2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。
- 和室とリビングをつなげてLDKにしたら、いくらかかるの?
- DKを広げてLDKにするのと、和室をつなぐのでは、何が違うの?
- この壁は取っていいの?開けたら柱が出てきたらどうなる?
- 和室を寝室にしたい。畳をフローリングにするだけで済む?
- 寝室を仕切ったら、窓のない部屋になっても大丈夫?
- 業者によって提案も見積の総額もばらばらで、比べられない
- 間取り変更に、国の補助金は使えるの?
上記のような悩みに答えます。
LDKへの間取り変更は、壁を取って部屋をつなぐ工事と、床・建具・収納・内装をつくり直す工事の組み合わせです。検索すると、畳数ごとの相場の表や施工事例の写真、AI要約による金額の幅がすぐに出てきます。ただ、取ろうとしている壁が建物を支える壁かどうかをどの順番で確かめるのか、大きく変える計画で役所の手続きが要るのか、寝室を仕切るときの窓と換気の決まり、そして広げた部屋と国の補助の関係までは、ほとんど書かれていません。そこで、間取り変更の型と和室の床・建具という基本を押さえたうえで、取ってよい壁の見分け方、確認申請、仕切るときの採光と換気、マンションの承認、広げたLDKの窓から考える補助金まで、建築基準法の条文、国土交通省の資料、みらいエコ住宅2026事業の要件書、メーカーの公開資料で確かめながら整理しました。
LDKへの間取り変更の費用は、「和室をつなぐ」「DKを広げる」「和室を寝室にする」のどの型か、取る壁が構造上重要な壁かどうか、床・収納・建具・配管をどこまで替えるかで決まります。畳数ごとの相場より、壁の扱い・床・建具・配管・内装・開けてからの補強を行に分けた見積で比べるのが確かです。国の補助(みらいエコ住宅2026事業)は、平成28年以前に新築された住宅で、トリガールームの窓などの断熱改修を中心にした要件化工事を行い、補助額の合計が5万円以上(他の構成事業の交付決定がある場合は2万円以上)になるときだけ使えます。壁の撤去や内装そのものは補助対象工事の項目にありません。
窓や給湯器の工事を組み合わせたときに国の事業でいくら戻るかは、補助金の計算ツールで確かめられます。

2026年度の制度・2026年10月時点で確かめています
LDKへの間取り変更は3つの型で考える

LDKへの間取り変更は、「和室をリビングとつなぐ」「DKを隣の部屋まで広げる」「和室を寝室(洋室)にする」の3つの型に分けて考えると、費用がどこで動くかが見えてきます。同じ「LDKリフォーム」という言葉でも、壁を取るのか、キッチンを動かすのか、床と建具を替えるだけなのかで、工事の種類そのものが違うからです。
和室をつなぐ型は、和室とリビングの間のふすまや壁を取り、床の高さと仕上げをそろえる工事が中心です。DKを広げる型は、隣の部屋との壁を取る工事に、キッチンの位置や向きを変えるかどうかが加わります。キッチンを動かすと、給排水の配管、換気扇の排気、電気の配線まで工事が広がります。和室を寝室にする型は、壁を取らずに畳・押入れ・ふすま・壁や天井の仕上げを替える工事で、部屋をつながない分、構造に触れることは少なくなります。
| 型 | 主な工事 | 費用が動くところ |
|---|---|---|
| 和室をつなぐ | 間のふすま・壁の撤去、床の高さと仕上げをそろえる | 取る壁の扱い、床の段差、照明とコンセント |
| DKを広げる | 隣の部屋との壁の撤去、床と内装、キッチンの位置変更(する場合) | 取る壁の扱い、配管・排気・配線、キッチン本体 |
| 和室を寝室にする | 畳をフローリングに、押入れをクローゼットに、ふすまをドアに | 床の下地と段差、収納と建具の数、壁と天井の仕上げ |
たとえば、リビングの隣に6畳ほどの和室がある戸建てで、和室との間のふすまを外し、畳をフローリングに替えて一続きにするだけなら、和室をつなぐ型の中でも工事は小さく済みます。同じ家でキッチンを壁付けから対面に向け直すと、DKを広げる型の工事が重なり、配管と排気の行が見積に加わります。キッチンの向きを変える工事の中身は、別の記事で詳しく扱っています。

