2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 横浜市でトイレのリフォームをすると、市の補助金は出るの?
- お風呂やキッチンの交換だけでも、市の補助金の対象になる?
- 市のホームページを見ても、断熱や耐震の制度ばかりで、水回りがどこに入るのか分からない
- 営業に「市の補助も使えますよ」と言われたけれど、本当?
- 高齢の親のために風呂とトイレを直したい。介護保険と市の助成、どちらを使えばいい?
- 国の補助金と市の補助金は、両方もらえるの?
- 見積を頼んでいる会社が市外の業者。それでも市の補助は使える?
- 今から申し込んで、今年度の受付に間に合う?
上記のような悩みに答えます。
トイレ・お風呂・キッチンといった水回りのリフォームの補助は、「トイレの補助金」「お風呂の補助金」という部位ごとの制度があるとは限らず、市が別の目的で作った制度の中に、水回りの工事が入るかどうかで決まります。検索すると市と工事を組み合わせた補助金の一覧が並びますが、一覧からは、その制度がなぜ水回りを対象にしているのか、あるいはしていないのかまでは読み取れません。そこで、市の制度の作られ方と、国の事業・介護保険との関係を押さえたうえで、横浜市と川崎市の公式ページを実際に開いて確かめた内容を例に、水回りの工事が市の制度のどこに入るのかを、国土交通省の要件書と厚生労働省の資料で確かめながら整理しました。
水回りのリフォームに市の補助が出るかは、部位の名前ではなく、市ごとの制度(省エネ・高齢者向けの住宅改造・耐震など)の中に水回りの工事が入るかで決まります。2026年10月22日に横浜市の公式ページで確かめた令和8年度の制度は、戸建ての既存住宅の断熱改修の補助で、トイレ・浴室・キッチンの設備を替えるだけの工事は対象として書かれていませんでした。川崎市の高齢者住宅改造費助成事業は浴室や手洗所の改造を挙げていますが、要支援以上の認定を受けた高齢者が対象で、介護保険の住宅改修以外の工事に限られ、工事の前の相談が欠かせません。国のみらいエコ住宅2026事業も水回りだけでは申請できないので、市・国・介護保険のどれに当たるかを、工事の前に順に確かめます。
この記事の数字は2026年度の制度で、2026年10月時点のものです。市の公式ページの内容は2026年10月22日に確かめたものです。
国の事業で戻る額は、工事の内容を選ぶと補助金の計算ツールで出せます。市区町村を選ぶと、その市区町村の制度をこのサイトで登録できているかも表示され、まだ登録できていない市区町村では、公式ページで確かめるよう案内が出ます。

水回りの市の補助金は市ごとの制度で決まる
市区町村の補助は、トイレや浴室といった部位ごとに用意されているとは限りません。市がそれぞれの目的で作った制度があり、水回りの工事は、その目的に合うときだけ制度の中の工事として対象になります。
市の制度は、市がそれぞれの政策の目的に合わせて作るものです。住宅の省エネを進めたい、高齢の人が自宅で暮らし続けられるようにしたい、地震に強い家を増やしたい、子育て世帯に住み続けてほしい、といった目的が先にあり、その目的に役立つ工事を補助します。トイレを新しくすること自体が市の目的になっているわけではないので、「水回り」という切り口で探すと見落としたり、反対に、見つけた制度が水回りを対象にしていなかったりします。
| 制度の目的 | 水回りが入りうる形 | 要綱で確かめる欄 |
|---|---|---|
| 省エネ・断熱 | 断熱改修や省エネ設備の設置の一部として | 対象工事・対象製品・住宅の種類 |
| 高齢者・障害のある人の住まい | 浴室やトイレの手すり・段差・便器などの改造として | 対象者の認定・介護保険との関係 |
| 耐震 | 耐震改修の工事として(水回りの設備そのものは別) | 対象工事・耐震診断の要否 |
| 住宅の改修全般・地域の業者の利用 | 改修工事の一つとして | 施工業者の所在地・工事費の下限 |
