国と自治体の補助金は併用できる?|住宅省エネ4事業の違い・順番・予算残

電卓とペン
補助金の予算はどれくらい残っているか
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)
12%

2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。

  • 国の補助金と市の補助金は、両方もらえるの?
  • 窓リノベとみらいエコ、給湯省エネは重ねて使える?
  • 市の要綱に「国の補助と併用不可」とあった。うちはもう使えない?
  • 「国費が充当されている制度」って何?どこを見れば分かる?
  • 1つの契約にまとめたら、1つの事業しか使えないの?
  • 市の申請と国の申請、どっちを先にすればいい?
  • 重ねて申請してしまったら、あとで返金になる?

上記のような悩みに答えます。

国と自治体の補助金の併用は、「両方もらえるか」を一言で答えにくいテーマです。国の住宅省エネ2026キャンペーンの4事業は、それぞれの公式資料に併用の決まりを書いていますが、書き方が事業ごとに少しずつ違い、横に並べた資料はありません。一覧型のまとめサイトの多くは「国と市は併用できる場合があります」で止まり、何を基準に分かれるのか、市の担当課に何を聞けば答えが出るのか、どの手続きを先にするのかまでは書いていません。そこで、併用を分ける1本の線(同じ工事か、別の工事か)を先に示し、国費が入った自治体の制度の見分け方、1つの契約で事業を分ける方法、申請の順番、つまずく型まで、各事業の要件書と公式サイトの原文で確かめながら整理しました。

先に答え

国の4事業どうしは、同じ工事・同じ製品に重ねなければ併用できます。市区町村の補助金は、国費が充当されていない制度なら併用でき、国費が充当されている制度とは併用できません(書き方は事業ごとに少し違います)。着工前に申請が要る制度があるときは、そちらの手続きを先に済ませる必要があります。

自分の工事を入れて、国の事業ごとにいくらになるかは計算ツールで確かめられます。

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この記事の数字は2026年度の制度で、2026年10月時点のものです。出典は住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト(https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/ )と各事業の要件書・公式サイトです。

目次

併用できるかは「同じ工事か」で決まる

電卓とペン

補助金の併用は、制度の名前ではなく、工事の単位で決まります。1つの工事・1つの製品に出る国の事業の補助は1つだけで、工事が分かれていれば、それぞれの工事に別の事業の補助を受けられる、というのが国の4事業に共通する考え方です。

この線が引かれているのは、補助金が「工事にかかるお金の一部を国や自治体が持つ」仕組みだからです。同じ工事に2つの補助を重ねると、同じ費用を2回補てんすることになります。みらいエコ住宅2026事業の要件書は、この事業が省エネ性能を上げるための「掛かり増し」に対して補助するものだとしたうえで、補助対象が重なる国の他の補助制度との併用を認めていません。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.2:「みらいエコ住宅2026事業と先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業、賃貸集合給湯省エネ2026事業(以下、『構成事業』という)は、対象建材・設備の性能等に応じて、補助対象が重複しなければ併用することができます。(同一の工事請負契約および工期でも可)」p.3:「同一箇所の工事、同一の設置工事において、各事業に重複して申請することはできません。(異なる箇所・設置工事をそれぞれ交付申請することは可)」

組み合わせごとの答えを先にまとめると、次のとおりです。

組み合わせ 併用 線を引くもの
国の事業どうし(窓リノベ・給湯省エネ・みらいエコ) 工事が別ならできる 同じ窓・同じ給湯器を2つの事業に申請しない
国の事業と市区町村の補助 国費が充当されていない制度ならできる 市区町村の制度に国費が入っているか
国の事業と、自治体が上乗せ・併用を前提に設けた補助 できる 要綱に国の事業との併用が書かれているか
国の事業と介護保険の住宅改修 同じ工事に重ねてよいかは資料に書かれていない 市町村の介護保険の窓口で確かめる
国の事業と住宅ローン減税などの税の制度 できる 減税は補助金を引いた額で判定する