まず家族で、どの型をやりたいのかを1枚の間取り図に書き込んでください。取りたい壁、残したい壁、動かしたい設備に印を付けておくだけで、業者の提案がどの型で出てきたのかを比べられるようになります。
取ってよい壁かを最初に確かめる
LDKにするために壁を取る計画なら、内装や設備を決める前に、その壁が建物を支える壁かどうかを確かめるのが先です。建物を支える壁を取るなら、梁や柱で補う工事が必要になり、取れないと分かれば間取りの形そのものを変えることになるからです。
建築基準法は、壁・柱・床・はり・屋根・階段を「主要構造部」としたうえで、建築物の構造上重要でない間仕切壁などを除くと定めています。つまり、同じ「壁」でも、部屋を区切っているだけの壁と、建物を支えている壁とでは扱いが違います。どちらに当たるかは、見た目では分かりません。木造の在来工法では柱と梁と壁の組み合わせで、ツーバイフォー工法では壁や床の面で建物を支えていて、構造図面と現地の調査で確かめることになります。
- 建てたときの図面(平面図・構造図)が手元にあるかを探す
- 図面が無いときは、天井裏と床下を見てもらう調査を頼む
- 取りたい壁が支える壁かどうか、取るならどう補うかを書面で示してもらう
- 補う工事の費用と、取れない場合の代わりの案を一緒に出してもらう
日本ツーバイフォー建築協会の会報に載った大和ハウスウッドリフォームの事例では、構造図面が手に入らなかったため、小屋裏と床下を調べて耐力壁・支持壁・仕切り壁を把握し、壁の量のバランスを計算しながら2室をつなげています。これは1社の1軒の事例で、図面が手に入らなかった家でも、小屋裏と床下の調査から壁の種類を把握した、と紹介されています。ほかの家で同じように判断できるとは限らないので、図面の有無と調査の要否は施工会社に確かめてください。
一般的な鉄筋コンクリート造のマンションについて、TOTOは、部屋と部屋を間仕切る壁は壊せる場合がほとんどで、2部屋をつなげて1部屋にする間取り変更ができる一方、水まわりの位置を大きく動かすのは難しいことが多いと説明しています。戸建てでもマンションでも、「この壁は取れますか、取るなら何を補いますか」を最初の相談で聞いてください。壁の答えが出てから、床や建具の仕様を決めれば、二度手間になりません。
出典:建築基準法(e-Gov法令検索)/日本ツーバイフォー建築協会 会報 vol.38/TOTO「マンションリフォームのヒント」
大きく変える計画は確認申請に注意
木造2階建ての戸建てで、壁・柱・床・はりなどの主要構造部の過半に手を入れるような大きな間取り変更は、2025年4月以降に着手するものから、工事の前に建築確認の手続きが必要になりました。法律の改正で、それまで手続きが要らなかった木造2階建てなどの大規模なリフォームが、確認の対象に入ったからです。
国土交通省の案内では、大規模なリフォームとは、主要構造部の一種以上について過半を改修することと説明されています。屋根や壁の仕上げ材だけの改修は当たらず、キッチン・トイレ・浴室などの水回りのリフォームや、手すり・スロープの取り付けも手続きは要りません。ただし工事の内容によっては当たる場合があるので、迷うときは建築主事か指定確認検査機関に相談するよう案内されています。
| 計画の例 | 確認申請 |
|---|---|
| 和室と居間の間のふすまを外し、床と内装をそろえる | 主要構造部の過半に手を入れないなら要らないことが多い |
| 1階の間仕切壁を何か所も取り、柱や梁を入れ替えて大きなLDKにする | 当たるかを着手前に建築主事か指定確認検査機関に確かめる |
| 階段を架け替えて位置を変え、LDKを広げる | 階段も主要構造部なので、当たるかを着手前に建築主事か指定確認検査機関に確かめる |
| 木造平家建てで延べ面積200平方メートル以下 | 大規模なリフォームの確認は不要 |
