2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- マンションの外壁塗装に、国や市の補助金は出るの?
- 自分の部屋のまわりの外壁だけ、自分で業者を呼んで塗り直してもいい?
- 補助金の申請は、管理組合がするの?それとも区分所有者が一人ずつ?
- 大規模修繕の総会資料が届いた。補助金のことは検討されている?
- 修繕積立金の値上げを、補助金で少しでも抑えられない?
- 固定資産税が安くなる制度があると聞いたけれど、自分で手続きが要る?
- ベランダ側の外壁にひびを見つけた。誰に言えばいい?
- 窓や玄関ドアなら、個人で替えて補助金を使える?
上記のような悩みに答えます。
マンションの外壁塗装の補助金は、戸建ての外壁塗装と同じ感覚で調べると答えを外します。マンションの外壁は区分所有者みんなの共用部分で、塗装は管理組合が大規模修繕として決める工事だからです。検索の上位には大規模修繕の施工会社や戸建て向けの助成金の一覧が並びますが、「区分所有者ひとりは何ができて、何を管理組合に聞くのか」を分けて書いたページはほとんどありません。そこで、外壁が誰のものか、誰が決めて誰が申請するのかを押さえたうえで、国の補助金の要件書に塗装が見当たらないこと、外壁塗装に効く国の支援が固定資産税の減額であること、区分所有者が自分でする申告、総会資料で確かめる点まで、区分所有法の条文、国土交通省のマンション標準管理規約と税制の資料、国の補助事業の要件書で確かめながら整理しました。
マンションの外壁は共用部分なので、塗装は管理組合が総会で決め、修繕積立金で行う工事です。区分所有者ひとりが自分の部屋の外壁を塗ったり、補助金を申請したりすることはできません。国の住宅省エネの補助事業の要件書に塗装の工事は見当たらず、外壁塗装に効く国の支援は、条件を満たすマンションで工事のあとに受けられる固定資産税の減額です。この減額の申告は、区分所有者が一人ずつ市町村に出します。
この記事の数字は2026年度の制度で、2026年10月時点のものです。法令・規約・国の資料は2026年10月24日に原文で確かめました。
マンションの外壁は一人では塗れない

マンションの外壁は、自分の部屋に面している部分も含めて、区分所有者みんなで持つ共用部分です。だから、区分所有者ひとりが自分の判断で業者を呼び、自分の部屋のまわりだけを塗り直すことはできません。補助金の話も、まず「誰の工事か」を決めてからでないと始まりません。
区分所有法は、専有部分以外の建物の部分を共用部分としています。国土交通省のマンション標準管理規約(多くのマンションの規約のひな形)は、天井・床・壁は躯体の部分を除いたところを専有部分とし、共用部分の範囲の表に「内外壁」を挙げています。部屋の内側の壁紙は自分のものでも、コンクリートの壁そのものと外側の仕上げは共用部分、という線引きです。
建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令API・2026年10月24日に確認)第二条(定義)第4項「この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。」。国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」(PDF p.3・p.36)第7条(専有部分の範囲)第2項「一 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。」、別表第2(共用部分の範囲)「…屋上、屋根、塔屋、…内外壁、界壁、床スラブ、床、天井、柱、基礎部分、バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」」。
標準管理規約は、共用部分の管理を管理組合の責任と負担で行うと定め、区分所有者が共用部分の保存行為をするには、あらかじめ理事長の承認を受ける必要があるとしています。承認なしに行った場合の費用は、その区分所有者の負担です。外壁の一部を塗る工事も、この手続きの外ではできません。
| 部位 | 標準管理規約での扱い | 誰が決めるか |
|---|---|---|
| 外壁(外側の仕上げを含む) | 共用部分 | 管理組合(総会) |
| 部屋の内側の壁紙・床の仕上げ | 専有部分 | 区分所有者 |
| 窓枠・窓ガラス | 専有部分に含まれない(共用部分) | 管理組合。個別の改良は理事長の承認 |
| 玄関扉 | 錠と内部塗装部分だけが専有部分 | 内側の塗装は区分所有者・外側は管理組合 |
| バルコニー | 共用部分(専用使用権あり) | 通常の手入れは使う人・修繕は管理組合 |