たとえば、窓を内窓にして給湯器をエコキュートに替え、外壁の塗り替えには市の助成を使う、という計画なら、3つの工事はそれぞれ別なので、線の上では重なりません。一方で、同じ内窓に窓リノベと市の助成を両方当てる計画は、市の制度に国費が入っていれば併用できず、入っていなくても市の要綱がそれを認めているかを確かめる必要があります。

判断の軸は、見積の1行ごとに「この工事はどの制度で申請するか」を1つずつ決めていくことです。行ごとに申請先が1つに決まっていれば、それが併用の正しい形です。

国の4事業は工事を分ければ重ねられる

国の4事業どうしは、補助の対象が重ならなければ、同じ家・同じ契約・同じ工期でも重ねて使えます。窓は先進的窓リノベ2026事業、給湯器は給湯省エネ2026事業、断熱や水回りの設備はみらいエコ住宅2026事業、という形で1つの家に3つの事業を使えます。4事業それぞれの対象工事は、国の補助金の入口の記事にまとめています。

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事業をまたいで重ねてはいけないのは、事業どうしで対象が一部重なっているからです。みらいエコ住宅の補助対象工事の一覧には窓や給湯器も入っているので、同じ窓を窓リノベとみらいエコ住宅の両方に申請する、という重複が起こりえます。要件書と給湯省エネの公式サイトは、これを明確に禁じています。

計算例

みらいエコ住宅2026事業 要件書(リフォーム)p.20:「両事業の補助対象である窓(ガラス)・ドアであっても、一つの窓等が両事業でそれぞれ補助を受けることはできません。また、同一開口部に複数の補助対象製品である窓(ガラス)・ドアを設置した場合は両事業を通じていずれか一つの製品のみ申請ができ、他の製品については申請できません。」「両事業の補助対象である機器であっても、一つの機器に対して両事業の補助を受けることはできません。」給湯省エネ2026事業 公式「事業概要」その他1:「複数の高効率給湯器を導入した場合、給湯器の性能等に応じて両事業を併用し、それぞれ補助を受けることができます。(同一の契約および工期でも可)ただし、両事業の補助対象である機器であっても、一つの機器に対して両事業の補助を受けることはできず」

重ね方の決まりを、施主が確かめやすい形にすると次の4つです。

  • 同じ窓・同じドアは、窓リノベかみらいエコ住宅のどちらか一方にだけ申請する
  • 1つの開口部に内窓と外窓のように2つの製品を付けても、補助を申請できるのはどちらか1つ
  • 同じ給湯器は、給湯省エネかみらいエコ住宅のどちらか一方にだけ申請する
  • 事業をまたぐと条件がつながる:窓リノベで申請した窓は、みらいエコ住宅の要件化工事として数えられ、給湯省エネの交付決定があれば、みらいエコ住宅の側では高効率給湯器を設置したものとして扱われる

最後の1つが、重ねて使うときにいちばん効くところです。みらいエコ住宅のリフォームは要件化工事をした家でしか補助が出ませんが、要件化工事は補助の対象になる工事ではないので、窓リノベで補助を受ける窓をそのまま要件化工事に数えても、重複にはなりません。窓の性能区分によっては窓の工事だけで要件化工事を満たせる組み合わせもあり、その中身は入口の記事の「水回りだけでは」の項で扱っています。

計算例

みらいエコ住宅2026事業 要件書(リフォーム)p.20:「なお、本事業のリフォームにおける補助対象とは、『補助対象工事』として申請する工事等をいいます。※『要件化工事』は補助対象となる工事ではないため、本事業の要件を満たす工事であれば『要件化工事』として取り扱うことが可能です。」

下限も重ね方で変わります。みらいエコ住宅のリフォームは、ふつうは1回の申請の補助額の合計が5万円以上でないと申請できません。ただし、同じ発注者の同じ家で、先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業のどれかの交付決定を受けていれば、下限は2万円に下がります。

たとえば、窓を窓リノベ、給湯器を給湯省エネで申請する家でトイレも替えるなら、みらいエコ住宅の側はトイレの分だけです。5万円に届かなくても、要件化工事を満たしたうえで、窓リノベか給湯省エネの交付決定があれば2万円以上で申請できます。逆に、窓とトイレの両方をみらいエコ住宅で申請すると、窓は窓リノベの額を受けられず、どちらで申請するほうが得かを比べる必要が出てきます。