確認が要る計画では、確認は工事に着手する前に終えなければならず、今の法律に合っていない箇所があれば、それを合わせる工事が別に必要になる場合があります。延べ面積が100平方メートルを超える家で大規模なリフォームを行うなら、建築士による設計と工事監理も必要です(都道府県が別に定めている場合があります)。
たとえば、1階の和室・DK・廊下の壁をまとめて取り、柱を抜いて梁で補強し、階段の位置も変えて大きなLDKにする計画なら、手続きと設計の費用・期間が見積と工程表に入ってきます。反対に、和室とリビングの間の建具を外して床をそろえる程度なら、手続きの心配はほとんどありません。戸建てを丸ごと直す計画の手続きと耐震の確かめ方は、別の記事にまとめています。

最初の相談で「この計画は確認申請が要る工事に当たりますか」と聞き、当たるなら設計・申請の費用と期間が見積に入っているかを確かめてください。当たるのに入っていない見積は、あとから金額と日程が動きます。
出典:国土交通省「国土交通省からのお知らせ」(大規模なリフォームの建築確認)
和室を寝室にするときの床・収納・建具
和室を寝室(洋室)にする工事は、畳・押入れ・ふすま・壁と天井の4つを、どこまで洋室に合わせるかで中身が決まります。どれを替えるかで、床の下地の工事や建具の数が変わり、見積の行が増えたり減ったりするからです。
いちばん大きいのは床です。畳を外してフローリングにするときは、畳の厚みの分だけ床の下地を組み直して、廊下や隣の部屋との高さをそろえる工事が入ることがあります。和室の入口に敷居の段差が残っていると、つまずきやすくなります。押入れは、中段や襖を外してクローゼットにするか、押入れのまま扉だけ替えるかで工事が違います。ふすまを開き戸や引き戸にするなら枠ごと替える工事が要り、砂壁や聚楽壁は、今の仕上げをどう扱うかで手間が変わることがあるため、見積で扱い方を確かめてください。
- 床:畳のまま寝室にするか、フローリングにするか(下地を組み直すか、段差をどうするか)
- 収納:押入れをクローゼットにするか、押入れのまま扉だけ替えるか
- 建具:ふすまのままにするか、ドアや引き戸に替えるか(枠ごと替えるか)
- 壁と天井:今の仕上げを生かすか、下地からやり直すか
- 照明とコンセント:ベッドの位置に合わせて足すか
たとえば、高齢の親の寝室を1階の和室に移すなら、ベッドを置けるフローリングにして、入口の段差をなくし、ふすまを引き戸にする組み合わせが考えやすくなります。段差の解消や引き戸への取り替えは、介護保険の住宅改修の種類にも挙がっていて、原則として工事の前に市町村へ申請が要ります(やむを得ない事情がある場合は、工事完成後の申請も可能とされています)。着工前に市町村やケアマネジャー等へ確かめる必要があるので、バリアフリーの記事で手順を確かめてください。

一方、来客用の和室を子どもの寝室にするだけなら、畳はそのままにしてベッド用の敷物を使い、押入れの扉と照明だけ替える選び方もあります。「寝室にする」ことと「洋室にする」ことは同じではありません。誰が、何年くらい使う部屋なのかを決めてから、4つのうちどれを替えるかを選ぶと、見積の行が自分の暮らしに合ったものになります。
部屋を仕切るときは窓と換気を見る
広いLDKの一角を寝室として仕切る、和室を2つに分けるといった計画では、仕切ったあとの部屋に窓があるかを先に確かめます。建築基準法は、住宅の居室に採光と換気のための開口部を、床面積に対して決められた割合以上設けるよう定めているからです。
居室とは、建築基準法で「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」とされ、寝室はこれに当たります。同じ条文には、「ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は」採光と換気の決まりの上で一室とみなす、という定めもあります。つまり、壁で完全に区切るのか、ふすまや障子のように開け放てるもので仕切るのかで、窓の決まりの見方が変わります。
