悪徳リフォーム業者はどう見分ける?|補助金を使った勧誘・契約前の確認・相談先

電卓とペン
補助金の予算はどれくらい残っているか
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)
12%

2026年11月3日時点の公表値です。申請額が予算に達した時点で受付は終了します。

  • 悪徳リフォーム業者って、どうやって見分けるの?
  • 悪徳業者のリストがあれば、名前で避けられるのに
  • 「近所で工事している者です。屋根がずれていますよ」と言われた。見てもらうべき?
  • 「国の補助金で安くなる」「申請は全部こちらでやります」は本当?
  • 補助金の登録業者なら、安心して任せていい?
  • 「今日決めてくれたら安くします」と急かされた
  • 家で契約してしまった。工事が始まっていても取り消せる?
  • 親が次々に工事の契約をしている気がする。どこに相談すればいい?

上記のような悩みに答えます。

悪徳リフォーム業者の見分け方は、会社の名前を覚えることより、訪問や電話の最初の言葉と、契約の前に渡される書面を見ることが中心になります。検索すると悪質業者の実名リストや「たった一言で見抜く」型の記事が並びますが、リストに載っていない会社が家に来たとき、何を基準に判断すればいいかまでは分かりません。また、紹介サービスや業者自身のページは、補助金の事業者登録や加盟の審査が「優良の認定」ではないことまでは、なかなか書きません。そこで、勧誘の典型・その場で点検させない・相見積・相談先という基本を押さえたうえで、「補助金で安くなる」という勧誘を補助金の仕組みそのもので確かめる方法、工事が始まったあとのクーリング・オフの効果、期間を過ぎたあとの取消しの道まで、特定商取引法の条文と、国の事業の要件書、消費者庁・国民生活センター・住まいるダイヤルの公開資料で確かめながら整理しました。

先に答え

悪徳業者かどうかは名前では決まらないので、訪問の最初に社名・勧誘の目的・何の工事かを名乗るか、そして契約前の書面に総額・支払い・工期・クーリング・オフの事項がそろっているかで見分けます。突然来た業者には点検させず、その場で契約しません。「補助金で安くなる」と言われたら、申請するのは登録事業者で、補助金は事業者に交付されてから施主に還元され、還元の方法や申請できなかった場合の扱いを、交付申請の前に共同事業実施規約という書面で合意する仕組みなので、契約の前にその書面の案が出てくるかで確かめます。家で契約してしまった場合は、クーリング・オフや取消しができる場合があるので、消費者ホットライン188に相談します。

この記事の数字は2026年度の制度で、2026年10月時点で確認した資料のものです。

目次

悪徳業者は名前より言葉と書面で見分ける

電卓とペン

悪徳リフォーム業者は、社名の一覧では見分けきれません。見るのは、最初に何を名乗ったかと、契約の前にどんな書面を出したかの2つです。

社名のリストが役に立ちにくいのは、リストに載るのは過去に問題が表に出た会社だけで、いま自分の家に来た会社がそこに無くても、安全だとは言えないからです。リストは過去の記録で、いま来た会社の安全を保証するものではありません。この記事で業者の実名を挙げないのも、そのためです。

その代わり、法律は訪問販売をする事業者に、守るべき言葉と書面を決めています。特定商取引法は、訪問販売をしようとする事業者に、勧誘の前に、社名、契約の勧誘が目的であること、何の商品やサービスかをはっきり伝えるよう求めています。契約の申込みを受けたときや契約したときには、決められた事項を書いた書面を渡す義務もあります。言葉と書面は、施主がその場で確かめられる物差しです。

計算例

特定商取引法 第3条(訪問販売における氏名等の明示)=「販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにしなければならない。」第4条・第5条=申込みを受けたとき・契約を締結したときの書面の交付。記載事項に「商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価」「商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法」「役務の提供時期」「第九条第一項の規定による……申込みの撤回又は……解除に関する事項」など。いずれも e-Gov法令API で2026年10月21日に取得。住まいるダイヤルの「悪質なリフォーム業者の手口と対策」も、第3条の3つの事項を明らかにしない事業者には用心したほうがいいとし、リフォームや補修工事は「役務」に当たると注記している。

