2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 窓枠はそのままで、ガラスだけ替えても補助金は出るの?
- ペアガラスにすると、いくら戻ってくる?
- 引違い窓はガラスが2枚。補助は1か所分、それとも2枚分?
- 同じガラスなのに、業者によって性能の区分が違うのはなぜ?
- 真空ガラスにすれば、いちばん高い区分になる?
- 内窓を付けるのとガラスを替えるのでは、補助金が多いのはどっち?
- 小さい窓のガラスだけでも、申請できる?
上記のような悩みに答えます。
窓ガラスの交換は、今のサッシを残してガラスだけを断熱性の高いものに替える工事で、内窓や窓ごとの交換より工事の範囲が小さいぶん、手軽な断熱の方法として検討されます。検索するとAIの要約が「窓リノベで最大◯万円」と上限を示し、上位にはガラスメーカーや施工店のページが並びますが、メーカーは自社の製品の範囲で、施工店は自社への相談で話が終わりがちです。そこで、ガラス交換が対象になる条件と額の表という基本を押さえたうえで、額がガラス1枚ごとに数えられること、区分がガラスの名前ではなく今のサッシとの組み合わせで決まること、内窓と数え方がどう違うか、みらいエコ住宅2026事業との境目まで、環境省の事業の公式サイトとよくある質問、国土交通省の要件の資料で確かめながら整理しました。
ガラスだけの交換も、先進的窓リノベ2026事業の「ガラス交換」として補助の対象になります。額はガラス1枚ごとに、戸建てか集合住宅か・性能区分・ガラスの大きさで公式の表から決まり、引違い窓なら交換したガラスの枚数分を足します。性能区分はガラスの名前ではなく、メーカーの性能証明書と今のサッシの組み合わせで決まり、1回の申請の合計が5万円未満なら申請できません。
ガラスの枚数と区分を入れて、窓リノベでいくら戻るかは補助金の計算ツールで確かめられます。

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
ガラスだけの交換も対象になる
先進的窓リノベ2026事業(環境省)では、窓枠を残してガラスだけを替える工事も、内窓設置や外窓交換と並ぶ「ガラス交換」という工事の種類として補助の対象になります。ただし、どんなガラスの入れ替えでもよいわけではなく、公式が定める形の工事に当てはまる必要があります。
公式は、ガラス交換を「既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、複層ガラス等に交換する工事」としています。この事業は住宅の断熱の性能を上げることが目的なので、割れたガラスを同じ1枚ガラスに入れ替えるような修理は、この形に当てはまりません。反対に、動く部分の障子(ガラスとフレーム)だけを替えて枠は残す工事は、窓の交換ではなくガラス交換として扱われます。
| 工事の形 | 扱い |
|---|---|
| 今のサッシを残し、ガラスを複層ガラス等に替える | ガラス交換として対象 |
| 障子(ガラス+フレーム)だけを替え、枠は替えない | ガラス交換として扱う |
| すでにある二重窓の、内か外のどちらかのガラスを替える | ガラス交換の製品(二重窓リフォーム品)がある |
| 玄関ドアなど、ドアに付いているガラスだけを替える | 対象にならない |
| 中古品・展示で組み立てた品を使う | 対象にならない(新品が条件) |
たとえば、玄関ドアの小窓のガラスを断熱ガラスに替えたいと考えても、ドアのガラスだけの交換はこの事業では対象外です。ドアを補助の対象にするには、ドアそのものを交換し、しかも窓の工事と同じ契約で同時に申請する必要があります。その条件は玄関ドア交換の補助金はいくら?で扱っています。

もう1つ押さえておきたいのは、申請するのが施主ではないことです。この事業は、工事を請け負うリフォーム事業者などの登録事業者が交付申請をし、受け取った補助金を施主に全額還元する仕組みで、住宅の持ち主が直接申請することはできません。対象になる工事の種類を一通り確かめたいときは、先進的窓リノベ2026事業の対象要件は?にまとめています。
ガラス交換を考え始めたら、最初に見積の工事名が「ガラス交換」になっているか、その対象が外の空気に面した窓のガラスかどうかを確かめてください。外に面していない部屋の間仕切りのガラスは、そもそもこの事業の対象ではありません。
出典:公式「対象工事の詳細【ガラス交換】」/先進的窓リノベ2026事業 よくあるご質問(住宅リフォーム)
補助金はガラス1枚ごとに数える

ガラス交換の額は、窓1か所ではなくガラス1枚ごとに決まります。2枚のガラスでできた引違い窓なら、2枚とも替えれば2枚分の額を足したものが、その窓の補助額です。