たとえば、南側の外壁だけ色あせが目立ち、自分の部屋の前だけでも塗り直したいと考えた場合でも、取るべき手順は自分で業者を探すことではなく、管理組合(多くは管理会社が窓口)に状態を伝えることです。外壁の色や塗料は建物全体で決めるものなので、一部だけ違う塗装をすると、次の大規模修繕で塗り直しや説明が必要になります。
編集部の整理では、マンションの外壁について区分所有者がまず確かめるのは「自分の管理規約が標準管理規約と同じ線引きか」です。実際の規約は、マンションごとに文言や条の番号が違うことがあるので、手元の規約の「専有部分の範囲」と「共用部分の範囲」の条を開いてください。
出典:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」(PDF)/e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」
外壁塗装は大規模修繕として総会で決める
マンションの外壁塗装は、管理組合が長期修繕計画に沿って行う大規模修繕の一部として、総会の決議で決めます。費用は、区分所有者が毎月納めている修繕積立金から出すのが基本です。
区分所有法は、共用部分の管理は集会(総会)の決議で決めるとし、形や働きを大きく変える「変更」には、より重い決議を求めています。標準管理規約のコメントは、外壁補修工事や鉄部塗装工事、屋上等防水工事といった計画修繕の工事は、普通決議で実施できると考えられる、と例を挙げています。ただしコメントが挙げているのは「外壁補修工事」で、外壁塗装そのものを名指ししたものではなく、基本的には各工事の具体的内容に基づく個別の判断とされています。区分所有法は、形状や効用の著しい変更を伴わないものには重い決議を求めていませんが、塗り替えがそれに当たるかも工事の中身しだいです。必要な決議の種類は、手元の規約と議案で確かめてください。
建物の区分所有等に関する法律(2026年10月24日に確認)第十八条(共用部分の管理)第1項「共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」第2項「前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」。第十七条(共用部分の変更)第1項「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。…)は、…出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三(…)以上の多数による決議で決する。」。第十九条「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ…」。標準管理規約コメント(PDF p.78・印字41)第47条関係⑧キ「計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水工事、給排水管更生・更新工事、…の更新工事は普通決議で実施可能と考えられる。」。同(PDF p.64・印字27)第32条関係②「計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、窓及び玄関扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。」
- 1建物の劣化を調べる管理組合が劣化診断(建物診断)を行う
- 2長期修繕計画と照らす外壁補修の時期と工事金額の見込みを見る
- 3理事会・修繕委員会で案を作る工事の範囲・施工会社の選び方・費用の出どころ
- 4総会で決議する区分所有者が議決権を使う
- 5工事と支払い修繕積立金から支払う。足りなければ一時金や借入れの案が出る
区分所有者ひとりの出番は、総会です。工事の範囲、施工会社の選び方、修繕積立金で足りるかどうかは、総会の議案と資料に書かれます。補助金や減税を使うかどうかも、本来はこの段階で検討されているはずです。
たとえば、修繕積立金の値上げ案と大規模修繕の議案が同時に届いた場合、議案に賛成か反対かを決める前に、資料の中で「補助金・助成金・税の特例を調べたか」が書かれているかを見ます。書かれていなければ、総会の前に理事会へ質問を出すのが、区分所有者としていちばん効く動き方です。
編集部の整理では、マンションの外壁塗装の補助金は「自分が申請するもの」ではなく「管理組合が使えるかを調べるもの」です。区分所有者がやることは、調べたかどうかを総会資料で確かめ、足りなければ質問することです。長期修繕計画の周期や工事金額は、管理組合が持っている計画書で確かめてください。
外壁塗装そのものへの国の補助は見当たらない
いまの国の住宅リフォームの補助事業(住宅省エネ2026キャンペーン)の要件書を読んだ範囲では、外壁を塗り替える工事そのものは補助の対象に挙がっていません。マンションでも戸建てでも同じです。