たとえば、南側に窓が1つしかない広い洋室を壁で2つに分けると、窓の無いほうの部屋が寝室として使えるかどうかが問題になります。ふすまや障子のように開け放てる建具で仕切れば、条文の上では2室を1室とみなせます。ただし、どんな建具が「随時開放することができるもの」に当たるか、自分の家の窓の大きさで足りるかは、設計する建築士や施工会社に確かめてください。換気については、決められた換気設備を設けた場合の扱いもあります。
みらいエコ住宅2026事業の要件書も、開口部のない居室は想定していないと書いています。部屋を仕切る計画では、間取り図に窓の位置を書き込み、「仕切ったあとの各部屋で、窓と換気は足りますか」と業者に聞いてから、壁にするか建具にするかを決めてください。決めてから仕切り方を変えると、建具と内装の行が丸ごと入れ替わります。
マンションのLDK化は承認から
マンションでLDKへの間取り変更をするなら、工事の内容を決める前に、管理規約で承認が要る工事かを確かめるのが先です。国土交通省のマンション標準管理規約のコメントは、理事長の承認が要る工事の具体例に「間取りの変更」と「床のフローリング」を挙げているからです。
承認が要るのは、共用部分やほかの住戸に影響を与えるおそれのある工事です。和室をつないでLDKにする工事は、間取りの変更と、畳からフローリングへの床の張り替えが重なることが多く、どちらも承認の例に当たります。標準管理規約では、床材を張り替える工事は新築時と同等以上の遮音性能を確かめることとされ、全面的なリフォームでは壁や床をはがして耐力壁を撤去しないかを確認する、という考え方も示されています。
- 自分のマンションの管理規約と使用細則で、承認が要る工事と届け出の方法を確かめる
- 床をフローリングにするなら、求められる遮音性能を管理会社に確かめる
- 取りたい壁が専有部分の間仕切り壁か、建物を支える壁かを、管理組合や施工会社に図面で示してもらう
- 承認に要る書類(設計図・仕様書・工程表)を業者に用意してもらう
たとえば、6畳の和室とリビングをつなぐだけでも、床をフローリングにするなら、遮音の条件を満たす床材を選ぶ必要があり、床材と下地の行が変わります。マンションのリフォームで手を入れられる範囲と、範囲ごとの見積の分け方は、別の記事で詳しく扱っています。

承認には時間がかかることがあるので、見積を頼むときに「管理組合への申請書類まで用意してもらえますか」と聞いておくと、着工の日程がずれにくくなります。規約は管理組合ごとに違うので、標準管理規約の考え方は目安として使い、最後は自分のマンションの規約で決めてください。
間取り変更の見積は行を分けて比べる

間取り変更の見積は、総額ではなく、壁・床・建具・収納・配管・内装・開けてからの補強という行に分けて比べるのが確かです。LDK化は会社ごとに提案の形が違いやすく、総額だけでは、同じ工事の値段を比べているのか、違う工事を比べているのかが分からないからです。
LDKへの間取り変更の費用を、広さと範囲と時点の条件つきで公開しているメーカーや公的機関の資料は、編集部が確かめた範囲では見つかりませんでした。畳数ごとの相場の数字は、壁を取るか、キッチンを動かすか、床の下地まで直すかが混ざった結果で、自分の家の目安にはしにくいものです。パナソニックの参考見積書で分かるのは、商品の価格と工事費が別に書かれる、ということです。
パナソニック「壊さず新しく 和室リフォーム2」の御参考見積書(見積日2025年4月3日・2026年10月19日に確認)は、メーカー希望小売価格(税抜)で、消費税と工事費は含まないと書かれています。和室リフォーム用の引戸(ふすまC3)は1本70,000円(税抜・商品のみ)、商品合計は1,631,800円(税抜・商品のみ)です。この合計には和室の建具・収納のほか、玄関収納・多用途収納・インテリアカウンター・LDKの床材も入っていて、和室だけの価格ではありません。
出典:パナソニック「壊さず新しく 和室リフォーム2」御参考見積書
- 取る壁:撤去・処分と、補う梁や柱の行(支える壁かどうかの判断を添えて)
