2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 道路や電車の音がうるさくて、内窓を付けたい。補助金は使える?
- 補助金は断熱の工事向けと聞いた。防音が目的だと対象外?
- 防音に強いガラスを選ぶと、補助の扱いは変わる?
- 営業に「この防音の内窓も補助金の対象です」と言われたけれど、本当?
- 窓1か所だけ防音したい場合でも、補助金は出る?
- 防衛省の防音工事の補助と、何が違うの?
- 室内の音が外に漏れるのも、内窓で抑えられる?
- いくらかかるのか、見積で何を確かめればいい?
上記のような悩みに答えます。
防音のための内窓は、今の窓の内側にもう1つ窓を足して、窓と窓のあいだに空気の層をつくる工事です。検索すると「先進的窓リノベで補助が出ます」という答えがすぐに見つかりますが、その補助が何を基準に決まっていて、防音のために選んだ製品やガラスがその基準に当てはまるのかまでは、なかなか書かれていません。窓の専門店やメーカーの解説は防音の効き目が中心で、公式の資料は断熱の話だけをしているからです。そこで、補助の物差しが防音ではなく断熱の性能であることを押さえたうえで、防音用のガラスにしたときの区分の確かめ方、みらいエコ住宅2026事業の防音の区分の位置、防衛施設の周辺の別の制度、見積で聞くことまで、環境省・国土交通省・防衛局の資料とメーカーの公開情報で確かめながら整理しました。
先進的窓リノベ2026事業の補助は、窓の断熱の性能(性能区分P(SS)かS)で決まり、工事の目的が防音かどうかは問われません。防音のために選んだ内窓でも、対象製品として性能証明書が出れば補助の対象になりえますが、防音の性能そのものは補助額に反映されません。みらいエコ住宅2026事業には防音の区分がありますが、平成28年以前に新築された住宅で要件化工事を行い、補助額の合計が5万円以上という3つの条件がそろった家だけの話で、防音目的の窓1か所では届きません。
窓の組み合わせを入れて、先進的窓リノベ2026事業でいくら戻るかは、補助金の計算ツールで確かめられます。

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
防音目的でも補助は出るが、決め手は断熱

防音のために付ける内窓でも、先進的窓リノベ2026事業の補助の対象になることはあります。ただし、補助が出るかどうかを決めるのは防音の性能ではなく、断熱の性能です。
この事業は環境省の事業で、公式のよくある質問には「本事業は、住宅の断熱性能等の向上を目的としています」と書かれています。内窓設置の補助額は、建物の種類(戸建てか集合住宅か)と、窓の熱の伝わりにくさ(熱貫流率)で分けた性能区分、窓の大きさの区分で決まります。内窓の性能区分は、熱貫流率1.1以下のP(SS)と、1.5以下のSの2つです。公式の内窓設置のページにも、よくある質問にも、防音や遮音の性能で補助額が変わるという記載はありません。
| 補助で見られること | 見られないこと |
|---|---|
| 事業に登録された対象製品か | 工事の目的が防音か断熱か |
| 性能区分(P(SS)かS)と大きさの区分 | 遮音の性能や防音の効き目 |
| 1回の申請の補助額の合計が5万円以上か | どれだけ静かになったか |
| 登録事業者が申請するか | 防音のための追加の部材の多さ |
つまり、目的を書く欄があって防音と書くと落ちる、という仕組みではありません。登録された製品が、性能証明書でP(SS)かSと示されれば、それが防音のために選んだ内窓でも、補助額の表のとおりに計算されます。戸建ての中(M)の窓1か所なら、P(SS)で58,000円、Sで34,000円です。窓の種類と大きさごとの額の表は、別の記事にまとめています。

反対に、防音を優先して選んだ製品やガラスの組み合わせが、事業の対象製品として登録されていなかったり、区分の性能に届かなかったりすれば、どれだけ防音に優れていても、この事業の補助は出ません。たとえば、静かさを重視して選んだ組み合わせについて、営業から「防音の内窓なので補助金も出ます」と言われたら、「この品番とガラスの組み合わせで、性能証明書の区分は何になりますか」と聞き直すのが確かめ方です。