場面 見るところ 気をつけたい言い方
訪問の最初 社名・勧誘が目的であること・何の工事かを先に言うか 「近所で工事をしている者です」「ご挨拶に来ました」
点検の申し出 自分で確かめられない場所に上がろうとするか 「無料で点検してあげます」
金額の話 根拠を紙で示すか 「この場で契約するなら特別に安く」
補助金の話 申請と還元の流れを書面で説明できるか 「補助金で実質負担なし」「申請は全部やります」
契約の前 総額・支払い・工期・クーリング・オフが書面にあるか 「書類はあとで送ります」

たとえば、玄関先で最初に会社名を言わず、「近所で工事をしている者です」とだけ名乗って屋根の話を始めた人がいたら、その時点で、法律が求める名乗り方をしていないことになります。逆に、名刺を出して社名と用件を言い、こちらが断ればすぐに帰る会社なら、訪問の形でもまっとうに営業していると考えられます。

見分ける順番は「名乗り」「点検の申し出への対応」「書面」です。どれかで引っかかったら、その日は何も決めずに、別の会社の話を聞くまで待ちます。

出典:e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」/住まいるダイヤル「悪質なリフォーム業者の手口と対策1」

突然の訪問には点検させずに帰ってもらう

突然訪ねてきた業者に「無料で見ます」と言われても、屋根や床下に上げず、その日は帰ってもらいます。点検をさせてしまうと、そのあとの話を断りにくくなるからです。

国民生活センターは、屋根工事の点検商法の相談が増えているとして、典型的な勧誘の言葉を紹介しています。訪問のきっかけには「近くで工事をしている者です」「工事の挨拶に来ました」「お宅の瓦がずれているのが見えましたよ」「無料で点検してあげます」、点検のあとには「このままだと台風が来たら雨漏りしますよ」といった不安をあおる言葉、そして「この場で契約するなら特別に安くしますよ」と続く流れです。屋根を契約したあとで、外壁や塗装、シロアリの駆除など別の工事を次々に勧める例も挙がっています。屋根や床下は自分で見られない場所なので、見せられた写真が本当に自宅のものかも、その場では確かめられません。

  • 点検の申し出は「今日は結構です」と断り、屋根や床下に上げない
  • 社名と連絡先を聞き、名刺かチラシをもらっておく
  • 「家族と相談します」と伝えて、その日は決めない
  • 気になるなら、家を建てた会社や別の会社に同じ場所を見てもらう
  • 一度断ったのに何度も来るなら、そのこと自体を相談の材料にする

断った相手にもう一度勧誘することも、特定商取引法は禁じています。

計算例

特定商取引法 第3条の2第2項=「販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。」(e-Gov法令API で2026年10月21日に取得)

たとえば、親の家に「近所で工事をしている」業者が来て、屋根に上がったあとで修理を勧めた、と電話があったとします。その場合は、親に「契約は家族がそろってから」とだけ伝えてもらい、別の会社に屋根を見てもらう日を先に決めます。本当に傷んでいるなら、別の会社もそう言うはずです。

訪問で来た会社がすべて悪いわけではありません。ただ、その会社しか見ていない状態で決める理由はありません。屋根や外壁を誰に見てもらうか、許可や保険をどう確かめるかは、外壁塗装の会社選びの記事で整理しています。

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点検のあとで「屋根を直さないと」と言われ、本当に直す必要があるかを確かめたいときは、瓦・スレート・金属の傷みごとの直し方と、屋根修理の見積を同じ条件で比べる方法を、屋根修理の頼み先の記事にまとめています。

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出典:国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」

「補助金で安くなる」は仕組みで確かめる

改装中の部屋

「国の補助金で安くなる」「申請はこちらで全部やります」と言われたら、その業者が補助金の仕組みどおりの説明と書面を出せるかで確かめます。国の住宅の補助金は、申請する人も、お金の流れも、事業者と施主が交わす書面も決まっているので、そこから外れた説明は見分けられます。

まず、申請するのは施主ではなく業者です。住宅省エネ2026キャンペーンの各事業は、消費者等と契約する住宅事業者が交付申請等の手続きを行うと公式に書かれていて、先進的窓リノベ2026事業でも、申請者はリフォーム事業者(工事請負業者)等で、住宅所有者は直接申請できません。したがって「申請はこちらでやります」という言葉そのものは、おかしな説明ではありません。確かめるのは、その後の流れです。

