2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 雨漏りしているけれど、修理するお金がない
- 放っておいたらどうなるの?今すぐ全部直さないといけない?
- 見積が思っていたよりずっと高かった。払えない
- 火災保険で雨漏りは直せる?古い家でも下りる?
- 「保険を使えば無料で直せます」と業者が訪ねてきた
- 雨漏りの修理に使える補助金や助成金はある?
- リフォームローンは雨漏りの修理にも使える?年金暮らしでも借りられる?
- 補助金が出るのを待ってから直したほうが得?
上記のような悩みに答えます。
雨漏りの修理は、お金の都合で後回しにしたくなる工事ですが、待つほど直す範囲が広がりやすい工事でもあります。検索すると雨漏りや塗装の業者のページが並び、「火災保険が使えます」「ローンもあります」「まずは無料点検を」と案内していますが、業者の立場からは「今は全部直さなくていい」「範囲を小さくできる」とは言いにくいものです。そこで、応急の手当て・原因の確認・見積の分け方という順番を押さえたうえで、火災保険が使える条件、国の補助が無いこと、住宅金融支援機構の融資と社会福祉協議会の貸付の条件まで、日本損害保険協会・国民生活センター・国土交通省・厚生労働省などの公式の資料で確かめながら整理しました。
お金がないときに最初にやるのは、全額の修理ではなく、水を止める応急の手当てと原因の確認です。見積を応急・部分・全体に分ければ、今払う額を小さくできます。原因が台風・ひょう・雪などの自然災害なら火災保険が使える可能性があり、業者と契約する前に自分で保険会社か代理店に聞きます。劣化による雨漏りは火災保険の対象外が原則で、雨漏りの修理そのものは国のみらいエコ住宅2026事業の補助対象工事にもありません。そのうえで足りない分を、融資や公的な貸付で埋められるかを確かめます。
国の補助金の計算ツールは、窓や給湯器の工事で戻る額の目安を出すものです。雨漏りの修理の額は出ませんが、屋根の工事と一緒に窓の断熱などを考えているときに使えます。
2026年10月時点の制度で確かめています
最初にするのは水を止めること

お金がないときに最初にするのは、修理の契約ではなく、水が家の中に入り続けるのを止めることです。雨漏りは、屋根や外壁から入った水が、防水紙や下地の木材、天井、柱へと回っていくので、放っておくほど直す場所が増えていきます。今払える額が少ないなら、なおさら被害を広げないことが一番の節約になります。
なぜ順番が大事かというと、雨漏りの修理費は「どこまで傷んだか」で大きく変わるからです。最初は屋根の一部の補修で済んだはずのものが、しみが広がり、下地の木が腐り、天井の張り替えまで要るようになると、同じ雨漏りでも工事の中身がまるで変わります。お金がないから待つ、という判断が、結果としていちばん高くつく形になりやすいのはこのためです。
家の中でできる手当ては、次のようなものです。
- 水が落ちる場所にバケツや洗面器を置き、周りにタオルや雑巾を敷く
- 濡れて困る家具・家電・布団を動かす。コンセントや照明の近くなら電気の扱いに気を付ける
- しみや水が落ちる様子を、日付が分かる形で写真や動画に残す
- いつから、どんな雨や風の日に漏れるかをメモする
屋根に上がって自分でシートをかけるのは、慣れていない人にはすすめません。落ちてけがをすれば、修理代どころではなくなります。屋根の上の応急の手当ては、業者に「応急だけ」を頼む形にします。
住まいの形によっては、そもそも自分が修理代を払う立場ではありません。賃貸住宅なら貸主か管理会社、分譲マンションの共用部分なら管理会社か管理組合が最初の連絡先です。建ててから日が浅い家やリフォームしたばかりの家なら、工事をした会社の保証の範囲かもしれません。自分で業者を呼ぶ前に、ここを確かめるだけで払わずに済むことがあります。連絡先の見分け方は、雨漏りの頼み先の記事で詳しく書いています。
雨漏り修理はどこに頼む?原因の探し方・見積の比べ方・保険の確かめ方
たとえば、天井のしみが雨の日だけ少し広がる程度なら、家の中の手当てと写真を続けながら、晴れた日に原因を見てもらう段取りで足ります。反対に、雨のたびに水が落ちてくる、天井がたわんでいる、電気の近くが濡れている、というときは、応急の手当てを急いで業者に頼みます。
迷ったときの軸は、「今、水が入り続けているか」です。入り続けているなら、お金の算段は後にして、まず止める。止まっているなら、落ち着いて原因と見積を確かめる時間があります。
原因を確かめてから範囲を決める
修理にいくらかかるかは、原因が分かるまで決まりません。原因を確かめずに「屋根を全部替えましょう」と言われても、それが必要な工事かどうかは判断できないので、お金がないときほど、先に原因を確かめることにお金と時間を使います。