迷ったら、見積で「同じ物に2つの事業の名前が付いていないか」だけを確かめてください。

自治体の補助は国費が入っているかで分かれる

改装中の部屋

市区町村のリフォーム補助を国の事業と一緒に使えるかは、その制度に国費が充当されているかで分かれます。国費が入っている制度は国の事業と併用できず、入っていない制度や、自治体が国の事業への上乗せ・併用を前提に設けた制度なら併用できる、というのが4事業の資料に共通する線です。

国費の有無で分けているのは、国費が入った自治体の補助と国の事業を重ねると、国のお金が同じ工事に2回出ることになるからです。住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトにも、掲載している支援制度であっても国費が充当されている制度は各事業と併用できない、と注意書きがあります。ただし、書き方は事業ごとに少し違います。

資料 自治体の補助との併用の書き方
みらいエコ住宅2026事業 要件書 補助対象が重なり、国費が充当されているもの(社会資本整備総合交付金などを使った自治体の補助を含む)とは併用できない。自治体が独自に上乗せ・併用を前提に措置した補助は併用できる
先進的窓リノベ2026事業 詳細資料 地方公共団体の補助制度は、国費が充当されているものを除き併用できる。別途併用を認めるとされた交付金が充当された場合は除く
給湯省エネ2026事業 公式サイト 地方公共団体の補助制度は、国費が充当されているものを除き併用できる
キャンペーン公式サイト 国費が充当されている制度は、各事業と併用できない。詳細は各地方公共団体へ
計算例

みらいエコ住宅2026事業 要件書(リフォーム)p.19「1-18 補助金の併用について」:「本事業と補助対象が重複する他の補助事業であって、国費が充当されているもの(国による直接補助事業や、国土交通省の『社会資本整備総合交付金』等を活用して地方公共団体が実施している補助事業)との併用はできません。ただし、地方自治体が独自に、本補助金への上乗せや、本事業との併用を前提として措置している補助事業は併用可能です。(例:物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金)」「なお、地方公共団体が申請窓口となる補助事業との併用可否については、窓口となる地方公共団体にご確認ください。」環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細」p.2:「他の国庫補助金との併用については、補助対象に重複がない場合は併用可とします。なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているもの※3を除き、併用可能です。」※3「ただし、内閣府の『物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金(令和7年度補正予算成立分)』など別途併用を認めるとされたものが充当された場合は除きます。」給湯省エネ2026事業 公式「事業概要」その他3:「同一の高効率給湯器に対して、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできません。なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。」

国費が入っているかどうかは、施主が要綱を読んでも書かれていないことがあります。そのときは、市区町村の担当課に次のように聞くのがいちばん確実です。「この補助制度には国費(社会資本整備総合交付金など)が入っていますか」「国の住宅省エネ2026キャンペーンの事業と、同じ工事、または同じ家の別の工事で一緒に使えますか」。2つ目を「同じ工事」と「別の工事」に分けて聞くのは、みらいエコ住宅の要件書が「補助対象が重複するもの」と書いているのに対し、窓リノベと給湯省エネの資料はその限定を付けていないからです。分けて聞いておけば、どの事業と組むときにも答えが使えます。

たとえば、市の要綱に「国の補助を受ける工事は対象外」と書かれていても、それだけで家全体が使えなくなるとは限りません。要綱が工事の単位で国の補助との重なりを外していて、その制度に国費が充当されていなければ、窓は国の事業、外壁は市の助成、と工事を分ける組み方がありえます。ただし、要綱の文言の読み方は市区町村が決めることなので、自分の読みで決めずに担当課の答えを聞いてください。住所から制度と要綱を探す手順は、次の記事にまとめています。

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国の資料と市区町村の要綱の両方で「使える」と確かめて、はじめて併用の計画に入れられます。

1つの契約でも、工事ごとに申請を分ける

1つの工事請負契約にまとめても、国の事業は工事ごとに別々に申請できます。「契約を1つにしたら1つの事業しか使えない」ということはありません。大事なのは契約の数ではなく、見積の中で工事ごとに申請先が分かれているかです。