計算例

みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」(2026年10月21日に pdftotext で確認)。p.8(1-5)=「住宅省エネ支援事業者」とは、共同事業者に代わり交付申請の手続きを行い、交付を受けた本補助金を共同事業者に還元する者として、予め本キャンペーンに登録した事業者。p.16(1-14)=本補助金は交付申請を行ったみらいエコ住宅事業者に交付され、①補助事業に係る契約代金に充当する方法、②現金で支払う方法、のいずれかで共同事業者に還元する。還元方法は交付申請の前に作成する「共同事業実施規約」により予め両者で合意し、原則①。②は、補助金が交付された時点で契約代金が精算済みの場合など、事情があるときに選べ、その場合は遅くとも補助事業者に対する補助金の交付から2ヶ月以内に還元を完了することが必要。共同事業実施規約は、リフォームの工事請負契約と同時に締結されることが望ましい(p.77 5-6の補足)。p.66(5-6)=交付申請(予約を含む)にあたっては共同事業実施規約の締結と提出が必要。締結の際の留意点に「補助金の還元方法・還元時期」「申請ができない場合等の取り決め」「各費用および想定される補助金の額についての確認」。

つまり、補助金はいったん業者に交付され、そこから施主に戻される仕組みで、戻し方と、申請できなかった場合にどうするかを、交付申請の前に共同事業実施規約という書面で合意します。要件書は、この規約を工事請負契約と同時に結ぶのが望ましいとしているので、契約の場でその案を見せてもらうよう頼めます。この書面の話が出てこないまま「補助金込みの金額」だけが示されるときは、立ち止まる合図です。窓リノベでも、補助事業者は住宅所有者等に全額を還元し、還元の方法は共同事業実施規約で交付申請時に合意した方法によるとされています。

国民生活センターには、家庭用蓄電池の訪問勧誘で、「国の補助金が出るので安くなる」と言われて契約した相談や、「補助金の申請は代行する」と言われて任せていたのに申請されておらず、問い合わせたら「今からでは間に合わない」と言われた相談が寄せられています。国民生活センターは、契約の前に、見積書や仕様、工事、補助金の申請の手続きなどの流れを十分に確かめるよう勧めています。

  • 「どの事業に、どの工事で申請しますか」と聞き、事業名と工事名を見積書に書いてもらう
  • 「補助金はいつ、どうやって戻りますか」と聞き、共同事業実施規約の案を見せてもらう
  • 「申請できなかった場合、契約の金額はどうなりますか」と聞き、書面に残す
  • 補助額の見込みを、自分でも計算ツールで出して比べる

補助金の上乗せで「実質無料」「負担ゼロ」と言われたときも同じです。みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、平成28年以前に新築された住宅(平成29年以降でも、次世代省エネ基準を満たさないと証明できれば同じ扱い)で、1つの居室の外皮に面するすべての開口部の断熱改修と、住宅の築年と窓の性能区分で決まる躯体の断熱改修などの組み合わせ(躯体の断熱改修が要らない組み合わせもあります)による要件化工事をし、申請する補助額の合計が5万円以上(同じ住宅で他の構成事業の交付決定を受けている場合は2万円以上)であることが条件です。どの家のどの工事でも出るものではないので、条件を満たすかを、見積書の工事名で一緒に確かめてもらいます。

たとえば、営業の人が「窓と玄関で補助金がたくさん出ます」と言ったら、その場で金額を受け入れず、見積書の品番と工事名を手元に残して、次の計算ツールで自分で出してみます。業者の言う額と大きく違えば、その差を質問すれば足ります。

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申請を事業者がする流れと、施主の役目は、窓リノベの申請の記事でも整理しています。

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「補助金で安くなる」という話そのものは、正しいことがあります。見るべきは言葉ではなく、還元の方法と申請できない場合の扱いが、契約前の書面に落ちているかどうかです。

出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式/みらいエコ住宅2026事業「交付申請等の要件について(リフォーム)」/国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」