みらいエコ住宅2026事業(国土交通省)のリフォームの要件書は、補助対象者に共同住宅の管理組合を含めていて、共用部の工事も申請できる仕組みを持っています。ただし対象は断熱改修などの工事で、要件書の全文を編集部が検索した範囲では「塗装」の語は出てきません。先進的窓リノベ2026事業(環境省)の資料も、管理組合を住宅所有者等に含めますが、対象は窓の断熱改修で、全文に「塗装」の語はありません。
みらいエコ住宅2026事業事務局「交付申請等の要件について(リフォーム)」2026年8月17日版(2026年10月24日に確認)p.24「◆共同住宅等の管理組合・管理組合法人」(住宅の所有者等)。p.125「一括作成とは、共同住宅の「共用部」に行った「補助対象工事」について交付申請を行う場合に利用する交付申請の作成機能です。」「共同住宅の廊下、ロビー、管理人室、集会所等の、居住者が共同使用する設備・施設をいいます。」「ただし、「一棟の共同住宅」において、棟内の住戸(1住戸以上)で「要件化工事」および「補助対象工事」が実施されている場合に限り、当該棟の「共用部」に実施した「補助対象工事」の交付申請(予約を含む)を行うことができます。」p.129 共用部へ行う補助対象工事「◆「開口部の断熱改修」◆「躯体の断熱改修」…」。pdftotext で出した全文に「塗装」の語は0件。環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細 Ver.5」(令和8年10月9日時点)PDF p.2「住宅所有者等とは、本事業にてリフォームする住宅の所有者(法人を含む)、居住者又は管理組合・管理組合法人をいいます。」。全文に「塗装」の語は0件。
みらいエコの共用部の申請には、もう1つ条件があります。棟の中の少なくとも1つの住戸で、窓の断熱などの「要件化工事」と補助対象工事が行われていることです。外壁に断熱材を入れるような躯体の断熱改修を共用部で行っても、住戸側の工事が伴わなければ申請できません。リフォームの補助額の合計は1申請5万円以上が条件で、同じ発注者の同じ住宅で窓リノベなどの交付決定を受けている場合は2万円以上に下がります。住戸ごとの交付申請の受付は2026年6月30日から予算の上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日)です。共用部を含める一括作成は、通常の交付申請より前に事務局へ依頼する手続きが要り、開始日も通常の受付とは別に定められています。
| 国の制度 | 管理組合が申請に関われるか | 外壁の塗り替え |
|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 関われる(共用部は一括作成) | 要件書に塗装の語なし。共用部は断熱改修など |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 関われる(集合住宅の一括申請) | 窓の断熱改修だけが対象 |
たとえば、施工会社の提案書に「遮熱塗料なので国の補助の対象です」と書かれていた場合は、どの事業の、どの補助対象工事に当たるのかを書面で出してもらいます。塗料の名前に「断熱」「遮熱」と付いていても、要件書の補助対象工事の分類に当たるかは別の話です。
申請するのは、どちらの事業も施主ではなく、管理組合と契約した登録事業者です。国の事業の全体と、併用の考え方は、それぞれの記事にまとめています。
編集部の整理では、国の補助は「外壁を塗る」工事ではなく「建物の断熱を上げる」工事に付くものです。管理組合として国の補助を使うなら、大規模修繕の中に窓や断熱の工事を組むかどうかの話になり、外壁塗装の費用そのものを補助で下げる話にはなりません。
出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細」(PDF)/住宅省エネ2026キャンペーン
国の支援で効くのは固定資産税の減額
国の制度で外壁塗装に直接かかわるのは、補助金ではなく「マンション長寿命化促進税制」という固定資産税の減額です。条件を満たすマンションで、外壁塗装等工事を含む長寿命化工事が完了すると、その翌年度の建物部分の固定資産税が減額されます。
国土交通省の資料は、この税制の長寿命化工事を「外壁塗装等工事、床防水工事及び屋根防水工事」と書いています。対象になるのは分譲マンションで、築年数や総戸数、過去にも長寿命化工事を行っていること、管理計画の認定を受けているか、長期修繕計画について自治体の助言・指導を受けて見直したことなど、管理組合の運営に関わる条件がそろっている必要があります。修繕積立金をきちんと積み立てて計画どおりに直すマンションを後押しする、という狙いの制度です。
