2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- マンションのリフォームでも、国の補助金は使えるの?
- 中古マンションを買ってリフォームする予定。補助金の対象になる?
- マンションでサッシを交換すると、補助金はいくら戻る?
- 窓は自分の部屋の一部だと思っていたけれど、勝手に替えていいの?
- 内窓なら管理組合の許可はいらないと聞いたけれど、本当?
- 管理組合の承認を待っているうちに、補助金の締切を過ぎてしまわない?
- エコキュートやエネファームは、マンションでも補助の対象になる?
- 大規模修繕で窓を替える予定があるらしい。今やっていいの?
上記のような悩みに答えます。
マンションのリフォームで使える国の補助金は、戸建てと同じ住宅省エネ2026キャンペーンの事業です。ただ、マンションには戸建てに無い壁が1つあります。補助の額がいちばん大きい窓と玄関ドアが、管理規約では多くの場合「共用部分」として扱われることです。補助金の一覧や事業者の解説は、事業の名前と上限を並べたあと「管理組合の承認が必要な場合があります」の1行で終わりがちで、何を誰に出し、承認を待つと締切にどう響くのかまでは書いていません。そこで、マンションの住戸で使える3つの事業と額の目安を押さえたうえで、窓と玄関ドアの扱い、承認の手続き、着手と完了の期限から逆算した順番、見積書の分け方まで、国土交通省のマンション標準管理規約と、環境省・国土交通省・経済産業省の事業資料の原文で確かめながら整理しました。
マンションの住戸で使える国の補助は、窓の断熱(先進的窓リノベ2026事業)、給湯器の交換(給湯省エネ2026事業・共同住宅は1台まで)、断熱を含むリフォーム(みらいエコ住宅2026事業)の3つです。ただし窓と玄関ドアは管理規約で共用部分とされていることが多く、管理組合の承認を受けてから契約・着工し、令和8年12月31日までに工事を終える順番で逆算します。
うちの住戸で戻る額は、工事の組み合わせから計算ツールで出せます。

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
マンションで使える国の補助金は3つ
マンションの住戸のリフォームで使える国の補助金は、窓・給湯器・断熱を含むリフォームの3つの事業です。どれも戸建てと同じ住宅省エネ2026キャンペーンの事業で、マンションだから使えないということはありません。
国の補助がこの3つに絞られているのは、目的が住宅の省エネ化だからです。キッチンや浴室を新しくする、間取りを変えるといった工事そのものは、省エネにつながる工事を含まない限り対象になりません。反対に、窓の断熱や高効率の給湯器は、戸建てでもマンションでも同じ考え方で補助が出ます。違いが出るのは、補助の額の表と、工事をしてよいかを決める管理規約のほうです。
| 事業(所管) | マンションの住戸で対象になる主な工事 | 額の決まり方 |
|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業(環境省) | 内窓の設置、外窓の交換、ガラスの交換、窓と同じ契約での玄関ドアの交換 | 窓の大きさと性能で1か所ごとに決まる。集合住宅の表がある。上限は1戸あたり100万円、合計5万円未満は申請できない |
| 給湯省エネ2026事業(経済産業省) | エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームへの交換 | 1台ごとの定額。共同住宅等は1台まで |
| みらいエコ住宅2026事業(国土交通省) | 躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む、幅広いリフォーム | 工事ごとの額の合計。上限は新築の年と改修後の性能で決まる |
もう1つ、賃貸集合給湯省エネ2026事業という事業もありますが、これは賃貸の集合住宅のオーナー向けで、自分の住戸をリフォームする区分所有者が使うものではありません。
たとえば、築年数のたった中古マンションを買って、寒い北側の部屋に内窓を付け、古い給湯器をエコキュートに替えたいという場合、窓は窓リノベ、給湯器は給湯省エネと、工事ごとに別の事業で申請する形になります。浴室やキッチンも新しくするなら、みらいエコ住宅の条件に当てはまるかを別に確かめます。
編集部の整理では、マンションの補助金は「どの事業が使えるか」より先に「その工事を管理規約上やってよいか」で決まる場面が多くあります。窓と玄関ドアが関わる工事は、次の項の規約の確認から始めてください。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/先進的窓リノベ2026事業 公式サイト/給湯省エネ2026事業 公式サイト/みらいエコ住宅2026事業 公式サイト