補助金の登録業者でも優良の印ではない

補助金を扱える業者かどうかは、住宅省エネ支援事業者の登録で確かめられます。ただし、その登録は「良い業者」の印ではないので、悪徳かどうかの判断には使えません。

登録が要るのは、国の4事業では交付申請や予約までに事業者登録が必要だからで、登録していない業者に頼むと、補助金を申請する人がいなくなります。公式サイトの「住宅省エネ支援事業者の検索」で、住宅の所在地や登録している事業から調べられます。一方で、同じページには、登録は国や事務局が優良な事業者として認定するものではないと書かれ、みらいエコ住宅2026事業の要件書は、優良と誤って受け取られるおそれのある広報を事業者がしてはならないとまで定めています。

  • 検索に出るのは、登録した事業者のうち公表を希望した事業者だけ
  • 検索に出てこない事業者の登録の有無は、事業者に直接聞くか、消費者は問い合わせ窓口で確かめる
  • 登録は「補助金を申請できるか」の物差しで、「工事の質」や「見積の妥当さ」の物差しではない
  • 「国の認定業者です」「国の登録だから安心」という言い方は、登録の意味を取り違えている

たとえば、「うちは国に登録された補助金の認定業者です」と名乗る営業がいたら、「登録事業者番号を見積書に書いてもらえますか」と頼み、自分で検索します。番号があれば補助金を申請できる会社だとは分かりますが、そこから先、工事の中身と金額を比べる作業は、ほかの会社と同じように必要です。

検索の使い方と見積書への書き方、建設業の許可やリフォームかし保険の確かめ方は、見積の取り方の記事と外壁塗装の会社選びの記事で詳しく扱っています。

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登録は足切りに使い、選ぶのは見積と書面で、という順番を崩さないことです。「登録しているから任せていい」でも「登録していないから悪徳」でもありません。

出典:住宅省エネ支援事業者の検索/みらいエコ住宅2026事業 公式サイト

急かされたら別の会社の見積と並べる

「今日決めてくれたら安くします」「補助金が終わる前に」と急かされたら、その場で決めず、別の会社の見積と並べてから決めます。値段が本当に安いかは、比べる相手がいて初めて分かるからです。

その場で決めさせようとするのは、比べられると困る理由があるからかもしれません。国民生活センターも、「この場で契約するなら特別に安く」という言葉に対して、実際には相場より高い場合もあるとし、1社だけでなく複数社から見積を取って比べること、質問にあいまいな返答しかしない業者とは契約しないことを勧めています。国の補助金も、受付は予算の上限に達するまで(みらいエコ住宅2026事業のリフォームは遅くとも2026年12月31日まで)で、終わる時期は予算の状況しだいです。「今日までです」と言われたら、その根拠を聞いてください。予算の状況は、ページ上部の帯と予算残のページで自分で確かめられます。

急かされたときに決めるまでの順番
  1. 1その日は決めない見積書と名刺だけ受け取り、家族と相談すると伝える
  2. 2同じ条件を紙にする工事の場所・範囲・品番の希望を1枚にまとめる
  3. 3別の会社に頼む同じ紙で2〜3社に見積を出してもらう
  4. 4行で並べる工事の範囲と品番がそろっているかを見てから金額を比べる

比べるときは、合計の金額より、同じ工事の範囲になっているかを先に見ます。訪問で来た会社の見積に入っていない工事が別の会社の見積に入っていれば、差は範囲の差で、どちらが高いとは言えません。見積書の欄の読み方は、見積の取り方の記事にまとめてあります。

たとえば、訪問の会社から屋根と外壁を一緒に勧められたら、「屋根だけ」「屋根と外壁」の2通りで別の会社にも見積を頼みます。外壁はまだ傷んでいないと別の会社が言えば、一緒にやる理由は薄くなります。急ぎの修理で業者を呼んだときの注意は、トイレの業者探しの記事にあります。

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急かされたときに強いのは、断る言葉より、比べる見積が手元にあることです。「ほかの会社にも同じ条件で頼んでいます」と言えば、まっとうな会社はそれで引き下がりますし、引き下がらない会社は、その態度が判断材料になります。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

家を建てた会社や、前に頼んだことのある会社に声をかけられるなら、そこに同じ紙を渡すだけで比べる相手はそろいます。それでも、訪問の会社の見積と並べたいのに、同じ工事を頼めそうな会社が近所に思い当たらない場合は、比べる相手を探すところで足が止まります。ハピすむは、希望を伝えるとリフォームコンシェルジュが加盟審査を通った会社から選んで紹介する無料の見積比較サービスなので、紹介された会社にも同じ紙を渡し、登録事業者番号と契約前の書面をこの記事の手順どおりに確かめてください。

