トイレリフォームの補助金はいくら?|対象の条件・国と市の併用・申請の順番

並んだ二つの窓
補助金の予算はどれくらい残っているか
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)
12%

2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。

  • トイレをリフォームすると、補助金はいくら出るの?
  • 節水型のトイレに替えるだけで、国の補助金はもらえる?
  • 営業に「トイレも補助金の対象になります」と言われたけれど、本当?
  • 親のトイレを和式から洋式に替えたい。介護保険は使える?
  • 国の補助金と市の補助金、介護保険は一緒に使えるの?
  • ネットで便器を買って、取り付けだけ頼んでも補助は出る?
  • 申請は誰がするの?工事の前?それとも後?
  • 今から動いて、今年度の受付に間に合う?

上記のような悩みに答えます。

トイレリフォームの補助は、1つの制度で完結するものではなく、国の省エネの事業、介護保険の住宅改修、市区町村の助成という、目的も申請する人も違う3つの制度にまたがっています。検索すると補助金のまとめや上限額を大きく出した見出しが並びますが、トイレの工事だけでは国の事業に申請できない理由や、便器を自分で買うと対象から外れること、介護保険は工事の前に申請しないと使えないことは、一覧の形ではなかなか見えてきません。そこで、3つの制度の対象と戻る額という基本を押さえたうえで、窓の補助と組んだときに国の補助の下限が下がる仕組み、補助から外れる頼み方、併用と申請の順番まで、国土交通省の事業の要件書と厚生労働省の資料で確かめながら整理しました。

先に答え

トイレだけのリフォームでは、国のみらいエコ住宅2026事業には申請できません。リビングや寝室などの居室の窓の断熱改修を中心にした要件化工事(性能区分や築年によっては壁・天井・床の断熱改修なども必要)を一緒にする場合に限って、節水型トイレ・手すり・段差解消が補助の対象になり、申請する補助額の合計は5万円以上(窓リノベなど他の構成事業の交付決定がある場合は2万円以上)が必要です。要介護・要支援の認定を受けた家族の住まいなら、介護保険の住宅改修で、工事の前に自治体の介護保険の窓口へ申請し、改修が適当と認められれば、生涯20万円の支給限度基準額の範囲で原則9割(上限18万円)が保険給付されます。

窓の工事を一緒にする場合に、窓の補助でいくら戻るかは、補助金の計算ツールで確かめられます。

あわせて読みたい
住宅の補助金シミュレーター(先進的窓リノベ・給湯省エネ) 工事の中身を選ぶと、国の補助金でいくら戻るかの目安が出ます。営業から聞いた金額や見積書の補助額と見比べてください。 うちの工事でいくら戻るか 建物 窓の補助額は...

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています

目次

トイレの補助金は3つの制度から出る

トイレリフォームで使える補助は、国のみらいエコ住宅2026事業(国土交通省)、介護保険の住宅改修、市区町村の助成の3つです。誰が使えるのか、どの工事が対象か、申請するのは誰でいつなのかが、制度ごとにまったく違います。まず自分がどれに当たるかを決めると、営業の説明もまとめサイトの情報も、自分に関係のある部分だけを拾えるようになります。

3つの制度が違うのは、目的が違うからです。国の事業は、住宅の省エネ化を後押しするためのもので、断熱の工事をした家に、設備の入れ替えやバリアフリーの工事を上乗せして補助する作りになっています。介護保険の住宅改修は、要介護・要支援の人が家で暮らし続けられるように、手すりや便器の取替えなどの費用を保険から給付するものです。市区町村の助成は、その市区町村の要綱で対象も額も決まります。

制度 トイレで対象になる工事 使える人・家 申請する人
みらいエコ住宅2026事業 節水型トイレ・手すりの設置・段差解消 平成28年以前に新築された住宅で、居室の窓などの要件化工事をする家 施主と契約した事業者
介護保険の住宅改修 洋式便器等への便器の取替え・手すりの取付け・段差の解消など 要介護・要支援の認定を受けた人の住まい 本人(家族)が市町村へ
市区町村の助成 要綱で決まる 要綱で決まる 要綱で決まる

このほか、手すりや段差の解消など一定のバリアフリー改修では、所得税の控除や固定資産税の減額という、税の側から戻る道もあります。補助とは申告先も期限も違うので、条件はバリアフリーの記事で確かめてください。