国の3省はリフォームの申請で連携していて、同じ契約で複数の事業に申請するときのために「ワンストップ対応」という仕組みがあります。提出した交付申請から一部の入力情報と書類を写して、別の事業の申請を作れる機能です。ただ、要件書には、複数事業の申請を一括で作る機能や、いちばん有利な補助額へ自動で振り替える機能は無い、とはっきり書かれています。

計算例

みらいエコ住宅2026事業 要件書(リフォーム)p.4「ワンストップ対応について」:「ワンストップ対応とは、同一の工事請負契約に基づく複数の事業を併用して申請する場合に、交付申請を効率的に作成できる機能です。」「『複数事業の交付申請の一括作成』『最も有利な補助額への自動振替』の機能はありません。」「※消費者自身が交付申請の手続きを行うことはできません。」

同じ契約でも、工事ごとに分ければ重ねられる
1つの工事に2つの事業

  • 同じ窓・同じ給湯器を2つの事業に申請
  • 重複申請になり、無効・返金の対象
1つの契約で別々の工事

  • 窓は窓リノベ、給湯器は給湯省エネ
  • 工事ごとに申請すれば併用できる

つまり、どの工事をどの事業で申請するかは、仕組みが自動で決めてくれるのではなく、申請する事業者が組み立てます。施主にできるのは、見積書でその組み立てを見えるようにしてもらうことです。

  • 見積の行を工事ごとに分け、行ごとに申請する事業の名前を書いてもらう
  • 窓は窓ごと、給湯器は台ごとに、型番と補助の見込み額を書いてもらう
  • 市区町村の助成を使う工事は、国の事業の行と分けて書いてもらう
  • 自費の工事(どの補助も使わない行)がどれかも分かるようにしてもらう

たとえば2社の見積で、窓をすべて窓リノベで申請する前提と、一部の窓をみらいエコ住宅で申請する前提に分かれることがあります。行ごとに事業の名前があれば、組み立ての違いを比べられます。見積書の欄の読み方は、次の記事で詳しく扱っています。

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編集部の整理では、「この見積の補助額はいくらですか」と聞くより、「この行はどの事業で申請しますか」と聞くほうが、答えの確かさが上がります。合計額だけでは、どこかで重複していても気づけないからです。

申請の順番は着工前の手続きが先

電卓とノートパソコン

国と市区町村、介護保険を組み合わせるときの順番は、「工事の前に申請が要る制度を先に済ませる」が原則です。国の4事業は着手の日付と工事の後の交付申請で動くので、着工前の申請が要る制度と時系列がぶつかりやすくなります。

順番が問題になるのは、制度ごとに「いつ申請するか」の決まりが違うからです。介護保険の住宅改修は、工事の前に市町村へ申請書を出すのが原則です。市区町村の補助は要綱しだいで、着工前の申請や交付決定より前の契約・着工を対象外にしている制度なら、国の事業の段取りより先に手続きが要ります。一方で国の事業は、施主ではなく契約した登録事業者が申請し、たとえば窓リノベの交付申請はすべての工事が終わった後です。

制度 申請する人 いつ
介護保険の住宅改修 施主(理由書は介護支援専門員など) 工事の前に市町村へ。やむを得ない事情があれば完成後も可
市区町村の補助 要綱で決まる 要綱で決まる(着工前の申請を求める制度なら工事の前)
先進的窓リノベ2026事業 登録事業者 着手は令和7年11月28日以降、交付申請はすべての工事の完了後。予約は遅くとも令和8年11月16日(予定)
給湯省エネ2026事業 登録事業者 着手は令和7年11月28日以降、受付は2026年3月31日〜遅くとも2026年12月31日
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム) 登録事業者 着手は令和7年11月28日から交付申請を行う日までの間、受付は2026年6月30日〜遅くとも2026年12月31日