マンションの窓と玄関ドアは共用部分

国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)では、窓枠と窓ガラスは専有部分に含まれず、玄関扉も錠と内側の塗装だけが専有部分です。つまり、窓と玄関ドアの本体は共用部分として扱われます。
自分の部屋の窓なのに共用部分になるのは、窓や玄関ドアが建物の外観と防犯・防音、そして防火にかかわる、建物全体の部品だからです。1つの住戸だけ色や形の違うサッシが付けば外観がそろわず、性能の低いものに替えれば建物全体の防犯や防音に響きます。標準管理規約は、住戸を他から区分する部分の帰属を定めた「専有部分の範囲」の条でこの線を引き、そのうえで、窓や玄関ドアは区分所有者が専用に使う権利を持つ部分(専用使用権のある共用部分)としています。
- 玄関扉の錠と内側の塗装
- 床・壁・天井の躯体を除く部分
- 専有部分の中の設備や内装
- 玄関扉の本体と枠
- 窓枠と窓ガラス
- バルコニー
窓の性能を上げる工事について、標準管理規約は「窓ガラス等の改良」の条で、防犯・防音・断熱などの性能向上に役立つ開口部の改良工事は、管理組合が計画修繕として実施するものと定めています。そのうえで、管理組合がすぐに実施できない場合には、区分所有者が理事長に申請して承認を受ければ、自分の責任と負担で工事できるとしています。国土交通省のコメントでは、この工事の具体例として、複層ガラスやサッシへの交換のほか、既設のサッシへの内窓や外窓の増設が挙げられています。
ここで気をつけたいのは「内窓なら部屋の内側に付けるだけなので承認はいらない」という話です。標準管理規約のコメントでは内窓の増設も開口部の改良の例に入っているため、少なくとも標準どおりの規約を使っているマンションでは、内窓も承認の手続きに乗ると考えておくほうが安全です。実際にどう扱うかは、そのマンションの規約と細則(使用細則やリフォーム細則)で決まります。
たとえば、規約に「窓ガラス等の改良」に当たる条があり、細則で「内窓の設置は届け出だけでよい」と決めているマンションなら、手続きは軽く済みます。反対に、細則が無いマンションでは、外窓の交換も内窓の設置も理事会の承認が要ると読むのが自然です。
編集部の整理では、窓や玄関ドアのリフォームを考えたら、見積を取る前に管理規約と細則を開き、「専有部分の範囲」「専用使用権」「窓ガラス等の改良」「専有部分の修繕等」に当たる条を探してください。条番号はマンションごとにずれることがあるので、見出しの言葉で探すと見つけやすくなります。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(コメント含む)
管理組合の承認はリフォームの前に取る
承認が要る工事は、工事を始める前に理事長へ申請し、理事会の決議で承認を受けます。補助金の締切は工事の完了で区切られているので、承認にかかる時間を最初に見込んでおくことが、マンションでは戸建て以上に大事です。
標準管理規約の「専有部分の修繕等」の条では、共用部分やほかの住戸に影響を与えるおそれのある修繕や取替えをするときは、あらかじめ理事長に申請して承認を受けることとし、申請書には設計図・仕様書・工程表を添えるとしています。承認するかどうかは理事長が1人で決めるのではなく、理事会の決議で決めます。窓ガラス等の改良を区分所有者が自分で行う場合も、この手続きが準用されます。承認が要らない工事でも、業者の出入りや騒音・振動などで管理組合が前もって知っておく必要があるものは、届け出が求められます。
- 1規約と細則を読む窓・玄関ドア・給湯器の工事が承認制か届け出か
- 2理事長へ申請する設計図・仕様書・工程表を添える
- 3理事会の決議を待つ承認を受けてから契約・着工
- 4工事を終える令和8年12月31日までに完了
- 5登録事業者が申請する完了・引渡しの後に交付申請
申請に添える書類は、ふつうはリフォーム会社が用意します。施主がやるのは、理事会の開かれる日を管理会社に聞き、その日に間に合うように業者へ書類を頼むことです。理事会の締切を1回逃すと、次の理事会まで工事の開始がずれます。
- 窓・玄関ドアの工事:外観(色・形)と防犯・防音の性能が下がらないかを見られる
- 玄関ドアの工事:防火性能が確保されているかも、承認で確かめられることがある
- 給湯器の工事:夜間電力を使う給湯器や、一定の号数以上のガス給湯器は、承認の例に挙がっている
- 床材の張替え:階下への音(遮音性能)を見られる
この一覧は、標準管理規約に付いている「区分所有者が行う工事に対する制限の考え方」から、補助金に関係しそうなものを抜き出したものです。実際の承認の条件は、マンションごとの細則で決まります。
