2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 先進的窓リノベ2026事業で、うちの窓だと結局いくら戻るの?
- 「1戸あたり最大100万円」と聞いたけれど、うちも100万円もらえるの?
- 内窓を1か所だけ付けたら、いくらになる?
- 見積に1行だけ書かれた補助金の額は、合っている?
- 性能区分のP(SS)とSで、額はどれくらい違う?
- マンションだと、戸建てと額が違うって本当?
- カバー工法とはつり工法では、どちらが多く出る?
- 補助額を増やすために、性能の高い窓に上げたほうが得?
上記のような悩みに答えます。
先進的窓リノベ2026事業の補助額は、窓1か所ごとに公式の表で決まっている額を、工事する窓の数だけ足したものです。検索すると「1戸あたり最大100万円」内窓のSグレードの額の幅といった要約がすぐに出てきますが、それだけでは自分の窓がどの行に当たり、合計がいくらになるのかは分かりません。公式サイトは工事の種類ごとにページが分かれていて、表を横断して読む手順までは示していません。そこで上限と下限という基本を押さえたうえで、公式の補助額表を「工事の種類×性能区分×大きさ」の順に読む方法、窓ごとに見積を検算する計算例、100万円に届く工事と届かない工事の目安まで、環境省の資料と事業の公式サイトで確かめながら整理しました。製品が対象かどうかは品番で、審査に通るかは事務局の判断で決まるので、そこは断定しません。
1か所あたりの額は「工事の種類」「性能区分」「大きさ」、それに戸建てか集合住宅かで、公式の表から1つに決まります。その額を窓の数だけ足したものが補助額で、1回の申請の合計が5万円未満なら申請できず、1戸あたり100万円で頭打ちになります。
2026年度の制度・2026年9月時点で確かめています
補助額は3つの軸の掛け合わせ
先進的窓リノベ2026事業(環境省)の補助額は、窓1か所ごとに決まります。その1か所の額を決めるのが、工事の種類・性能区分・大きさの3つの軸で、さらに戸建てか集合住宅かで表が分かれています。
公式の表がこの形になっているのは、同じ「窓の断熱」でも、工事の手間と、入れる窓の性能と、窓の面積によって、かかる費用も省エネの効果も違うからだと読めます。今の窓の内側にもう1つ足す内窓と、窓枠ごと替える外窓交換では工事の規模が違い、熱の逃げにくい窓ほど、大きな窓ほど、1か所の額が大きくなるように組まれています。だから「内窓はいくら」と1つの数字で答えることはできず、3つの軸がそろって初めて1つの額に決まります。
- 1工事の種類を決める内窓・外窓(カバー/はつり)・ガラス・ドア
- 2戸建てか集合住宅かを見る表が分かれている
- 3性能区分を見るP(SS)・S・A。品番で決まる
- 4大きさの区分を見る特大・大・中・小
- 5窓の数だけ足す下限5万円・上限100万円
| 軸 | 選ぶもの | どこで分かるか |
|---|---|---|
| 工事の種類 | 内窓設置/外窓交換(カバー工法・はつり工法)/ガラス交換/ドア交換 | 見積の工事名 |
| 住宅 | 戸建て/集合住宅 | 住まいの形 |
| 性能区分 | P(SS)(熱貫流率1.1以下)/S(1.5以下)/A(1.9以下) | 見積の品番 |
| 大きさ | 特大(G)・大(L)・中(M)・小(S) | 窓の面積(ガラス交換はガラスの面積、ドア交換はドアの面積) |
たとえば「戸建て・内窓設置・P(SS)・中(M)」なら、表の1つのマスに当たって1か所58,000円です。同じ窓でも、マンションなど集合住宅なら1か所64,000円、性能区分がSなら34,000円と、軸が1つ動くだけで額が変わります。営業から「この窓だと◯万円」と言われたら、その数字が4つの軸のどのマスから来ているのかを聞き返すと、話の中身がはっきりします。
二世帯住宅の場合に、窓の補助の上限が世帯ごとなのか1戸なのかは、二世帯住宅の補助金は何戸で数える?で住戸の数え方と合わせて整理しています。

表を引く前に、見積の窓1つずつについて「工事名・戸建てか集合か・品番の区分・大きさ」の4つを書き出しておくと、下の表でそのまま額を拾えます。どの窓が対象になるか自体の確かめ方は先進的窓リノベ2026事業の対象要件は?にまとめています。
出典:事業の公式サイト/公式「内窓設置」(性能区分・サイズ区分・補助額)
内窓設置の1か所あたりの額

内窓設置の額は、性能区分がP(SS)かSかと、窓の大きさで決まります。内窓にはAの区分がありません。