| 子育て・定住 | 住み替えや改修の一部として | 世帯の条件・住む期間 |
たとえば、同じ「浴室を新しくする」工事でも、省エネの制度なら浴槽の断熱性能や対象製品かどうかが問われ、高齢者向けの制度なら住む人の認定や手すり・段差の工事かどうかが問われます。耐震の制度なら、浴室の交換は対象の外で、壁や基礎の補強が中心です。同じ工事の名前でも、どの制度の目で見るかで、答えがまったく変わります。
編集部の整理では、市の補助を探すときは、まず住所の市の制度を目的ごとに一覧で眺め、自分の工事がどの目的に近いかを決めてから要綱を開くのが近道です。住所から制度を探す手順と、要綱で確かめる項目のチェック表は、市区町村の補助金の探し方の記事にまとめています。

横浜市の公式ページで確かめたこと

2026年10月22日に横浜市の公式ページで確かめた「令和8年度 既存住宅断熱改修補助制度」は、戸建ての既存住宅を断熱改修する人への補助で、トイレ・浴室・キッチンの設備を替えるだけの工事は、対象として書かれていませんでした。横浜市でトイレやお風呂の補助を探している人は、まずこの点を押さえておくと、営業の説明を聞き返しやすくなります。
この制度の目的は、断熱性能の高い省エネ住宅に改修し、市内に定住してもらうことです。公式ページは、住宅・事業者・契約・補助対象者の4種類の要件をすべて満たすよう求めていて、住宅の要件の詳細ページには、横浜市内の住宅であること(共同住宅を除く)が挙がっています。つまり、マンションの水回りはこの制度の外で、戸建てでも、水回りの交換ではなく住宅の断熱改修が中心の制度です。なお、一部のエリアだけを断熱する型(部分断熱改修型)では、改修するエリアに1つ以上の居室と1つ以上の浴室・脱衣室を含めることが決められていて、浴室まわりは設備の交換ではなく、断熱改修の範囲として関わります。
横浜市「令和8年度 既存住宅断熱改修補助制度」(最終更新日 2026年7月1日・2026年10月22日に確認):「戸建ての既存住宅に対し、断熱改修工事により断熱性能の高い省エネ住宅へ改修し、市内に定住する方へ『既存住宅断熱改修補助制度』を行っています。」「補助金の申請手続きや受け取り、補助対象者への還元は、『よこはま健康・省エネ住宅 事業者登録・公表制度』に登録されている(又は登録予定の)『事業者』が行います。」「個人の方が直接申請することはできません。」本申請=受付開始 令和8年5月1日/締切 令和8年11月30日。予約申請は任意で「予算の確保が目的であり、交付決定は担保されていません」。住宅の要件の詳細ページ:「(1)横浜市内の住宅であること。(共同住宅を除く)」「※必ず断熱改修工事中の写真を撮影してください。(撮影を忘れた場合、補助金の交付を受けることはできません。)」
申請の段取りで押さえておきたいのは、次の点です。
- 申請するのは、市の「よこはま健康・省エネ住宅 事業者登録・公表制度」に登録された事業者で、個人が直接申請することはできない
- 本申請の受付期間と締切は、上の公式ページの引用で確かめる
- 断熱改修の工事中の写真を撮り忘れると、補助金の交付を受けられない
- 補助額は公式ページとチラシに書かれているので、そこで確かめる(このサイトでは市の額を書いていません)
横浜市は「補助金併用チラシ」も出していて、裏面には省エネ住宅に関わる国・県・市の補助や減税を1枚の表に並べ、「同色の補助金は原則併用できません」と書いています。編集部が読んだ範囲では、この表に並ぶのは窓・給湯器・断熱・耐震などの制度で、トイレ・浴室・キッチンの設備の交換を対象に挙げた行はありませんでした。
たとえば、横浜市の戸建てで、浴室とトイレを替える計画に、寒い寝室の窓と壁の断熱改修を加える家なら、断熱改修の部分がこの制度の要件に合うかを、登録事業者と一緒に確かめる余地があります。反対に、水回りだけを替える計画や、マンションの水回りの計画なら、この制度の対象として書かれている工事(断熱改修)が入らないので、使えない前提で見積を組み、国の事業や介護保険の側を確かめます。