防音の内窓に補助金が出るかという問いは、「この製品は断熱の区分に入るか」という問いに置き換えると、答えが1つに決まります。補助のことは区分で確かめ、防音のことは防音の根拠で確かめる、と2つに分けて考えると、見積の言葉に振り回されにくくなります。
防音と断熱は窓の別の物差し
防音の性能と断熱の性能は、どちらも窓と窓のあいだの空気の層が働くので一緒に語られがちですが、測り方も数字の単位も別のものです。断熱の性能が高いからといって、防音の性能も同じだけ高いとは限りません。
断熱の性能は熱貫流率(U値)で表し、公式のよくある質問は、窓の外側と内側の熱の伝わりやすさを表す数値で、低いほど断熱性能が高いと説明しています。防音の性能は、音をどれだけ小さくして通すかで表します。LIXILは内窓「インプラス」の紹介で、空気の層が防音壁の役割をすると書いたうえで、次のように断っています。
LIXIL「インプラス 6つのメリット」(2026年10月19日に確認)。既存の窓とインプラスの間の空気層が、外からの音が室内に入ること、室内で発生した音が近隣に漏れることを抑える防音壁の役割をする。人間の耳は、音の大きさが10dB下がると音が半減したように感じると言われる。音の種類によって得られる効果が異なる。遮音性能は、JISで定められた方法により実験室で測定した値で、実際の建築物の現場で測定したときとは差異が生じる。
- 断熱の性能:熱貫流率(U値)。補助の区分はこれで決まる
- 防音の性能:音をどれだけ小さくするか。補助の区分には使われない
- 防音の数値は実験室での測定値で、家の中での聞こえ方とは差が出る(LIXILの断り書き)
- 効き方は音の種類で変わる(LIXILの断り書き)
- 外からの音と、室内からの音漏れの両方が対象になる(LIXILの説明)
LIXILが書いているとおり、防音の数値は実験室で測ったもので、実際の建物の現場では音の伝わる状況(音場)が実験と異なるため、測定値に差が出るとしています。そのため、カタログの数値どおりに静かになると考えるより、「どの音を、どれくらい小さくしたいか」を先に決めて、その音に向いた製品とガラスかを事業者に聞くほうが、判断を誤りにくくなります。
たとえば、夜の車の走行音が寝室で気になる人と、自宅のピアノの音が隣家に漏れないか気になる人では、困っている音の種類も向きも違います。前者は外からの音、後者は室内からの音漏れで、LIXILはどちらにも空気の層が働くと説明していますが、音の種類によって効果は異なるとも書いています。見積を頼むときは、困っている音を「何の音か」「いつ聞こえるか」「どの部屋か」の3つで伝えてください。
防音用のガラスにすると区分はどうなるか
防音を重視したガラスを選んだときに補助の区分がどうなるかは、製品とガラスの組み合わせごとにメーカーが出す性能証明書でしか分かりません。防音用だから区分が上がる、下がる、とは一般論で決められないからです。
公式の内窓設置のページは、性能区分とサイズは、対象製品にメーカーが発行する「性能証明書」に記載されているとしています。同じ内窓の枠でも、防音を優先してガラスを選び直したときは、その組み合わせの区分が変わらないかを、あらためて性能証明書で確かめる必要があります。
| 見積で確かめること | 誰が示すか | 何で分かるか |
|---|---|---|
| その品番とガラスが事業の対象製品か | 事業者 | 事業の対象製品の検索・品番 |
| 性能区分がP(SS)かSか | メーカー | 性能証明書 |
| 防音の性能の根拠 | メーカー・事業者 | カタログの測定値と、その測定条件 |
| 防音のガラスにすると区分が変わるか | 事業者 | 2つの組み合わせの性能証明書 |
ここで気をつけたいのは、防音のことと補助のことを、同じ1つの言葉で済ませないことです。見積に「防音仕様」とだけ書かれていると、防音の根拠も補助の区分も分かりません。防音の根拠は測定値と条件で、補助の区分は性能証明書で、それぞれ別の書類で示してもらいます。