内窓は、今の窓の内側にもう1つ窓を足す工事で、壁を壊さずにできるぶん、検討する人がいちばん多い工事です。公式の内窓の表には、性能区分がP(SS)とSの2つしかありません。見積に「内窓・Aグレード」とあれば、区分の書き間違いか、別の工事の区分を当てはめている可能性があるので確かめてください。
| 大きさ | 戸建て P(SS) | 戸建て S | 集合 P(SS) | 集合 S |
|---|---|---|---|---|
| 特大(G) 4.0㎡以上 | 140,000円 | 76,000円 | 152,000円 | 83,000円 |
| 大(L) 2.8㎡以上4.0㎡未満 | 89,000円 | 52,000円 | 98,000円 | 57,000円 |
| 中(M) 1.6㎡以上2.8㎡未満 | 58,000円 | 34,000円 | 64,000円 | 37,000円 |
| 小(S) 0.2㎡以上1.6㎡未満 | 36,000円 | 22,000円 | 40,000円 | 24,000円 |
表を横に見ると、同じ大きさでもP(SS)の額はSよりかなり高く、区分の違いがいちばん額を動かすことが分かります。縦に見ると、特大(G)の窓1か所は小(S)の窓数か所分にあたります。そして集合住宅の列は、どの大きさでも戸建ての列より少し高くなっています。
- 戸建て・内窓・中(M)の1か所あたり:P(SS) 58,000円/S 34,000円 → 差は 58,000円 − 34,000円 = 24,000円
- 同じ中(M)・P(SS)を戸建てと集合で比べると:64,000円 − 58,000円 = 6,000円(集合住宅のほうが高い)
たとえば、マンションで掃き出し窓(大きい窓)と腰窓(中くらいの窓)に内窓を付ける見積なら、大(L)と中(M)の行の、集合の列を見ることになります。自分で戸建ての列を引いて計算すると、見積より少し低い額になり「合わない」と感じることがありますが、それは使った表が違うだけです。反対に、戸建てなのに集合の列の額で書かれていれば、見積のほうが違っています。
大きさの区分は面積の境目で決まるので、窓の幅と高さから何㎡として計算したかを事業者に聞いておくと検算が確実になります。境目の近くにある窓は、1つ上の区分か下の区分かで額が大きく変わるからです。自分の窓の組み合わせで計算するなら補助金シミュレーターへ。見積の区分をそのまま入れ、見積の額と同じになるかを見比べてください。
出典:公式「内窓設置」
外窓交換はカバー工法が高め
外窓交換は、カバー工法とはつり工法で別の表になっていて、戸建てではカバー工法のほうが1か所あたりの額が大きくなっています。性能区分はP(SS)・S・Aの3つです。
カバー工法は、今の窓枠の上に新しい窓枠をかぶせて交換する工事、はつり工法は壁を壊して窓枠ごと交換する工事です。工事の規模だけを考えると、壁を壊すはつり工法のほうが額が大きそうに見えますが、公式の表では戸建てのどのマスでもカバー工法のほうが高く設定されています。なぜそうしたのかは公式の表からは読み取れないので、ここでは「表がそうなっている」ことだけを押さえてください。
| 戸建て・大きさ | カバー P(SS) | カバー S | カバー A | はつり P(SS) | はつり S | はつり A |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 特大(G) | 239,000円 | 156,000円 | 116,000円 | 194,000円 | 117,000円 | 86,000円 |
| 大(L) | 188,000円 | 124,000円 | 88,000円 | 149,000円 | 92,000円 | 63,000円 |
| 中(M) | 138,000円 | 92,000円 | 66,000円 | 110,000円 | 68,000円 | 48,000円 |
| 小(S) | 89,000円 | 60,000円 | 41,000円 | 69,000円 | 44,000円 | 29,000円 |
集合住宅では、カバー工法とはつり工法が同じ額です。集合の1か所あたりは、P(SS)が特大302,000円・大229,000円・中156,000円・小92,000円、Sが特大202,000円・大153,000円・中104,000円・小62,000円、Aが特大174,000円・大133,000円・中92,000円・小54,000円です。
- 戸建て・外窓交換・P(SS)・中(M)の1か所あたり:カバー工法 138,000円/はつり工法 110,000円 → 差は 28,000円
- 同じ中(M)・P(SS)で内窓設置と比べると:138,000円 − 58,000円 = 80,000円(外窓交換のカバー工法のほうが高い)