雨漏りは、しみが出た場所の真上から水が入っているとは限りません。屋根の継ぎ目、棟の板金、外壁のひび、窓まわりのすき間、ベランダの防水など、水の入り口はいくつも考えられ、入った水は下地を伝って離れた場所に出てきます。入り口を外したまま表面だけを直すと、また漏れて、払ったお金がむだになります。

原因を確かめるときに業者に聞くのは、次の点です。
- 水の入り口をどこと見たか、その根拠(写真・調べ方)は何か
- 入り口は1か所か、複数の候補があるか
- 下地の木材や天井の中まで傷んでいるか、見えない部分は工事のときに開けて判断するのか
- 今すぐ直すべき場所と、あとでもいい場所の区別
原因の見立てが写真つきで説明されれば、工事の範囲を「入り口を塞ぐ工事」と「傷んだところを直す工事」と「予防のための工事」に分けて考えられます。お金がないときに今払うのは、最初の1つ、場合によっては2つ目までです。
たとえば、築年数のたったスレート屋根の家で、棟の板金が浮いて雨が入っていた場合、まず必要なのは浮いた板金と周りの補修です。業者から「屋根全体のカバー工法」をすすめられても、それは予防や見た目を含めた提案で、雨を止めるための最小の工事とは別のことがあります。両方の見積を並べて、どこまでが雨を止めるために要る工事かを聞いてください。
原因の調べ方そのものに費用がかかる場合もあります。その費用を払っても、範囲を絞れれば全体の支払いは小さくなるので、むだにはなりにくい出費です。調べ方と費用は、見積の前に書面で確かめておきます。
見積を応急・部分・全体に分けて比べる
お金がないときの見積は、1枚の合計額で受け取らず、「応急」「部分の修理」「全体の工事」の3つに分けて出してもらいます。分けておけば、今払うのは応急と部分の修理だけにして、全体の工事は保険の結果やお金の準備ができてから、という順番が取れます。
1枚の見積に全部が入っていると、「この額を払えるか、払えないか」の二択になってしまいます。分けてあれば、「雨を止めるのにいくら」「傷んだところを直すのにいくら」「予防にいくら」と、支払いを時期ごとに組み立てられます。足場が要る工事は、あとでもう一度足場を組むと二重にかかるので、どこで足場を組むかも分けて考える材料になります。
| 見積の分け方 | 中身の例 | 今払うか |
|---|---|---|
| 応急 | 屋根の上のシートがけ、すき間の一時的な塞ぎ | 雨が入り続けているなら今 |
| 部分の修理 | 水の入り口の補修、傷んだ板金や瓦の交換 | 原因が分かったら早めに |
| 全体の工事 | 屋根全体の葺き替え・カバー工法、外壁全体の塗装 | 保険の結果やお金の準備を見て |
- 1水を止める家の中の手当てと、屋根の応急は業者に
- 2原因を確かめる入り口と根拠を写真で
- 3見積を分ける応急・部分・全体の3つに
- 4保険を確かめる契約の前に保険会社か代理店へ
- 5足りない分を考える融資・公的な貸付の条件を確かめる
見積が高いのか妥当なのかを自分で判断できないときは、第三者に見てもらう方法があります。国土交通大臣が指定した住まいの相談窓口である住まいるダイヤルは、これから契約する人の見積書を受け取って内容を確かめる、無料の見積チェックのサービスを行っています(出典:住まいるダイヤル「リフォームの見積書に関する相談」 https://www.chord.or.jp/reform/index.html )。同じ条件で2〜3社から見積を取り、分け方をそろえて比べる方法は、相見積の記事にまとめています。
リフォームの見積もりはどう取る?見積書の見方・相見積の頼み方
支払いを分けられないかも、見積の段階で聞いておきます。分割の可否や、工事の途中での支払いの割り振りは業者ごとに違うので、契約書に書いてもらえる形で確かめます。
たとえば、A社は「屋根カバー工法一式」の1行だけ、B社は応急・棟板金の補修・カバー工法の3行に分かれていたとします。今の支払いを小さくしたい人にとって判断しやすいのはB社です。A社にも同じ分け方で出し直してもらえるかを聞き、出せないなら、比べる材料が足りないと考えてください。
編集部の整理では、お金がないときの見積は「安い業者を探す」より先に「今払う分を切り分ける」ことが効きます。切り分けた見積があれば、保険会社に相談するときも、家族に説明するときも、同じ紙で話ができます。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
近所に頼める屋根屋さんがいて、応急と本修理を分けて見積を出してもらえるなら、紹介のサービスは要りません。それでも、分けた見積を出してくれる業者を自分で何社も探して頼む余裕がないなら、屋根・外壁の工事に絞って地域の業者を紹介してもらう方法があります。申し込むときは、応急・部分・全体に分けて見積を出してほしいと最初に伝えてください。