公式の表には「ガラス1枚あたりの補助額」と書かれ、複数のガラスでできた窓は、交換したガラスの枚数に応じた額になると定められています。内窓や外窓交換が「窓1か所」で数えるのと違い、ガラス交換は工事の単位がガラスなので、数える単位もガラスになっています。そのため大きさの区分も窓の面積ではなく、ガラス1枚の面積で見ます。
- 1工事の形を確かめるガラス交換に当たるか
- 2建物の種類を見る戸建てか集合住宅か
- 3性能区分を見るガラスとサッシの組み合わせ
- 4ガラスの大きさを見る1枚の面積で区分
- 5枚数分を足す下限5万円・上限100万円
| ガラス1枚の大きさ | 戸建て P(SS) | 戸建て S | 戸建て A |
|---|---|---|---|
| 特大(G) 2.0㎡以上 | 78,000円 | 53,000円 | 41,000円 |
| 大(L) 1.4㎡以上2.0㎡未満 | 52,000円 | 35,000円 | 27,000円 |
| 中(M) 0.8㎡以上1.4㎡未満 | 32,000円 | 23,000円 | 18,000円 |
| 小(S) 0.1㎡以上0.8㎡未満 | 11,000円 | 7,000円 | 5,000円 |
性能区分は、窓の熱の伝わりやすさを表す熱貫流率で分けられていて、P(SS)が1.1以下、Sが1.5以下、Aが1.9以下です。数字が小さいほど熱を通しにくく、額も大きくなります。マンションなど集合住宅の表は戸建てより少し高く、たとえばP(SS)の中(M)は1枚35,000円、Sの中(M)は1枚25,000円です。内窓・外窓交換を含めた額の全体は先進的窓リノベ2026事業の補助額と上限は?で一覧にしています。

- 戸建て・引違い窓1か所(ガラス2枚)・P(SS)・ガラス1枚が中(M):32,000円 × 2枚 = 64,000円
- 同じ窓で、区分がSだった場合:23,000円 × 2枚 = 46,000円(この窓だけでは下限の50,000円に届かない)
- 同じ窓が集合住宅で、区分がP(SS)の場合:35,000円 × 2枚 = 70,000円
たとえば営業から「この窓はガラス交換で3万円ちょっと」と言われたら、1枚分だけで話しているのか、2枚分を足した額なのかを確かめてください。逆に、引違い窓の片側だけを替える見積なら、補助も替えた1枚分です。窓の数ではなく、交換するガラスの枚数を見積に書いてもらうと、表から自分で額を拾えます。
区分はガラスとサッシの組み合わせで決まる
ガラス交換の性能区分は、ガラスだけで決まるのではなく、そのガラスと今のサッシの組み合わせで決まります。同じ製品のガラスでも、入れる窓のサッシが違えば、区分が変わることがあります。
窓の熱の逃げやすさは、ガラスだけでなく、ガラスを囲むサッシ(枠)からも左右されます。ガラス交換は今のサッシを残す工事なので、補助の物差しである窓全体の性能は、新しいガラスと残るサッシの両方で決まる、という考え方です。公式は、サッシの性能を「木製・樹脂製」「金属とその他素材との複合」「金属製」の順に高いものとして示しています。
| 製品の種類 | どんな窓向けか | 性能証明書の記号 |
|---|---|---|
| 汎用ガラス | 今のサッシの大きさに合わせて加工する一般的な交換用ガラス。木製・樹脂製・複合・金属製のどのサッシとも組み合わせる | Gで始まるグレードコードなど |
| リフォーム専用ガラス | 金属製サッシについている1枚ガラスを、複層ガラスに替えるための製品。アタッチメント付きや薄型がある | Rで始まるグレードコード |
| 二重窓リフォーム品 | すでに内窓と外窓がある二重窓の、どちらかのガラスを替える製品 | Wで始まるグレードコードなど |
どの製品にも、メーカーが発行する性能証明書に「グレードコード」というガラスの性能の記号が書かれていて、その記号と今のサッシの組み合わせで区分が決まります。記号の末尾にSが付くものは、同じ断熱の性能に加えて防災の性能もある製品です。どの記号とどのサッシでどの区分になるかは製品ごとに決まるので、ここで一覧にはしません。
たとえば、2社から同じメーカーの同じガラスで見積を取ったのに、1社はS、もう1社はAの区分で補助額を出してきたとします。サッシの材質の見立てが違っている可能性があります。同じ窓の区分は本来1つに決まるので、どちらかが前提を取り違えているのかもしれません。サッシの材質は区分を左右し、今の家のサッシが金属製なら、ガラスだけを高い性能にしても、窓全体の区分は樹脂製のサッシに入れた場合より下がりうる、と公式のサッシの性能の並びから読めます。
見積の区分を確かめるときは、ガラスの品番に加えて、「今のサッシを何製として組み合わせたか」を聞いてください。区分の根拠は最終的に性能証明書に書かれるので、工事の前に、どの性能証明書で申請する予定かを確かめておくと、あとで額が変わる心配が減ります。