たとえば、秋に窓の工事を思い立ったとき、次の理事会が月末で、その後の工事の手配に時間がかかるなら、完了の期限までの余裕はそれほどありません。管理会社に「窓の改良工事の申請に何が要るか」「次の理事会はいつか」の2つを最初に聞けば、補助金に間に合うかどうかの見通しがすぐ立ちます。
編集部の整理では、マンションのリフォームの見積を頼むときに「管理組合への申請書類も用意してもらえるか」を最初の質問に入れておくのが近道です。マンションの工事に慣れた業者ほど、この質問への答えが具体的です。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(コメント・別添を含む)
窓の補助金はマンションでいくらか
先進的窓リノベ2026事業には、戸建てとは別に集合住宅の補助額の表があります。4階建以上のマンションは集合住宅の表、3階建以下のマンションは内窓とガラスが集合住宅の表、外窓の交換だけが戸建ての表になります。
住戸が複数ある建物の数え方は、二世帯住宅の補助金は何戸で数える?でも整理しています。

表が分かれているのは、建物の種類で窓の改修のしかたと費用が違うためと読めます。事業の資料では、3階建以下の集合住宅を低層集合住宅、4階建以上を中高層集合住宅と呼び、低層集合住宅の外窓交換は戸建住宅の表と同じ額、ガラス交換と内窓設置は中高層集合住宅の表と同じ額としています。マンションの外窓交換の額を戸建ての記事で見ると、建物によっては違う額を見ていることになります。
| 窓の大きさが中(1.6〜2.8㎡)の1か所あたり | P(SS) | S | A |
|---|---|---|---|
| 内窓設置(集合) | 64,000円 | 37,000円 | 区分なし |
| 外窓交換カバー工法(4階建以上の集合) | 156,000円 | 104,000円 | 92,000円 |
| 外窓交換カバー工法(3階建以下=戸建ての表) | 138,000円 | 92,000円 | 66,000円 |
| ガラス交換(集合・ガラス中・1枚あたり) | 35,000円 | 25,000円 | 20,000円 |
性能区分は、熱貫流率でP(SS)が1.1以下、Sが1.5以下、Aが1.9以下です。内窓設置にはAの区分がありません。ガラス交換の大きさはガラス1枚の面積で決まり、窓の大きさの基準とは別です。外窓交換のはつり工法は、4階建以上の集合住宅ではカバー工法と同じ額です。3階建以下は戸建ての表になり、はつり工法のほうがカバー工法より低い額です。
補助額の合計が5万円未満だと申請できず、上限は1戸あたり100万円です。たとえば、中の大きさの内窓をP(SS)で1か所付けると64,000円なので、1か所で下限に届きます。Sの内窓なら1か所37,000円で下限に届かず、もう1か所足すかどうかを考えることになります。小さい窓の内窓は、集合住宅のSで1か所24,000円、P(SS)で40,000円です。
玄関ドアは、窓の改修と同じ契約の中で断熱性能の高いドアに替える場合に限って対象になり、額は大きさと性能に応じた窓の単価が使われます。ドアだけを替える工事は対象になりません。
中古マンションを買った人が気をつけたいのは、過去に住宅省エネキャンペーンを使ってリフォームした開口部は、補助の対象外になる点です。前の持ち主が補助金で内窓を付けていた窓は、もう一度申請できません。売買のときの資料やリフォームの記録を確かめ、分からなければ事業者に相談してください。
編集部の整理では、マンションの窓の額は「何階建てか」「何の工事か」「大きさ」「性能区分」の4つで決まります。見積にこの4つが書かれていれば、表と計算ツールで施主でも検算できます。窓の要件と額の詳しい見方は、次の記事で整理しています。

出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業の内容について」(PDFの3〜5ページ)/公式「内窓設置」/公式「外窓交換(カバー工法)」/公式「外窓交換(はつり工法)」/公式「ガラス交換」/公式「ドア交換(カバー工法)」
みらいエコはマンションでも条件つき
みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、マンションの住戸でも使えます。ただし、平成28年以前に新築された住宅であることと、1つの居室で外に面したすべての開口部を断熱改修することが入口の条件で、マンションではその開口部が共用部分の窓になります。
この事業の対象となる住宅は、平成28年12月31日以前に新築されたことを登記で確かめられる住宅で、戸建住宅か共同住宅かは問いません。マンションの住戸もここに入ります。補助を受けるには、外に面した開口部がある任意の1つの居室(トリガールーム)で、その部屋の外に面したすべての開口部を断熱改修したうえで、入れた窓の性能区分に応じた数の躯体(外壁・屋根や天井・床)の断熱改修を組み合わせます。
