありませんでした。古い家でも、登記で平成28年以前の新築と分かる住宅に、窓と断熱の工事を決まった組み合わせで行えば、みらいエコ住宅2026事業や先進的窓リノベ2026事業の対象になりえます。耐震や空き家の補助は、市区町村の制度を確かめます。

古民家をリフォームすると固定資産税はどうなりますか?

固定資産税は市町村(東京23区は東京都)が課税するもので、改修の内容によって扱いが変わることがあります。この記事では、耐震や省エネの改修に伴う減額の中身は確かめていません。工事の前に、お住まいの地域の固定資産税の担当窓口に、予定している工事の内容を伝えて聞いてください。

自分たちで直す場合も補助は出ますか?

みらいエコ住宅2026事業の要件書は、住宅の所有者や家族が自分で行う、工事請負契約を伴わない工事(いわゆるDIY)を補助の対象外としています。国の事業の補助は、登録事業者と工事請負契約を結び、その事業者が申請する形が前提です。

国の補助と市区町村の補助は一緒に使えますか?

制度ごとの決まりで決まります。窓リノベの資料は、地方公共団体の補助制度について、国費が充当されているものを除いて併用できるとしています。市区町村の耐震の補助のように国のお金が入る制度もあるので、同じ工事に2つの補助を重ねない前提で、市区町村の窓口と登録事業者の両方に確かめてください。国の事業どうしの組み合わせは、併用の記事にまとめています。

国と自治体の補助金の併用

登記に新築の日付が書かれていない古い家は対象になりますか?

みらいエコ住宅2026事業は、登記の証明書の表題部で新築の日付を確かめるとしていますが、日付が書かれていない家の扱いは、要件書を読んだ範囲では見つけられませんでした。登記の証明書を取ったうえで、登録事業者を通じて事務局に確かめてから計画を進めてください。

移住支援金を家の改修に使えますか?

移住支援金は、東京23区に住んでいたり通勤していたりした人が地方に移り、就業や起業などをしたときに、都道府県と市町村が支給するお金で、移住元の在住・通勤の条件や、移住先が制度を実施している都道府県・市町村であることなどの条件があります。改修の費用を補助する制度ではありません。使い道や返還の決まりは、移住先の都道府県・市町村の案内で確かめます。

もう工事を始めてしまいました。今から間に合いますか?

国の事業は、令和7年11月28日から交付申請を行う日までに着手した工事が対象です。ただし、工事請負契約より前に着手した工事は対象になりません。着工日と契約日を手元に置いて、工事を頼んだ会社が登録事業者か、交付申請がまだ済んでいないかを確かめてください。市区町村の耐震の補助は、申し込みの時期の決まりを要綱で確かめます。

見積を見る前のおさらい

  1. 確かめた国の資料には「古民家」という区分の補助は無く、国の補助は新築の時期・用途・工事の中身で決まる
  2. 国のリフォーム補助の入口は登記で、平成28年以前の新築と居宅であることを証明書で確かめる
  3. 古い家の断熱は、1つの部屋の窓をすべて断熱改修する要件化工事が軸で、窓は窓リノベ、壁や床はみらいエコと申請先を分ける
  4. 耐震の補助は、国が市区町村を通じて支える間接補助で、市区町村の要綱で額と条件が決まる
  5. 国の空き家の支援は市区町村向けが中心(NPO・民間事業者向けのモデル事業もある)で、移住支援金は改修費の補助ではない
  6. 現に住宅以外の用途で使う建物は国の住宅の補助から外れ(店舗併用住宅や民泊の扱いは事務局に確認)、DIYも対象外
  7. 申請するのは施主ではなく登録事業者で、着手・受付・完了の期限がある
  8. 見積は工事ごとに行を分け、制度名・対象の行・申請者・補助なしの総額を確かめる

古民家の補助で迷うのは、「古民家」という言葉で探しているのに、制度のほうは「新築の時期」「住まいかどうか」「どの工事か」で家を見ているからです。最初に登記の証明書を取り、家をどう使い、どこを直すかを決める。そのうえで、窓と断熱は国の事業、耐震は市区町村の制度、と工事ごとに使える補助を当てはめていけば、一覧サイトの「最大◯万円」に振り回されずに済みます。国の制度の入口は、国の補助金の記事にもまとめています。

リフォーム補助金の国の制度

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この記事を書いた人

リフォーム補助金・見積の窓口編集部です。リフォームの補助金と見積りについて、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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