あわせて読みたい
バリアフリーリフォームはどこから?|場所別の優先順位・戻る額・減税 バリアフリーリフォームを玄関・トイレ・浴室などのどこから始めるかを、転びやすさと毎日の動線で整理。介護保険の住宅改修で戻る額と事前申請、所得税の控除、固定資産税の減額、みらいエコ住宅2026の条件まで確かめました。

たとえば、要介護の認定を受けた親と暮らしていて、和式のトイレを洋式に替えたい家なら、最初に考えるのは介護保険です。反対に、認定を受けた家族のいない共働きの夫婦が、古いトイレを節水型に替えたい場合は、介護保険は使えません。国の事業が使えるかは窓の工事の予定しだいで、市区町村の助成は住所しだいになります。同じ「トイレの交換」でも、家族の状況と家の条件で、入口がまったく変わります。

迷ったら、次の3つを順に確かめてください。家族に要介護・要支援の認定を受けた人がいるか。家が平成28年以前の新築で、居室の窓の断熱改修を一緒にする予定があるか。住所の市区町村に、トイレの工事が対象になる要綱があるか。この3つの答えで、使える制度の組み合わせがほぼ決まります。

トイレだけでは国の補助金は出ない

みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、トイレの工事だけでは申請できません。補助を受けられる住宅になるには、まず「要件化工事」をする必要があり、その工事はリビングや寝室などの居室で行うものと決まっています。トイレはその居室に数えられないので、トイレだけの工事では入口に立てない、という仕組みです。

この事業は、住宅の省エネ性能を上げるための「掛かり増し」を補助するものです。そのため、外に面した窓などがある任意の1つの居室を「トリガールーム」として選び、その部屋の窓などの開口部の断熱改修(組み合わせによっては壁・天井・床の断熱改修も)をした住宅だけが、補助の対象になります。節水型トイレや手すりは、そのうえで追加する「補助対象工事」の1つという位置づけです。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.14・p.26(2026年10月21日に確認)。補助対象要件=「以下①を実施した住宅に実施する②に該当するリフォーム工事等(申請する補助額合計が5万円以上)を補助対象とします。①平成28年以前に新築された住宅に要件化工事を実施 ②以下のカテゴリーa)~i)に該当するリフォーム工事等(補助対象工事)」。平成28年以前に新築された住宅=平成28年12月31日以前に新築されたことが「建物の不動産登記全部事項証明書」により確認できる住宅。トリガールーム=外皮に面する開口部が1つ以上ある居室で、壁または建具により仕切られている任意の1つの居室。居室と認められない室の例=玄関・廊下・階段・浴室・脱衣室・洗面所・トイレ・納戸など。

出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/みらいエコ住宅2026事業 公式サイト

確かめることを並べると、次のとおりです。

  • 家が平成28年以前の新築か(登記の証明書で確かめる)
  • トリガールームにする居室を1つ決めているか
  • 2025年11月28日以降に、その部屋の外に面したすべての開口部を改修するか
  • 窓の性能区分と家の築年に応じて、壁・天井・床の断熱改修も要る組み合わせではないか
  • 工事の着手が令和7年11月28日以降か

平成29年以降に新築された住宅でも、次世代省エネ基準を満たさない住宅であることを証明できる場合は、平成4年から平成28年に新築された住宅として扱われます。とはいえ、多くの人にとっては「築年の条件を満たしたうえで、居室の窓をすべて替える予定があるか」が分かれ目です。窓の性能区分ごとに壁や床の断熱が要るかどうかの組み合わせは、タンクレストイレの記事で表にしています。

あわせて読みたい
タンクレストイレ交換で迷ったら?|手洗いの要否・費用・節水型の補助金 タンクレストイレへの交換を、メーカーの参考価格と工事条件、見積の行で確かめる手順。手洗いを付けるかどうかで増える工事、水圧と停電の確かめ方、タンク付きのままでいい場合、節水型トイレが国の補助の対象になる条件まで整理しました。

たとえば、平成の半ばに建てた戸建てで、寒い寝室の窓を2つとも内窓にする計画と、トイレを節水型に替える計画が同じ時期にあるなら、寝室をトリガールームにして、トイレを同じ申請に乗せられる可能性があります。窓の工事の予定がまったく無い家では、トイレのグレードをどう選んでも、この事業には申請できません。営業に「トイレも補助の対象です」と言われたら、その前提になっている窓の工事は何で、見積に入っているのかを、まず確かめてください。