出典:公式「対象工事の詳細【ガラス交換】」(ガラス交換用製品の種類)
ペアガラスや真空ガラスは名前で決まらない
ペアガラス、Low-E複層ガラス、真空ガラスといった呼び名だけでは、補助の区分も、対象になるかどうかも決まりません。決めるのは、事務局に登録された製品かどうかと、性能証明書に書かれる区分です。
ガラスの呼び名は、ガラスの構造を言っているだけです。ペアガラスは2枚のガラスの間に空気などの層をはさんだもの、Low-E複層ガラスはそこに特殊な金属の膜を付けたもの、真空ガラスは2枚の間を真空にしたものです。けれども上で見たとおり、窓リノベの区分はガラスとサッシの組み合わせで決まるので、「真空ガラスだからP(SS)」「ペアガラスだからA」とは言えません。
真空ガラスについて、メーカーの説明を1つ見ておきます。
日本板硝子の真空ガラス「スペーシア」のQ&A(2026年10月22日に確認):「スペーシア」は厚さ6.2ミリなので、今使っているサッシにそのまま取り替えることができる、としている。製品はすべてオーダーメイドで、規格の寸法はない。このページには、窓リノベの性能区分(P(SS)・S・A)は書かれていない。
日本板硝子は、同社の真空ガラス「スペーシア」について、今お使いのサッシにそのまま取り替えられると説明しています。これは同社のこの製品の説明で、ほかの真空ガラスやペアガラスにそのまま当てはまるとは限りません。ただし、それでどの区分になるかは、その家のサッシとの組み合わせと、性能証明書を見るまで分かりません。メーカーのページは自社の製品の説明なので、補助額を決める材料としては、見積の品番と性能証明書のほうを見てください。
たとえば「防犯ガラス」「防音ガラス」と書かれた製品でも、窓リノベで見るのは断熱の区分だけです。防音や防犯の性能そのものは、この事業の額を動かしません。防音を目的に窓を選ぶときの補助の考え方は、防音目的の内窓に補助金は出る?で扱っています。
ガラスの名前で迷ったら、見積の行に「製品名」「品番」「グレードコード」「性能区分」が並んでいるかを見てください。呼び名しか書かれていない見積は、補助額の根拠をまだ示していない見積です。
出典:日本板硝子「真空ガラス スペーシア」/先進的窓リノベ2026事業 よくあるご質問(住宅リフォーム)
5万円の下限に枚数で届くか

ガラス交換は1枚あたりの額が小さいので、1回の申請の合計が5万円に届くかどうかを最初に確かめる必要があります。届かなければ、額の計算がどれだけ正しくても申請できません。
先進的窓リノベ2026事業は、1回の申請の補助額の合計が5万円未満だと申請できない決まりです。下限は窓1か所ずつではなく、1回の申請にまとめたガラスの合計で見ます。ガラス交換は戸建ての小(S)の1枚が5,000円から11,000円の幅なので、小さい窓のガラスを数枚替えるだけの工事では、合計が下限に届かないことがよくあります。
- 戸建て・S・小(S)のガラスを6枚(小窓3か所×2枚):7,000円 × 6枚 = 42,000円 → 5万円未満のため、この工事だけでは申請できない
- 同じ申請に、S・大(L)のガラス2枚(大きい窓1か所)を加える:35,000円 × 2枚 = 70,000円
- 合計:42,000円 + 70,000円 = 112,000円 → 下限の50,000円を超える
上の例のように、小窓だけでは届かなくても、同じ申請の中に大きい窓のガラスが入ると下限を超えます。家じゅうの窓を一度に見直す場合は、どの窓をどの工事にするかをまとめて決めてから、1回の申請で出してもらうのが基本です。
給湯器も一緒に替えるから下限が下がる、と聞くことがありますが、窓リノベの下限は窓リノベの申請だけで見ます。下限が下がるのはみらいエコ住宅2026事業の側です。みらいエコのリフォームは補助額の合計が5万円以上で申請でき、同じ発注者の同じ住宅で窓リノベや給湯省エネ2026事業などの交付決定を受けている場合に限り、下限が2万円になります。
小さい窓のガラスだけを替えたいときは、見積の段階で「この工事だけで補助額の合計はいくらか、5万円に届くか」を聞いてください。届かないと分かったら、補助金を前提にせずに進めるか、ほかの窓と合わせるかを考えることになります。下限のために困っていない窓まで足すかどうかは、下の「使わない・急がない場合」の項で考えます。
出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業」詳細資料/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」
内窓とガラス交換はどちらが得か

同じ窓を内窓にするかガラス交換にするかで、補助額は数え方から違います。どちらが多く戻るかは窓によって入れ替わるので、補助額ではなく、補助を引いたあとの自己負担額どうしで比べるのが確実です。