国の事業どうしにも順番があります。みらいエコ住宅で下限2万円の扱いを使うときや、窓リノベの窓・給湯省エネの給湯器を要件化工事に数えるときは、他の事業の交付決定が前提になるので、窓リノベや給湯省エネの申請が先に進んでいる必要があります(みらいエコ住宅の側の工事だけで要件化工事と下限5万円を満たせるなら、他の事業の交付決定を待たずに交付決定されます)。要件書の参考資料には、同じ担当者が申請する場合でも、みらいエコ住宅の交付決定は他の事業の交付決定の後になり、担当者が違う場合は他の事業の交付決定を受けてからでないとみらいエコ住宅の申請ができない、と書かれています。

計算例

みらいエコ住宅2026事業 要件書(リフォーム)p.139「9-4 住宅省エネ2026キャンペーンの他の構成事業併用における本事業の申請」:「(A)同一担当者による申請の場合 すべての交付申請の進捗を担当者アカウントで管理できるため、本事業の交付申請は他の構成事業の交付申請の提出後に可能となります。ただし、本事業の交付決定は、他の構成事業の交付決定後となります。」「※他の構成事業の審査が滞った場合、本事業は交付決定に至らない。」p.140:「(B)異なる担当者(同一事業者、複数の事業者を問わず)による申請の場合 他の構成事業の交付申請の進捗を本事業の交付申請を行う担当者が把握できないため、本事業の交付申請は他の構成事業の交付決定後に可能とします。また、本事業の交付申請時に他の構成事業の交付決定通知(『交付決定と振込のお知らせ』でも可)の添付が必要です。」

国と市区町村を組み合わせるときの順番
  1. 1市区町村の要綱を読む着工前の申請と国の補助との併用の欄
  2. 2着工前の申請を済ませる介護保険や、要綱が求める市区町村の申請
  3. 3登録事業者と契約・着工着手は令和7年11月28日以降
  4. 4工事の完了後に国の申請窓リノベ・給湯省エネが先に進む
  5. 5みらいエコ住宅の申請下限2万円を使うなら他の事業の交付決定の後

たとえば、市の助成が着工前の申請と交付決定を条件にしていて、国の窓リノベと同じ時期に工事をしたい場合、市の交付決定が出るまで着工を待つ日数を、窓リノベの予約の期限と工事の完了の期限から逆算して確かめます。国の受付の終わりは予算の上限に達した時点で早まることがあるので、待っている間に予算が尽きる心配があるなら、冒頭の帯と予算残のページで事業ごとの使われ具合を見ておきます。

順番で迷ったら、制度ごとに「申請する人」「申請する時期」「着工してよい日」の3つを紙に書き出してください。3つの列が埋まれば、どの手続きを先にするかは自然に決まります。

介護保険と減税は別の物差しで見る

介護保険の住宅改修と、バリアフリー改修などの減税は、国の4事業とは別の物差しで併用を考えます。介護保険は同じ工事に重ねてよいかが資料に書かれておらず、減税は補助金を受けた額を差し引いて条件を判定する、という違いがあるからです。

介護保険の住宅改修は、要介護・要支援の認定を受けた人の手すりや段差の解消などに使える制度です。みらいエコ住宅にも手すりや段差解消の補助がありますが、編集部が読んだみらいエコ住宅の要件書の併用の項と厚生労働省の資料には、同じ手すりに両方を当ててよいかの記載が見当たりません。重ねられる前提で見積を組まず、介護保険の窓口と申請する事業者に確かめてから、工事ごとにどちらで申請するかを決めます。

制度 国の事業との関係 確かめる先
介護保険の住宅改修 同じ工事に重ねてよいかは資料に記載なし 市町村の介護保険の窓口・ケアマネジャー
バリアフリー改修の所得税の控除 補助金を差し引いた標準的な費用の額が50万円を超えるかで判定 税務署(確定申告)
バリアフリー改修の固定資産税の減額 工事費から補助金を差し引いた額が50万円を超えることが条件 市区町村(工事完了から3か月以内に申告)
住宅ローン減税などの税の制度 みらいエコ住宅の要件書が、補助対象が重ならないため併用できると明記 税務署
計算例

みらいエコ住宅2026事業 要件書(リフォーム)p.20:「本事業と、国による直接補助事業等のうち代表的なものとの併用について ●以下の補助事業等は、本事業と補助対象が重複しないため、併用することができます。・住宅ローン減税等の税制措置 ・住まいの復興給付金 ・被災者生活再建支援制度 ・2050先導型住宅推進事業」