トイレまわりで国の補助が付く工事と額

要件化工事をした住宅で、トイレまわりの工事として補助が付くのは、節水型トイレの設置、手すりの設置、段差解消の3つが中心です。手すりの設置は1戸あたり7,200円、段差解消は1戸あたり8,400円で、どちらも付けた箇所の数では増えません。節水型トイレは、要件書の表の額に設置した台数を掛けて計算します。

手すりと段差の額が「1戸あたり」なのは、要件書がバリアフリー改修の額を、箇所数によらず、改修した工事の種類に応じた額と決めているからです。トイレと廊下と玄関の3か所に手すりを付けても、補助は手すりの設置1種類分です。一方、節水型トイレは台数を掛ける設備に分類されているので、1階と2階の2台を替えれば2台分になります。

トイレまわりの工事 国の補助の額 対象にならないもの
節水型トイレの設置 要件書の表の額×設置台数 登録されていない製品
手すりの設置 7,200円/戸(箇所数によらない) 工事を伴わない手すりの取付け
段差解消 8,400円/戸(箇所数によらない) 踏み台・段差解消板・スロープ等の据え置き
計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.54・p.59(2026年10月21日に確認)。p.54:本キャンペーンに予め「対象製品」として登録された製品を使用した工事のみ補助対象。節水型トイレの補助額は、設備の種類に応じた補助額に設置台数を乗じた額。基準は JIS A5207 に規定する節水Ⅱ形の大便器(2019年版・2022年版はⅡ形)と同等以上の性能で、「掃除しやすい機能を有するもの」は、(1)総高さ700mm以下に低く抑えている、(2)背面にキャビネット(造作されたものを除く)を備え、洗浄タンクを内包している、(3)便器ボウル内を除菌する機能を備えている、のいずれかを満たすもの。p.59:補助額は箇所数によらず改修を行った補助対象工事の種類に応じた額。手すりの設置=便所・浴室・脱衣室その他の居室および玄関ならびにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事(取付けに当たって工事(ネジ等で取り付ける簡易なものを含む)を伴わない手すりの取付けは含まれない)。段差解消=取付けに当たって工事を伴わない踏み台、段差解消板、スロープ等の据え置き等は含まれない。

節水型トイレの1台あたりの額は、この記事には載せていません。要件書p.54の表では「掃除しやすい機能を有するもの」とそれ以外で額が分かれていて、上の3つの機能のどれかを持つかで、同じ節水型でも額が変わります。選ぶ品番がどちらに当たり、台数を掛けていくらになるのかを、申請する事業者に要件書の表で示してもらってください。

補助の上限は、トイレの工事とは別の軸で決まります。平成4年〜平成28年に新築された住宅なら、改修後の性能が義務基準相当で1戸80万円、次世代省エネ基準相当で40万円、平成3年以前に新築された住宅ではそれぞれ100万円と50万円です。上限は窓の工事を含めた合計にかかるので、トイレまわりの額だけで上限を気にする場面はあまりありません。

たとえば、1階と2階のトイレをどちらも節水型に替え、1階のトイレと廊下に手すりを付け、トイレの入口の段差をなくす工事をするなら、補助は節水型トイレ2台分と、手すりの設置1種類、段差解消1種類の合計です。手すりを3か所に増やしても、補助の額は変わりません。

補助の額を理由に手すりの数や便器のグレードを決めると、額の小ささに比べて工事のほうが膨らみがちです。使う人の動きに合わせて工事を決め、補助はそこに付くものを確かめる、という順番にすると、あとで「補助のために付けた手すり」が残ることはありません。

窓リノベと組むと下限が2万円になる

並んだ二つの窓

窓の断熱改修を先進的窓リノベ2026事業(環境省)で申請する場合でも、その窓の工事を、みらいエコ住宅2026事業の要件化工事として扱えます。さらに、同じ発注者・同じ住宅で窓リノベの交付決定を受けていれば、みらいエコの側の申請の下限は5万円から2万円に下がります。窓は窓リノベ、トイレまわりはみらいエコ、という2本立ての申請ができるということです。