火災保険が使えるかは原因で決まる
火災保険で雨漏りの修理代が出るかどうかは、雨漏りの原因と、契約している保険の補償の範囲で決まります。台風の強い風、ひょう、大雪などの自然災害で屋根や外壁が壊れ、そこから雨が入った場合は対象になりえますが、年数がたって傷んだこと(劣化)による雨漏りは、対象にならないのが原則です。
火災保険は、名前のとおり火事だけの保険ではありません。日本損害保険協会の説明では、火災保険は火災だけでなく、風水災などの自然災害や盗難などで建物や家財に生じた損害を補償する保険で、自然災害は「風災・雹(ひょう)災・雪災」と「水災」が挙げられています。一方で、支払われない損害として、自然の消耗や劣化、さび、かび、腐敗、ひび割れなどによって生じた損害が挙げられています(出典:日本損害保険協会「損害保険Q&A 問50」 https://soudanguide.sonpo.or.jp/home/q050.html )。
日本損害保険協会「損害保険Q&A 問50」=「火災保険は、火災だけではなく、風水災などの自然災害や、盗難などによって、『建物』や『家財』などに生じた損害を補償する保険です。」「火災保険では、主として次のような事由によって生じた損害に対しては、保険金は支払われません。」「5. 保険の対象の欠如、自然の消耗、劣化、性質による変色、さび、かび、腐敗、ひび割れ等によって生じた損害」。同「問51」=「火災保険の種類によって補償される範囲は異なります。」「保険会社によって補償内容は異なっていますので、詳細については保険会社または代理店に確認することが必要です。」
- 台風の強い風で板金や瓦が飛んだ
- ひょうで屋根材が割れた
- 大雪の重みで屋根や雨どいが壊れた
- 年数がたって傷んだ
- さびや腐れ、ひび割れが進んだ
- 年数による自然の消耗や、性質によるさび
ただし、どこまでが補償に入っているかは、契約している保険の種類と保険会社によって違います。日本損害保険協会も、保険の種類で補償の範囲が異なること、詳しくは保険会社か代理店に確かめることを案内しています(出典:日本損害保険協会「損害保険Q&A 問51」 https://soudanguide.sonpo.or.jp/home/q051.html )。損害の一部を自分で負担する取り決めがある契約もあります(出典:日本損害保険協会「火災保険」 https://www.sonpo.or.jp/insurance/kasai/index.html )。
確かめる順番は、まず保険証券を出して、建物が保険の対象になっているか、風災・雹災・雪災が補償に入っているかを見ることです。そのうえで、いつ、どんな出来事のあとに雨漏りに気づいたかを、写真やメモと一緒に保険会社か代理店に伝えます。
たとえば、台風が通った翌週に天井のしみに気づき、見てもらったら棟の板金が飛んでいた、という場合は、保険会社に相談する価値があります。反対に、何年も前から少しずつしみが広がっていて、特定の災害のあとに急に悪くなったわけではない、という場合は、劣化と見られることがあり、保険を当てにしないで資金を考えたほうが安全です。
判断の軸は、「雨漏りの始まりを、特定の台風・ひょう・雪と結びつけて説明できるか」です。結びつけられないなら、保険は下りない前提で次の手を考え、下りたら助かった、くらいに構えておくと、支払いの計画が崩れません。
保険の請求は自分で保険会社に
保険を使うかもしれないときは、業者と修理の契約をする前に、自分で契約している保険会社か代理店に相談します。「保険で無料で直せます」「申請は全部こちらでやります」と勧める業者に、先に任せないことです。
日本損害保険協会は、「保険が使える」と言って勧誘する業者とのトラブルが増えているとして、住宅の修理を業者と契約する前に、契約している損害保険会社か代理店に相談するよう呼びかけています。先に問題のある業者と契約してしまうと、保険金が支払われずに修理代を自分で負担することになったり、解約しようとして高額な解約手数料を求められたりすることがあるとしています(出典:日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」 https://www.sonpo.or.jp/news/caution/syuri.html )。
国民生活センターも、保険金で住宅を修理できると勧誘され、高い手数料や、修理をやめたときの違約金を求められる相談があると注意を呼びかけています。損害保険は自然災害などによる損害を対象としていて、経年劣化による損害は対象外であること、うその理由で申請するよう勧められても応じないことが書かれています(出典:国民生活センター「『保険金で住宅修理ができる』と勧誘する事業者に注意!」 https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen454.html )。