| 新築の年 | 窓の性能区分がP | 窓の性能区分がS |
|---|---|---|
| 平成4年〜平成28年 | 躯体の断熱改修は不要 | 躯体の断熱改修は不要 |
| 平成3年以前 | 躯体の断熱改修は不要 | 躯体の断熱改修が1部位 |
この表は、改修後の住宅を次世代省エネ基準に適合させる場合の組み合わせです。義務基準に適合させる場合は、これに加えて高効率給湯器か高効率エアコンの設置が必須になります。上限は、平成4年から平成28年に新築された住宅で、義務基準相当なら1戸あたり80万円、次世代省エネ基準相当なら40万円です。平成3年以前に新築された住宅なら、それぞれ100万円と50万円です。1回の申請の補助額の合計が5万円未満だと申請できませんが、同じ発注者・同じ住宅で窓リノベか給湯省エネの交付決定を受けていれば、下限は2万円に下がります。
マンションで見落とされやすいのが、窓の扱いです。トリガールームの窓をP・S・A(内窓を除く)の製品で改修した場合、その工事は要件を満たすための工事として数えられますが、みらいエコ住宅の補助の対象工事にはなりません。窓の分の補助は窓リノベで申請し、みらいエコ住宅では、それ以外の対象工事(断熱改修やエコ住宅設備の設置など)の額を足していく形になります。
たとえば、平成10年に建ったマンションで、リビングの窓2か所をSの内窓にし、浴室やトイレも新しくしたい場合、リビングの窓をすべて改修すれば入口の条件は満たせる可能性があります。窓の額は窓リノベ、浴室やトイレの設備のうち対象になるものはみらいエコ住宅、という分け方です。ただしリビングの窓は共用部分なので、前の項の承認が先に要ります。
編集部の整理では、みらいエコ住宅をマンションで使うかどうかは「どの部屋をトリガールームにするか」で決まります。窓の数が少なく、承認の取りやすい部屋を選ぶのが現実的です。どの工事が対象になり、いくらになるかは、事業者に事業の要件書と照らしてもらってください。
出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」(p.25・p.26・p.31・p.32)/国土交通省「みらいエコ住宅2026事業の詳細」
給湯器の補助はマンションでは1台まで

給湯省エネ2026事業は、マンションの住戸でも使えます。ただし設置できる台数の上限は、戸建住宅が2台までなのに対し、共同住宅等は1台までです。
台数の数え方は「いずれか」で、エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームを合わせて1台です。マンションの住戸は給湯器を1台で使うことがほとんどなので、実際に困る場面は少ないはずですが、2台目の分を見積に入れて補助を計算していないかは確かめておきたいところです。
| 給湯器 | 基本額(1台) | 性能による加算 |
|---|---|---|
| エコキュート(ヒートポンプ給湯機) | 7万円 | 3万円 |
| ハイブリッド給湯機 | 10万円 | 2万円 |
| エネファーム(家庭用燃料電池) | 17万円 | なし |
マンションならではの壁は、補助の条件より置き場所と規約です。エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプの置き場所が要り、バルコニーやメーターボックスに置けるかは建物で決まります。標準管理規約の考え方では、夜間電力を使う給湯器や一定の号数以上のガス給湯器の設置は、防振・防音やガスの使用量を見るために理事会の承認が要る工事の例に挙がっています。
たとえば、今のガス給湯器をエコキュートに替えたい場合は、置き場所がバルコニーなら専用使用権のある共用部分に機器を置くことになり、承認の対象になりえます。ガス給湯器をそのまま新しいガス給湯器に替えるだけなら、エコキュート・ハイブリッド・エネファームのどれにも当たらないため、この事業(給湯省エネ)の対象にはなりません(エコジョーズはみらいエコ住宅側で別に条件があります)。
編集部の整理では、給湯器は「置けるか」「承認が要るか」「補助の対象機種か」の3つを、この順で業者と管理会社に確かめるのが早道です。給湯器の補助額の詳しい見方は、次の記事にまとめています。

出典:給湯省エネ2026事業「エコキュート」/資源エネルギー庁「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業」/国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」別添
契約と着工の日付で対象外になる