ハピすむで比べる相手の会社に見積を頼む

契約書は署名の前に5つの欄を見る

契約書は、署名の前に5つの欄がそろっているかを見ます。総額と内訳、支払いの時期と方法、工事の時期、補助金の扱い、クーリング・オフの事項です。

この5つを見る理由は、訪問販売の書面に書くべきことが法律で決まっていて、その中に代金、支払いの時期と方法、工事を行う時期、クーリング・オフの事項が入っているからです。ここが空欄だったり「別途」「一式」だけだったりすると、あとで「そんな約束はしていない」と言われても、施主の側に証拠が残りません。補助金の欄は法律の項目ではありませんが、上で見たとおり、補助金を前提にした金額なら、還元と申請できなかった場合の扱いを書面に残しておく必要があります。

欄 確かめること
総額と内訳 工事の場所・範囲・品番が見積書と同じか、「一式」だけで終わっていないか
支払い 前金の額と時期、残りをいつ払うか、ローンを組むなら誰と結ぶ契約か
工事の時期 着工日と完了日、遅れたときの扱い
補助金 事業名、補助金を引く前と後の金額、申請できなかった場合の金額
クーリング・オフ 解除できることと、その方法が書かれているか

前金を多く求められる契約は、とくに慎重に見ます。工事の前に大きな額を払うと、工事が始まらないまま連絡が取れなくなったときに取り戻すのが大変だからです。支払いを工事の進み具合に合わせて分けられないか、聞いてみてかまいません。

たとえば、契約書の補助金の欄に「補助金適用後の金額」だけが書かれ、補助金を引く前の金額が無い場合は、申請できなかったときに自分がいくら払うのかが分かりません。「補助金が出なかった場合の金額も書いてください」と頼み、それを嫌がる会社とは契約を見送ります。

「書類はあとで送ります」と言われて、何も受け取らずに署名するのは避けます。書面を受け取った日が、次の項で見るクーリング・オフの期間の起点になるので、受け取った日も控えておきます。見積書の欄の読み方そのものは、見積の取り方の記事が詳しいので、契約書と見積書を並べて確かめてください。

出典:e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」

家で契約したらクーリング・オフを確かめる

電卓とノートパソコン

自宅など、会社の営業所以外の場所で申込みや契約をした場合は、訪問販売のクーリング・オフで、決められた期間内なら理由を言わずに解除できます。工事がすでに始まっていても、解除できる場合があります。

クーリング・オフが設けられているのは、突然の訪問では、比べる時間も考える時間もないまま契約しやすいからです。法律は、解除したときに業者が違約金や損害賠償を求められないこと、工事がすでに行われていてもその代金を求められないこと、受け取ったお金は速やかに返すこと、工事で家の状態が変わったときは元に戻す工事を無償で求められることまで定めています。電話で勧誘され、郵便などで申込みや契約をした場合(電話勧誘販売)にも、同じ仕組みがあります。

計算例

特定商取引法 第9条(訪問販売における契約の申込みの撤回等)=営業所等以外の場所で申込み・契約をした申込者等は、書面又は電磁的記録により申込みの撤回又は契約の解除ができる。ただし、第5条第1項又は第2項の書面を受領した日(その日前に第4条第1項の書面を受領した場合はその日)から起算して八日を経過した場合(事業者が不実のことを告げたり威迫したりしたことで期間内にできなかった場合は、改めて交付された書面を受領した日から起算して八日)はこの限りでない。第2項=通知を発した時に効力を生ずる。第3項=損害賠償又は違約金の支払を請求できない。第5項=役務が提供されたときも、役務の対価その他の金銭の支払を請求できない。第6項=金銭を受領しているときは速やかに返還。第7項=土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求できる。第8項=これらに反する特約で申込者等に不利なものは無効。第24条=電話勧誘販売で郵便等により申込み・契約をした場合も、書面を受領した日から起算して八日を経過するまで申込みの撤回等ができる。いずれも e-Gov法令API で2026年10月21日に取得。

通知は、出した日が分かる方法(特定記録郵便や簡易書留など)で出し、契約日・工事名・契約金額・会社名と、契約を解除することを書きます。書き方の細かい点は、外壁塗装の会社選びの記事にあります。