たとえば、戸建てで同じ中(M)の窓を「内窓にするか、カバー工法で交換するか」迷っている場合、補助額だけを見ればカバー工法のほうが上の計算の差だけ多く出ます。ただし工事の値段も違うので、工事代の差が補助額の差より大きければ、補助額が多いほうが得とは限りません。比べるときは、補助額を引いたあとの自己負担額どうしを並べてください。
見積の工事名が「窓交換」とだけ書かれていたら、カバー工法とはつり工法のどちらで計算したかを聞いてください。戸建てでは、どちらの表を使ったかで1か所あたり数万円変わります。
出典:公式「外窓交換(カバー工法)」/公式「外窓交換(はつり工法)」
ガラス交換とドア交換の額
ガラス交換は、窓枠はそのままでガラスだけを替える工事で、1か所あたりの額はほかの工事より小さく、大きさの区分も窓とは別の基準です。ドア交換は、窓の工事と同じ契約で同時に申請する場合だけ対象で、額は同じ工法の外窓交換と同じです。
ガラス交換の大きさの区分は、名前こそ窓と同じ「特大・大・中・小」ですが、面積の基準はガラスの面積で見て、窓よりずっと小さい側に寄っています。特大(G)が2.0㎡以上、大(L)が1.4㎡以上2.0㎡未満、中(M)が0.8㎡以上1.4㎡未満、小(S)が0.1㎡以上0.8㎡未満です。窓の基準で「中(M)」だと思った開口部が、ガラス交換では別の区分になることがあるので、区分の名前だけで表を引かないでください。
| ガラス交換・大きさ | 戸建て P(SS) | 戸建て S | 戸建て A | 集合 P(SS) | 集合 S | 集合 A |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 特大(G) | 78,000円 | 53,000円 | 41,000円 | 86,000円 | 59,000円 | 45,000円 |
| 大(L) | 52,000円 | 35,000円 | 27,000円 | 57,000円 | 39,000円 | 30,000円 |
| 中(M) | 32,000円 | 23,000円 | 18,000円 | 35,000円 | 25,000円 | 20,000円 |
| 小(S) | 11,000円 | 7,000円 | 5,000円 | 12,000円 | 8,000円 | 6,000円 |
ガラス交換で気をつけたいのは、1回の申請の合計が5万円に届くかどうかです。小さい窓のガラスだけを替える場合、1か所の額が小さいので、数か所でも下限に届かないことがあります。
- 戸建て・ガラス交換・A・小(S):5,000円 × 10か所 = 50,000円(ここでやっと下限に届く)
- 戸建て・ガラス交換・P(SS)・小(S):11,000円 × 4か所 = 44,000円 → 5万円未満のため申請できない
ドア交換は、玄関ドアなどを交換する工事で、カバー工法とはつり工法があります。公式のドアの表は、同じ工法の外窓交換の表と同じ額です。たとえば戸建て・カバー工法・P(SS)・中(M)なら、外窓交換と同じ1か所138,000円です。ただし大きさの区分はドアの面積で決まり、ドアの小(S)は窓の小(S)より大きい面積から始まるので、小さなドアは窓と同じ感覚で区分を当てはめないでください。区分の境目は公式のドア交換のページで確かめられます。ただし玄関ドアだけの工事は対象にならず、窓の工事と同じ契約で同時に申請する必要があります。見積にドアが入っているなら、窓と同じ契約になっているかを確かめてください。
ガラス交換を考えているなら、合計が5万円に届くかを見積の段階で計算してもらうのが先です。届かない場合は、内窓にするか、ほかの窓と合わせるかを検討することになりますが、下限のためだけに工事を足すかどうかは、下の「使わない・急がない場合」の項で考えます。
出典:公式「ガラス交換」/公式「ドア交換(カバー工法)」/公式「ドア交換(はつり工法)」
見積の補助額を窓ごとに検算する
見積に書かれた補助額は、窓1か所ごとの額を表から拾って足し合わせれば、施主でも検算できます。合わないときは、どの窓の1行がずれているかを探せば足ります。
見積の補助額は、「補助金 ▲◯万円」のように1行でまとめて書かれていることがよくあります。その1行の中には、窓ごとの工事の種類・性能区分・大きさの判断がすべて入っていて、どれか1つが違えば合計も変わります。だから合計の数字を丸ごと信じるのではなく、窓ごとの内訳に分けて確かめるのが確実です。
たとえば、戸建てで内窓をP(SS)の製品で7か所に付ける見積を考えます。リビングの掃き出し窓2か所が大(L)、寝室と子ども部屋の腰窓3か所が中(M)、トイレと洗面の小窓2か所が小(S)だったとします。