国の3つの事業はどれも、令和7年11月28日以降に着手した工事が対象です。そのうえで、窓リノベは工事請負契約の後に行われる工事であること、令和8年12月31日までに工事が完了することが条件で、みらいエコ住宅は交付申請を行う日までに着手した工事が対象です。
日付の条件が細かいのは、補助金が「この予算の期間に行われた省エネの工事」に出るお金だからです。契約より前に始めた工事や、期限を過ぎて終わった工事は、その期間の予算の外になります。マンションでは、ここに管理組合の承認の待ち時間が加わるので、日付の条件をいちばん先に確かめます。
| 日付の条件 | 窓リノベ | みらいエコ住宅(リフォーム) | 給湯省エネ |
|---|---|---|---|
| 着手 | 令和7年11月28日以降・契約の後 | 令和7年11月28日から交付申請(予約の場合は予約の提出)まで | 令和7年11月28日以降 |
| 完了 | 令和8年12月31日まで | (要件書で確かめる) | (要件書で確かめる) |
| 交付申請 | 完了後。遅くとも令和8年12月31日(予算次第) | 2026年6月30日から予算上限まで(遅くとも2026年12月31日) | 2026年3月31日から予算上限まで(遅くとも2026年12月31日) |
窓リノベには、着手の後に交付申請を予約して補助金を一定期間確保する仕組みがあり、予約は遅くとも令和8年11月16日まで(予定)です。予約は義務ではありませんが、マンションで承認や工事に時間がかかるなら、事業者に予約をするかどうかを聞いておく価値があります。
申請するのは施主ではありません。住宅省エネ2026キャンペーンでは「本キャンペーンの各事業は、消費者等と契約する住宅事業者が交付申請等の手続きを行います」とされ、窓リノベでも住宅の持ち主は直接申請できません。登録していない業者と契約すると、条件を満たす工事でも補助は使えません。受け取った補助金は、事業者から施主へ全額還元されます。
たとえば、管理組合の承認を待たずに業者と契約だけ先に済ませた場合、契約日はそのままでも、着工は承認の後になります。承認が遅れて完了が年をまたげば、窓リノベは対象になりません。契約書には「承認が下りなかった場合」「完了が期限に間に合わなかった場合」の扱いを書いてもらうと、後で困りません。
編集部の整理では、マンションの日付の条件は「承認→契約→着工→完了→申請」の5つの日付を、工程表の上に並べてもらうと一目で確かめられます。申請の流れの詳しい見方は、次の記事で整理しています。

出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/環境省「先進的窓リノベ2026事業の内容について」(PDFの2・8ページ)/環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/給湯省エネ2026事業「交付申請等の要件について(既存住宅)」
見積書は補助金の事業ごとに分けてもらう

マンションのリフォームで複数の補助金を使うなら、見積書を事業ごとに分けてもらうのが、補助額を検算するいちばん確かな方法です。窓リノベの分、給湯省エネの分、みらいエコ住宅の分が1枚に混ざっていると、どの工事にいくらの補助を見込んでいるのかが読めません。
分けてもらう理由は、事業ごとに額の決まり方も、併用の決まりも違うからです。窓リノベの資料では、ほかの国の補助金とは補助の対象が重ならない場合に併用でき、市区町村の補助制度とは国費が充当されているものを除いて併用できるとされています。同じ窓を2つの国の事業で申請することはできないので、工事ごとにどの事業で申請するかが決まっていないと、見積の補助額は計算のしようがありません。
- 窓リノベの分:窓ごとの工事の種類・品番・性能区分・大きさ(何㎡)・何階建ての建物の表で計算したか
- 給湯省エネの分:機種の名前と品番、基本額と加算のどちらを見込んでいるか
- みらいエコ住宅の分:どの部屋をトリガールームにしたか、その部屋の開口部をすべて改修しているか
- 管理組合の手続き:承認が要る工事の行と、申請書類の作成を誰がするか
- 補助が出なかった場合:契約や代金をどう扱うか
税の優遇(住宅ローン減税や固定資産税の減額など)は、補助金とは別の仕組みです。使えるかどうかや金額は工事の内容と個人の事情で変わるので、ここでは判断しません。工事の証明書が要るかを事業者に聞いたうえで、所得税は税務署、固定資産税は市区町村の税の窓口に、工事の内容が分かる書類を持って相談してください。
たとえば2社から見積を取り、A社は窓と給湯器の補助をまとめて「補助金◯円」と1行で差し引き、B社は事業ごとに品番と区分を書いて分けている場合、B社の見積はそのまま計算ツールで検算できます。A社には、同じ形で分けて出し直してもらうよう頼めば、比べる土台がそろいます。