  • 前金を払っていれば、返金を求めることも書き添える
  • ローンを組んでいれば、ローンの会社にも同じ時期に知らせる

気をつけたいのは、「自分から呼んだのだから、クーリング・オフはできない」と思い込むことです。法律は、自分から自宅での契約を求めた人に対する訪問販売を外していますが、消費者庁は、それに当たるのは、もともと契約するつもりがあり、自宅で契約したいとはっきり伝えた場合だと説明しています。鍵の修理を頼んだ事例で、チラシの表示額と実際の請求額に相当な開きがあるときは、適用除外の対象とはならないと考えられる、としています。ほかの工事にそのまま当てはまるとは限りません。

計算例

特定商取引法 第26条第6項第1号=第4条から第10条までの規定は「その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売」については適用しない(e-Gov法令API で2026年10月21日に取得)。消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」Q2・A2=「請求した者」とは、購入者が契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有し、その住居において当該契約の申込み又は締結を行いたい旨の明確な意思表示をした場合が該当する。チラシの表示額と実際の請求額に相当な開きがある事例では「請求した者」とはいえず、適用除外の対象とはならないと考えられる(2026年10月21日に確認)。

たとえば、点検に来た業者と外壁の契約をし、足場が組まれて工事が始まってから「やはりやめたい」と思った場合でも、書面を受け取ってから決められた期間内なら、解除の通知を出せます。すでに行われた工事の代金を払う必要はなく、工事で家の状態が変わっていれば、元に戻す工事も無償で求められます。ただ、工事が進むほど話はこじれやすいので、迷っているなら着工の前に通知を出すほうが安全です。

訪問販売に当たるか、期間内かは契約の経緯で変わるので、迷ったら契約書と受け取った書面を手元に置いて188に電話してください。

出典:e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」/消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」

期間を過ぎても取り消せる場合がある

クーリング・オフの期間を過ぎてしまっても、契約を取り消せる道が残っていることがあります。勧誘のときに事実と違うことを言われていた場合や、必要な量を大きく超える契約だった場合です。

法律は、訪問販売の勧誘で、工事の中身や代金、そして「その工事が必要な事情」について事実と違うことを告げることを禁じています。「屋根が浮いていて、このままでは雨漏りする」と言われた内容が事実でなかったなら、それはこの「必要な事情」についての話です。事実と違うことを言われて信じて契約した場合は、取り消せることがあり、日常生活で通常必要な分量を大きく超える契約にも、解除の仕組みがあります。

計算例

特定商取引法 第6条第1項=訪問販売の勧誘に際し、次の事項につき不実のことを告げる行為をしてはならない。第1号 役務の種類及びこれらの内容等/第2号 役務の対価/第6号「顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項」など。第3項=人を威迫して困惑させてはならない。第9条の3第1項=第6条第1項に違反する不実告知、同条第2項に違反する故意の事実不告知で誤認して申込み又は承諾の意思表示をしたときは、取り消すことができる。第4項=取消権は、追認をすることができる時から一年間行わないとき、又は契約の締結の時から五年を経過したときは消滅する。第9条の2=日常生活において通常必要とされる回数、期間若しくは分量を著しく超えて役務の提供を受ける契約などは、申込みの撤回等ができる(契約の締結を必要とする特別の事情があったときを除く)。第2項=この権利は、契約の締結の時から一年以内に行使しなければならない。いずれも e-Gov法令API で2026年10月21日に取得。国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」も、クーリング・オフ期間を過ぎても解約できる場合があるとしている。

  • 勧誘で言われたことは、日付と言葉をメモに残す(家族に聞いた内容でもよい)
  • 点検のときに見せられた写真や動画は、送ってもらって保存する
  • 別の会社に同じ場所を見てもらい、本当に傷んでいたかを確かめる
  • 契約が複数あるなら、契約書を日付順に並べておく

たとえば、親が訪問の業者と屋根、外壁、床下と次々に契約していたことに、数か月たってから気づいたとします。その場合も、あきらめる前に、契約書をすべて集めて、勧誘のときに何と言われたかを親に聞き取り、消費生活センターに相談します。必要のない工事を重ねて契約させる手口は、国民生活センターや住まいるダイヤルも「次々販売」として注意を呼びかけています。