たとえば、A社は防音を優先したガラスで見積を出し、区分はSになると説明した。B社は断熱を優先したガラスで、区分はP(SS)になると説明した。補助額だけを比べるとB社が多く戻りますが、困っているのが音なら、防音の根拠はA社の組み合わせのほうがはっきりしているかもしれません。このとき比べるのは補助額ではなく、見積の総額から補助額を引いた実負担と、それぞれの防音の根拠の2つです。
対象製品の確かめ方と、性能区分の考え方は、別の記事で整理しています。区分を上げるために製品を変えるときは、補助額の差より製品の値段の差が大きくならないかも、あわせて見てください。

みらいエコの防音の区分は条件の先にある
国土交通省のみらいエコ住宅2026事業の手引きには、防音のための窓の工事の区分があります。ただし、それが使えるのは、平成28年以前に新築された住宅で、要件化工事を行い、補助額の合計が5万円以上(同じ住宅で先進的窓リノベ2026事業などの交付決定を受けている場合は2万円以上)になる場合だけで、防音の窓だけを単独で申請することはできません。
みらいエコ住宅2026事業の「交付申請等の手引き(リフォーム)」では、補助対象工事のひとつ「子育て対応改修」のなかに、「生活騒音への配慮に資する開口部の改修」という区分があり、改修方法として内窓設置も挙げられています。名前に「子育て」とありますが、同じ手引きは、リフォームの入居者には世帯の制限はないとしています。一方で、この区分の基準と補助額は、編集部が使っている制度ファクト表にまだ行が無いため、ここでは書きません。使えそうなときは、事業者に手引きの該当の表を示してもらってください。
この区分の前に立つのが要件化工事です。要件化工事は、外皮に面する開口部がある任意の1つの居室(トリガールーム)で、窓などの開口部の断熱改修を中心に、決められた組み合わせで行う工事です。開口部に使う製品の性能区分や、家を新築した時期、適合させる基準によって、外壁・屋根天井・床といった躯体の断熱改修が要るかどうかが変わり、基準によっては高効率給湯器か高効率エアコンの設置も必要になります。そして、そのトリガールームにある外皮に面したすべての開口部を改修する必要があります。
- 1平成28年以前の新築か平成29年以降の住宅は扱いの決まりがある
- 2要件化工事を行うかトリガールームのすべての開口部を断熱改修
- 3補助対象工事を選ぶ防音の区分はここに入る
- 4補助額の合計を確かめる5万円以上(他の事業の交付決定があれば2万円以上)で申請できる
もう1つ、内窓の性能区分がP(SS)やSなら、その内窓は要件化工事としては数えられても、みらいエコ住宅2026事業の補助対象工事にはならず、先進的窓リノベ2026事業のほうで申請する仕組みです。公式は、同じ製品について複数の補助事業に重ねて申請することはできないとしています。同じ窓に2つの事業から補助をもらう、という組み立てはできません。
たとえば、寝室の窓1か所だけを防音のために内窓にしたいという場合、その寝室のすべての開口部を断熱改修していなければ要件化工事にならず、みらいエコの防音の区分には進めません。反対に、家全体の断熱改修を計画していて、その一部として防音を考えるなら、どの窓をどちらの事業で申請するかの組み立てを、事業者に表で示してもらう価値があります。
空港・基地の周辺は別の制度を先に確かめる
自衛隊や在日米軍の飛行場の周辺にお住まいなら、窓リノベやみらいエコより先に、防衛省の住宅防音工事の助成の対象かどうかを確かめます。航空機の騒音を理由にした防音工事の助成は、法律にもとづく別の制度で、対象になる区域が決められているからです。
北関東防衛局の「住宅防音工事のあらまし」は、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」にもとづき、飛行場の運用にともなう航空機の騒音による障害を防止・軽減するために、住宅の防音工事に助成していると説明しています。対象の区域は防衛大臣が指定し、指定される以前からある住宅が対象です。区域を示した図は、防衛事務所で閲覧できるとしています。
- 根拠:防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律
- 対象:防衛大臣が指定した区域にあり、指定以前からある住宅