編集部の整理では、補助額の数字そのものより「その数字をどう出したか」が見積に書かれているかで、業者の説明の確かさが分かります。分けた見積が手元にそろったら、相見積で比べる段階です。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
事業ごとに分けた見積の形が決まったら、マンションの工事に慣れた複数の会社から同じ形で見積を取ります。窓と給湯器の補助は登録事業者が申請する制度なので、見積の段階で「登録事業者かどうか」「管理組合への申請書類を手伝ってもらえるか」も確かめてください。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえる無料のサービスもあります。
市区町村の助成は住所と要綱で探す
マンションのリフォームに助成を出している市区町村もありますが、対象になるかはお住まいの市区町村の要綱しだいです。住所で制度を探し、要綱で工事の条件と国との併用を確かめるのが順番です。
市区町村の助成は、省エネ・耐震・バリアフリーなど目的ごとに作られ、分譲マンションの管理組合が行う共用部分の工事を対象にするものと、住戸の工事を対象にするものが分かれていることがあります。対象の工事も、受付の時期や先着順かどうかも、市区町村ごとに違います。国の窓リノベと一緒に使えるかは、その助成に国費が充当されているかで変わるので、要綱を読むか担当窓口に聞いて確かめます。
- 対象になる工事(窓・給湯器・断熱・バリアフリーなど)と、住戸の工事か共用部分の工事か
- 申請の時期(工事の前に申し込むものが多いか、要綱で確かめる)
- 施工業者の所在地の条件があるか
- 受付期間と、先着順か
- 国の補助と併用できるか(国費が入っていないか)
たとえば、区の助成に「着工前の申請」が条件として書かれていれば、管理組合の承認と区への申請の両方を工事の前に済ませる必要があり、段取りはさらに前倒しになります。
編集部の整理では、市区町村の助成は「国の補助より先に締切が来ることがある」と考えて、見積の段階で探し始めるのが安全です。探し方は次の記事で手順にしています。

出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業の内容について」(PDFの2ページ)
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助金は、使えば必ず得になるものではありません。マンションでは、次のような場合に、使わない、または急がない判断もあります。
- 大規模修繕で窓の一斉交換が予定されている:標準管理規約では、窓の性能向上の工事は管理組合が計画修繕として行うのが原則です。近いうちに一斉交換があるなら、自費で先に替えた窓が二度手間になることがあります
- 管理組合の承認が完了期限に間に合わない見込み:承認を急がせて工事を詰め込むより、次の年度の制度を待つ判断もあります(次の年度に同じ制度があるかは、公表されるまで分かりません)
- 下限の5万円に届かせるために、困っていない窓まで工事を増やす:増える工事代のほうが、増える補助額より大きくなりがちです
- 補助額を上げるために製品のランクを上げる:集合住宅の内窓・中は、P(SS)が1か所64,000円、Sが37,000円です。この補助額の差より製品の値段の差が大きければ、ランクを上げるほど負担は増えます
1つ目は、管理会社か理事会に、長期修繕計画で窓や玄関ドアの交換がいつ予定されているかを聞けば判断できます。管理組合が一斉に工事をするなら、管理組合が発注者となって窓リノベを使う道もあり、事業の資料には集合住宅の複数戸の申請をまとめて行う「一括申請」の仕組みが書かれています。
2つ目は、理事会の日程と業者の工程表を並べれば判断できます。3つ目と4つ目は、見積に窓1か所ごとの値段と補助額を並べてもらえば、施主でも計算できます。
たとえば、寒さや結露にいま困っていて、大規模修繕もまだ先なら、承認を取って今年度の補助で内窓を付ける価値は大きくなります。反対に、困りごとが小さく、修繕の計画で窓の交換が近いなら、急ぐ理由は小さくなります。
編集部の整理では、マンションで補助金を使うかどうかは「困りごとの大きさ」「修繕計画の時期」「承認と完了期限の余裕」の3つで決まります。補助金の締切は、この3つのうち最後の1つにしか関係しません。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」/環境省「先進的窓リノベ2026事業の内容について」(PDFの8ページ)/公式「内窓設置」
よくある質問
マンションの内窓は、管理組合の許可なしで付けられますか?