- 床:仕上げ材と下地、段差をそろえる工事の行
- 建具と収納:ドア・引き戸・クローゼットの数と、枠ごと替えるか
- 配管・排気・配線:キッチンや照明・コンセントを動かす場合の行
- 内装:壁と天井の下地と仕上げの範囲
- 開けてからの扱い:柱や配管が出てきたときの単価と上限、確認申請や管理組合の書類の費用
たとえば、A社は「LDK改装一式」の1行、B社は上の6行に分けた見積だったとします。A社のほうが安く見えても、補強の梁や床の下地が入っていないなら、工事が始まってから追加になりかねません。A社にも同じ6行で書き直してもらうと、差がどの行にあるのかが見えます。予算を超えたときも、6行を見れば「キッチンは今回動かさない」「収納は扉だけ替える」と、削ってよい行を選べます。相見積の頼み方は別の記事にあります。

見積を受け取ったら、6行に「入っている・別途・書いていない」の印を付け、書いていない行を書いてもらうところから始めてください。行がそろってから比べれば、値引きの話より先に、どの会社が自分の家の壁と床を正しく見ているかが分かります。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
壁を取らずに床と建具を替えるだけなら、近くの1社に6行で見積を出してもらえば足ります。ただ、LDK化は取る壁の扱いや床の段差、キッチンまで動かすかで、会社ごとに提案の中身そのものが違ってきます。同じ間取り図を渡して複数のリフォーム会社に行を分けた提案をもらうなら、会社をまとめて紹介してもらえる無料のサービスがあり、頼む前に紹介される社数と連絡の方法を確かめておくと進めやすくなります。
補助金は広げた部屋の窓から考える
間取り変更で国の補助を考えるなら、壁を取る工事からではなく、広げた部屋の窓と断熱から考えるのが確かです。みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、窓などの断熱改修を中心とした「要件化工事」をしたうえで行う工事に補助が出る仕組みで、壁の撤去や内装そのものは補助対象工事の項目に無いからです。
補助を受けられるのは、平成28年以前に新築された住宅で、要件化工事を行い、申請する補助額の合計が5万円以上(他の構成事業の交付決定がある場合は2万円以上)になる場合です。平成29年以降に新築された住宅も、次世代省エネ基準を満たさないことを証明できれば、平成4年から平成28年に新築された住宅として扱われます。要件化工事は、外皮に面する開口部がある任意の1つの居室(トリガールーム)で、そこにある外皮に面したすべての開口部を2025年11月28日以降に断熱改修し、窓の性能区分や新築の時期によっては躯体(外壁・屋根や天井・床)の断熱改修も組み合わせる工事です。
ここで間取り変更と関わるのが、トリガールームの数え方です。要件書は、トリガールームを「壁または建具により仕切られている居室」とし、また、トリガールームが居室であることの確認として、リフォーム工事の完了後にトリガールームのすべての面(壁面および天井)を撮影した写真を求めています。リビングダイニング・キッチン・和室・寝室はどれもトリガールームに指定できる例に挙がっていますが、和室とリビングをつないで1つのLDKにすると、工事後の1つの部屋に外皮に面した窓がいくつあるかが変わります。複数の窓があれば、最も低い性能区分の窓で躯体の断熱改修の部位数が決まります。
窓の最低性能区分ごとに必要な躯体の断熱改修の部位数と、1戸あたりの上限額(40万〜100万円)は、新築の時期と、義務基準・次世代省エネ基準のどちらに合わせるかで決まり、義務基準に合わせる場合は高効率給湯器か高効率エアコンの設置も必要です。部位数の一覧は窓の補助の要件の記事に譲り、この記事では間取り変更との関係だけを扱います。