取り消せるかどうかは、勧誘のときの言葉が事実と違っていたかで決まり、施主の側でそれを示す材料が要ります。だからこそ、契約の前後の言葉と写真を残しておくことが、期間を過ぎたあとでも身を守る手段になります。

出典:e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」/国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」

迷ったら188と住まいるダイヤルに相談する

契約を取り消したい、業者と話がこじれた、という相談は、消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターにつないでもらいます。工事の中身や見積の妥当さを専門家に聞きたいときは、住まいるダイヤルを使います。

相談先が2つあるのは、受け持ちが違うからです。消費生活センターは、契約の取消しやクーリング・オフ、業者との交渉の進め方といった、契約のトラブルの相談を受けます。住まいるダイヤルは、国土交通大臣が指定した住まいの相談窓口で、建築士が電話で相談に乗り、契約前の見積書を見てもらうサービスや、専門家との対面の相談も用意しています。国民生活センターも、リフォームの相談先として両方を案内しています。

相談先 向いている相談 用意するもの
消費者ホットライン188(消費生活センター) 解除したい・取り消したい・請求に納得できない 契約書・受け取った書面・支払いの記録・勧誘のメモ
住まいるダイヤル(電話相談) 工事の中身や不具合、業者とのやりとり 見積書・契約書・図面や写真
住まいるダイヤル(見積チェック) 契約前の見積書が妥当か知りたい 契約前の見積書(契約したあとは使えない)
保険会社・保険代理店 「保険で直せる」と言われた 保険証券・被害の写真

「保険を使えば自己負担なしで直せる」と勧められたときは、業者ではなく、自分が契約している保険会社か代理店に直接聞くよう、国民生活センターは呼びかけています。火災保険で直せるかの考え方は、雨漏り修理の記事で扱っています。

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188は、電話で郵便番号などを入れると、近くの市区町村や都道府県の消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえる仕組みで、相談そのものは無料です(通話料はかかります)。たとえば、離れて暮らす親の家に業者が出入りしていると気づいたら、まず親の手元の契約書と書面を写真で送ってもらい、それを見ながら188に電話して、どの窓口に相談すればいいかを案内してもらいます。

相談するのに、悪徳かどうかの確信は要りません。「この契約をこのまま進めていいか分からない」という段階で電話してかまいません。

出典:消費者庁「消費者ホットライン」/住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)/国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」

補助金を使わない・急がないほうがいい場合

補助金は使えるなら使いたいものですが、勧誘をきっかけにしたリフォームでは、補助金を理由に決めないほうがいい場合があります。次のような場面では、補助金を使わない、あるいは契約を急がない判断も選択肢です。

  • 補助金の条件を満たすために、もともと考えていなかった工事を足すよう勧められている場合
  • 「補助金が終わる前に」と急かされ、別の会社の見積を取る時間が無い場合
  • 補助金を引いた後の金額しか示されず、引く前の金額と申請できなかった場合の扱いが書面に無い場合
  • 突然来た業者の点検の結果だけを根拠に、工事が必要だと言われている場合
  • 市区町村の助成を使いたいのに、その要綱で契約や着工の前の手続きを確かめていない場合

補助金は工事費の一部が戻る仕組みなので、補助金のために工事を足すと、戻る額より増えた工事費のほうが大きくなることがあります。補助金があるから契約するのではなく、やりたい工事が決まっていて、それがたまたま対象に入るかを見る、という順番が筋です。国の補助金の受付は予算の上限に達した時点で終わるため、終わる時期は予算の状況で変わります。「今日までです」と業者に言われても、予算残の帯と見比べて、別の会社の見積を取る時間があるかを確かめられます。

市区町村の助成は、契約や着工の前の申請を条件にしているものがあり、先に契約すると使えなくなることがあります。使いたい場合は、業者を決める前に住所で探しておきます。

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反対に急いだほうがいいのは、雨漏りや水漏れが今まさに起きている場合です。そのときは補助金を調べるより先に、応急の手当てを頼みます。ただし、急ぐのは応急の手当てまでで、大きな工事の契約まで同じ日に決める必要はありません。

判断の順番は、「その工事は本当に要るか」「書面と見積に納得できるか」「そのうえで補助金が使えるか」です。補助金は3番目で、1番目と2番目を曲げてまで合わせるものではありません。

よくある質問

悪徳業者のリストや一覧はありますか?