窓の断熱は、窓リノベが重点的に支援する工事で、性能区分がP・S・A(内窓を除く)の窓は、みらいエコではなく窓リノベに申請する扱いです。ただし、同じ窓に2つの事業の補助を重ねることはできません。そこで、窓は窓リノベで補助を受け、みらいエコの側では「要件化工事をした」という入口としてだけ使い、補助はトイレや手すりなどの補助対象工事に付ける、という組み方が用意されています。要件化工事は補助の対象の工事ではないので、窓リノベの窓を入口に使っても、重複にはなりません。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.2・p.14・p.15・p.72(2026年10月21日に確認)。p.14:先進的窓リノベ2026事業へ申請を行っている場合であっても、本事業における要件化工事a)を実施したものとして取り扱うことができます(各事業に申請を行う必要があります。また、本事業における補助対象工事としては申請できません)。p.15 *5:1つの交付申請で申請する補助額合計が5万円以上に限る。ただし、同一発注者の同一の住宅にて、他の構成事業(先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業、賃貸集合給湯省エネ2026事業)の交付決定を受けている場合、本事業の1つの交付申請で申請する補助額合計の下限を2万円とします。p.72:補助額の下限額の引き下げのために他の構成事業を併用する場合、みらいエコ住宅2026事業の交付決定は、併せて申請される他の構成事業の交付決定後となります。計算例:手すりの設置 7,200円 + 段差解消 8,400円 = 15,600円(下限の2万円に届かない)

出典:みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/環境省「先進的窓リノベ2026事業の詳細」/先進的窓リノベ2026事業 公式サイト

手すりと段差だけでは、2万円の下限に届かない
手すりの設置+段差解消=トイレまわりのバリアフリーの補助
7,200円+8,400円=15,600円

上の計算のとおり、手すりと段差解消だけでは、下がった後の下限の2万円にも届きません。節水型トイレを同じ申請に入れれば、表の額しだいで2万円を超える可能性があります。窓リノベの側にも、1回の申請で合計5万円以上という下限があるので、窓の工事の額もあわせて確かめます。窓の額の読み方は、窓リノベの記事にまとめています。

あわせて読みたい
先進的窓リノベ2026事業の補助額と上限は?工事・性能・大きさで読む早見表 先進的窓リノベ2026事業で、うちの窓だと結局いくら戻るの?「1戸あたり最大100万円」と聞いたけれど、うちも100万円もらえるの?内窓を1か所だけ付けたら、いくらにな...

たとえば、リビングの窓を内窓にして窓リノベで申請し、同じ時期にトイレを節水型に替えて手すりを付ける家なら、窓の工事を入口にして、トイレと手すりをみらいエコで申請する道があります。この場合、みらいエコの交付決定は窓リノベの交付決定のあとになり、窓リノベの側で書類の不備があれば、みらいエコの側も待たされます。工事の発注を夫婦の連名でする場合は、両方の事業で原則同じ人を共同事業者にすることも要件書に書かれています。

この組み方は、事業者が2つの事業の申請を受け持つことが前提です。見積の段階で「窓は窓リノベ、トイレまわりはみらいエコで、2本の申請にしてもらえるか」をはっきり聞き、できるかどうかを書面で答えてもらうと、あとで「下限に届かず申請できなかった」とならずに済みます。

介護保険は工事の前に市町村へ

要介護・要支援の認定を受けた人の住まいなら、介護保険の住宅改修で、洋式便器等への便器の取替えや手すりの取付けなどの費用が戻ります。支給限度基準額は、要支援・要介護の区分にかかわらず生涯20万円で、保険給付は原則9割(上限18万円)、所得に応じて8割(上限16万円)・7割(上限14万円)です。いちばん大事なのは、工事の前に自治体の介護保険の窓口へ申請することです。

介護保険が工事の前の申請を求めるのは、保険給付として適当な改修かどうかを、市町村(保険者)が先に確かめる仕組みだからです。厚生労働省の資料では、必要な書類を添えて事前に市町村へ申請書を出し、工事が終わってから領収書などを出すことで保険給付される、という流れが示されています。やむを得ない事情がある場合には工事の完成後の申請もできるとされていますが、それは例外として考えておくほうが安全です。

事前の申請で出す書類は、次の4つです。

  1. 支給申請書
  2. 工事費の見積り書(複数の事業所からの見積もりの提出が促されている)
  3. 住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャー、地域包括支援センターの担当職員、作業療法士、福祉住環境コーディネーター検定試験2級以上の人などが作る)
  4. 改修後の完成予定の状態が分かるもの(日付入りの写真や住宅の間取り図など)

出典:厚生労働省「介護保険における住宅改修」

住宅改修の種類には、手すりの取付け、段差の解消、滑りの防止などのための床材の変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への便器の取替え、それらに付帯して必要な工事が並んでいます。和式から洋式への取替えは、この「洋式便器等への便器の取替え」に当たる典型です。一方、すでに洋式の便器を新しい便器に替える工事が当たるかどうかは、厚生労働省の資料には種類の名前しか書かれていないので、工事の前に市町村の介護保険の窓口で確かめてください。