要件化工事をした住宅では、間取り変更と重なりやすい工事にも補助対象工事の項目があります。バリアフリー改修の段差解消は1戸あたり8,400円、衝撃緩和畳の設置(登録製品を4.5畳以上)は25,200円で、どちらも要件化工事とセットで、補助額の合計が5万円以上になる場合に限られます。DKを広げてキッチンを対面に向け直すなら、「キッチンセットの交換を伴う対面化改修」も項目にありますが、交換を伴わない移設は対象外で、額は事業者に要件書の表で示してもらってください。
- 1新築の時期を登記で確かめる平成28年以前に新築された住宅か
- 2工事後の間取り図でトリガールームを決める広げたLDKか、別の部屋か
- 3その部屋の外皮に面した窓を数えるすべての開口部を断熱改修する
- 4窓の性能で躯体の部位数を決める新築の時期と改修後の性能で変わる
- 5補助額の合計が5万円以上か確かめる段差解消などは要件化工事とセット
たとえば、平成の初めに建てた家で、和室とリビングをつないで南向きに窓が3つあるLDKにする計画なら、その3つすべてを断熱改修しないと、LDKはトリガールームになりません。窓の数が多くて負担が大きいなら、窓が1つしかない寝室をトリガールームにする選び方もあります。交付申請の手続きをするのは施主ではなく登録事業者なので、どの部屋をトリガールームにするかは、工事後の間取り図を見ながら事業者と決めます。窓の工事は先進的窓リノベ2026事業(1戸あたりの上限100万円・2026年12月31日までに工事完了)で申請することもでき、その窓は要件化工事をしたものとして扱えますが、みらいエコ住宅2026事業の補助額には入れられません。窓の補助の要件と額、内窓の値段は別の記事にあります。



広げたLDKは、つなぐ前より窓が多くなり、冬の寒さが気になりやすい部屋です。補助の額から逆算するより、「広げたLDKの窓をどうするか」を先に決め、その結果として補助の条件を満たすかを事業者に確かめてください。
出典:みらいエコ住宅2026事業 公式/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/先進的窓リノベ2026事業 公式
補助金を使わない・急がないほうがいい場合
間取り変更では、補助金に合わせることがかえって遠回りになる場面があります。次のような場合は、補助金を使わない、あるいは契約を急がない判断も選択肢です。
- 取りたい壁が支える壁かどうか分からないまま、補助の期限を理由に契約を急かされている場合
- 補助の条件を満たすためだけに、予定していなかった窓や断熱の工事を足そうとしている場合
- 広げたLDKをトリガールームにすると窓の数が多く、補助額より窓の工事の負担のほうが重くなる場合
- 確認申請やマンションの承認が要る計画で、手続きの期間を見込まないまま着工日を決めようとしている場合
- 新築の時期が平成29年以降で、次世代省エネ基準を満たさないことの証明ができない場合
みらいエコ住宅2026事業のリフォームの交付申請は、予算の上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)受け付けられ、対象になる工事も完了日が遅くとも2026年12月31日までと要件書に定められています。先進的窓リノベ2026事業も2026年12月31日までに工事を終える必要があります。壁の調査や設計、確認申請、管理組合の承認から始める間取り変更は、この期限の中で工事を終えにくいことがあります。予算の状況はページ上部の帯で確かめ、今年度の枠を前提にしない計画も用意しておくと、慌てずに済みます。
反対に、補助を待たずに進めたほうがいいのは、床が沈む、和室の畳の下が湿っているといった傷みがある場合です。傷みを放っておくと下地の補修が増え、補助で戻る額より工事の増える額のほうが大きくなりかねません。市区町村の助成を合わせて使えるかは、住所と要綱で探して確かめてください。

判断の順番は「どの型の間取り変更にするか」「壁と手続きを確かめたか」「そのうえで補助の条件を満たすか」です。補助金は最後に足すもので、壁や窓の判断を曲げてまで合わせるものではありません。
よくある質問
和室をつなげてLDKにすると、いくらかかりますか?