国民生活センター 見守り新鮮情報「『保険金で住宅修理ができる』と勧誘する事業者に注意!」=「勧誘されてもすぐに契約せず、保険会社への申請手続に不安がある場合は、まずは保険会社や保険代理店に相談して、アドバイスを求めることが大切です。」「損害保険は自然災害などによる損害を対象としており、経年劣化による損害は対象外です。うその理由で申請するよう勧められても、決して応じないようにしましょう。」「契約してしまった場合でも、クーリング・オフができる場合があります。困ったときは、早めにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。」
お金がないときほど、「自己負担なし」という言葉には引かれます。けれども、保険金が出るかどうかを決めるのは保険会社で、業者ではありません。業者が「必ず出ます」と言えるはずがないことを覚えておくと、勧誘の言葉に振り回されにくくなります。
保険会社に相談するときに手元にあるとよいものは、保険証券、雨漏りの写真と日付、気づいたきっかけになった出来事のメモ、業者に原因を見てもらったなら、その説明と写真です。保険会社から修理の見積を求められたら、そのときに業者に頼めば足ります。
たとえば、突然訪ねてきた業者に「近所の工事中にお宅の屋根の傷みが見えた。保険で直せる」と言われ、その場で申請代行の契約書に印を押してしまった場合でも、クーリング・オフができる場合があります。困ったら、早めに消費生活センターに相談してください。訪問の勧誘への構え方は、悪質な業者の見分け方の記事でまとめています。
悪徳リフォーム業者はどう見分ける?補助金を使った勧誘・契約前の確認・相談先
雨漏りの修理はみらいエコ住宅2026事業の補助対象に入っていない
雨漏りの修理そのものは、国土交通省のみらいエコ住宅2026事業(リフォーム)の補助対象工事に入っていません。国のほかの事業や、災害時の公的な支援までは、この記事では一つずつ確かめていないので、補助金で修理代を埋める前提は置かず、次の節からの手段を並べて考えます。
みらいエコ住宅2026事業(国土交通省)のリフォームは、省エネ性能を上げる工事(要件化工事)を前提にした補助です。その対象工事は、躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む幅広いリフォーム工事ですが(出典:みらいエコ住宅2026事業 公式サイト https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/ )、要件書の補助対象工事の一覧は、開口部の断熱改修や躯体の断熱改修などのカテゴリーで並んでいて、雨漏りの修理は入っていません。要件書の全文にも、雨漏りを工事として扱った記載は見当たりませんでした(出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」 https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/assets/doc/miraieco_koufu_reform.pdf )。
みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.27「Ⓑ補助対象工事」=「a) 開口部の断熱改修」「b) 躯体の断熱改修」「c) 特定エコ住宅設備の設置」「d) エコ住宅設備の設置」「e) 子育て対応改修」「f) 防災性向上改修」「g) バリアフリー改修」「h) 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」「i) リフォーム瑕疵保険等への加入」。
みらいエコ住宅2026事業で屋根の工事が補助の対象になりうるのは、屋根・天井の断熱改修のときで、省エネ性能を上げる要件化工事と組むことが前提です。これは雨を止める工事とは別の工事で、築年や、要件化工事の組み合わせなどの条件もあります。申請するのも施主ではなく、消費者と契約する住宅事業者です(出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/ )。屋根の工事ごとの判定は、屋根修理の補助金の記事で整理しています。
屋根修理補助金はいくら出る?雨漏りは対象か・国と市の併用・申請の順番