編集部の整理では、横浜市で水回りの補助を考えるときは、「市の断熱の補助は、水回りの交換そのものには付かない」を出発点にするのが安全です。ほかに水回りが対象になる市の制度があるかは、市の公式サイトの支援制度の一覧と担当課で確かめてください。
出典:横浜市「令和8年度 既存住宅断熱改修補助制度」/横浜市「住宅の要件(令和8年度既存住宅断熱改修補助)」
川崎市の公式ページで確かめたこと
2026年10月22日に川崎市の公式ページで確かめた「高齢者住宅改造費助成事業」は、改造する箇所に浴室や手洗所を挙げている、水回りが正面から対象に入る制度です。ただし、使えるのは要支援以上の認定を受けた高齢者で、住宅の改造が必要と認められる人に限られ、介護保険の住宅改修以外の工事が対象です。
この制度の目的は、身体機能が低下して支援や介護が必要になった高齢者が、住宅を改造して在宅で安全に暮らし続けられるよう支え、介護する人の負担も軽くすることです。目的が介護の側にあるので、対象者は認定を受けた高齢者に限られ、浴室やトイレの工事でも、家族の誰も認定を受けていない家では使えません。
川崎市「高齢者住宅改造費助成事業」(更新日 2026年4月1日・2026年10月22日に確認):対象者「要介護認定において要支援以上の認定を受けた65歳以上の高齢者であり、住宅の改造が必要と認められる方」。制度内容「身体機能の低下により支援・介護を必要とする高齢者が、住宅の改造を行うことにより、在宅で安全な生活が続けられるよう支援するとともに、介護者の身体的・精神的負担を軽減することを目的として、その改造費用の助成をします。」「※必ず事前に御相談ください。(工事着手後に申請された場合は、助成を受けることができません。)」「改造箇所…浴室、手洗所、居室、玄関、食堂、廊下、階段など(介護保険制度の住宅改修以外の工事)」。利用者負担額は所得に応じて異なる。問い合わせは区役所高齢・障害課。
公式ページから読み取れる要点は、次のとおりです。
- 対象者は、要支援以上の認定を受けた高齢者で、住宅の改造が必要と認められる人(年齢の条件は公式ページで確かめる)
- 改造箇所は浴室・手洗所・居室・玄関・食堂・廊下・階段などで、介護保険の住宅改修以外の工事
- 必ず事前に相談し、工事に着手した後に申請すると助成を受けられない
- 利用者が負担する額は所得に応じて変わる(額と率は公式ページで確かめる)
- 窓口は住んでいる区の区役所の高齢・障害課
たとえば、要支援の認定を受けた親と暮らす家で、浴室の出入口の段差をなくして手すりを付け、あわせて浴室を広く使えるように改造したいなら、手すりや段差は介護保険の住宅改修で、介護保険の対象に入らない改造はこの助成で、と分けて相談する形が考えられます。どの工事がどちらに入るかは、区役所の窓口で確かめることなので、ケアマネジャーにも相談しながら、見積を取る前に相談の予約を入れます。
編集部の整理では、川崎市で高齢の家族のために水回りを直すなら、最初の連絡先は業者ではなく、ケアマネジャーと区役所の高齢・障害課です。工事に着手した後では助成を受けられないので、業者に「いつから工事できますか」と聞くのは、相談の結果が出てからにしてください。
県や隣の市の補助金の情報を当てはめない
市の補助の情報は、住所の市の、今年度の公式ページで確かめたものだけを使います。県の制度や隣の市の制度、去年の募集の情報を、自分の住所にそのまま当てはめると、対象も受付の時期も食い違うからです。
市の制度は、年度ごとに内容が改まることがあります。名前が同じでも、年度が変われば対象の工事や受付の期間が変わることがありますし、隣の市とは目的も条件も別物です。県の制度は、県が独自に設けているもので、市の制度とは窓口も申請の仕方も違います。横浜市の制度名に「令和8年度」と入っているように、公式ページは年度を明記しているので、年度と最終更新日を必ず見てください。
- 1住所の市の公式ページを開く県や隣の市ではなく、住んでいる市
- 2今年度の制度か確かめる制度名の年度と最終更新日