取る壁が支える壁かどうか、床の下地と段差をどうするか、キッチンも動かすかで大きく変わるので、畳数だけで金額は決まりません。広さと範囲の条件つきで費用を公開している一次の資料も見つからなかったため、この記事では金額を示していません。同じ間取り図を渡し、壁・床・建具・配管・内装・開けてからの扱いの6行に分けた見積を取って比べてください。
工事中も住み続けられますか?
和室を寝室にする工事や、建具を外して床をそろえる程度なら、部屋ごとに進めて住みながら工事することも考えられます。キッチンを動かす、柱や梁を補強する、確認申請が要るような大きな工事では、台所や1階が使えない期間が長くなります。使えない期間と仮住まいの要否を、工程表で業者に示してもらってください。
LDKを広くすると冬に寒くなりませんか?
部屋をつなぐと1つの部屋の窓と外に面した壁が増えるので、暖房の効き方が変わることがあります。広げたLDKの窓を断熱改修すれば、みらいエコ住宅2026事業の要件化工事にもつながります。どの窓をどう替えるかは、工事後の間取り図で事業者と決めてください。
キッチンの位置も動かすと、費用はどれくらい変わりますか?
キッチンを動かすと、給排水の配管、換気扇の排気、電気の配線の工事が加わり、床や壁を直す範囲も広がります。動かす距離や床下の状況で変わるため、金額は現地を見てもらわないと出せません。対面キッチンにする場合の工事の中身は、対面キッチンの記事で確かめてください。
段差をなくす工事や畳の入れ替えにも補助はありますか?
みらいエコ住宅2026事業では、要件化工事をした住宅で、段差解消(1戸あたり8,400円)と、登録製品の衝撃緩和畳を4.5畳以上設置する工事(25,200円)が補助対象工事に入っています。どちらも単独では申請できず、補助額の合計が5万円以上になる必要があります。介護保険の住宅改修を使う場合は、原則として工事より前に申請が要るので、その順番を先に確かめてください。
マンションでも和室をLDKにできますか?
一般的な鉄筋コンクリート造のマンションでは、部屋を間仕切る壁は壊せる場合がほとんどだとTOTOは説明していますが、水まわりを大きく動かすのは難しいことが多いとしています。標準管理規約のコメントでは、間取りの変更と床のフローリングは理事長の承認が要る工事の例です。自分のマンションの管理規約と、床の遮音の条件を先に確かめてください。
見積を見る前のおさらい
- LDKへの間取り変更は「和室をつなぐ」「DKを広げる」「和室を寝室にする」の3つの型で、費用が動く場所が違う
- 取る壁が建物を支える壁かどうかを、図面か天井裏・床下の調査で最初に確かめる
- 木造2階建てで主要構造部の過半に手を入れる計画は、2025年4月以降は着手前の確認申請が要る
- 和室を寝室にするなら、床・収納・建具・壁と天井のどれを替えるかを、使う人と年数で選ぶ
- 部屋を仕切るときは窓と換気を確かめる。ふすま・障子など開け放てるもので仕切った2室は1室とみなされる
- マンションでは、間取りの変更と床のフローリングは承認が要る工事の例。遮音の条件も先に確かめる
- 見積は壁・床・建具と収納・配管・内装・開けてからの扱いの6行で比べる
- 国の補助は、平成28年以前に新築された住宅で、窓などの断熱改修を中心にした要件化工事を行い、補助額の合計が5万円以上(他の構成事業の交付決定があれば2万円以上)のときだけ。広げたLDKをトリガールームにするなら、その部屋の外皮に面した窓をすべて断熱改修する
LDKへの間取り変更の見積が妥当かどうかは、相場の数字に入っているかより、壁の扱いと床の段差、開けてからの補強が書かれているかで決まります。まず型を決めて壁を確かめ、仕切るなら窓を見て、補助は広げた部屋の窓の判断の結果として最後に足す。この順番で進めれば、会社ごとにばらばらだった提案も同じ物差しで並べられ、家族にも「この壁を取って、この窓を替えるから、この金額」と説明できるようになります。