- 大(L):89,000円 × 2か所 = 178,000円
- 中(M):58,000円 × 3か所 = 174,000円
- 小(S):36,000円 × 2か所 = 72,000円
- 合計:178,000円 + 174,000円 + 72,000円 = 424,000円(下限の5万円を超え、上限の100万円には届かない)
この見積の補助額が、自分の計算より少なかったとします。原因として考えられるのは、どこかの窓がSの区分で計算されている、大きさの区分が1つ下になっている、といったことです。
- 見積の補助額が 400,000円 だった場合:424,000円 − 400,000円 = 24,000円 少ない
- 中(M)の窓1か所がSで計算されていれば:58,000円 − 34,000円 = 24,000円 少なくなり、差とちょうど合う
こういうときは「中(M)の3か所は、全部P(SS)の品番ですか」と、その1行だけを聞けば話が早く進みます。
反対に、見積の額が自分の計算より多いときも確かめる価値があります。集合住宅の列で計算していないか、大きさの区分が1つ上になっていないかを見てください。補助額が多めに書かれた見積で契約して、実際の額が下がれば、契約の定め方によってはその差が施主の負担に回ります。
検算に使うのは、見積の品番と、窓ごとの大きさの区分の2つです。この2つが見積に書かれていなければ、書き足してもらうところから始めてください。窓の組み合わせを入れて自動で足し算するなら補助金シミュレーターが使えます。
出典:公式「内窓設置」
下限5万円と上限100万円の読み方
補助額には、1回の申請の合計が5万円未満だと申請できない下限と、1戸あたり100万円の上限があります。「最大100万円」は上限であって、多くの窓の工事は100万円まで届きません。
下限は、1か所ずつではなく、1回の申請にまとめた窓の合計で判定します。上限は1戸あたりで、窓の数が多くなって足し合わせた額が100万円を超えると、そこで頭打ちになります。つまり、下限は「小さい工事が申請できるか」、上限は「大きい工事でどこまで出るか」を決める数字で、ふだんの窓の工事で気にするのはむしろ下限のほうです。
| 中身 | 効いてくるのは | |
|---|---|---|
| 下限 | 1回の申請の補助額の合計が5万円未満なら申請できない | 小さい窓が少しだけの工事、ガラス交換だけの工事 |
| 上限 | 1戸あたり100万円 | 外窓交換を家じゅうの大きい窓でする工事 |
- 下限に届かない例:戸建て・内窓・S・小(S)を1か所 = 22,000円 → 5万円未満のため申請できない
- 上限で止まる例:戸建て・外窓交換カバー工法・P(SS)で、特大(G)239,000円 × 3か所 + 大(L)188,000円 × 2か所 = 717,000円 + 376,000円 = 1,093,000円 → 上限の1,000,000円で頭打ち
上の計算例のように、100万円に届くのは、外窓交換を大きい窓で何か所もするような工事です。内窓だけの工事では、上の検算の例のように7か所付けても合計は上限の半分に届かず、上限まではかなりの距離があります。「最大100万円」という言葉を聞いて、自分の工事でも100万円近く戻ると考えていると、見積の補助額を見たときに「少なすぎる」と感じてしまいますが、それは表どおりの計算であることがほとんどです。
見積の補助額が上限の100万円ちょうどになっているときは、計算した合計が100万円を超えたので上限で止めた額なのか、たまたま100万円になったのかを聞いておくと、窓を減らしたときに補助額がいくら変わるかが分かります。上限を超えている分の窓は、減らしても補助額が変わらないことがあるからです。
小さい工事で下限に届かないときは、ほかの窓と1回の申請にまとめられるかを事業者と相談することになります。どの窓が対象になるかの細かい要件は先進的窓リノベ2026事業の対象要件は?で扱っています。
出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業」詳細資料/環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」
期限と予算、申請の流れ

補助額が表どおりに出るのは、期限と予算の範囲の中で、登録事業者が申請した場合です。対象は令和7年11月28日以降に着手し、令和8年12月31日までに完了する工事で、受付は予算の上限に達した時点で終わります。