国土交通省「マンション長寿命化促進税制の要件」(PDF・2026年10月24日に確認)p.1「① 築20年以上が経過している ② 総戸数が10戸以上である ③ 過去に長寿命化工事(外壁塗装等工事、床防水工事及び屋根防水工事)を行っている ④ 管理計画認定マンション(④-1)又は助言指導に係る管理者等の管理組合に係るマンション(④-2)」「※区分所有のマンション(分譲マンション)が対象」「● 令和5年4月1日~令和9年3月31日に工事が完了したこと」「長寿命化工事完了翌年度の建物部分の固定資産税額を1/6~1/2の範囲内で減額」「● 区分所有者の専有部分が居住用部分であること ● 100㎡相当分まで」。p.3「①~③の証明書は、管理組合の管理者等が取得し、その写しを、総戸数を確認できる書類とあわせて、必要に応じて各区分所有者に配付することが考えられます。」「各区分所有者は、管理組合の管理者等から配付された書類を、固定資産税減額申告書に添付し、市町村等の窓口へ減額措置を申告します。」p.5「工事完了日から3か月以内に当該マンションが所在する市町村(特別区は都)の窓口へ減額措置を申告」「※ 必要書類は市町村等により異なる場合があります。」
ここで区分所有者にかかわるのが、申告です。証明書は管理組合の管理者等が取得し、その写しを必要に応じて区分所有者に配付することが考えられる、と国の資料にありますが、固定資産税の減額を申告するのは区分所有者一人ひとりです。工事が終わってから決められた期間のうちに、市町村(特別区は都)の窓口に、減額申告書と配られた証明書の写しを出します。減額の割合は、国が示す範囲の中で市町村の条例が決めます。
- 登録事業者が申請する
- 工事の前後に事業者が手続き
- 外壁の塗り替えは要件書に見当たらない
- 区分所有者が一人ずつ申告する
- 工事の完了後に市町村の窓口へ
- 外壁塗装等工事が長寿命化工事に入る
たとえば、管理計画の認定を受けているマンションで外壁塗装を含む大規模修繕が終わり、管理会社から証明書の写しが配られたのに、誰も申告しなければ減額は受けられません。逆に、管理組合がこの税制の条件を調べていなければ、証明書そのものが用意されません。
編集部の整理では、この税制は「管理組合が条件をそろえ、区分所有者が申告して受け取る」二段構えです。総会資料や工事の説明会で、この税制の対象になるかを管理組合が確かめているかを聞き、対象になるなら、申告の期限と出す書類を工事が終わる前に案内してもらってください。※お住まいの市区町村で確認してください。申告書の様式と必要書類は、市町村の資産税の窓口で確かめられます。
出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制の要件」(PDF)
市区町村の助成は管理組合が窓口で確かめる
市区町村がマンションの共用部分の修繕や省エネ改修に助成を出しているかどうかは、自治体ごとに違います。このサイトでは全国の自治体の制度を登録できていないので、ここで自治体の名前や額は挙げません。
自治体の助成も、マンションの外壁なら申請の主体は管理組合になるのが筋です。共用部分の工事を発注するのは管理組合だからです。区分所有者ひとりが自分の住戸の分として申請できる性質のものではないので、調べるのも管理組合(理事会・修繕委員会)の仕事になります。
調べるときは、市区町村の住宅担当の窓口に、次のように聞くと話が早く進みます。
- 分譲マンションの共用部分の修繕や省エネ改修に使える助成はあるか
- 申請するのは管理組合か、着工前の申請が要るか
- 国の補助や税の特例と組み合わせられるか
- 今年度の受付期間と、予算がなくなり次第終わるかどうか
国の事業と自治体の助成を重ねられるかは、国の事業の側にも決まりがあります。先進的窓リノベ2026事業の資料は、地方公共団体の補助制度について、国費が充当されているものを除き併用できるとしています。ただし、資料が別途併用を認めている国費(物価高騰対応の臨時交付金など)が充てられている場合は、この除外に当たりません。自治体の助成に国費が入っているかは、自治体の窓口でないと分かりません。
たとえば、理事会で「市に何か制度があるはず」という話になったら、上の4つを紙にして理事の誰か1人が電話で確かめ、答えを議事録に残すのが確実です。担当者の名前と聞いた日も添えておくと、総会で説明するときに根拠になります。
自治体の制度の探し方は、市区町村の補助金の記事にまとめています。
※お住まいの市区町村で確認してください。
区分所有者ひとりでできること

外壁の塗装は管理組合の工事ですが、区分所有者ひとりで動ける範囲もあります。窓の断熱改修、玄関扉の内側の塗装、そして専有部分のリフォームです。
窓は、標準管理規約では共用部分です。開口部の改良は管理組合が計画修繕として行うのが原則で、管理組合がすぐに実施できない場合は、区分所有者が理事長に申請して承認を受け、自分の責任と負担で行えます。規約のコメントは、こうした改良の例に、複層ガラスやサッシへの交換と、既設のサッシへの内窓または外窓の増設を挙げています。承認するかどうかは理事会の決議で決まります。