減税で気をつけたいのは、補助金を受けるほど判定の額が下がることです。たとえば、バリアフリー改修の工事費が50万円を少し超える程度で、そこに補助金を受けると、差し引いた額が50万円以下になり、所得税の控除や固定資産税の減額の条件から外れることがあります。補助金と減税の両方を考えているなら、工事費・補助額・差し引いた額を並べてから、どの補助を受けるかを決めてください。場所ごとの優先順位と戻る額は、次の記事で扱っています。

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バリアフリーリフォームはどこから?|場所別の優先順位・戻る額・減税 バリアフリーリフォームを玄関・トイレ・浴室などのどこから始めるかを、転びやすさと毎日の動線で整理。介護保険の住宅改修で戻る額と事前申請、所得税の控除、固定資産税の減額、みらいエコ住宅2026の条件まで確かめました。

介護保険は「先に申請が要るか」、減税は「補助金を引いた後で条件を満たすか」の1点ずつを確かめれば足ります。

併用でつまずく6つの型

併用の失敗は、制度を知らないことより、「たぶん大丈夫」で計画を進めることから起こります。資料と要綱に書かれた決まりを1つ外すだけで、補助が出ないか、受け取った補助の返金を求められることがあります。

国の事業は、重複申請に厳しい姿勢をとっています。給湯省エネの公式サイトとみらいエコ住宅の要件書は、重複申請が見つかれば理由を問わず交付申請を無効とし、交付決定の取り消しや返金の措置をとると書いています。前年度までの事業で補助を受けた機器も対象から外れます。給湯省エネの公式サイトは給湯省エネ2025事業で補助を受けた給湯器を対象外とし、みらいエコ住宅の要件書も、子育てグリーン住宅支援事業など過年度の事業で補助を受けた機器等には補助を出さないとしています。

計算例

給湯省エネ2026事業 公式「事業概要」その他1:「万一、みらいエコ住宅2026事業と重複申請を行っていた場合、理由の如何によらず、本事業の交付申請を無効とし、交付決定の取り消しおよび返金等の措置をとりますので、十分ご注意ください。」その他2:「給湯省エネ2025事業(令和6年度補正予算)で補助金の交付を受けた給湯器は、本事業の補助対象とはなりません。」みらいエコ住宅2026事業 要件書(リフォーム)p.20:「●本事業と子育てグリーン住宅支援事業(2024年以前の事業も同様) 両事業の補助対象である機器等であっても、過年度事業で補助を受けた機器等に対して本事業の補助を受けることはできません。」

つまずく型は、次の6つにまとまります。

  1. 同じ窓・同じ給湯器を2つの事業に申請する(無効・返金の対象)
  2. 前年度までの事業で補助を受けた機器を、今年度の事業でもう一度申請する
  3. 国費が入った市区町村の制度を、国の事業と同じ工事に当てる
  4. 市区町村の要綱が着工前の申請を求めているのに、国の段取りに合わせて先に着工する
  5. 工事を事業に振り分けたら、みらいエコ住宅の側が下限の5万円に届かず、他の事業の交付決定も無いので申請できない
  6. 片方の補助が出なかったときに、その分を誰が払うかを契約で決めていない

6つ目は、併用が増えるほど起こりやすくなります。窓リノベでは補助金は事業者に交付され、事業者から施主に全額還元される決まりですが、見積の合計から補助金を先に差し引いた形にしていると、補助が出なかった分の扱いが契約で決まっていない限り、話がこじれます。

たとえば、市の助成の交付決定を待たずに着工してしまった場合、市の助成は使えなくなっても、国の事業の着手の条件(令和7年11月28日以降)を満たしていれば、国の側は対象になりえます。逆に、国の事業で着工を急いだせいで市の助成を失う、という順番の失敗は、要綱を契約の前に読むだけで防げます。

この6つは、どれも契約の前に確かめれば防げます。次の項の質問が、そのための道具です。

見積の前に事業者と担当課へ聞くこと

並んだ二つの窓

国と市区町村の補助金を併用するなら、見積を頼む段階で、事業者と市区町村の担当課の両方に質問を用意しておくと、組み立ての間違いを契約前に見つけられます。国の事業の申請は事業者が、市区町村の制度の解釈は担当課が答えを持っているので、聞く相手を分けるのがこつです。