額の計算がどれだけ正しくても、期限か予算のどちらかに外れれば補助は出ません。この事業は先着順で予算を使っていく仕組みなので、締切の日付より前でも、予算が尽きればその日で受付が止まります。ページ上の帯が、取得した日の予算の使われ具合です。本文では予算の残りの割合は書きません。翌日には変わってしまう数字だからです。
| 期限 | 中身 |
|---|---|
| 着手 | 令和7年11月28日以降に着手した工事 |
| 完了 | 令和8年12月31日までに完了する工事 |
| 交付申請の予約 | 工事の着手後にできる。令和8年3月下旬に始まっていて、遅くとも令和8年11月16日まで(予定) |
| 交付申請の受付 | 令和8年3月下旬に始まっていて、遅くとも令和8年12月31日まで(予定)。予算の上限に達した時点で終了 |
申請するのは施主ではなく、リフォーム事業者(工事請負業者)などの登録事業者です。住宅の持ち主が自分で申請することはできません。流れは、事業者登録、工事請負契約、着工、完了・引渡し、交付申請、交付決定・補助金の交付、補助金分の還元の順で、交付申請はすべての工事が完了した後にします。交付申請の手続きは事業者がするので、施主が自分で申請を出すことはありません。事業者から書類の用意を頼まれたときは、何の手続きに使うのかを聞いてから渡すと安心です。
事業者は受け取った補助金を施主に全額還元します。還元の方法は、交付申請のときに共同事業実施規約で合意した方法です。工事代金から差し引くのか、現金で受け取るのかといった戻り方は、この規約で決まります。
予約も交付申請の受付も、すでに始まっています。これから契約する場合に残っている時間は短く、予約は着手後にしかできないので、遅くとも令和8年11月16日(予定)までに着手していないと予約の期間に間に合いません。交付申請はすべての工事が完了した後にするので、完了は令和8年12月31日の期限より前に余裕をもって終わらせる必要があります。
たとえば今から契約して着工が冬にずれ込む場合、着手の条件は満たしていても、予約の期間を過ぎてしまい、完了と申請も期限ぎりぎりになります。予算が尽きる前に申請できるかも重なるので、着工日・完了予定日・予約の予定日の3つを、契約の前に日付で聞いておいてください。
申請の流れで施主が関わる場面と、予約・還元のくわしい仕組みは先進的窓リノベ2026事業の申請は誰がする?にまとめています。
出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業の概要」/環境省 詳細資料/事業の公式サイト
ほかの補助と合わせるとき
先進的窓リノベ2026事業は、補助の対象が重ならなければ国のほかの補助金と併用でき、自治体の補助金とも、国費が充当されているものを除いて併用できます。
同じ窓に国のお金が二重に入らないようにする決まりだと考えると分かりやすくなります。窓は窓リノベ、給湯器は給湯省エネ、というように工事ごとに事業を分ければ、それぞれの補助額を足し合わせることができます。先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業・みらいエコ住宅2026事業の4つは、住宅省エネ2026キャンペーンとしてまとめて運用されていて、ワンストップで申請できます。
| 組み合わせ | 扱い |
|---|---|
| 国のほかの補助金(給湯省エネ2026事業など) | 補助の対象が重ならなければ併用できる |
| みらいエコ住宅2026事業(リフォーム) | 同じ発注者が同じ住宅で窓リノベなどの交付決定を受けている場合に限り、みらいエコ住宅の下限が2万円に下がる |
| 自治体の補助金 | 国費が充当されているものを除いて併用できる(国が併用を認めた交付金が充当されたものは例外) |
- 例:戸建てで内窓7か所(上の検算の例)と、エコキュートへの交換1台を一緒にする
- 窓リノベ 424,000円 + 給湯省エネ(エコキュートの基本額)70,000円 = 494,000円
給湯器の補助額は、機種ごとの基本額に加算を足して決まります。エコキュートの性能加算や、古い電気温水器を外すときの撤去加算が付くかどうかで額が変わるので、くわしくは給湯省エネ2026事業の補助額と上限はいくら?で確かめてください。戸建ては2台まで、共同住宅等は1住戸に1台までと、給湯器は台数で上限が決まります。
自治体の補助金に国費が入っているかどうかは、自治体ごとに違います。窓リノベの資料をいくら読んでも分からないので、お住まいの市区町村の担当窓口に「この補助金に国費は入っていますか。先進的窓リノベ2026事業と併用できますか」と聞くのが確実です。
営業に「国と市で両方もらえます」と言われたら、市の補助金の名前と、国費が入っていないことを誰がどう確かめたかを聞いておいてください。見積に自治体の補助も差し引かれている場合は、特に大事です。