標準管理規約(PDF p.8)第22条(窓ガラス等の改良)「共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。」第2項「区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面又は電磁的方法による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。」。第22条関係コメント(PDF p.54〜55・印字17〜18)④「承認、不承認の判断はあくまで理事会の決議によるものである」⑥「防犯・防音・断熱性等により優れた複層ガラスやサッシ等への交換、既設のサッシへの内窓又は外窓の増設等が考えられる。」。第7条第2項「二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。」
承認を受けて窓を断熱改修するなら、先進的窓リノベ2026事業が使えます。集合住宅の額の表があり、たとえば内窓設置・集合住宅のP(SS)・中(M)は1か所あたり64,000円です。1回の申請の補助額の合計が5万円以上であること、令和7年11月28日以降に着手し令和8年12月31日までに完了することが条件で、上限は1戸あたり100万円です。申請するのは登録事業者で、受け取った補助金は施主に全額還元されます。
- 内窓設置・集合住宅・P(SS)・中(M)を1か所 = 64,000円 → 5万円以上のため申請できる額
玄関扉は、錠と内側の塗装部分だけが専有部分です。内側の塗り直しは自分の判断でできますが、外側の塗装や扉の交換は共用部分の工事になるので、管理組合の手続きが要ります。窓と玄関ドアの承認の進め方と額の表は、マンションのリフォーム補助金の記事で詳しく扱っています。
マンションのリフォームで補助金はいくら?使える工事・管理規約・申請の順番
たとえば、冬の結露がひどく、大規模修繕で窓を替える予定が当面ない場合は、理事長に内窓の設置を申請し、承認を受けてから契約・着工する順番になります。承認を待つ間に補助金の締切が近づくので、申請書に設計図や仕様書、工程表を付けて早めに出すのが現実的です。窓の補助の要件の細部は、窓リノベの要件の記事で確かめられます。
編集部の整理では、区分所有者ひとりの補助金は「外壁」ではなく「窓」と「部屋の中」にあります。外壁塗装の補助金を探していた人も、自分の住戸で使える国の補助はこの2つから考えると、無駄に探し回らずに済みます。
出典:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」(PDF)/事業の公式サイト(先進的窓リノベ2026事業)/公式「内窓設置」
ベランダ側の外壁の傷みを見つけたら
ベランダ側の外壁にひびや塗装のはがれを見つけたら、自分で業者を呼んで直すのではなく、管理組合か管理会社に知らせるのが正しい順番です。バルコニーは区分所有者が専用で使える場所ですが、建物としては共用部分だからです。
標準管理規約は、バルコニーの保存行為のうち通常の使用に伴うもの、たとえばバルコニーの清掃や、窓ガラスが割れたときの入替えは、専用で使う人の責任と負担で行うとしています。一方で、それ以外の共用部分の保存行為は、理事長の承認を受けなければ区分所有者は行えず、承認なしに行った工事の費用は自分で負担することになります。外壁のひびの補修や塗り直しは、通常の使用に伴う手入れの範囲を超えると考えるのが自然です。
標準管理規約(PDF p.7〜8)第21条(敷地及び共用部分等の管理)第1項「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(…)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。」第3項「区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面又は電磁的方法による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。」第5項「第3項の規定に違反して保存行為を行った場合には、当該保存行為に要した費用は、当該保存行為を行った区分所有者が負担する。」
例外は、専有部分の使用に支障が出ていて、緊急を要する場合です。たとえば、外壁のひびから雨水が入り込み、部屋の壁がぬれ始めているときは、応急の処置を急ぐ理由があります。それでも、処置をしたらすぐに管理組合に知らせ、写真と日付を残しておくと、あとで費用の負担を話し合うときの材料になります。
知らせるときは、次の3つをそろえると話が通じやすくなります。
- 場所(何階のどの住戸の、ベランダのどの面か)
- 状態の写真(ひびの幅が分かるように、定規やペンを添えて撮る)
- 気づいた日と、雨のあとに変化があるか