市区町村には、住宅のリフォームを対象にした独自の助成があることがありますが、雨漏りの修理そのものが対象になるかは要綱しだいです。耐震や省エネが目的の助成なら、対象はその目的に合う工事の部分だけ、ということがあります。探すときは、住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」で、都道府県から市区町村を選んで絞り込めます。サイトには、最新の情報は各地方公共団体に問い合わせるよう書かれています(出典:住宅リフォーム推進協議会 https://www.j-reform.com/reform-support/ )。※お住まいの市区町村で確認してください。
市区町村のリフォーム補助金はいくら?住所で調べる手順・国との併用・要綱の見方
たとえば、市の助成に「工事の契約の前に申請」と書かれていれば、雨漏りの修理を急いで契約すると、その助成は使えなくなります。助成を使える見込みがあるなら、応急の手当てで雨を止めておき、本修理の契約の前に申請の順番を確かめる、という段取りになります。
編集部の整理では、雨漏りのお金の手当てで補助金は「あれば使う」くらいの位置です。補助金の結果を待って修理を止めるより、応急で止めて、本修理の前に一度だけ住所で調べる、というのが無理のない順番です。
ローンを使う前に確かめること

足りない分を借りるなら、借りる前に「その融資が雨漏りの修理に使えるか」「工事の前に要る手続きがあるか」を確かめます。名前に「リフォーム」と付いていても、目的の決まった融資は、雨漏りの修理だけには使えないことがあります。
公的な融資の代表は、住宅金融支援機構です。機構の【グリーンリフォームローン】は、断熱性を高める工事か省エネ設備を入れる工事といった、一定の基準を満たす省エネリフォームのための融資です。省エネのリフォームと同じ額までなら、ほかのリフォーム(システムキッチンの交換や外壁塗装など)にも使えるとされていますが、裏を返せば、省エネの工事をしないで雨漏りの修理だけに使う融資ではありません。工事の着工前に、適合証明の申請と工事計画の確認が必要とされている点も、急ぐ雨漏りには向きにくいところです(出典:住宅金融支援機構【グリーンリフォームローン】 https://www.jhf.go.jp/kojin/grl/index.html )。
住宅金融支援機構【グリーンリフォームローン】=「一定の基準を満たす省エネリフォーム工事(『断熱性を高める工事』または『省エネ設備を導入する工事』)を行うためのリフォーム資金に対する融資です。」「融資額は最大1,000万円(10万円以上、1万円単位)」「工事費合計で最大1,000万円を上限に、省エネリフォームと同額までのその他のリフォーム(システムキッチン交換、外壁塗装など)にもご利用いただけます。」「融資手数料無料・無担保・無保証」「高齢者向け返済特例(ノンリコース型)を利用する場合は、担保が必要です。」「工事着工前に、適合証明の申請および工事計画内容の確認が必要となります。」「満60歳以上の方は毎月のお支払いを利息のみとする高齢者返済特例をご利用いただけます。元金は亡くなられたときに相続人による一括返済か担保物件の売却での返済となります。」
機構には、耐震改修や耐震補強の工事の資金に対するリフォーム融資もあります(出典:住宅金融支援機構「リフォーム融資(耐震改修工事)」 https://www.jhf.go.jp/kojin/reform/index.html )。こちらも目的は耐震で、雨漏りの修理そのものの融資ではありません。
災害で家が被害を受けた場合は事情が変わります。機構の災害復興住宅融資(補修)は、災害で被災して「り災証明書」を交付された人が、住宅を復旧するためのリフォーム資金に使える融資です。ただし、すでに復旧が済んでいる場合は、原則として使えないとされ、申込みを受け付ける期間にも限りがあります(出典:住宅金融支援機構「災害復興住宅融資(補修)」 https://www.jhf.go.jp/fukkou/saigai_hosyu/index.html )。台風などで被災したときは、修理の契約の前に、市区町村でり災証明書の手続きを確かめておくと、使える道が残ります。
銀行や信用金庫、信販会社などのリフォームローンは、商品ごとに使い道・担保・金利・期間が違います。雨漏りの修理に使えるか、無担保で借りられるか、工事の契約書や見積書がいつ要るかを、申し込む先に直接確かめます。ここでは金利の数字やおすすめの順番は書きません。
たとえば、年金暮らしの高齢の人が、雨漏りをきっかけに屋根の工事と、基準を満たす天井の断熱をまとめて考えている場合は、機構の高齢者向けの返済特例(利用には担保が必要で、元金は亡くなったときに相続人の一括返済か担保物件の売却で返すしくみ)も含めて比べる余地があります。雨漏りの部分の修理だけで済ませたい人なら、目的の決まった融資より、使い道の広いローンか、次の節の公的な貸付のほうが話が早いことがあります。