たとえば、要介護の認定を受けた親のために、和式のトイレを洋式に替えて手すりを付けるなら、ケアマネジャーに相談して理由書を作ってもらい、見積をとって自治体の介護保険の窓口へ申請し、結果が出てから工事に入ります。限度額の範囲であれば複数回に分けて申請することもでき、要介護の区分が三段階上がったときや転居したときには、もう一度20万円までの支給限度基準額が設定されます。最初の工事で使い切らずに、あとで浴室の手すりに回す、という使い方も考えられます。

介護保険の使い方と、手すりや段差の工事の優先順位は、別の記事で詳しく整理しています。

あわせて読みたい
バリアフリーリフォームはどこから?|場所別の優先順位・戻る額・減税 バリアフリーリフォームを玄関・トイレ・浴室などのどこから始めるかを、転びやすさと毎日の動線で整理。介護保険の住宅改修で戻る額と事前申請、所得税の控除、固定資産税の減額、みらいエコ住宅2026の条件まで確かめました。

補助金の対象から外れるトイレ工事

改装中の部屋

同じ節水型トイレを付けても、頼み方によっては国の補助の対象から外れます。とくに気をつけたいのが、施主がネットなどで便器を買い、取り付けだけを業者に頼む「施主支給」で、要件書ははっきり補助の対象外としています。中古品やリースの設備、工事を伴わない手すりや置くだけのスロープも対象になりません。

施主支給が外れるのは、この事業が、事業者が仕入れて取り付けた登録製品であることを、書類で確かめる仕組みになっているからです。節水型トイレは、交付申請のときに納品書の写しを出し、納品元、納品先(リフォームした住宅か事業者名)、事務局に登録された型番を確かめます。施主が自分で買った便器では、この流れに乗りません。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.27・p.55(2026年10月21日に確認)。p.27「補助対象とならない工事」より:店舗併用住宅等の住宅以外の部分の工事(例:店舗部分に設置するトイレ、事務所に設置するエアコン等)/リース設備の設置工事/中古品を用いた工事/住宅の所有者等が住宅設備を購入し、その取付を補助事業者に依頼する工事(いわゆる施主支給や材工分離工事)。p.55:節水型トイレは交付申請時に納品書の写し(納品元(販売店、流通事業者等)の記載があること、納品先がリフォームした住宅と一致するか納品先に事業者名の記載があること、製品型番が事務局に予め登録された対象製品であること)。

こんな頼み方 国の補助
ネットで便器を買い、取り付けだけ頼む 対象外(施主支給)
便座(温水洗浄便座)だけを替える 補助対象工事の一覧に挙がっていない
置くだけの手すり・段差解消板・スロープ 対象外(工事を伴わない)
中古の便器・リースの設備を付ける 対象外
店舗併用住宅の、店舗側のトイレ 対象外(住宅以外の部分)
令和7年11月28日より前に着手した工事 対象外

便座だけの交換は、国の事業の補助対象工事の一覧には挙がっていません。介護保険の対象になるかは、厚生労働省の資料に書かれていないので、工事の前に自治体の介護保険の窓口で確かめてください。便座だけで済ませるかどうかの判断は、便座交換の記事で整理しています。

あわせて読みたい
便座交換・ウォシュレット交換は自分でできる?|業者に頼む範囲・費用・補助金 温水洗浄便座だけを替えるときに、今の便器に付くかの確かめ方、自分で付け替えられる範囲と業者に頼む場合、本体と取り付けの費用の目安、便座でなく便器ごと替える場合、補助金と介護保険の扱いを、メーカーの資料と法令の原文で整理しました。

たとえば、ネット通販で便器を安く買えそうなとき、補助を受けられないことを承知で施主支給にする判断もありえます。そのときは、本体の値段の差と、補助の額、それに取り付けを頼む業者の工事の保証の範囲を並べて比べてください。施主支給を受けない業者もあり、頼み先の探し方は、トイレの業者の記事で触れています。

あわせて読みたい
トイレリフォームの業者はどう探す?|安さの見方・補助金対応・相見積の取り方 トイレリフォームの業者は、量販店・水回りの専門業者・リフォーム会社・メーカーの加盟店・一括見積の5つの窓口から、工事の範囲で選びます。「工事費込み」の広告の読み方、ネットで買った便器の持ち込みが国の補助の対象外になる点、登録事業者の確かめ方と相見積の頼み方まで整理しました。