施主が自分で申請できない以上、併用が正しく組まれているかを確かめる手段は、事業者の説明と見積書の書き方しかありません。担当課の答えと事業者の見積が食い違っていれば、そこが併用の計画の弱いところです。

聞く相手 聞くこと
事業者 住宅省エネ支援事業者として登録しているか(登録事業者番号も)
事業者 見積の行ごとに、どの事業で申請するか
事業者 窓リノベ・給湯省エネとみらいエコ住宅を同じ担当者が申請するか、申請の順番はどうなるか
事業者 補助が出なかったとき・予算が尽きたときの代金の扱いと、還元の形(工事代に充てるか、現金か)
担当課 この制度に国費が入っているか、国の住宅省エネ2026キャンペーンと同じ工事・別の工事で使えるか
担当課 申請と着工の順番(交付決定の前に契約・着工してよいか)、業者の条件

たとえば、事業者が「国と市で両方出ます」と言ったら、「どの行を国の何の事業で、どの行を市の制度で申請しますか」と聞き返してください。行ごとに答えが返ってくれば、その組み立てを担当課の答えと照らして確かめられます。答えが合計額だけなら、重複や順番の確認がまだされていない可能性があります。

いま話している会社が登録事業者で、上の質問に行ごとに答えてくれるなら、その会社に頼めば足ります。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

窓だけ、給湯器だけと工事が1つで、いまの会社が登録事業者なら、ほかの会社を探さなくても併用の確認は済みます。一方で、窓・給湯器・水回りを国の3つの事業と市の制度に振り分ける組み立てを、行ごとに説明してくれる会社が手元に1社も無い場合は、複数の会社の組み立てを並べて見るのが近道です。ハピすむはリフォームコンシェルジュが加盟審査を通過した会社から選んで紹介する無料の見積比較サービスなので、申し込むときに「国と市の補助金を工事ごとに分けて申請したい」と伝え、紹介された会社に上の表の質問をしてください。

ハピすむで補助金の組み立てごと見積を比べる

補助金を使わない・急がないほうがいい場合

補助金の併用は、工事費を下げる手段であって、目的ではありません。制度を重ねるほど手続きと待ち時間が増えるので、併用しない、または急がないほうが結果的に得な場合もあります。

併用を狙うと、制度の条件に工事を合わせる方向に流れやすくなります。市の助成の要件を満たすために工事を足す、国の下限に届かせるために予定に無い工事を加える、といった判断は、受け取れる補助より出ていくお金のほうが大きくなりがちです。

  • 市区町村の助成の交付決定を待つ間に、国の事業の予約の期限や工事の完了の期限に間に合わなくなる日程:どちらか1つに絞るほうが確実です
  • 下限に届かせるためだけに、予定に無い工事を足す:足した工事の費用が、増える補助額より大きければ意味がありません
  • 介護保険と国の事業を重ねる前提で計画している:重ねてよいかが確かめられないうちは、どちらか一方で組んだ計画も用意しておきます
  • 補助金を受けると、バリアフリー改修の減税の条件(補助金を引いた額で50万円超)から外れる:補助と減税の両方の額を並べてから決めます

たとえば、市の助成の交付決定に時間がかかり、国の事業の完了期限が近い場合は、市の助成を使わずに国の事業だけで進めるほうが、全体として受け取れる額が大きいことがあります。反対に、時間に余裕があり、市の制度に国費が入っていないと確かめられているなら、工事ごとに分けて両方を使う計画は十分に成り立ちます。

決め方の軸は、「その制度が無くても、この工事をこの時期にするか」を先に自分に聞くことです。答えが「する」なら補助は上乗せとして重ね、「しない」なら、補助のために工事や日程を曲げないでください。

よくある質問

国のリフォーム補助金と自治体のリフォーム補助金は併用できますか?