- 3水回りが対象工事にあるか読む設備の名前・工事の名前・住宅の種類
- 4担当課に電話で確かめる受付の状況と、自分の工事が当てはまるか
一覧型のまとめサイトは、候補を見つけるのには便利ですが、載っている内容がいつの時点のものかを確かめてから使います。横浜市と川崎市の例のように、同じ県の中の隣り合う市でも、一方は戸建ての断熱改修、もう一方は高齢者の住宅改造と、まったく違う作りの制度を出しています。
たとえば、検索で「隣の市ではトイレの交換に補助が出た」という記事を見つけても、それは隣の市の要綱の話です。自分の市の公式ページに同じ制度が無ければ、「うちの市にもあるはず」と考えずに、担当課に水回りが対象になる制度があるかを聞きます。去年の記事で見た額や受付期間も、今年度の公式ページで取り直します。
編集部の整理では、住所・年度・最終更新日の3つがそろった情報だけを、見積と家族への説明に使うのが確実です。そろわない情報は「候補」として控えておき、公式ページか担当課で確かめてから使ってください。
国の補助金で水回りが対象になる条件

国のみらいエコ住宅2026事業(国土交通省)では、節水型トイレ・高断熱浴槽・節湯水栓などの水回りの設備が補助対象工事に挙がっていますが、水回りの工事だけでは申請できません。補助を受けられる住宅になるには、居室の窓などの断熱改修である「要件化工事」をする必要があるからです。
この事業のリフォームの対象は、躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む幅広いリフォーム工事です。要件書では、平成28年以前に新築された住宅に要件化工事をし、そのうえで決められた種類のリフォーム工事をすることを補助の条件にしています。要件化工事は、外に面した開口部がある任意の1つの居室(トリガールーム)で行う断熱改修で、その部屋の外に面したすべての開口部を、2025年11月28日以降に改修する必要があります。
みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.14・p.26(2026年10月22日に確認)。p.14:「以下①を実施した住宅に実施する②に該当するリフォーム工事等(申請する補助額合計が5万円以上) を補助対象とします。①平成28年以前に新築された住宅*1に要件化工事*2を実施 ②以下のカテゴリーa)~i)に該当するリフォーム工事等(補助対象工事)」。d) エコ住宅設備の設置=太陽熱利用システム / 節水型トイレ / 高断熱浴槽 / 節湯水栓 / 蓄電池 / 第一種換気設備。e) 子育て対応改修=家事負担の軽減に資する設備の設置 / 防犯性の向上に資する開口部の改修 / 生活騒音への配慮に資する開口部の改修 / キッチンセットの交換を伴う対面化改修。g) バリアフリー改修=手すりの設置 / 段差解消 / 廊下幅等の拡張 / 衝撃緩和畳の設置。p.26:居室の例示=居間(リビング) / 食事室(ダイニング) / 台所(キッチン) / 応接室 / 書斎 / 寝室 / 子供部屋 ほか。居室と認められない室=玄関 / 廊下 / 階段 / 浴室 / シャワールーム / 脱衣室 / 洗面所 / トイレ / パウダールーム ほか。
| 水回りの工事 | 要件書のカテゴリー | 単独で申請できるか |
|---|---|---|
| 節水型トイレ・高断熱浴槽・節湯水栓 | エコ住宅設備の設置 | できない(要件化工事が前提) |
| 家事の負担を軽くする設備・対面化のキッチン交換 | 子育て対応改修 | できない(要件化工事が前提) |
| 浴室やトイレの手すり・段差解消 | バリアフリー改修 | できない(要件化工事が前提) |
ここで見落としやすいのが、部屋の扱いの違いです。要件書は、浴室・脱衣室・洗面所・トイレを「居室と認められない室」に挙げる一方で、台所(キッチン)を居室の例示に入れています。浴室やトイレはトリガールームになれませんが、外に面した窓があって壁や建具で仕切られたキッチンなら、その窓の断熱改修を要件化工事の候補として事業者に相談できる、ということです。