そもそもお住まいの市区町村に窓の工事が対象になる補助金があるかは、住所から制度を探して要綱で確かめる手順を、市区町村のリフォーム補助金の記事にまとめています。

出典:環境省 詳細資料/住宅省エネ2026キャンペーン公式/みらいエコ住宅2026事業 交付申請の要件(リフォーム)
契約前に業者に確かめること
ここまでの表の読み方を、契約の前に業者へ聞く形に並べ直すと、次の7つになります。
- 窓ごとの工事の種類(内窓設置・外窓交換のカバー工法かはつり工法か・ガラス交換・ドア交換)
- 戸建てと集合住宅のどちらの表で計算したか
- 窓ごとの品番と、その性能区分(P(SS)・S・A)
- 窓ごとの大きさの区分と、何㎡として計算したか(ガラス交換ならガラスの面積の基準か)
- 窓ごとの1か所あたりの額と、合計の補助額(5万円以上か、100万円の上限で止めているか)
- 着工日・完了予定日・予約の予定日
- 予算が尽きて申請できなかった場合、契約や代金はどうなるか
1〜5は、見積の補助額の内訳を確かめる質問です。答えを見積書に書き込んでもらえば、1行だけだった補助額が窓ごとの行に分かれ、自分で表を引いて検算できるようになります。家族に説明するときも、この内訳があれば「なぜこの額なのか」を同じ紙で話せます。
7つ目は、見積書にも契約書にも書かれていないことが多い項目です。補助金が出る前提の金額で契約するなら、出なかったときに誰がその分を負担するのか、契約を取り消せるのかを先に決めておくと、あとで困りません。答えを契約書か覚え書きに残してもらうのが確実です。
たとえば2社から窓の見積を取った場合、同じ窓でも、1社はP(SS)、もう1社はSの製品で見積っていることがあります。補助額だけ比べるとP(SS)の見積のほうが多く戻りますが、工事代金も違います。この7つを両方に聞いて、補助額を引いたあとの自己負担額どうしを並べると、どちらの見積が手元に多くお金を残すかが見えます。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
窓ごとの補助額の内訳(工事の種類・性能・大きさ)が分かったら、その内訳を持って複数の会社から見積を取ると、補助額を差し引いた実際の負担を比べやすくなります。窓リノベの補助は登録事業者が申請する制度なので、見積の段階で「登録事業者かどうか」も確かめてください。リフォーム会社をまとめて紹介してもらえる無料のサービスもあります。
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
補助金は、使えば必ず得になるものではありません。次のような場合は、使わない、または急がない判断もあります。
- 補助額を上げるために、性能区分を上げる:戸建ての内窓・中(M)で、P(SS)とSの差は1か所24,000円です。製品の値段の差がそれより大きければ、区分を上げるほど負担が増えます
- 補助額が大きいからと、内窓ではなく外窓交換にする:戸建て・中(M)・P(SS)の1か所で、外窓交換(カバー工法)の138,000円と内窓の58,000円の差より工事代の差が大きければ、外窓交換にするほど負担が増えます
- 5万円の下限に届かせるために、困っていない窓まで工事を増やす:戻る額より、増える工事代のほうが大きくなりがちです
- 予算の残りが少なく、完了が令和8年12月31日に間に合わない見込み:補助金が出る前提で契約を急ぐより、次の年度の制度を待つ判断もあります(次の年度も同じ制度があるかは、公表されるまで分かりません)
1つ目と2つ目は、補助額の差と工事代の差を並べれば判定できます。見積に、区分や工事の種類を変えた2通りの価格を出してもらい、補助額を引いたあとの自己負担額を比べてください。断熱の性能そのものに価値を感じて上げるのは施主の選択ですが、「補助額が増えるから」だけを理由に上げると、計算が逆になることがあります。
3つ目は、窓を1か所足したときに増える工事代と、増える補助額を比べれば判定できます。困っていない窓まで工事をするかどうかは、補助金とは別に考えたほうが、あとで後悔しにくくなります。
4つ目は、事情によって答えが変わります。変わる条件は、工事の完了予定日と予算の残り具合、そして今の窓でどれだけ困っているかです。完了予定日は事業者の工程表で、予算の使われ具合はページ上の帯と公式サイトで確かめられます。迷うときは、事業者に「完了が期限に間に合わなかった場合の扱い」を聞き、その答えを持って家族と相談してください。
出典:公式「内窓設置」/公式「外窓交換(カバー工法)」/環境省 詳細資料
よくある質問
1戸でいくらまで出ますか?