借りる前の最後の確かめは、「毎月いくらなら払い続けられるか」です。見積を応急・部分・全体に分けておけば、借りる額そのものを小さくできます。
収入が少ないときの公的な貸付
収入が少なく、ほかから借りるのが難しい世帯には、社会福祉協議会の生活福祉資金という公的な貸付があります。貸付の種類の1つである福祉資金の福祉費は、住宅の増改築や補修などに必要な経費が対象に含まれています(出典:厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/kashitsukejoken.html )。
この制度は、低所得でほかから借り受けることが困難な世帯、障害のある人がいる世帯、65歳以上の人がいる世帯を対象に、生活を支えるための資金を貸し付けるものです。実施しているのは都道府県の社会福祉協議会で、相談の窓口はお住まいの市区町村の社会福祉協議会です(出典:厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/index.html )。
厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」=「貸付対象 低所得者世帯 必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)」「障害者世帯」「高齢者世帯 65歳以上の高齢者の属する世帯」「実施主体:都道府県社会福祉協議会」「本事業に関するお問い合わせは、お住まいの地域の市区町村社会福祉協議会にてお受けしております。」。同「生活福祉資金貸付条件等一覧」=福祉費「・住宅の増改築、補修等及び公営住宅の譲り受けに必要な経費」「※ 貸付の決定に当たっては、これらの貸付条件に加え、償還可能性の有無が考慮されることとなります。」
これは給付ではなく貸付なので、返すことが前提です。貸すかどうかは、条件に加えて、返していけるかも考えて決めるとされています。相談すれば必ず借りられるものではありませんが、銀行のローンが難しいと感じている人が、最初に話を聞きに行ける公的な窓口です。
相談に行くときは、雨漏りの写真、業者の見積(応急・部分・全体に分けたもの)、世帯の収入が分かるもの、を持っていくと話が進みやすくなります。見積を分けておけば、「今どうしても要るのはこの部分」と、借りる額を絞って相談できます。
たとえば、一人暮らしの高齢の人が、年金の範囲では屋根の部分の修理代がまとめて払えない、という場合は、市区町村の社会福祉協議会に「住宅の補修の資金で、生活福祉資金を相談したい」と電話で伝えるところから始められます。貸付の条件や必要な書類は、地域の社会福祉協議会が案内します。
収入の少ない家計では、どの順番で頼るかが大事です。保険が使えるかを先に確かめ、使えない分を、見積を分けて小さくし、それでも足りない分を公的な貸付で相談する、と並べると、借りる額を最小にできます。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
雨漏りでは、補助金や保険に合わせることが、かえって損になる場面があります。次のような場合は、補助金を使わない、あるいは契約を急がない判断も選択肢です。
- 補助金の募集や結果を待って、雨漏りの修理そのものを止めている
- 国の補助の条件を満たすためだけに、要らない断熱や窓の工事を足して、工事を大きくしようとしている
- 「補助金が使える」「保険で無料」と言われ、根拠が書面で示されないまま契約を迫られている
- 訪問の業者に「今日決めれば安くなる」と急かされている
- 保険の結果が出る前に、保険金が出る前提の額で本修理の契約をしようとしている
1つ目は、この記事で何度も書いたとおりです。雨漏りの修理はみらいエコ住宅2026事業の補助対象工事ではなく、待っている間に直す範囲が広がります。2つ目は、補助で戻る額より、足した工事の代金のほうが大きくなることもあり、お金がないときにこそ避けたい形です。
反対に、急がなくていい場面もあります。家の中の手当てと屋根の応急で雨が止まっているなら、本修理の契約は、保険会社の答えが出てから、見積を2〜3社でそろえてから、で間に合います。屋根全体の葺き替えやカバー工法のように大きな工事は、雨を止める工事とは別に、家族とお金の相談をしてから決めて構いません。屋根の工事の見積の内訳は、屋根修理の費用の記事で整理しています。
屋根修理の費用はいくら?見積の内訳・足場代・補助金が使える工事
迷ったときの順番は、「雨が止まっているか」「今払う分を切り分けたか」「保険を自分で確かめたか」です。補助金やローンの話は、その3つのあとで落ち着いて考えれば足ります。
よくある質問
雨漏りを放っておくとどうなりますか?