申請する補助額の合計は5万円以上が必要で、同じ発注者の同じ住宅で、先進的窓リノベ2026事業(環境省)などの他の構成事業の交付決定を受けている場合は2万円以上に下がります。リフォームの交付申請は2026年6月30日から、予算の上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)で、工事の着手は令和7年11月28日から交付申請を行う日までのものが対象です。申請するのは施主ではなく、施主と契約した住宅事業者です。
たとえば、浴室とトイレを替える計画だけなら、この事業は使えません。同じ時期に寝室の外に面したすべての窓を内窓にするなどの計画があれば、寝室をトリガールームにして、水回りの対象製品を同じ申請に乗せられる可能性があります(改修の組み合わせによっては、壁・床などの断熱が加わることもあります)。設備ごとの国の額は、このサイトの制度ファクト表にまだ行が無いので、事業者に要件書の表で示してもらってください。トイレの場合の組み方はトイレの補助金の記事に、水回りをまとめるときの見積の分け方は水回りのまとめの記事に書いています。


出典:みらいエコ住宅2026事業 公式サイト/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」
介護保険の住宅改修と市の補助金の分け方
要介護・要支援の認定を受けた家族の住まいで水回りを直すなら、先に考えるのは介護保険の住宅改修で、市の高齢者向けの助成があれば、その外側の工事を受け持つ形かどうかを要綱で確かめます。川崎市の助成が「介護保険制度の住宅改修以外の工事」と書いているのは、この役割分担を表しています。
介護保険の住宅改修は、全国共通の仕組みです。対象になる改修の種類が決まっていて、手すりの取付け、段差の解消、滑りの防止や移動を楽にするための床や通路の材料の変更、引き戸などへの扉の取替え、洋式便器などへの便器の取替え、これらに付帯して必要な改修が挙がっています。浴室やトイレの手すり、和式から洋式への便器の交換は、まずここに当たるかを見ます。
厚生労働省「介護保険における住宅改修」(2026年10月22日に確認):支給対象となる住宅改修の種類=(1)手すりの取付け(2)段差の解消(3)滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更(4)引き戸等への扉の取替え(5)洋式便器等への便器の取替え(6)その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修。住宅改修を行う際は、必要な書類(住宅改修が必要な理由書等)を添えて、事前に市町村へ申請書を提出し、工事完成後、領収書等を提出することにより、保険給付される(やむを得ない事情がある場合には、工事完成後に申請も可能)。
介護保険で戻る額の決まり方は、次のとおりです。
| 項目 | 介護保険の住宅改修 |
|---|---|
| 支給限度基準額 | 生涯20万円(要支援・要介護の区分にかかわらず定額) |
| 保険給付の割合 | 原則9割(上限18万円)、所得に応じて8割(上限16万円)・7割(上限14万円) |
| 申請の時期 | 工事の前(やむを得ない事情があれば完成後も可) |
| 事前に出す書類 | 支給申請書・工事費見積り書・住宅改修が必要な理由書・完成予定の状態が分かるもの |
事前に出す工事費の見積り書について、厚生労働省の資料は、複数の事業所からの見積もりの提出を促すとしています。介護保険を使うときも、1社の見積だけで決めない仕組みになっているということです。
たとえば、要介護の認定を受けた親のトイレを和式から洋式に替え、浴室に手すりを付ける家なら、便器の取替えと手すりは介護保険の種類に入ります。浴室全体を新しくするような、介護保険の種類に入らない工事が残る場合に、住所の市に高齢者向けの住宅改造の助成があるかを確かめ、あれば市の窓口に、どの工事を市の助成で見てもらえるかを相談します。介護保険と市の助成を同じ工事に重ねられるかは、ここで確かめた資料には書かれていないので、重ねられる前提で計画しないでください。