内窓は「窓1か所」を単位に、窓の面積で大きさを決めます。ガラス交換は「ガラス1枚」を単位に、ガラスの面積で大きさを決めます。しかも内窓にはP(SS)とSの区分しかなく、ガラス交換にはAの区分もあります。数える単位・大きさの物差し・区分の種類が3つとも違うので、同じ窓でも額がそろわないのは当然です。
- 窓1か所で数える
- 大きさは窓の面積で見る
- 区分はP(SS)とSの2つ
- ガラス1枚で数える
- 大きさはガラス1枚の面積で見る
- 区分はP(SS)・S・Aの3つ
戸建て・引違い窓1か所(ガラス2枚)で、窓の面積は内窓の中(M)の区分という窓について、ガラス1枚の大きさが中(M)の場合と、窓の面積が下限に近くガラスが小さめで小(S)になる場合を並べた例
- 内窓・P(SS)・中(M):1か所 58,000円
- 内窓・S・中(M):1か所 34,000円
- ガラス交換・P(SS)・ガラス1枚が中(M):32,000円 × 2枚 = 64,000円
- ガラス交換・P(SS)・ガラス1枚が小(S):11,000円 × 2枚 = 22,000円
上の比べ方で分かるとおり、ガラス1枚の面積が中(M)の下限である0.8㎡に届くかどうかで、ガラス交換の額は大きく動きます。届けば内窓のP(SS)の額を上回ることがあり、届かなければ内窓のSの額も下回ります。窓の形によってガラスの面積は変わるので、「ガラス交換のほうが得」「内窓のほうが得」と一般には言えません。
もう1つの決まりは、同じ窓に2つの補助は付かないことです。公式のよくある質問では、同じ開口部に内窓と外のガラス交換のように複数の工事をしても、窓リノベとみらいエコの両方の事業を通じて、補助を申請できるのは1つの製品だけとされています。すでに内窓がある二重窓のガラスを替えることはできますが、内窓を新しく付けて外のガラスも替えた場合、補助はどちらか一方です。
比べるときは、同じ窓について「内窓の場合」と「ガラス交換の場合」の2通りの見積を出してもらい、それぞれ工事代から補助額を引いた額を並べてください。内窓の見積の行の読み方と値段の物差しは、内窓(二重窓)の値段はいくら?で整理しています。

出典:公式「内窓設置」/公式「ガラス交換」/先進的窓リノベ2026事業 よくあるご質問(住宅リフォーム)
みらいエコでガラス交換が出る場合
性能区分がP(SS)・S・Aに当たるガラス交換は、みらいエコ住宅2026事業ではなく先進的窓リノベ2026事業で申請します(窓リノベの予算に達したあとは、みらいエコの補助対象として扱うと国土交通省の資料にあります)。みらいエコでもガラス交換が補助されることはありますが、それは窓リノベの区分に当たらない製品などで、しかも家全体の条件を満たした場合に限られます。
みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、床・壁・天井の断熱を含む幅広いリフォームが対象ですが、補助を受けるには先に「要件化工事」をする必要があります。発注者が選んだ外に面した窓のある1つの居室(トリガールーム)で、窓などの開口部の断熱改修と、決められた組み合わせの躯体の断熱改修をすることが条件です。開口部は、その部屋の外に面したすべての窓を改修しなければなりません。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| P(SS)・S・Aのガラス | 窓リノベに申請する。みらいエコでは要件化工事には数えるが、補助の対象工事にはならない |
| みらいエコでガラス交換が登録されている機能 | 断熱等・防音・防災(防犯はガラス交換の登録なし) |
| 要件化工事 | トリガールームの外に面したすべての開口部を改修する。躯体の断熱改修の要否は窓の区分と新築の年で変わる |
| 申請の下限 | 補助額の合計が5万円以上(ほかの構成事業の交付決定がある場合は2万円以上) |
国土交通省の要件の資料には、平成3年以前に建てた住宅を義務基準に合わせる場合、トリガールームの窓の最低の区分がPなら躯体の断熱改修は不要、Sなら1部位、Aなら2部位といった組み合わせの表があります(義務基準に合わせる場合は、高効率給湯器か高効率エアコンの設置も組み合わせに入ります)。窓リノベで申請するガラス交換を、みらいエコの要件化工事に数えることもできるので、2つの事業を同時に使う家では、どの窓をどちらの事業で出すかを事業者に整理してもらう必要があります。
たとえば、1つの部屋の窓のガラスを窓リノベのSの区分で替え、その部屋の壁の断熱改修と高効率給湯器の設置もして、みらいエコでも申請する、という組み立てが考えられます。どの組み合わせで要件を満たすかは、新築の年と、合わせたい省エネの基準で変わるので、事業者に「この家は平成何年の新築として、どの組み合わせ表で見るか」を聞いてください。