マンションの規約と細則しだいです。国土交通省の標準管理規約のコメントでは、内窓の増設も開口部の改良工事の例に挙げられており、標準どおりの規約なら理事長への申請と理事会の承認が要ると考えるのが安全です。細則で届け出だけでよいとしているマンションもあるので、管理会社に確かめてください。
中古で買った住戸を直す場合も、国の補助は使えますか?
使えます。窓リノベの住宅所有者等には住宅の所有者や居住者が入り、みらいエコ住宅は平成28年以前に新築されたマンションの住戸も対象です。ただし、前の持ち主が住宅省エネキャンペーンで改修した窓は対象外なので、リフォームの記録を確かめてください。
マンションでサッシを交換すると、補助金はいくらですか?
4階建以上のマンションで中の大きさの窓をカバー工法で交換すると、1か所あたりP(SS)で156,000円、Sで104,000円、Aで92,000円です。3階建以下のマンションの外窓交換は戸建ての表になります。サッシは共用部分なので、管理組合の承認が先に要ります。
2026年度の申請は、いつが締切ですか?
窓リノベは、令和8年12月31日までに工事を完了し、遅くとも同じ日までに交付申請する必要があります(予算の上限に達すれば早く締め切られます)。みらいエコ住宅のリフォームと給湯省エネも、遅くとも2026年12月31日までです。予算の使われ方はページ上部の帯で確かめてください。
前の住人が補助金で窓を替えていたら、もう使えませんか?
その窓(開口部)については使えません。窓リノベの資料では、過去に住宅省エネキャンペーンを活用してリフォームを実施した開口部は補助の対象外とされています。ほかの窓や、給湯器など別の工事は、それぞれの条件で判断します。
補助金の申請は、自分でするのですか?
自分ではしません。申請するのは事業者として登録した業者で、施主は登録業者を選び、補助金の還元の方法に合意します。マンションでは、これに加えて管理組合への承認の申請が施主側の手続きになります。
見積を見る前のおさらい
- マンションの住戸で使える国の補助は、窓リノベ・給湯省エネ・みらいエコ住宅の3つ
- 窓と玄関ドアは、標準管理規約では共用部分。内窓も開口部の改良の例に入っている
- 承認が要る工事は、理事長への申請と理事会の決議を経てから契約・着工する
- 窓の額は何階建てか・工事の種類・大きさ・性能区分で決まる。合計5万円未満は申請できず、上限は1戸あたり100万円
- みらいエコ住宅は平成28年以前に新築された住宅が対象で、1つの居室の開口部をすべて改修するのが入口。窓の補助は窓リノベで申請する
- 給湯器の補助は共同住宅等では1台まで。置き場所と承認も確かめる
- 令和7年11月28日以降に着手し、窓リノベは令和8年12月31日までに完了。申請するのは登録事業者
- 見積書は事業ごとに分けてもらい、品番・区分・大きさで検算する
マンションのリフォームで補助金を使うときにいちばん効くのは、補助の額を比べることより、管理規約と日付の段取りを先に固めることです。規約の該当する条、次の理事会の日、工事の完了予定日の3つが手元にそろえば、補助金に間に合うか、急がずに待つべきかを家族と同じ紙の上で話せます。まずは管理規約を開き、窓と玄関ドアがどう書かれているかを確かめるところから始めてください。