- 理由:航空機の騒音による障害の防止・軽減
- 確かめる先:住所を管轄する防衛局・防衛事務所
- 窓リノベ・みらいエコとの関係:同じ窓に重ねられるかは事業者と各窓口に確かめる
検索で「防衛省 防音工事 補助金」が先進的窓リノベと並んで出てくるのは、どちらも窓の工事にかかわるからですが、目的も仕組みも違います。環境省の「先進的窓リノベ2026事業の詳細」では、ほかの国の補助金とは補助の対象が重ならない場合に併用でき、地方公共団体の補助制度は国費が充当されているものを除いて併用できる、とされています。同じ窓で2つを使えるかは、補助の対象が重なるかどうかで変わるので、自分で判断せずに確かめてください。
たとえば、飛行場の近くで窓からの騒音に悩んでいる場合、まず防衛局に自宅が区域の中かを聞き、区域の中なら、その制度で何ができるかを確かめてから、窓リノベで内窓を付けるかを考える順番にします。区域の外なら、ここから先は国の窓の事業と市区町村の助成の話になります。どちらの場合も、防衛局で聞いた内容を見積の相談のときに事業者へ伝えておくと、どの窓をどの制度で扱うかの説明を受けやすくなります。
市区町村の助成は住所で確かめる
国の事業のほかに、住んでいる市区町村が窓や断熱の工事に助成していることがあります。ただし、あるかどうか、防音が対象に入るかどうかは自治体ごとに違うので、自分の住所の要綱で確かめます。
市区町村の助成は、国の事業と同じ工事に重ねて使えるかどうかも、その助成に国費が入っているかで変わります。先に書いたとおり、環境省の「先進的窓リノベ2026事業の詳細」では、地方公共団体の補助制度は国費が充当されているものを除いて併用できます。要綱の中に、国の補助との関係がどう書かれているかを見てください。
- 窓・断熱・省エネの助成があるか
- 防音や騒音対策が対象に書かれているか
- 国の補助と同じ工事に重ねてよいか
- 申し込みが工事の前か後か
- 市内の業者に頼むなどの条件があるか
たとえば、要綱に防音という言葉が見当たらず、省エネや断熱の工事だけが書かれている場合は、自分で対象外と決めつけずに担当課へ聞きます。そのときは「防音のために内窓を付けたいが、この品番で性能区分はP(SS)」のように、目的と製品の区分を一緒に伝えると、要綱のどの項目に当たるかを答えてもらいやすくなります。
自治体の助成の探し方と、要綱で見るところは、別の記事にまとめています。

防音の効果が出やすい窓の選び方と費用

防音のための内窓は、困っている音が入ってくる窓、または音を漏らしたくない部屋の窓から選びます。全部の窓に付ける必要はなく、どの音をどの部屋で小さくしたいかで、付ける窓の数が決まります。
補助のことを先に考えると、困っていない窓まで足して補助額を大きくしたくなりますが、防音の目的からは順番が逆です。音の問題は、どの部屋で、どの時間に、どの方向から聞こえるかで、手を入れるべき窓が変わります。そのうえで、選んだ窓が補助の条件に届くかを確かめます。
| 困っていること | 先に考える窓 | 事業者に伝えること |
|---|---|---|
| 夜の車や電車の音で眠れない | 寝室の、音源に面した窓 | 音の種類と聞こえる時間 |
| 在宅勤務の部屋に外の音が入る | 仕事をする部屋の窓 | 気になる音の種類 |
| 楽器や子どもの声の音漏れが心配 | その部屋の、隣家に面した窓 | 音を出す時間と隣家の位置 |
| 家全体の寒さと音の両方 | 断熱の計画に沿って選ぶ | 断熱と防音の優先順位 |
費用は、防音のためでも断熱のためでも、内窓の値段の決まり方は同じで、窓の大きさとガラスで動きます。メーカーの参考価格に何が含まれ、見積の行をどう読み、補助額を引いた実負担をどう出すかは、別の記事にまとめています。

窓1か所だけの防音では、1回の申請の補助額の合計が5万円未満だと申請できない点に注意します。戸建ての中(M)の窓1か所の場合、P(SS)なら58,000円で届きますが、Sなら34,000円で届きません。防音を優先したガラスで区分がSになると、1か所だけでは補助が出ない、ということが起こりえます。