補助を前提にするなら、便器は事業者に仕入れてもらい、見積に登録製品の型番が書かれている状態にしておくのが原則です。「どう買うか」で補助の有無が決まる、と覚えておくと、通販の値段に引かれて対象から外れる失敗を避けられます。

国・介護保険・市の補助金の併用と順番

3つの制度を一緒に使うときの原則は、「1つの工事に1つの補助」です。同じ便器や同じ手すりに、国の2つの事業の補助を重ねることはできず、みらいエコの補助対象と重なる、国費が入った自治体の補助とも併用できません。申請の時期も制度ごとに違うので、順番を間違えないことが大切です。

要件書は、みらいエコと補助の対象が重なる国の他の補助制度との併用を認めていません。自治体の補助のうち、国費が充当されているもの(要件書は社会資本整備総合交付金などを活用した補助を例に挙げています)も同じ扱いで、自治体が独自にこの事業への上乗せや併用を前提として用意している補助なら併用できる、という線引きです。窓リノベとの間でも、窓リノベの事業は、国費が充当されている自治体の補助を除いて自治体の補助との併用を認めています。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」p.19・p.20(2026年10月21日に確認)。p.19:本事業と補助対象が重複する他の補助事業であって、国費が充当されているもの(国による直接補助事業や、国土交通省の「社会資本整備総合交付金」等を活用して地方公共団体が実施している補助事業)との併用はできません。ただし、地方自治体が独自に、本補助金への上乗せや、本事業との併用を前提として措置している補助事業は併用可能です。地方公共団体が申請窓口となる補助事業との併用可否については、窓口となる地方公共団体にご確認ください。p.20:本事業のリフォームにおける補助対象とは「補助対象工事」として申請する工事等をいいます。「要件化工事」は補助対象となる工事ではない。

介護保険の住宅改修とみらいエコを、同じ手すりや同じ便器に重ねて使えるかについては、編集部が確かめた要件書と厚生労働省の資料には書かれていません。重ねられる前提で計画せず、どの工事をどちらの制度で申請するかを、市町村の介護保険の窓口と申請する事業者の両方に確かめてから決めてください。

トイレの補助は、この順番で確かめて申請する
  1. 1認定があればケアマネジャーに相談介護保険で替える工事と理由書
  2. 2市区町村の要綱を読む対象・申請の時期・国の補助との併用
  3. 3見積を制度ごとに分けてもらう介護保険・国の事業・自費の行
  4. 4工事の前に市町村へ申請介護保険は結果が出てから着工
  5. 5国の事業は事業者が申請窓リノベと併用なら、窓リノベの交付決定が先

国のみらいエコの交付申請の受付は、2026年6月30日から予算の上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日までです。申請するのは施主ではなく、施主と契約した事業者です。市区町村の助成は、申請の時期も国の補助との併用の扱いも要綱ごとに違うので、住所で要綱を探し、工事の契約の前に読んでおきます。

あわせて読みたい
市区町村のリフォーム補助金はいくら?住所で調べる手順・国との併用・要綱の見方 うちの市区町村にも、リフォームの補助金はあるの?あるとしたら、いくら出るの?どこで調べればいい?市のホームページを見ても、どのページを読めばいいか分からない...

たとえば、要介護の親のトイレを洋式に替えて手すりを付け、同じ時期に寝室の窓を内窓にする家なら、便器と手すりは介護保険、窓は窓リノベ、と工事ごとに申請先を分けるのが考え方の基本です。市区町村にトイレの工事が対象になる助成があれば、その要綱が国の補助や介護保険との関係をどう書いているかを読んでから、どの工事をどこで申請するかを決めます。

順番の考え方は、「工事の前に申請が要る制度を先に済ませる」です。介護保険は着工前、市区町村は要綱しだい、国の事業は事業者が工事の進み具合に合わせて申請、という違いを、見積の段階で業者と共有しておくと、申請の取りこぼしを防げます。

見積で補助金の対象を確かめる行

電卓とペン

補助を使うトイレリフォームの見積では、補助の対象になる工事とならない工事が、制度ごとに行を分けて書かれているかを確かめます。「補助金 ▲◯円」の1行だけでは、その額がどの制度の、どの工事から来ているのかが分からず、施主の側で確かめようがないからです。