ガラスだけを替える工事なら、まずは窓リノベで考え、みらいエコは家全体の断熱や設備の工事と一緒に検討するとき、と分けて考えると混乱しません。防音の機能でみらいエコを使う場合の考え方は、防音目的の内窓に補助金は出る?で触れています。
出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/公式「ガラス交換」
ガラス交換の見積で確かめること
ここまでの話を、契約の前に業者へ聞く形に並べ直すと、次の6つになります。見積書の補助額が1行だけなら、この6つを書き込んでもらうところから始めてください。
- 工事の形はガラス交換か(障子ごと替えるのか、ガラスだけか)と、交換するガラスの枚数
- 建物の種類(戸建てか集合住宅か)と、どちらの表で計算したか
- ガラスの製品名・品番・グレードコードと、今のサッシを何製として組み合わせたか
- その組み合わせの性能区分(P(SS)・S・A)と、ガラス1枚ごとの大きさの区分
- 1枚ごとの額と、1回の申請の合計(5万円以上か)
- 着工日と完了予定日、予約の予定日、補助が出なかった場合の代金の扱い
1から5は、補助額の根拠を確かめる質問です。ガラス交換は1枚ごとの額が小さく、区分が1つずれるだけで合計が下限を割ることもあるので、窓ごとではなくガラスごとの行に分けてもらうと検算できます。6は、期限と予算の範囲で申請できなかったときに、誰がどう負担するかを先に決めておくための質問です。
公式のよくある質問では、補助額より安い金額で契約した工事は対象にならず、工事費には対象のガラスの販売価格と取付の費用が入り、消費税は含めないとされています。小さいガラスの交換でも、ガラスの代金と取付の費用の合計が補助額を下回る契約では補助が出ない、ということです。
たとえば、同じ家で2社から見積を取り、1社はガラス交換で、もう1社は内窓で出してきた場合、補助額の行だけを比べても判断できません。上の6つを両方にそろえてもらい、それぞれの工事代から補助額を引いた自己負担額を並べると、どちらを選ぶかが落ち着いて決められます。
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ガラス1枚ごとの区分と枚数が見積に書かれていれば、補助額は表から自分で確かめられるので、それだけのためにほかの会社へ相談する必要はありません。それでも、同じ窓をガラス交換にするか内窓にするかで補助を引いた負担がどう変わるのかを、1社の見積だけでは決めきれない場合は、同じ窓の条件で2通りの見積を複数の会社に出してもらうと比べやすくなります。条件を伝えてリフォーム会社を紹介してもらえる無料のサービスもあるので、申し込む前に、紹介先が窓リノベの登録事業者かどうかを確かめられるかを見ておいてください。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助金は、使えば必ず得になるものではありません。ガラス交換では、次のような場合に使わない、または急がない判断もあります。
- 補助の区分を上げるために、より高いガラスにする:戸建て・中(M)のガラス1枚で、P(SS)は32,000円、Sは23,000円です。ガラスの値段の差がこの補助額の差より大きければ、区分を上げるほど負担が増えます
- 5万円の下限に届かせるために、困っていない窓のガラスまで替える:増える工事代のほうが、増える補助額より大きくなりがちです
- 補助額が多く見えるからと、内窓をやめてガラス交換にする(またはその逆):比べるのは補助額ではなく、補助を引いたあとの自己負担額です
- 予約や完了の期限に間に合わない見込み:対象は令和7年11月28日以降に着手し、令和8年12月31日までに完了する工事で、交付申請の予約は着手後、遅くとも令和8年11月16日まで(予定)です。補助を前提に契約を急ぐより、次の年度の制度を待つ判断もあります(次の年度も同じ制度があるかは、公表されるまで分かりません)
1つ目と2つ目は、ガラスの値段の差と補助額の差を並べれば判定できます。断熱の性能そのものに価値を感じて上げるのは施主の選択ですが、「補助が増えるから」だけを理由に上げると、計算が逆になることがあります。
4つ目は、事情によって答えが変わります。変わる条件は、工事の予定日と予算の使われ具合、そして今の窓の寒さや結露でどれだけ困っているかです。予算の使われ具合はページ上の帯と公式サイトで、予約と完了の段取りは事業者の工程表で確かめられます。申請の流れと予約・還元のくわしい仕組みは、先進的窓リノベ2026事業の申請は誰がする?にまとめています。

出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業」詳細資料/事業の公式サイト
よくある質問
ガラス交換の助成金はありますか?