上限は1戸あたり100万円です。ただし上限は頭打ちの額で、実際の補助額は窓1か所ごとの額を足したものです。内窓だけの工事では100万円に届かないことがほとんどで、届くのは外窓交換を大きい窓で何か所もするような工事です。
内窓を1か所付けると、いくらになりますか?
戸建てなら、P(SS)の製品で特大140,000円・大89,000円・中58,000円・小36,000円、Sの製品で特大76,000円・大52,000円・中34,000円・小22,000円です。ただし1回の申請の合計が5万円未満だと申請できないので、小さい窓1か所だけでは申請できないことがあります。
マンションだと額は違いますか?
違います。集合住宅の表は戸建てとは別で、内窓・中(M)・P(SS)なら戸建ての58,000円に対して集合は64,000円と、どの区分でも少し高めです。見積の額と自分の計算が合わないときは、どちらの表で計算したかを確かめてください。
5万円に届かないとどうなりますか?
申請できません。下限は1回の申請の合計で判定するので、ほかの窓と合わせて1回の申請にできるかを事業者と相談することになります。下限のためだけに工事を増やすかどうかは、増える工事代と比べて決めてください。
補助金は誰が受け取って、どう戻りますか?
申請して補助金を受け取るのは登録事業者で、事業者は施主に全額を還元します。還元の方法は、交付申請のときに共同事業実施規約で合意した方法です。工事代金から差し引くのか、現金で受け取るのかを契約の前に確かめてください。
市の補助金と合わせて使えますか?
自治体の補助金は、国費が充当されているものを除いて併用できます(国が併用を認めた交付金が充当されたものは例外)。国費が入っているかは自治体ごとに違うので、市区町村の担当窓口で確かめてください。
見積を見る前のおさらい
- 1か所あたりの額は、工事の種類・性能区分・大きさ、それに戸建てか集合住宅かで、公式の表から1つに決まる
- 内窓設置はP(SS)とSの2区分。戸建て・中(M)なら58,000円と34,000円。集合住宅の表は少し高め
- 外窓交換は、戸建てではカバー工法のほうがはつり工法より1か所の額が大きい。集合住宅では同じ額
- ガラス交換は大きさの基準が窓と別で、額も小さい。ドア交換は窓と同じ契約で同時に申請する場合だけ
- 見積の補助額は、窓ごとの額を足して検算する。合わなければ、ずれている1行を聞く
- 1回の申請の合計が5万円未満なら申請できない。上限は1戸あたり100万円で、届くのは外窓交換の大きな工事
- 令和7年11月28日以降に着手し、令和8年12月31日までに完了する工事が対象。受付は予算が尽きた時点で終わる
- 申請するのは登録事業者。補助金は共同事業実施規約で合意した方法で全額還元される
「最大100万円」は上限の数字で、うちの窓の額は表のマスを足していけば出てきます。見積に窓ごとの品番と大きさの区分が書かれていれば、施主でも表を引いて検算でき、家族にも同じ紙で説明できます。まずは手元の見積の窓を1つずつ書き出し、4つの軸をそろえるところから始めてください。