補助の額は、品番、工事の内容、窓の工事の組み方のどれか1つが違うだけで変わります。行が分かれていれば、事業者の当てはめが合っているかを施主も検算でき、介護保険の申請に出す見積としても使えます。工事の前後の写真や納品書のように、工事の段取りに関わる書類もあるので、見積の段階で確かめておくほど安心です。

  1. 節水型トイレの品番と、事務局に登録された製品かどうか
  2. 便器を事業者が仕入れる見積になっているか(施主支給になっていないか)
  3. 手すりと段差の工事が、取付けの工事を伴う内容で書かれているか
  4. 介護保険で申請する工事と、国の事業で申請する工事と、自費の工事の行が分かれているか
  5. 窓の工事を窓リノベとみらいエコのどちらで申請するか、トイレまわりをどの申請に入れるか
  6. 事業者が住宅省エネ2026キャンペーンに事業者登録をしているか
  7. 工事の前の写真を撮る段取りが決まっているか

とくに抜けやすいのが4と7です。介護保険の対象の工事と、国の事業の工事と、補助の無い内装の工事が1つの「トイレ改修一式」にまとまっていると、市町村に出す見積としても使いにくく、どの工事をどの制度で申請するかもあいまいになります。写真は、国の事業でも工事の前後で出すものがあり、介護保険でも改修前と改修後の写真を出すので、着工の日に撮り忘れると取り返せません。

たとえば、A社の見積は便器の品番と手すり・段差の工事が制度ごとに分かれていて、窓の申請の組み方まで書かれており、B社は「トイレリフォーム一式(補助金適用)」の1行だったとします。B社が安く見えても、補助がどの制度で、どの前提で引かれているのかが分からないなら、同じ条件で比べられていません。B社にもA社と同じ7つの行で書き直してもらってから比べます。見積書の行の読み方と、同じ条件で複数の会社に頼む方法は、見積の取り方の記事にまとめています。

あわせて読みたい
リフォームの見積もりはどう取る?|見積書の見方・相見積の頼み方・補助金の欄 リフォームの見積もりは、概算・現地調査・本見積の順に進みます。相見積は同じ条件書を渡して頼み、見積書は「一式」と諸経費を分けて読みます。補助金を使うときに見積書へ書いてもらう型番・性能区分・サイズと還元方法まで整理しました。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

いま相談している業者が登録事業者で、上の7つを行に分けて書いてくれるなら、ほかを探す必要はありません。それでも、窓とトイレを同じ時期にまとめて頼める会社が見つからない、1社の見積だけでは補助の当てはめが合っているか確かめようがない、という場合は、同じ条件で複数の会社に見積を出してもらうのが近道です。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえるハピすむなら、申し込むときに「住宅省エネ2026キャンペーンの登録事業者か」と「窓とトイレを分けて申請できるか」を条件として伝えてから比べてください。

ハピすむで登録事業者の見積を比べる

補助金を使わない・急がないほうがいい場合

トイレの補助は、工事を安くするための手段で、工事の目的ではありません。次のような場合は、補助金を使わない、あるいは急がない判断も選択肢になります。

  • トイレの補助のためだけに、予定に無かった居室の窓の工事を足そうとしている場合
  • 補助の対象の品番に合わせるため、家族の使い方に合わない便器を選ぼうとしている場合
  • 介護保険の申請の結果を待たずに、着工を急かされている場合
  • 受付の終わりを理由に、見積を比べる時間もなく契約を迫られている場合
  • 補助の額より、施主支給で本体を安く買う差のほうがはっきり大きい場合

窓の工事を足せばトイレまわりにも補助が付きますが、窓の工事費が補助の増え方より大きければ、手元に残るお金はかえって減ります。国の事業の受付は予算の上限に達するまでなので、残りの具合はページ上部の帯と予算残のページで確かめ、補助を受けられなかった場合でも納得できる総額かを、補助なしの金額で一度確かめておくと安心です。

反対に、急いだほうがいいのは、便器のまわりの床に水がにじむ、便器にひびがある、流したあとの水が止まらないといった症状がある場合です。水漏れは床の下地を傷めるので、補助の段取りより点検と修理を先にします。介護の必要が急に高まり、トイレの手すりが今すぐ要る場合も同じで、介護保険の手続きはやむを得ない事情があれば工事の後でも申請できる扱いがあるので、ケアマネジャーと市町村に事情を伝えて進め方を相談してください。

迷ったときは、「補助が無くてもこのトイレの工事をするか」を先に考えます。答えが「する」なら、使える制度を上乗せとして探す。答えが「補助があるならする」なら、窓の工事も含めた総額と、手元に残るお金で判断する。この順番にすると、補助の話に工事の中身を引っ張られずに済みます。

よくある質問

トイレリフォームの補助金はいくらですか?