たとえば、寝室の窓1か所の音だけが問題なら、補助が出ない前提の総額で納得できるかを先に考え、補助はおまけとして扱うほうが判断が楽です。マンションで内窓を付ける場合は、室内側の工事でも管理規約で届け出が要る場合があるので、規約を先に確かめてください。
防音の見積で確かめること
ここまでの見方を、契約の前に事業者へ聞く形に並べると、次の6つになります。
- 困っている音(種類・時間・部屋)に対して、どの窓に、どの品番とガラスを付ける見積か
- 防音の性能の根拠は何か。カタログの測定値なら、その測定条件
- その品番とガラスの組み合わせが事業の対象製品か。性能区分はP(SS)かSか
- 防音を優先したガラスと、断熱を優先したガラスで、区分と総額がどう変わるか
- 1回の申請の補助額の合計が5万円以上になるか
- 補助が出なかった場合に、契約と代金がどうなるか
1と2は防音の質問で、3から5は補助の質問です。この2つを分けて書いてもらうと、「防音の内窓なので補助金も出ます」という1行が、どこまで確かなのかが見えます。補助金の申請は施主ではなく、契約した事業者がする仕組みなので、その事業者が事業に登録しているかも、ここで確かめます。
4は、防音と補助のどちらを優先するかを自分で決めるための質問です。同じ窓について、2通りの組み合わせの総額と区分を並べてもらえば、実負担の差と、防音の根拠の差を見比べられます。補助額が大きい組み合わせが、困っている音に向いているとは限りません。
たとえば、見積に「防音内窓一式」とだけ書かれていたら、1から4の答えを窓ごとに書き足してもらいます。答えがそろわない見積は、防音の効き目も補助の額も、あとで想定と違ったときに確かめようがありません。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
1社の見積で、防音の根拠と性能区分の両方が窓ごとに書かれ、内容に納得できているなら、そのまま進めて構いません。ただ、防音の根拠の示し方や補助の区分の取り方が妥当なのかは、1社だけでは比べようがありません。困っている音と窓の場所を同じ条件で伝え、補助の申請まで扱うリフォーム会社を複数まとめて紹介してもらえる無料のサービスもあるので、依頼の前に紹介される会社が窓の工事を扱うかを確かめてください。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
防音のための内窓では、補助金に合わせることで、肝心の防音の目的がぼやけてしまう場面があります。次のような場合は、補助金を使わない、あるいは契約を急がない判断も選択肢です。
- 補助の区分を上げるために、困っている音に向いていないガラスへ変えようとしている場合
- 5万円の下限に届かせるために、音に困っていない窓まで内窓を足そうとしている場合
- 防衛施設の周辺で、別の制度の対象かどうかをまだ確かめていない場合
- 防音の根拠も区分も書かれないまま、補助金を差し引いた金額での契約を急かされている場合
- 工事の完了が補助の期限に間に合うか分からない場合
1つ目と2つ目は、防音の目的と補助の物差しがずれているときに起きます。補助は断熱の性能で決まるので、補助額を増やす選び方が、そのまま静かさを増やす選び方になるとは限りません。困っているのが音なら、音に向いた組み合わせを先に決め、そのうえで補助が使えれば使う、という順番が筋です。
3つ目は、同じ窓に2つの制度を重ねられるかが補助の対象の重なりで変わるため、区域の中かどうかを知らないまま契約すると、選べたはずの順番を確かめずに進めることになるからです。4つ目と5つ目は、補助が出なかったときにも納得できる金額かを、補助なしの総額で一度確かめておくと判断しやすくなります。期限と申請の流れは、別の記事にまとめています。

反対に、困っている音がはっきりしていて、その音に向いた組み合わせが対象製品で、区分と防音の根拠の両方が見積に書かれているなら、迷う理由は小さくなります。判断の順番は「どの音に困っているか」「その音に向いた窓とガラスはどれか」「そのうえで補助が使えるか」です。補助金は3番目で、1番目と2番目を曲げてまで合わせるものではありません。
よくある質問
防音窓で最強のものは何ですか?