国費が充当されていない市区町村の制度なら、国の住宅省エネ2026キャンペーンの事業と併用できます。国費が入っている制度とは併用できず、みらいエコ住宅の要件書は補助対象が重なるものを併用不可としています。自治体が国の事業への上乗せや併用を前提に設けた補助なら併用できるので、担当課に確かめてください。

窓リノベとみらいエコ住宅2026は併用できますか?

できます。ただし、同じ窓・同じドアを両方の事業に申請することはできず、1つの開口部に2つの製品を付けても申請できるのは1つだけです。窓リノベで申請した窓は、みらいエコ住宅の要件化工事として数えることができます。

給湯省エネとみらいエコ住宅で同じ給湯器を申請できますか?

できません。1つの機器に両方の事業の補助は受けられません。給湯器を給湯省エネで申請し、その交付決定があれば、みらいエコ住宅の側では高効率給湯器を設置したものとして扱われ、下限も2万円に下がります。ただし、給湯器だけでは要件化工事を満たさないので、窓の断熱などの工事は別に要ります。

「国費が充当されている」かはどこで分かりますか?

要綱に書かれていないこともあるので、市区町村の担当課に「この制度に社会資本整備総合交付金などの国費は入っていますか」と聞くのが確実です。あわせて、国の住宅省エネ2026キャンペーンの事業と、同じ工事・別の工事で一緒に使えるかも聞いておきます。

重ねて申請してしまったらどうなりますか?

国の事業は、重複申請が見つかれば理由を問わず交付申請を無効とし、交付決定の取り消しや返金の措置をとると資料に書いています。事業者が申請する仕組みでも、還元を受けた後に返金を求められることがありうるので、見積の段階で行ごとの申請先を確かめてください。

去年の補助金で付けた設備は、今年の事業で申請できますか?

原則できません。給湯省エネ2025事業で補助を受けた給湯器は給湯省エネ2026事業の対象にならず、みらいエコ住宅も過年度の事業で補助を受けた機器等には補助を出しません。新しく付ける機器や、まだ補助を受けていない工事だけが対象と考え、申請する事業者に確かめてください。

補助金を受けると減税は減りますか?

バリアフリー改修の所得税の控除と固定資産税の減額は、補助金を差し引いた額で50万円を超えるかを判定します。補助金を受けた分だけ判定の額が下がるので、工事費・補助額・差し引いた額を並べて確かめてください。住宅ローン減税などの税の制度は、みらいエコ住宅の要件書が併用できると明記しています。

見積を見る前のおさらい

  1. 併用は工事の単位で決まる。1つの工事・1つの製品に国の事業の補助は1つ、工事が別なら別の事業を使える
  2. 国の4事業どうしは、同じ窓・同じ給湯器に重ねなければ、同じ契約・同じ工期でも併用できる。窓リノベの窓はみらいエコ住宅の要件化工事に数えられる
  3. 市区町村の補助は、国費が充当されていれば国の事業と併用できない。自治体が上乗せ・併用を前提に設けた補助は使える
  4. 1つの契約でも、見積の行ごとに申請先を分けてもらう。自動でいちばん有利に振り分ける仕組みは無い
  5. 順番は着工前の手続きが先。みらいエコ住宅の下限は5万円、他の事業の交付決定があれば2万円で、その交付決定が先に要る
  6. 介護保険は同じ工事に重ねてよいかを窓口で確かめる。減税は補助金を引いた額で判定する
  7. 重複申請・前年度の機器・国費入りの自治体の制度・着工前申請の見落とし・下限割れ・不支給時の負担が、つまずく6つの型
  8. 事業者には行ごとの申請先と順番を、担当課には国費の有無と着工の順番を聞く

国と自治体の補助金の併用は、「両方もらえるか」を一度に決めようとすると迷いますが、見積の1行ずつに「どの制度で申請するか」を書き込んでいけば、重なりと順番の問題は自然に見えてきます。最初にやることは、住所の市区町村の要綱で着工前の申請と国の補助との併用の欄を読み、その答えを持って事業者に行ごとの申請先を聞くことです。その2つがそろえば、営業の「両方出ます」がどの工事の話なのかを、自分で確かめられます。

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この記事を書いた人

リフォーム補助金・見積の窓口編集部です。リフォームの補助金と見積りについて、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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