編集部の整理では、高齢の家族の水回りは「介護保険の種類に入る工事」「市の助成で相談する工事」「自費の工事」の3つに分けて考えると、窓口でも見積でも話が通じやすくなります。手すりや段差の工事の優先順位と税の戻りは、バリアフリーリフォームの記事で詳しく扱っています。

国・市・介護保険の補助金を併せて使う確かめ方
国・市・介護保険を一緒に使えるかは、それぞれの決まりを満たすかで決まり、どれか1つが「併用できない」と書いていれば使えません。原則は「1つの工事に1つの補助」で、同じ便器や同じ手すりに複数の補助を重ねる前提では計画しないことです。
国の側の線引きは、みらいエコ住宅2026事業の要件書に書かれています。補助の対象が重なる国の他の補助で、国費が充当されているもの(国の直接の補助や、国の交付金を使って地方公共団体が実施している補助)とは併用できません。一方で、地方自治体が独自に、この事業への上乗せや併用を前提として用意している補助は併用でき、地方公共団体が窓口の補助との併用の可否は、その窓口に確かめるよう書かれています。先進的窓リノベ2026事業も、地方公共団体の補助制度とは、国費が充当されているものを除いて併用できるとしています。
みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.19「1-18 補助金の併用について」(2026年10月22日に確認):本事業と補助対象が重複する他の補助事業であって、国費が充当されているもの(国による直接補助事業や、国土交通省の「社会資本整備総合交付金」等を活用して地方公共団体が実施している補助事業)との併用はできません。ただし、地方自治体が独自に、本補助金への上乗せや、本事業との併用を前提として措置している補助事業は併用可能です。なお、地方公共団体が申請窓口となる補助事業との併用可否については、窓口となる地方公共団体にご確認ください。
- どの制度の話か分からない
- 同じ工事に重ねる前提
- 市の補助の財源が見えない
- 国・市・介護保険のどれかが分かる
- 工事ごとに申請先が1つに決まる
- 国費が入っているかを窓口で聞いた
市の側は、要綱の「他の補助金との併用」の欄と、市が出している案内を読みます。横浜市の補助金併用チラシのように、国・県・市の制度を1枚に並べ、色分けで原則として併用できない組み合わせを示している市もあります。こうした案内があれば、まずそれを読み、無ければ担当課に「この制度に国費は入っていますか」「国の補助や介護保険を受ける工事と一緒に使えますか」と聞きます。
たとえば、横浜市の戸建てで、窓の断熱改修を国の窓リノベで申請し、壁の断熱改修を市の制度で、と考えるなら、市のチラシで両者の組み合わせがどう示されているかを読み、最後は市の担当課と国の事業の申請をする事業者の両方に確かめます。水回りの設備をみらいエコで申請する場合も、同じ工事を市の制度に重ねないことが前提です。
編集部の整理では、確かめた結果は「工事ごとの申請先の表」にして、業者と家族に同じものを渡すのがいちばん確実です。国と市区町村の補助金の併用の考え方そのものは、住所で探す記事の併用の項にもまとめています。
出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細」
市の条件を満たす業者に見積を頼む

市・国・介護保険のどれを使うかが見えたら、その条件を満たせる業者に、制度ごとに行を分けた見積を頼みます。補助の条件は「誰が申請するか」「どの業者が工事をするか」「いつ着工するか」にかかっているので、業者を決めた後では動かしにくいからです。