どの音を小さくしたいかで向く製品とガラスが変わるので、1つに決めることはできません。LIXILは、遮音の性能は実験室で測った値で、実際の家とは差が出ること、音の種類で効果が異なることを断っています。困っている音の種類を伝えて、その音に対する根拠を事業者に示してもらってください。
防音窓の工事費用はいくらですか?
内窓なら、窓の大きさとガラスの種類で値段が決まり、製品の値段に取付費などの工事費と消費税を加えた額が見積の総額になります。補助が使えるなら、その総額から補助額を引いた額が実負担です。値段の物差しと見積の読み方は、内窓の値段の記事で確かめてください。
窓1か所だけ防音したい場合も補助金は出ますか?
先進的窓リノベ2026事業では、1回の申請の補助額の合計が5万円以上なら出ます。戸建ての中(M)の窓1か所なら、P(SS)は58,000円で届きますが、Sは34,000円で届きません。みらいエコ住宅2026事業の防音の区分は、要件化工事が前提なので、防音の窓1か所だけを単独で申請することはできません。
内窓は室内の音漏れにも効きますか?
LIXILは、内窓の空気の層が、外からの音が入ることと、室内で発生した音が近隣に漏れることの両方を抑えると説明しています。ただし、効果は音の種類で異なるとも書いています。楽器の音などが心配なら、その音について根拠を聞いてから決めてください。
内窓で足りなければ外窓交換のほうがいいですか?
外窓交換も先進的窓リノベ2026事業の対象工事で、補助額は性能区分と大きさで決まります。ただ、補助の物差しは内窓と同じく断熱の性能で、防音の効き方は製品ごとの根拠で確かめることになります。内窓と外窓交換の比べ方は、内窓の値段の記事で、実負担どうしで比べる考え方を整理しています。
平成29年以降に建てた家でも、みらいエコの防音の区分は使えますか?
みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、平成28年以前に新築された住宅が対象です。ただし、平成29年以降に新築された住宅でも、次世代省エネ基準を満たさない住宅であることが証明できる場合は、平成4年から平成28年に新築された住宅として扱うとされています。当てはまるかは、事業者に住宅の資料を見せて確かめてください。
マンションでも防音の内窓は付けられますか?
内窓は今の窓の室内側に付ける工事なので、マンションで検討されることも多い工事です。ただし、管理規約によって管理組合への届け出が要る場合があります。規約の確かめ方と、マンションで使える補助の考え方は、別の記事にまとめています。

見積を見る前のおさらい
- 先進的窓リノベ2026事業の補助は断熱の性能(P(SS)かS)で決まり、目的が防音かどうかは問われない
- 防音と断熱は別の物差し。防音の数値は実験室の測定値で、音の種類で効き方が変わる(LIXIL)
- 防音用のガラスにしたときの区分は、製品とガラスの性能証明書でしか分からない
- みらいエコ住宅2026事業の防音の区分は、平成28年以前の新築・要件化工事・補助額の合計5万円以上の先にある
- 防衛施設の周辺は、防衛大臣が指定した区域の別の制度を先に確かめる
- 市区町村の助成は、住所の要綱で、防音が対象か・国の補助と重ねてよいかを見る
- 窓は困っている音から選ぶ。1か所だけなら5万円の下限に届くかを確かめる
- 見積は、防音の根拠と補助の区分を窓ごとに分けて書いてもらう
- 補助の区分のために、音に向いていないガラスへ変えたり窓を足したりしない
防音のための内窓で家族に説明したいのは、「補助金が出るか」より「この窓で、困っている音がどうなるか」と「うちはいくら払うか」の2つです。音の根拠と補助の区分を別々の書類で確かめ、補助は断熱の物差しで出る上乗せとして扱う。この順番で見積に向き合えば、「防音の内窓も補助金の対象です」という言葉も、どこまで確かなのかを落ち着いて確かめられます。