国の事業では、先進的窓リノベ2026事業の「ガラス交換」が当たります。今のサッシを残して複層ガラス等に替える工事で、額はガラス1枚ごとに公式の表で決まります。申請するのは施主ではなく、工事を請け負う登録事業者です。
ペアガラスにすると、いくら戻りますか?
戸建てでガラス1枚が中(M)なら、区分がP(SS)で32,000円、Sで23,000円、Aで18,000円です。ペアガラスという呼び名で区分は決まらず、製品と今のサッシの組み合わせで決まるので、見積の性能区分を確かめてください。
マンションの窓ガラスでも使えますか?
使えます。集合住宅の表は戸建てとは別で、どの区分も少し高めです。ただしマンションの窓を替えられるかどうかは管理規約で決まるので、管理組合への確認が先です。規約と申請の順番はマンションのリフォームで補助金はいくら?で扱っています。
すでに内窓がある窓のガラスも替えられますか?
替えられます。二重窓のどちらかのガラスを替えるための製品(二重窓リフォーム品)があります。ただし同じ窓で補助を申請できるのは1つの製品だけなので、内窓を新しく付けて外のガラスも替える場合は、どちらか一方だけが補助の対象です。
窓リノベの補助金はいつまでですか?
令和8年12月31日までに完了する工事が対象です。交付申請の締切りは予算の執行状況に応じて公表され、予算が先に尽きれば早く締め切られることがあります。予約は工事の着手後にでき、遅くとも令和8年11月16日まで(予定)です。予算の使われ具合はページ上の帯で確かめてください。
市の補助金と合わせて使えますか?
自治体の補助金は、国費が充当されているものを除いて併用できます。国費が入っているかは自治体ごとに違うので、市区町村の担当窓口で確かめてください。住所から市区町村の制度を探す手順は、市区町村のリフォーム補助金はいくら?にまとめています。
見積を見る前のおさらい
- 今のサッシを残してガラスだけ替える工事も、先進的窓リノベ2026事業の「ガラス交換」として対象。ドアのガラスだけの交換は対象外
- 額はガラス1枚ごと。引違い窓は替えた枚数分を足す。大きさはガラス1枚の面積で見る
- 性能区分は、性能証明書のグレードコードと今のサッシの組み合わせで決まる。同じガラスでもサッシで区分が変わる
- ペアガラス・真空ガラスなどの呼び名では区分は決まらない。見積の品番と性能証明書を見る
- 1回の申請の合計が5万円未満なら申請できない。上限は1戸あたり100万円
- 内窓とガラス交換は数え方が違い、同じ窓に補助は1つだけ。比べるのは自己負担額
- P(SS)・S・Aのガラスは窓リノベで申請。みらいエコは家全体の要件化工事とセットで考える
- 見積には、枚数・品番・サッシの扱い・区分・1枚ごとの額・期限を書いてもらう
ガラス交換の補助は、「窓が何か所か」ではなく「ガラスが何枚で、どの区分か」で決まります。手元の見積を、窓ごとではなくガラス1枚ごとの行に分けてもらい、品番と今のサッシの組み合わせで区分の根拠をそろえれば、補助額は施主の手でも検算できます。そのうえで内窓の場合とも自己負担額で並べ、困っている窓を直すための上乗せとして補助金を使ってください。