入った水が防水紙や下地の木材、天井、柱へと回り、直す範囲が広がっていきます。範囲が広がるほど修理の費用も工期も増えるので、お金がないときほど、応急の手当てで水を止めておくことが大事です。
雨漏りは火災保険で直せますか?
台風・ひょう・雪などの自然災害で屋根や外壁が壊れて起きた雨漏りなら、対象になりえます。年数がたって傷んだことによる雨漏りは、対象にならないのが原則です。補償の範囲は契約によって違うので、業者と契約する前に、自分で保険会社か代理店に確かめてください。
雨漏りの修理に補助金はありますか?
国土交通省のみらいエコ住宅2026事業の補助対象工事には、雨漏りの修理は入っていません。市区町村の助成が雨漏りの修理を対象にしているかは要綱しだいなので、住所で制度を探して確かめます。補助金を待って修理を止めないことが大切です。
リフォームローンは雨漏りの修理に使えますか?
商品しだいです。住宅金融支援機構の【グリーンリフォームローン】は省エネのリフォームのための融資で、雨漏りの修理だけには使えません。銀行や信販会社などのリフォームローンは、使い道と条件を申し込む先に確かめてください。
修理代を分割で払うことはできますか?
分割や工事の途中での支払いの割り振りに応じるかどうかは、業者ごとに違います。見積の段階で聞き、応じてもらえるなら、契約書に支払いの時期と額を書いてもらってください。見積を応急・部分・全体に分けておくと、支払いの時期も分けやすくなります。
賃貸やマンションの雨漏りは誰が払いますか?
賃貸住宅なら、まず貸主か管理会社に連絡します。建物を直すのは原則として貸主の側です。分譲マンションで屋根や外壁などの共用部分から漏れている場合は、管理会社か管理組合に連絡します。自分で業者を呼ぶ前に、連絡先を確かめてください。
見積を見る前のおさらい
- お金がなくても、最初にするのは水を止めること。家の中の手当てと写真を続け、屋根の上の応急は業者に頼む
- 原因を写真と根拠つきで確かめてから、修理の範囲を決める
- 見積は応急・部分・全体に分けてもらい、今払う分を切り分ける。分からなければ無料の見積チェックも使える
- 火災保険は、自然災害が原因なら対象になりうる。劣化による雨漏りは対象外が原則
- 保険の相談は、業者と契約する前に、自分で保険会社か代理店へ
- 雨漏りの修理そのものはみらいエコ住宅2026事業の補助対象工事に無い。市区町村の助成は要綱で確かめる
- 機構の【グリーンリフォームローン】は省エネ工事が前提。被災してり災証明書があれば災害復興住宅融資(補修)も確かめる
- 収入が少ない世帯は、市区町村の社会福祉協議会で生活福祉資金(福祉費)を相談できる
雨漏りのお金の話は、「全部でいくらか」から考えると、払えるか払えないかの二択になってしまいます。水を止める分、原因の入り口を塞ぐ分、あとでいい分、と分けて考えれば、今払う額は思ったより小さくなることがあります。まずは手元の見積が、この3つに分かれているかを見るところから始めてください。