横浜市の断熱改修の補助では、申請するのは市の登録制度に登録された事業者で、国の住宅省エネ2026キャンペーンの各事業も、消費者と契約する住宅事業者が交付申請の手続きをします。川崎市の高齢者向けの助成は、工事に着手する前の相談が条件です。介護保険の住宅改修は、工事の前に見積を添えて申請します。どれも、見積を頼む段階で業者に伝えておかないと、条件を満たせない契約や日程になってしまいます。
見積を頼むときに伝えること・確かめることは、次の5つです。
- 使う予定の制度(市の制度名・国の事業名・介護保険)と、工事ごとの申請先
- 市の登録制度や国の事業者登録をしているか
- 着工の前に必要な相談や申請があり、その結果を待って着工できるか
- 水回りの設備の品番と、補助の対象製品かどうか
- 工事前・工事中・工事後の写真を撮る段取り
とくに抜けやすいのが3と5です。市の助成や介護保険の結果を待たずに着工すると、その分の補助は受けられませんし、横浜市の断熱改修のように、工事中の写真が無いと交付を受けられない制度もあります。見積書の行の分け方と、同じ条件で複数の会社に頼むときの頼み方は、見積の取り方の記事にまとめています。

たとえば、A社は市の登録制度にも国の事業者登録にも入っていて、トイレと浴室の工事を介護保険・国の事業・自費の行に分けて書いてくれた、B社は「水回りリフォーム一式(補助金適用)」の1行だった、という場合、安さより先に、B社の見積がどの制度のどの条件を前提にしているかを聞き直します。同じ5つの条件で書き直してもらってから比べれば、補助を差し引いた後の金額を正しく比べられます。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
いま相談している業者が市と国の登録を済ませていて、上の5つに沿って見積を書いてくれるなら、ほかを探す必要はありません。それでも、市の条件と国の登録の両方を満たし、トイレと浴室を同じ条件で見積もってくれる会社を1社しか知らない、という場合は、比べる相手を増やすのが先です。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえるハピすむを使うなら、申し込みの時点で「使う予定の市の制度名」と「着工前の相談や申請を待てるか」を条件として伝えてから見積を比べてください。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
水回りの補助は、工事を安くするための手段で、工事を決める理由ではありません。条件に合わせることで、補助の額より大きな手間や出費が生まれるなら、使わない、あるいは急がない判断も選択肢です。
- 市や国の補助の条件に合わせるため、予定に無かった窓や壁の断熱の工事を足そうとしている場合
- 市の登録事業者に絞ると、見積を比べられる会社が1社しか残らない場合
- 補助の受付の締切を理由に、介護保険や市の相談の結果を待たずに着工を急かされている場合
- 補助の対象製品に合わせるため、家族の使い方に合わない便器や浴槽を選ぼうとしている場合
国の事業の受付は予算の上限に達するまでなので、残りの具合はページ上部の帯と予算残のページで確かめ、補助を受けられなかった場合でも納得できる総額かを、補助なしの金額で一度確かめておくと安心です。
反対に、急いだほうがいいのは、床に水がにじむ、配管から水が漏れている、浴室の床や壁にひびがあるといった症状がある場合です。水漏れは床下や土台を傷めるので、補助の段取りより点検と修理を先にします。介護の必要が急に高まって浴室やトイレの手すりが今すぐ要る場合も同じで、介護保険にはやむを得ない事情があれば工事の完成後に申請できる扱いがあるので、ケアマネジャーと窓口に事情を伝えて進め方を相談してください。
迷ったときは、「補助が無くてもこの水回りの工事をするか」を先に考えます。答えが「する」なら、市・国・介護保険の補助を上乗せとして探す。答えが「補助があるならする」なら、足す工事も含めた総額と、手元に残るお金で判断する。この順番にすると、補助の話に工事の中身を引っ張られずに済みます。
よくある質問
横浜市のリフォーム補助金はいくらですか?