たとえば、手すりの付け根のまわりの塗装が浮いているのを見つけた場合、管理会社が点検して、次の大規模修繕で直すか、その前に部分補修をするかを判断します。どちらになっても、費用は管理組合の負担で、区分所有者が個別に業者に払うものではありません。
編集部の整理では、ベランダ側の外壁の傷みは「自分で直す対象」ではなく「管理組合に記録を渡す対象」です。報告が積み重なると、劣化診断や長期修繕計画の見直しの根拠になり、結果として建物全体の修繕が適切な時期に行われやすくなります。
総会資料で確かめる補助と減税

大規模修繕の総会資料が届いたら、区分所有者が確かめたいのは、工事の金額そのものより「補助と減税を管理組合が調べたか」です。ここまで見たとおり、外壁塗装の費用を直接下げる国の補助は見当たらず、効くのは固定資産税の減額と、自治体ごとの助成の有無です。調べたかどうかは、資料に書かれていなければ質問するしかありません。
確かめる項目を、総会資料の読み方に沿って並べると次の5つになります。
- 長寿命化促進税制の対象になるか(管理計画の認定など、条件を管理組合が確かめたか)
- 対象なら、証明書を誰が取り、区分所有者の申告をどう案内するか
- 市区町村の助成を調べたか(調べた日・窓口・答え)
- 窓の断熱など、国の補助の対象になる工事を組むかを検討したか
- 工事費が修繕積立金で足りるか、足りなければ一時金・借入れ・値上げのどれか
1と2は、区分所有者のお金に直結します。減額は一人ひとりの固定資産税に効くので、管理組合が条件を満たしているのに申告の案内が無いと、受けられるはずの減額を逃します。3と4は、使える制度が無いと分かったとしても「調べた結果、無かった」と資料に残っていることに意味があります。
費用の相場や㎡あたりの単価は、建物の形や階数、足場の組み方、劣化の程度で大きく変わるので、このサイトでは書いていません。代わりに、見積の内訳が工事項目ごと(足場・下地補修・塗装・防水・シーリング・諸経費)に分かれているか、複数の施工会社の見積を同じ条件で比べたか、を資料で見てください。戸建ての塗装見積の行の読み方は、マンションの見積を読むときの手がかりにもなります。
たとえば、資料に「補助金:該当なし」と1行だけ書かれていた場合は、何の制度を、いつ、どこに確かめて該当なしだったのかを質問します。長寿命化促進税制が検討されていなければ、管理計画の認定を受けているかどうかから確かめてもらいます。質問は総会の当日より前に、書面で理事会へ出すと、答えを準備してもらえます。
編集部の整理では、区分所有者が総会資料で見るのは「工事の中身」と「お金の出どころ」の2本立てです。補助と減税は後者の一部で、質問すること自体が、管理組合の検討を一段深くします。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助や減税は、大規模修繕を安くするための手段で、工事の時期や中身を決める理由ではありません。次のような場合は、補助金に合わせない判断もあります。
- 補助金の締切に間に合わせるために、劣化診断や施工会社の比較を十分にしないまま総会にかけようとしている場合
- 国の補助の対象にするために、住戸側の窓の工事を組み合わせるよう、区分所有者全員に急いで同意を求める場合
- 減税の条件をそろえるためだけに、長期修繕計画の周期より大きく早めて工事をしようとしている場合
- 外壁のはがれや落下のおそれがあり、補助の検討を待つ間に危険が増しそうな場合
1つ目と3つ目は、制度に合わせて工事の時期を動かすと、比べる相手が減ったり、まだ持つ外壁に早くお金をかけたりすることになります。国の補助事業は予算の上限に達すれば締切の日付より前でも終わり、ページ上の帯はその使われ具合を示していますが、大規模修繕の時期は建物の劣化と長期修繕計画で決めるのが基本です。
2つ目は、住戸の窓の工事は一人ひとりの負担と判断がかかわるので、共用部の補助のために急いで同意を集めると、総会での合意形成がかえって難しくなります。窓の工事を組むなら、補助の締切とは別に、時間をかけて希望を聞く形が無理がありません。
4つ目は、急ぐほうがいい場合です。標準管理規約のコメントは、外壁等のはく離により周辺に危害を生ずるおそれがあるときを、建物が通常持つべき安全性を欠いた状態の例に挙げています。こうした症状があるなら、補助や減税の段取りより先に、点検と応急の対応を優先します。
迷ったときは、「補助も減税も無くても、この時期にこの工事をするか」を先に決めることです。答えが「する」なら、使える制度を調べて上乗せし、「しない」なら、制度の締切を理由に工事を前倒しする必要はありません。
国の事業の予算の使われ具合は、予算残のページで見られます。
出典:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」(PDF)
よくある質問
マンションの外壁塗装に補助金は出ますか?