使う制度で変わります。国のみらいエコ住宅2026事業なら、居室の窓などの要件化工事をしたうえで、手すりの設置が1戸7,200円、段差解消が1戸8,400円、節水型トイレは要件書の表の額に台数を掛けた額です。介護保険の住宅改修なら、生涯20万円の支給限度基準額の範囲で原則9割(上限18万円)が戻ります。市区町村の助成は要綱で決まります。

節水型トイレに替えるだけで、国の補助は出ますか?

出ません。トイレはトリガールームになれないので、トイレの工事だけでは補助を受けられる住宅になりません。居室の窓などの要件化工事を一緒にして、申請する補助額の合計が5万円以上(他の構成事業の交付決定がある場合は2万円以上)になるときに限って対象になります。

和式から洋式への交換に使える補助はありますか?

要介護・要支援の認定を受けた人の住まいなら、介護保険の住宅改修の「洋式便器等への便器の取替え」に当たります。工事の前に市町村へ申請し、理由書などを出す必要があります。認定が無い場合は、国の事業(窓などの要件化工事が前提)と、市区町村の助成を確かめてください。

介護保険と国の補助金は両方使えますか?

工事を分けて、それぞれの制度で申請する分け方(たとえば便器と手すりは介護保険、窓は窓リノベ)が考え方の基本ですが、介護保険と国の補助の併用の可否そのものは、要件書にも厚生労働省の資料にも書かれていません。同じ便器や同じ手すりに重ねるのはもちろん、工事を分ける場合も、市町村と申請する事業者に先に確かめてください。

市の補助金と国の補助金は併用できますか?

自治体の補助に国費が使われていない場合や、自治体が国の事業への上乗せや併用を前提に用意している場合は、併用できます。国費が充当され(社会資本整備総合交付金などを活用した補助など)、補助の対象が重なる自治体の補助とは併用できません。どちらに当たるかは、市区町村の要綱か窓口で確かめてください。

2026年度のトイレの補助はいつまでですか?

国のみらいエコ住宅2026事業のリフォームは、交付申請の受付が2026年6月30日から予算の上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日までです。工事は令和7年11月28日以降に着手したものが対象です。予算の残りはページ上部の帯で確かめ、介護保険や市区町村の助成は、それぞれの申請の時期を別に確かめます。

見積を見る前のおさらい

  1. トイレの補助は、国のみらいエコ住宅2026事業・介護保険の住宅改修・市区町村の助成の3つ。認定の有無・築年と窓の予定・住所で使えるものが決まる
  2. 国の事業はトイレだけでは申請できない。トイレはトリガールームになれず、居室の窓などの要件化工事が入口になる
  3. トイレまわりの国の補助は、手すり7,200円/戸・段差解消8,400円/戸(箇所数によらない)と、節水型トイレの表の額×台数
  4. 窓を窓リノベで申請しても要件化工事に使え、窓リノベの交付決定があれば、みらいエコの下限は5万円から2万円に下がる
  5. 介護保険は生涯20万円・原則9割(上限18万円)。工事の前に自治体の介護保険の窓口へ申請し、すでに洋式の便器の交換が当たるかもそこで確かめる
  6. 施主支給・中古品・リース・工事を伴わない手すりや置くだけのスロープは、国の補助の対象外
  7. 1つの工事に1つの補助が原則。国費が入った自治体の補助とは併用できず、介護保険との重ねがけは事前に確かめる
  8. 見積は制度ごとに行を分けてもらい、品番・仕入れ・申請の組み方・事業者登録・工事前の写真を確かめる

トイレの補助は、「トイレの制度」が1つあるのではなく、家族の状況と家の条件しだいで、3つの制度のどれかが入口になる仕組みです。介護の必要がある家は介護保険から、窓の工事を考えている家は窓と組む国の事業から、どちらでもない家は住所の要綱から確かめる。その入口を間違えなければ、営業の「補助で安くなります」という言葉も、どの制度のどの前提の話なのかを聞き返せるようになり、見積の数字を落ち着いて比べられます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

リフォーム補助金・見積の窓口編集部です。リフォームの補助金と見積りについて、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

目次