このサイトでは市の補助額を書いていません。2026年10月22日に確かめた横浜市の令和8年度の既存住宅断熱改修補助制度は、戸建ての断熱改修が対象で、額は世帯の条件や改修の範囲で分かれており、公式ページとチラシに書かれています。水回りの設備の交換だけでは、この制度の対象として書かれていませんでした。
マンションの水回りでも市の補助金は使えますか?
市の制度ごとに違うので、要綱の対象住宅の欄を確かめてください。横浜市の令和8年度の既存住宅断熱改修補助制度は、住宅の要件に「共同住宅を除く」と書いています。マンションで水回りを直すときの配管や管理規約の確かめ方は、マンションの水回りの記事にまとめています。

もう工事を頼んでしまいました。今から市に申請できますか?
制度の申請の時期しだいです。川崎市の高齢者住宅改造費助成事業は、工事に着手した後に申請すると助成を受けられないと書いています。契約日と着工日を手元に置いて、住所の市の担当課に、いまからでも対象になるかを聞いてください。
2026年度もトイレやお風呂の補助金は出ますか?
国のみらいエコ住宅2026事業は、要件化工事をした住宅で節水型トイレや高断熱浴槽などを補助しており、リフォームの交付申請は予算の上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)です。市の制度は市ごと・年度ごとに違うので、住所の市の今年度の公式ページで確かめます。
市の補助金は自分で申請するのですか?
制度によって違います。横浜市の令和8年度の既存住宅断熱改修補助制度は、市の登録制度に登録された事業者が申請し、個人が直接申請することはできないと書いています。国の住宅省エネ2026キャンペーンの各事業も、住宅事業者が申請します。介護保険の住宅改修は、工事の前に本人や家族が窓口に申請します。
国の補助金と市の補助金は両方もらえますか?
国と市の両方の決まりを満たせば、使える場合があります。国のみらいエコ住宅2026事業は、国費が充当された地方公共団体の補助とは併用できず、地方自治体が独自に上乗せや併用を前提として用意した補助なら併用できるとしています。市の要綱の併用の欄と、市が出している案内を読み、最後は市の担当課に確かめてください。
見積を見る前のおさらい
- 水回りの市の補助は、部位ではなく市ごとの制度(省エネ・高齢者の住宅改造・耐震など)の中に入るかで決まる
- 横浜市で確かめた令和8年度の断熱改修の補助は、戸建てが対象で、申請は登録事業者。トイレ・浴室・キッチンの設備の交換は対象として書かれていない
- 川崎市の高齢者住宅改造費助成事業は浴室・手洗所を挙げるが、要支援以上の認定を受けた高齢者・介護保険の住宅改修以外の工事・着手前の相談が条件
- 県や隣の市、去年の情報は当てはめない。住所・年度・最終更新日がそろった情報だけを使う
- 国のみらいエコ住宅2026事業は水回りだけでは申請できない。浴室・洗面所・トイレは居室ではなく、台所は居室の例示に入る
- 認定を受けた家族の水回りは、介護保険の住宅改修を先に確かめ、市の助成はその外側の工事として相談する
- 国費が入った市の補助とは国の事業を併用できない。市の案内と担当課で、工事ごとの申請先を1つに決める
- 業者には、使う制度・登録の有無・着工前の手続き・品番・写真の5つを伝えて、制度ごとに行を分けた見積を頼む
市の補助を探すときに迷うのは、「水回り」という自分の側の言葉と、「省エネ」「高齢者」という市の側の言葉が噛み合わないからです。自分の工事がどの目的の制度に近いかを先に決め、住所の市の今年度の公式ページで中身を確かめれば、営業の「市の補助も使えます」がどの制度の話なのかを聞き返せます。まずは住所の市の公式ページを開き、水回りが入りそうな制度の名前と最終更新日を控えるところから始めてください。