名前の一覧はあまり当てにせず、言葉と書面で見分けるほうが確かです。一覧に載るのは過去に問題が表に出た会社だけで、載っていない会社が安全とは限りません。特定商取引法にもとづく処分の状況は、消費者庁の特定商取引法ガイドの「執行状況」で公表されているので、気になる会社は社名で調べてみてもかまいません。

「たった一言」で悪徳業者を見抜けますか?

一言で見抜ける方法はありません。それより、「ほかの会社にも同じ条件で見積を頼んでいます」と伝えたときの反応と、契約前の書面がそろっているかを見るほうが確かです。

自分から呼んだ業者でもクーリング・オフはできますか?

自分から呼んだだけで外れるわけではありません。消費者庁は、法律が外しているのは、もともと契約するつもりで自宅での契約をはっきり求めた場合だと説明し、鍵の修理を頼んで、チラシの表示額と実際の請求額に相当な開きがあった事例は、外れないと考えられるとしています。ほかの工事は事情で変わるので、迷ったら188に相談してください。

「補助金の申請は全部やります」と言われました。任せて大丈夫ですか?

国の住宅の補助金は、そもそも登録事業者が申請するので、申請を任せること自体はふつうです。確かめるのは、事業名と工事名、補助金がいつどうやって戻るか、申請できなかった場合の金額で、還元の方法や申請できなかった場合の扱いは、交付申請の前に共同事業実施規約という書面で合意するので、契約の前に案を見せてもらってください。書面の話が出てこないなら、契約を急がないでください。

工事が始まってからでもクーリング・オフできますか?

訪問販売に当たる契約で、書面を受け取ってから決められた期間内なら、工事が始まっていても解除できます。すでに行われた工事の代金は求められず、工事で家の状態が変わっていれば、元に戻す工事も無償で求められます。期間内かどうかは書面を受け取った日で決まるので、受け取った日を確かめてください。

親の契約のことで、家族が代わりに相談できますか?

まずは家族が188に電話して、どの窓口に相談すればいいかの案内を受けてください。その前に、親の手元にある契約書と受け取った書面、支払いの記録をそろえ、勧誘のときに何と言われたかを聞き取っておくと、話が早く進みます。親本人が話す必要があるかどうかも、相談先で確かめられます。

見積を見る前のおさらい

  1. 悪徳業者は名前のリストではなく、訪問の最初の名乗りと、契約前の書面で見分ける
  2. 突然の訪問には点検させず、その日は帰ってもらう。断った相手への再勧誘は法律で禁じられている
  3. 「補助金で安くなる」は、申請は登録事業者・補助金は事業者に交付されて施主に還元・還元の方法と申請できない場合の扱いを共同事業実施規約という書面で合意、という仕組みで確かめる
  4. 住宅省エネ支援事業者の登録は、補助金を申請できるかの物差しで、優良の認定ではない
  5. 急かされたら、同じ条件の紙で別の会社の見積を取り、範囲をそろえて並べる
  6. 契約書は、総額と内訳・支払い・工事の時期・補助金・クーリング・オフの5つの欄を署名の前に見る
  7. 訪問販売に当たる契約なら、書面を受け取った日から決められた期間内はクーリング・オフできる。工事が始まっていても解除できる場合があり、自分で呼んだ業者でも、クーリング・オフの対象から外れない場合がある
  8. 期間を過ぎても、事実と違うことを言われて契約したなら取り消せる場合がある。言葉と写真を残しておく
  9. 契約のトラブルは188、工事や見積の中身は住まいるダイヤルに相談する

悪徳業者を避けるいちばん確かな方法は、相手を見抜く勘を磨くことではなく、どの会社にも同じ紙を渡し、同じ書面を求めることです。まっとうな会社にとっては当たり前の手間で、そうでない会社にとっては避けたい手間なので、その差がそのまま見分ける材料になります。補助金の話は、その書面がそろってから乗せるもので、書面より先に金額だけが走り出したら、一度止まって別の会社に聞いてみてください。

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この記事を書いた人

リフォーム補助金・見積の窓口編集部です。リフォームの補助金と見積りについて、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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