国の住宅省エネ2026キャンペーンの要件書を読んだ範囲では、外壁を塗り替える工事は補助の対象に挙がっていません。国の制度で外壁塗装にかかわるのは、条件を満たすマンションで受けられる固定資産税の減額です。市区町村の助成は自治体ごとに違うので、管理組合が窓口で確かめます。
自分の部屋の前の外壁だけ、自分で塗り直してもいいですか?
できません。外壁は共用部分で、管理は管理組合の責任と負担で行います。標準管理規約では、理事長の承認を受けずに共用部分の保存行為をすることはできず、した場合の費用は自分の負担になります。傷みに気づいたら、管理組合か管理会社に写真を添えて知らせてください。
固定資産税の減額は、自分で手続きが要りますか?
要ります。証明書は管理組合の管理者等が取得し、その写しを必要に応じて区分所有者に配付することが考えられる、と国の資料にありますが、減額の申告は区分所有者が一人ずつ、市町村(特別区は都)の窓口に出します。工事が完了してから申告できる期間が決まっているので、工事が終わる前に、管理組合から案内をもらっておくと安心です。
遮熱塗料や断熱塗料なら、国の補助の対象になりますか?
塗料の名前だけでは判断できません。国の補助の対象は、要件書で決められた断熱改修などの工事で、要件書の全文に「塗装」の語は出てきません。対象だと説明されたら、どの事業の、どの補助対象工事に当たるのかを書面で出してもらってください。
マンションの外壁塗装の費用はいくらですか?
このサイトでは費用の相場は書いていません。建物の形や階数、足場、劣化の程度で大きく変わるからです。総会資料では、見積の内訳が工事項目ごとに分かれているか、複数の施工会社を同じ条件で比べたかを見てください。
外壁塗装は何年ごとにするものですか?
周期は、マンションごとの長期修繕計画に、部位ごとに定められています。標準管理規約のコメントは、長期修繕計画に外壁補修などの工事と、その修繕周期・工事金額を定めることを求めています。管理組合が持っている長期修繕計画書を確かめてください。
見積を見る前のおさらい
- マンションの外壁は共用部分。区分所有者ひとりで塗ったり、補助金を申請したりはできない
- 外壁塗装は管理組合が大規模修繕として総会で決め、修繕積立金で行う
- 国の住宅省エネ2026キャンペーンの要件書に塗装は見当たらない。みらいエコの共用部は断熱改修で、住戸側の工事が前提
- 外壁塗装に効く国の支援は固定資産税の減額(長寿命化促進税制)。条件は管理組合側、申告は区分所有者が一人ずつ
- 市区町村の助成は自治体ごとに違う。管理組合が窓口で確かめ、答えを記録に残す
- 区分所有者ひとりの補助金は、承認を受けた窓の断熱改修と部屋の中。玄関扉は内側の塗装だけが専有部分
- ベランダ側の外壁の傷みは、写真と日付を添えて管理組合に知らせる
- 総会資料では、補助と減税を調べたか、見積の内訳と比べ方を確かめる
マンションの外壁塗装の補助金を探して迷うのは、戸建てと同じように「自分が申請する補助金」を探しているからです。マンションでは、外壁は管理組合の工事で、区分所有者の出番は総会と、減税の申告と、自分の窓の工事です。まずは手元の管理規約で外壁と窓の扱いを確かめ、次の総会資料で、補助と減税を調べたかが書かれているかを見るところから始めてください。

